11 / 26
11 交流 カフェにて
しおりを挟む
「はー、結構いろいろ見たら喉が渇いたよね。」
馬車は一周し、降りるとすぐそのようにビリエルが言った。馬車に乗っていた時間は三十分くらいではあったが、アウロラも確かに何か飲みたいと思ったため、頷く。
それに気を良くしたのか、ビリエルはまた手をいきなり掴んで近くにあるカフェの方へと誘った。
どうやら、そのカフェは林檎や葡萄など、このエーレブルー国で獲れる特産物の果実を使った飲み物を提供しているようだ。貴族だけでなく、商家など裕福な庶民なのか、身なりも小ぎれいないろいろな人が出入りしている。店内でも飲めるし、持ち帰りもできるようで手に飲み物を持って出てくる人もそれなりにいて繁盛しているようだ。
「じゃあ、あのカフェに入ろうか。」
(どうして移動するのに手を勝手に掴むの?いい加減、一言言おうかしら?でももうどこから伝えたらいいのか分からないわ。)
アウロラはこれを飲んだら今日は帰ると言おうと思いながら、引っ張られるがままついて行くと、カフェの入り口で白い膝丈のワンピースを着た女性が一人、腰に手を当てて何やら大きな声で叫んでいるのが見えた。
「ちょっと!どうしてくれんのよ!!」
「ごめんなさい!」
「ごめんじゃ済まないわよ!お気に入りの服なのよ!あんたたちが一生稼いでも足りない値段のワンピースよ!どうしてくれんのよ!
あんたたちうちで、タダ働きでもしてもらいましょうか!!」
「申し訳ありません…」
「謝って済む問題じゃないわ!!どうすんのよ!?」
喚いている女性に隠れて見えなかったが、よく見ると傍には七歳くらいの子が、膝から薄く血を流し目に涙を溜めて謝罪の言葉を口にして立っていたが、着ている服も茶色く土がついて汚れている。そのすぐ下の地面にはグラスだろうか、割れた破片が飛び散っていた。きっとカフェで買った飲み物が入っていたのだろう、周りも少し濡れていた。その子供の隣には、母親だろうか、彼女もまた腰を折って謝っているのが見えた。
と、アウロラは勢いよく手を離された事で、危うく倒れそうになったがどうにか踏ん張ったところで、視線を前に向けるとビリエルは一人、その女性の方へ早足で向かっていて話し掛けたのだ。
「そこの素敵なお嬢さん!
どうされたんです?」
「誰よ!?」
「申し遅れました。僕は、ビリエル=ショールバリ。侯爵家の長男です。」
「こ…侯爵家、の長男…!?」
その女性は、いきなりビリエルが近づいてきて話し掛けてきたので悪態をついたが、侯爵家と聞き、足を大股に開き手を腰に添えて怒りをぶちまけていたその体勢から、すぐに両足を揃えると一つ咳払いをして先ほどよりもワントーン高い声で言葉を返した。
「エエン!
あの…私はディーサ。ディーサ=トルンロースと申しますの。私も侯爵家の娘ですのよ?」
「おお、そうなんですね?ディーサ嬢。今は一体どうされたのです?可愛いお顔が、台無しですよ?」
「まぁ!
だって…見てくださいまし。私のこのワンピース、汚れてしまったんですのよ?」
そう言ってディーサは、ワンピースの裾辺りを指差した。見れば、白いワンピースの下の方に、ほんの少し飲み物が飛び散ったのか小さな水滴ほどの染みが出来ている。
「それは酷い!もしかして、こいつらが?」
「そうなんですのよ?いきなりぶつかってきたのですわ!」
「いえ、ぶつかっては…」
「当たってはないけど…」
「おい!庶民の分際で侯爵家のご令嬢になんて酷い事を…どうしてくれるんだ!?」
ビリエルもディーサの言葉に便乗し、謝っている女性と子供に尚も言い募った。
「も、申し訳ありません…」
「謝って済む問題じゃないだろう!弁償したまえ!」
「そうよそうよ!!」
(…状況は分かったわ。でもだからって、何度もそんなに攻めなくても…)
きっと、子供が転んで、ディーサという女性にカフェで買った飲み物をワンピースに掛けてしまったのだとアウロラは推察した。
けれど、謝っているのに理不尽に言い募られている姿を見てなんだか可哀想になったアウロラは、スタスタと涙を浮かべている女の子の前まで行ってしゃがみ込み、声を掛けた。
「大丈夫?」
「…?!」
女の子はビリエルという見知らぬ男まで責めてくるので余計泣いているように見えたが、いきなりアウロラが近くに来たからか、びっくりしたのか目を見開いた。
「膝、怪我してるわ。あっちに座りましょう?」
そう言うと、店先にあったベンチの空いている場所へ促す。
「ちょっと!何してんの!?今私が話してんのよ!」
ディーサが、アウロラの動作にすかさずケチをつけた所で、ちょうどそこへ、店から背の低い男がグラスを両手に一つずつ持って出て来た。彼は、ディーサの姿を見るや、血相を変える。その男は服装から見て、お付きの者だろうとアウロラは思った。
「デ、ディーサ様!どうされたのです!?もしや、また…?」
「またって何よ!?
