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21. 王宮
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結構な距離を歩いた。
辻馬車を使おうかとも言ってくれた。だけれど、クスファーさんと二人で歩いてみたいなと思った。
…が、結構な時間がかかり、あたりはすっかり暗くなってしまった。
「ごめんなさい。私がワガママ言ったばかりに…かなり遅くなってしまって。」
「いや、そんなに遅くなってはいないよ。それに、王宮は暗くなってもやっているから大丈夫だ。ただ、今は国王陛下は食事中だろうから、先に俺達も軽い食事をとってこよう。」
…ええと。
なぜ、国王陛下が食事中だと私達も食事をとるのでしょうか。先にって、後から何があるの…。国王陛下に会うって言う事?国で一番偉い人に??
「国王陛下に会うのですか?」
「そうだね。泊まるには許可もいるし。ただまぁ、陛下の場合は君に話が聞きたいのだと思うよ。今日会ったおきよさん、覚えてる?国王陛下は、その人の子供だからね。異世界が気になるみたいだよ。」
えー!確かにそんな事言ってたのは覚えてるけど。そうなの?何を話せばいいの?
それに…会社で言う取引先に話す感じでいいのかな。いや、社長に会う言葉遣い?うーむ…。
「あ、大丈夫だよ。非公式だから。俺も一緒に部屋に行かせてもらうし。そう思い詰めないで。」
「いやー良く来た良く来た!さ、そこに座って!さあさあ!」
「あなたったら。驚いているわよ。ようこそ来てくれました。今日は、親戚のおじさんとおばさんに会った感じて話してね。」
無理です!こんな煌びやかな親戚はおりませんから!
この応接室は、落ち着いた雰囲気の布製のソファが木製のテーブルを挟んであるだけの部屋だった。
入るとすでに国王陛下と王妃様が紅茶を飲んでいらした。そこにお邪魔する形での訪問となったのだ。
国王陛下は黒に少し白髪が混じった肩まで伸びた髪。恰幅もよく、若々しく感じた。40代か50代位の年齢ね。
王妃様はサラサラの真っ直ぐ腰まで伸びた金髪。細身で、でもこちらも綺麗な人で若々しい。年齢は多分国王陛下と同じ位だろうけれど30代と言っても通りそうだ。
「失礼します。今日はそれでいくのですね?ではおじさん、リンを数日王宮に泊めてもらえますか?」
クスファーさんがいきなりそう言った。私は、ギョッとして隣に座ったクスファーさんを見たがクスファーさんは普通に言っているので、そういう感じで話せばいいのかと納得した。
「おう、後で案内させる。ところでリンよ。ヤマトテイに行ったのか?」
「はい、行きました。素敵なお店ですね。おきよさん、とても優しい方でした。懐かしい味でしたし。」
私は思った事を言った。すると、陛下はうんうんと首を縦に振って話した。
「そうか。それは良かった。あそこは異世界を模した店らしいからな。私にとったらコメも美味いんだが王宮にいる人々の口には、毎日は飽きるらしくて。なかなかここでは食べられんのだよ。」
「立場があってたまにしか行けないのが淋しいのよね。」
「ああ。母上は、父上が亡くなって、もうここには用はないとヤマトテイで寝泊まりもしているからな。おおそうだ。リンもニッポンから来たんだったな?」
「はい。だから、あの店はとても懐かしく感じました。」
「そうか…役に立っておるんだな。」
「王都にあるパン屋のパン、種類を増やしたのはあなたが考案したの?」
「はい。作る事は出来ないですけど、こんなパンはないの?と聞いたら腕のいいパン職人が作ってくれました。」
「そう。素晴らしいわ。」
「なんだよ。お前はパンが好きだから選ぶ種類が増えたのが嬉しいんだろう。」
「ふふふ。コメ派じゃないのが不服なのですって。」
そうやって少し話していると、壁と同化していた人物が陛下の元へやってきて、言った。
「陛下、そろそろお時間です。」
「なんだ。もうか。仕方ないの。リン。好きなだけ泊まりなさい。だが、クスファーと一緒にコーフィス侯爵家へ行くのだろう?またいつでも話しに来なさいよ。なんたって親戚のおじさんとおばさんなんだからな!」
そう言って、国王陛下と王妃様は部屋を出て行かれた。
「はー緊張した-!!」
「そうか?お疲れ。よく頑張ったな。」
「おじさんって何?大丈夫なの?」
「陛下が自らおっしゃっていただろう?そういう設定でと言われたなら従うまでさ。それに、親戚のおじさんとおばさんに話したんだから、非公式であるだろ?」
なるほど…そういうものなのね。でも本当に親戚のおじさんとおばさんみたいに気さくだったわね。
「さぁ、リンもそろそろ部屋に案内してもらおう。」
辻馬車を使おうかとも言ってくれた。だけれど、クスファーさんと二人で歩いてみたいなと思った。
…が、結構な時間がかかり、あたりはすっかり暗くなってしまった。
「ごめんなさい。私がワガママ言ったばかりに…かなり遅くなってしまって。」
「いや、そんなに遅くなってはいないよ。それに、王宮は暗くなってもやっているから大丈夫だ。ただ、今は国王陛下は食事中だろうから、先に俺達も軽い食事をとってこよう。」
…ええと。
なぜ、国王陛下が食事中だと私達も食事をとるのでしょうか。先にって、後から何があるの…。国王陛下に会うって言う事?国で一番偉い人に??