お前が飲み物買ってくるのが遅くなったからこんな事になったのよ!」
「こんな事、ですか…?」
そう言って、キョロキョロとアウロラ達を見渡す従者。
「そうだよ!お前、ディーサ嬢の従者か?彼女の身の回りのお世話を怠ったから、こんな事になったんだろう!」
便乗し、ビリエルまでそう怒りをぶつけるが、アウロラは余所の家の使用人に対しても強く出るビリエルが信じられなかった。
「いえ、私めはディーサ様のお申し付け通り果実ジュースを買ってきたまでです。人気な店ですから、長くお待たせする事はあらかじめお伝えしておりました。
それよりも、またディーサ様はなにか面倒ごとを…?」
「だからまた、って何!?」
それを聞き、アウロラはきっとこれではいつまで経っても話が進まないと口を挟んだ。
「あの、今汚してしまわれたのでしたら、早く処置すれば汚れが落ちると思います。飲み物も手にされたようですし、早くお帰りになった方がよろしいのでは?」
「はぁ!?もうこのワンピースは捨てるしか無いでしょ!決まってるじゃない!」
「お気遣いありがとうございます!
ディーサ様、お飲み物も買いましたし、お屋敷へ向かいましょう。お時間は掛かりますが確かに今すぐ迎いましたら汚れが落とせるかもしれません。」
「ええ?だって、でも…」
「もし。
汚れたお召し物を気にされているのでしたら、僕の屋敷にでも来ませんか?タウンハウスで、うちの者に洗わせましょう。その間、うちでゆっくり休めばいいですよ。」
そこでビリエルは自身の髪を掻き上げながらそう言うと、従者は困惑の色を顔に浮かべ言い淀む。
「いえ、そのような…」
「まぁ!宜しくて?
じゃあお前、それを一つ、彼にお渡しなさい。」
従者は遠慮しようとするがディーサは嬉々としてそう言って、従者が買ってきた果実ジュースの一つをビリエルに渡すよう指示をした。
「ええ!?ディーサ様…」
「いいじゃない!お誘いしてくれてるのよ?ほら、早くして!」
「いいのかい?ちょうど喉が渇いてたんだ。
ありがとう、いただくよ。」
ディーサに言われたからと、ビリエルはひったくるように従者からグラスを一つ奪って、ゴクゴクと一気に飲んだ。
「ぷはー!美味しいね!これでアルコールが入ってたらもっと良かったんだけど。」
「まぁ!ウフフ。では連れて行って下さる?」
「もちろん!
…あぁ、アウロラ。そういう事で!じゃあね!」
そう言ってビリエルは、ディーサの手を恭しく取るとまるでスキップしているかのようにリズミカルに歩いて行ってしまった。
アウロラは呆気にとられたが、今はこの子供の怪我の手当てをと思い出し、母親らしき人へと声を掛けたのだった。
馬車は一周し、降りるとすぐそのようにビリエルが言った。馬車に乗っていた時間は三十分くらいではあったが、アウロラも確かに何か飲みたいと思ったため、頷く。
それに気を良くしたのか、ビリエルはまた手をいきなり掴んで近くにあるカフェの方へと誘った。
どうやら、そのカフェは林檎や葡萄など、このエーレブルー国で獲れる特産物の果実を使った飲み物を提供しているようだ。貴族だけでなく、商家など裕福な庶民なのか、身なりも小ぎれいないろいろな人が出入りしている。店内でも飲めるし、持ち帰りもできるようで手に飲み物を持って出てくる人もそれなりにいて繁盛しているようだ。
「じゃあ、あのカフェに入ろうか。」
(どうして移動するのに手を勝手に掴むの?いい加減、一言言おうかしら?でももうどこから伝えたらいいのか分からないわ。)
アウロラはこれを飲んだら今日は帰ると言おうと思いながら、引っ張られるがままついて行くと、カフェの入り口で白い膝丈のワンピースを着た女性が一人、腰に手を当てて何やら大きな声で叫んでいるのが見えた。
「ちょっと!どうしてくれんのよ!!」
「ごめんなさい!」
「ごめんじゃ済まないわよ!お気に入りの服なのよ!あんたたちが一生稼いでも足りない値段のワンピースよ!どうしてくれんのよ!
あんたたちうちで、タダ働きでもしてもらいましょうか!!」
「申し訳ありません…」
「謝って済む問題じゃないわ!!どうすんのよ!?」
喚いている女性に隠れて見えなかったが、よく見ると傍には七歳くらいの子が、膝から薄く血を流し目に涙を溜めて謝罪の言葉を口にして立っていたが、着ている服も茶色く土がついて汚れている。そのすぐ下の地面にはグラスだろうか、割れた破片が飛び散っていた。きっとカフェで買った飲み物が入っていたのだろう、周りも少し濡れていた。その子供の隣には、母親だろうか、彼女もまた腰を折って謝っているのが見えた。
と、アウロラは勢いよく手を離された事で、危うく倒れそうになったがどうにか踏ん張ったところで、視線を前に向けるとビリエルは一人、その女性の方へ早足で向かっていて話し掛けたのだ。
「そこの素敵なお嬢さん!
どうされたんです?」
「誰よ!?」
「申し遅れました。僕は、ビリエル=ショールバリ。侯爵家の長男です。」
「こ…侯爵家、の長男…!?」
その女性は、いきなりビリエルが近づいてきて話し掛けてきたので悪態をついたが、侯爵家と聞き、足を大股に開き手を腰に添えて怒りをぶちまけていたその体勢から、すぐに両足を揃えると一つ咳払いをして先ほどよりもワントーン高い声で言葉を返した。
「エエン!
あの…私はディーサ。ディーサ=トルンロースと申しますの。私も侯爵家の娘ですのよ?」
「おお、そうなんですね?ディーサ嬢。今は一体どうされたのです?可愛いお顔が、台無しですよ?」
「まぁ!
だって…見てくださいまし。私のこのワンピース、汚れてしまったんですのよ?」
そう言ってディーサは、ワンピースの裾辺りを指差した。見れば、白いワンピースの下の方に、ほんの少し飲み物が飛び散ったのか小さな水滴ほどの染みが出来ている。
「それは酷い!もしかして、こいつらが?」
「そうなんですのよ?いきなりぶつかってきたのですわ!」
「いえ、ぶつかっては…」
「当たってはないけど…」
「おい!庶民の分際で侯爵家のご令嬢になんて酷い事を…どうしてくれるんだ!?」
ビリエルもディーサの言葉に便乗し、謝っている女性と子供に尚も言い募った。
「も、申し訳ありません…」
「謝って済む問題じゃないだろう!弁償したまえ!」
「そうよそうよ!!」
(…状況は分かったわ。でもだからって、何度もそんなに攻めなくても…)
きっと、子供が転んで、ディーサという女性にカフェで買った飲み物をワンピースに掛けてしまったのだとアウロラは推察した。
けれど、謝っているのに理不尽に言い募られている姿を見てなんだか可哀想になったアウロラは、スタスタと涙を浮かべている女の子の前まで行ってしゃがみ込み、声を掛けた。
「大丈夫?」
「…?!」
女の子はビリエルという見知らぬ男まで責めてくるので余計泣いているように見えたが、いきなりアウロラが近くに来たからか、びっくりしたのか目を見開いた。
「膝、怪我してるわ。あっちに座りましょう?」
そう言うと、店先にあったベンチの空いている場所へ促す。
「ちょっと!何してんの!?今私が話してんのよ!」
ディーサが、アウロラの動作にすかさずケチをつけた所で、ちょうどそこへ、店から背の低い男がグラスを両手に一つずつ持って出て来た。彼は、ディーサの姿を見るや、血相を変える。その男は服装から見て、お付きの者だろうとアウロラは思った。
「デ、ディーサ様!どうされたのです!?もしや、また…?」
「またって何よ!?
お前が飲み物買ってくるのが遅くなったからこんな事になったのよ!」
「こんな事、ですか…?」
そう言って、キョロキョロとアウロラ達を見渡す従者。
「そうだよ!お前、ディーサ嬢の従者か?彼女の身の回りのお世話を怠ったから、こんな事になったんだろう!」
便乗し、ビリエルまでそう怒りをぶつけるが、アウロラは余所の家の使用人に対しても強く出るビリエルが信じられなかった。
「いえ、私めはディーサ様のお申し付け通り果実ジュースを買ってきたまでです。人気な店ですから、長くお待たせする事はあらかじめお伝えしておりました。
それよりも、またディーサ様はなにか面倒ごとを…?」
「だからまた、って何!?」
それを聞き、アウロラはきっとこれではいつまで経っても話が進まないと口を挟んだ。
「あの、今汚してしまわれたのでしたら、早く処置すれば汚れが落ちると思います。飲み物も手にされたようですし、早くお帰りになった方がよろしいのでは?」
「はぁ!?もうこのワンピースは捨てるしか無いでしょ!決まってるじゃない!」
「お気遣いありがとうございます!