「国王陛下に会うのですか?」
「そうだね。泊まるには許可もいるし。ただまぁ、陛下の場合は君に話が聞きたいのだと思うよ。今日会ったおきよさん、覚えてる?国王陛下は、その人の子供だからね。異世界が気になるみたいだよ。」
えー!確かにそんな事言ってたのは覚えてるけど。そうなの?何を話せばいいの?
それに…会社で言う取引先に話す感じでいいのかな。いや、社長に会う言葉遣い?うーむ…。
「あ、大丈夫だよ。非公式だから。俺も一緒に部屋に行かせてもらうし。そう思い詰めないで。」
「いやー良く来た良く来た!さ、そこに座って!さあさあ!」
「あなたったら。驚いているわよ。ようこそ来てくれました。今日は、親戚のおじさんとおばさんに会った感じて話してね。」
無理です!こんな煌びやかな親戚はおりませんから!
この応接室は、落ち着いた雰囲気の布製のソファが木製のテーブルを挟んであるだけの部屋だった。
入るとすでに国王陛下と王妃様が紅茶を飲んでいらした。そこにお邪魔する形での訪問となったのだ。
国王陛下は黒に少し白髪が混じった肩まで伸びた髪。恰幅もよく、若々しく感じた。40代か50代位の年齢ね。
王妃様はサラサラの真っ直ぐ腰まで伸びた金髪。細身で、でもこちらも綺麗な人で若々しい。年齢は多分国王陛下と同じ位だろうけれど30代と言っても通りそうだ。
「失礼します。今日はそれでいくのですね?ではおじさん、リンを数日王宮に泊めてもらえますか?」
クスファーさんがいきなりそう言った。私は、ギョッとして隣に座ったクスファーさんを見たがクスファーさんは普通に言っているので、そういう感じで話せばいいのかと納得した。
「おう、後で案内させる。ところでリンよ。ヤマトテイに行ったのか?」
「はい、行きました。素敵なお店ですね。おきよさん、とても優しい方でした。懐かしい味でしたし。」
私は思った事を言った。すると、陛下はうんうんと首を縦に振って話した。
「そうか。それは良かった。あそこは異世界を模した店らしいからな。私にとったらコメも美味いんだが王宮にいる人々の口には、毎日は飽きるらしくて。なかなかここでは食べられんのだよ。」
「立場があってたまにしか行けないのが淋しいのよね。」
「ああ。母上は、父上が亡くなって、もうここには用はないとヤマトテイで寝泊まりもしているからな。おおそうだ。リンもニッポンから来たんだったな?」
「はい。だから、あの店はとても懐かしく感じました。」
「そうか…役に立っておるんだな。」
「王都にあるパン屋のパン、種類を増やしたのはあなたが考案したの?」
「はい。作る事は出来ないですけど、こんなパンはないの?と聞いたら腕のいいパン職人が作ってくれました。」
「そう。素晴らしいわ。」
「なんだよ。お前はパンが好きだから選ぶ種類が増えたのが嬉しいんだろう。」
「ふふふ。コメ派じゃないのが不服なのですって。」
そうやって少し話していると、壁と同化していた人物が陛下の元へやってきて、言った。
「陛下、そろそろお時間です。」
「なんだ。もうか。仕方ないの。リン。好きなだけ泊まりなさい。だが、クスファーと一緒にコーフィス侯爵家へ行くのだろう?またいつでも話しに来なさいよ。なんたって親戚のおじさんとおばさんなんだからな!」
そう言って、国王陛下と王妃様は部屋を出て行かれた。
「はー緊張した-!!」
「そうか?お疲れ。よく頑張ったな。」
「おじさんって何?大丈夫なの?」
「陛下が自らおっしゃっていただろう?そういう設定でと言われたなら従うまでさ。それに、親戚のおじさんとおばさんに話したんだから、非公式であるだろ?」
なるほど…そういうものなのね。でも本当に親戚のおじさんとおばさんみたいに気さくだったわね。
「さぁ、リンもそろそろ部屋に案内してもらおう。」
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