ディーサ様、お飲み物も買いましたし、お屋敷へ向かいましょう。お時間は掛かりますが確かに今すぐ迎いましたら汚れが落とせるかもしれません。」
「ええ?だって、でも…」
「もし。
汚れたお召し物を気にされているのでしたら、僕の屋敷にでも来ませんか?タウンハウスで、うちの者に洗わせましょう。その間、うちでゆっくり休めばいいですよ。」
そこでビリエルは自身の髪を掻き上げながらそう言うと、従者は困惑の色を顔に浮かべ言い淀む。
「いえ、そのような…」
「まぁ!宜しくて?
じゃあお前、それを一つ、彼にお渡しなさい。」
従者は遠慮しようとするがディーサは嬉々としてそう言って、従者が買ってきた果実ジュースの一つをビリエルに渡すよう指示をした。
「ええ!?ディーサ様…」
「いいじゃない!お誘いしてくれてるのよ?ほら、早くして!」
「いいのかい?ちょうど喉が渇いてたんだ。
ありがとう、いただくよ。」
ディーサに言われたからと、ビリエルはひったくるように従者からグラスを一つ奪って、ゴクゴクと一気に飲んだ。
「ぷはー!美味しいね!これでアルコールが入ってたらもっと良かったんだけど。」
「まぁ!ウフフ。では連れて行って下さる?」
「もちろん!
…あぁ、アウロラ。そういう事で!じゃあね!」
そう言ってビリエルは、ディーサの手を恭しく取るとまるでスキップしているかのようにリズミカルに歩いて行ってしまった。
アウロラは呆気にとられたが、今はこの子供の怪我の手当てをと思い出し、母親らしき人へと声を掛けたのだった。
197
あなたにおすすめの小説
メイド令嬢は毎日磨いていた石像(救国の英雄)に求婚されていますが、粗大ゴミの回収は明日です
有沢楓花
恋愛
エセル・エヴァット男爵令嬢は、二つの意味で名が知られている。
ひとつめは、金遣いの荒い実家から追い出された可哀想な令嬢として。ふたつめは、何でも綺麗にしてしまう凄腕メイドとして。
高給を求めるエセルの次の職場は、郊外にある老伯爵の汚屋敷。
モノに溢れる家の終活を手伝って欲しいとの依頼だが――彼の偉大な魔法使いのご先祖様が残した、屋敷のガラクタは一筋縄ではいかないものばかり。
高価な絵画は勝手に話し出し、鎧はくすぐったがって身よじるし……ご先祖様の石像は、エセルに求婚までしてくるのだ。
「毎日磨いてくれてありがとう。結婚してほしい」
「石像と結婚できません。それに伯爵は、あなたを魔法資源局の粗大ゴミに申し込み済みです」
そんな時、エセルを後妻に貰いにきた、という男たちが現れて連れ去ろうとし……。
――かつての救国の英雄は、埃まみれでひとりぼっちなのでした。
この作品は他サイトにも掲載しています。
【完結】想い人がいるはずの王太子殿下に求婚されまして ~不憫な王子と勘違い令嬢が幸せになるまで~
Rohdea
恋愛
──私は、私ではない“想い人”がいるはずの王太子殿下に求婚されました。
昔からどうにもこうにも男運の悪い侯爵令嬢のアンジェリカ。
縁談が流れた事は一度や二度では無い。
そんなアンジェリカ、実はずっとこの国の王太子殿下に片想いをしていた。
しかし、殿下の婚約の噂が流れ始めた事であっけなく失恋し、他国への留学を決意する。
しかし、留学期間を終えて帰国してみれば、当の王子様は未だに婚約者がいないという。
帰国後の再会により再び溢れそうになる恋心。
けれど、殿下にはとても大事に思っている“天使”がいるらしい。
更に追い打ちをかけるように、殿下と他国の王女との政略結婚の噂まで世間に流れ始める。
今度こそ諦めよう……そう決めたのに……
「私の天使は君だったらしい」
想い人の“天使”がいるくせに。婚約予定の王女様がいるくせに。
王太子殿下は何故かアンジェリカに求婚して来て───
★★★
『美人な姉と間違って求婚されまして ~望まれない花嫁が愛されて幸せになるまで~』
に、出て来た不憫な王太子殿下の話になります!
(リクエストくれた方、ありがとうございました)
未読の方は一読された方が、殿下の不憫さがより伝わるような気がしています……
【完結】溺愛される意味が分かりません!?
もわゆぬ
恋愛
正義感強め、口調も強め、見た目はクールな侯爵令嬢
ルルーシュア=メライーブス
王太子の婚約者でありながら、何故か何年も王太子には会えていない。
学園に通い、それが終われば王妃教育という淡々とした毎日。
趣味はといえば可愛らしい淑女を観察する事位だ。
有るきっかけと共に王太子が再び私の前に現れ、彼は私を「愛しいルルーシュア」と言う。
正直、意味が分からない。
さっぱり系令嬢と腹黒王太子は無事に結ばれる事が出来るのか?
☆カダール王国シリーズ 短編☆
【完】嫁き遅れの伯爵令嬢は逃げられ公爵に熱愛される
えとう蜜夏
恋愛
リリエラは母を亡くし弟の養育や領地の執務の手伝いをしていて貴族令嬢としての適齢期をやや逃してしまっていた。ところが弟の成人と婚約を機に家を追い出されることになり、住み込みの働き口を探していたところ教会のシスターから公爵との契約婚を勧められた。
お相手は公爵家当主となったばかりで、さらに彼は婚約者に立て続けに逃げられるといういわくつきの物件だったのだ。
少し辛辣なところがあるもののお人好しでお節介なリリエラに公爵も心惹かれていて……。
22.4.7女性向けホットランキングに入っておりました。ありがとうございます 22.4.9.9位,4.10.5位,4.11.3位,4.12.2位
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
【完結】氷の王太子に嫁いだら、毎晩甘やかされすぎて困っています
22時完結
恋愛
王国一の冷血漢と噂される王太子レオナード殿下。
誰に対しても冷たく、感情を見せることがないことから、「氷の王太子」と恐れられている。
そんな彼との政略結婚が決まったのは、公爵家の地味な令嬢リリア。
(殿下は私に興味なんてないはず……)
結婚前はそう思っていたのに――
「リリア、寒くないか?」
「……え?」
「もっとこっちに寄れ。俺の腕の中なら、温かいだろう?」
冷酷なはずの殿下が、新婚初夜から優しすぎる!?
それどころか、毎晩のように甘やかされ、気づけば離してもらえなくなっていた。
「お前の笑顔は俺だけのものだ。他の男に見せるな」
「こんなに可愛いお前を、冷たく扱うわけがないだろう?」
(ちょ、待ってください! 殿下、本当に氷のように冷たい人なんですよね!?)
結婚してみたら、噂とは真逆で、私にだけ甘すぎる旦那様だったようです――!?
【完結】憧れの人の元へ望まれて嫁いだはずなのに「君じゃない」と言われました
Rohdea
恋愛
特別、目立つ存在でもないうえに、結婚適齢期が少し過ぎてしまっていた、
伯爵令嬢のマーゴット。
そんな彼女の元に、憧れの公爵令息ナイジェルの家から求婚の手紙が……
戸惑いはあったものの、ナイジェルが強く自分を望んでくれている様子だった為、
その話を受けて嫁ぐ決意をしたマーゴット。
しかし、いざ彼の元に嫁いでみると……
「君じゃない」
とある勘違いと誤解により、
彼が本当に望んでいたのは自分ではなかったことを知った────……
狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します
ちより
恋愛
侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。
愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。
頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。
公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。
【完結】美人な姉と間違って求婚されまして ~望まれない花嫁が愛されて幸せになるまで~
Rohdea
恋愛
───私は美しい姉と間違って求婚されて花嫁となりました。
美しく華やかな姉の影となり、誰からも愛されずに生きて来た伯爵令嬢のルチア。
そんなルチアの元に、社交界でも話題の次期公爵、ユリウスから求婚の手紙が届く。
それは、これまで用意された縁談が全て流れてしまっていた“ルチア”に届いた初めての求婚の手紙だった!
更に相手は超大物!
この機会を逃してなるものかと父親は結婚を即快諾し、あれよあれよとルチアは彼の元に嫁ぐ事に。
しかし……
「……君は誰だ?」
嫁ぎ先で初めて顔を合わせたユリウスに開口一番にそう言われてしまったルチア。
旦那様となったユリウスが結婚相手に望んでいたのは、
実はルチアではなく美しくも華やかな姉……リデルだった───
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる