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11. 再び馬車乗り場前で
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アイビーやエイダと話し、午前中の早い時間はエイダと靴磨きをし、その後ここへ来て理髪師をする事とした。
エイダは、レナが理髪師の仕事をする間ここでゆっくり休憩したり、買い物に出る事もすると言った。
(一緒にいてもらって悪いなぁ…。)
とレナが思うが、言葉にすればエイダはきっとまたレナが心配だと言って笑ってくれるのだろうとレナは思って言わないでおいた。
エイダは時々、レナが奴隷船か何かに乗せられて逃げのびた人だと思っている節があるので、レナが心配だと過保護に世話をやいてくれるのだ。
翌日、また一日が始まる。
レナは、今日から理髪師としてやっていくんだと少し緊張しながらもエイダの仕事を手伝いに行った。
「今日はまた、馬車乗り場にしようか。」
エイダはそう言ってまた、馬車乗り場の隣に腰を下ろした。
と、また前回のお客さんが馬車の停留所で並んでいてこちらを見て気づいたようで列から外れて来た。
「また、靴磨きをやるのか?」
(金髪が日に当たってキラキラと輝いているわ!イケメンだなぁ…。目の保養ね!)
レナはそう思いながらも、話しかけられたので言葉を返す。エイダはまだ荷物を並べていたのだ。
「はい!一昨日も来てくれましたよね!また磨いてもいいのですか?」
それにしても、靴磨きってそんな頻繁にするもの?と思って聞くと、男性は苦笑いしながら答える。
「あぁ…ちょっと訳あってすぐに泥だらけになってしまうんだ。家に帰って磨いても、すぐに泥だらけになるから諦めていたんだが…やってもらえるならありがたい。お願いしよう。」
(すぐに泥だらけになるって、どうして?でも、またお客さんになってくれるならありがたいものね。)
「はい!準備がありますから、少しだけお待ちいただけますか?…エイダさん、磨いて欲しいそうです。」
「え?あぁ…いらっしゃいませ!はいはい、どうぞ!」
エイダは準備をしていてお客さんに気づいていないようだったが、レナがそう言うと慌ててそう言って、その男性の靴磨きをしだした。
(それにしても…エイダさんの靴磨きって本当に職人技だわ。馬車に乗る前の僅かな時間でピッカピカに仕上げちゃうんだもの。)
「ありがとう。一昨日も思ったが、本当に職人技だな。昨日はここに居なかったから残念に思ってしまったよ。」
その男性はそう言って、多めに払った。
「お客さん!ダメだよ、これ返すよ!」
エイダは、多く入れられた分を手に持ってその男性へと返そうとするが、
「いや、いいんだ。あなたよりかなり時間が掛かってその料金の倍以上請求してくる靴磨き屋を知っている。あなたのその短時間でその出来栄えは一流だ。本当に助かるからとっておいてくれ。…あなたがいたから、靴磨きをやるのだと気づいたよありがとう!では。」
とエイダとレナへ言うと、また馬車乗り場の列へと並びに行ってしまった。
エイダはと言うとそのように褒められて、
「いやだよぅ…でも嬉しいね。有難く頂いておくよ。」
と照れながらもそう言った。
(すごいなぁ。あんな身なりも整っていて地位も有りそうな人に言われるなんて。…私もまたあんなイケメンと話せて嬉しかったな!)
レナはそう思ってエイダを見るが、エイダがいるその向こうの建物の近くで動いているものを見つけた。
(あ!あれって、この前のヨークシャーテリア?)
黒い毛の塊ようなそれはやはりヨタヨタと歩いている。
(どうしよう…今は、エイダさんの靴磨きに付き合うって決めたからな…。)
レナは、せっかくハサミを手に入れたから手入れをしてあげたいと思うけれど、一昨日も見つけて今日も見つけたから、きっとまたすぐ見つけられるだろうと、そちらに視線を向けながらもエイダさんの客寄せに精を出した。
エイダは、レナが理髪師の仕事をする間ここでゆっくり休憩したり、買い物に出る事もすると言った。
(一緒にいてもらって悪いなぁ…。)
とレナが思うが、言葉にすればエイダはきっとまたレナが心配だと言って笑ってくれるのだろうとレナは思って言わないでおいた。
エイダは時々、レナが奴隷船か何かに乗せられて逃げのびた人だと思っている節があるので、レナが心配だと過保護に世話をやいてくれるのだ。
翌日、また一日が始まる。
レナは、今日から理髪師としてやっていくんだと少し緊張しながらもエイダの仕事を手伝いに行った。
「今日はまた、馬車乗り場にしようか。」
エイダはそう言ってまた、馬車乗り場の隣に腰を下ろした。
と、また前回のお客さんが馬車の停留所で並んでいてこちらを見て気づいたようで列から外れて来た。
「また、靴磨きをやるのか?」
(金髪が日に当たってキラキラと輝いているわ!イケメンだなぁ…。目の保養ね!)
レナはそう思いながらも、話しかけられたので言葉を返す。エイダはまだ荷物を並べていたのだ。
「はい!一昨日も来てくれましたよね!また磨いてもいいのですか?」
それにしても、靴磨きってそんな頻繁にするもの?と思って聞くと、男性は苦笑いしながら答える。
「あぁ…ちょっと訳あってすぐに泥だらけになってしまうんだ。家に帰って磨いても、すぐに泥だらけになるから諦めていたんだが…やってもらえるならありがたい。お願いしよう。」
(すぐに泥だらけになるって、どうして?でも、またお客さんになってくれるならありがたいものね。)
「はい!準備がありますから、少しだけお待ちいただけますか?…エイダさん、磨いて欲しいそうです。」
「え?あぁ…いらっしゃいませ!はいはい、どうぞ!」
エイダは準備をしていてお客さんに気づいていないようだったが、レナがそう言うと慌ててそう言って、その男性の靴磨きをしだした。
(それにしても…エイダさんの靴磨きって本当に職人技だわ。馬車に乗る前の僅かな時間でピッカピカに仕上げちゃうんだもの。)
「ありがとう。一昨日も思ったが、本当に職人技だな。昨日はここに居なかったから残念に思ってしまったよ。」
その男性はそう言って、多めに払った。
「お客さん!ダメだよ、これ返すよ!」
エイダは、多く入れられた分を手に持ってその男性へと返そうとするが、
「いや、いいんだ。あなたよりかなり時間が掛かってその料金の倍以上請求してくる靴磨き屋を知っている。あなたのその短時間でその出来栄えは一流だ。本当に助かるからとっておいてくれ。…あなたがいたから、靴磨きをやるのだと気づいたよありがとう!では。」
とエイダとレナへ言うと、また馬車乗り場の列へと並びに行ってしまった。
エイダはと言うとそのように褒められて、
「いやだよぅ…でも嬉しいね。有難く頂いておくよ。」
と照れながらもそう言った。
(すごいなぁ。あんな身なりも整っていて地位も有りそうな人に言われるなんて。…私もまたあんなイケメンと話せて嬉しかったな!)
レナはそう思ってエイダを見るが、エイダがいるその向こうの建物の近くで動いているものを見つけた。
(あ!あれって、この前のヨークシャーテリア?)
黒い毛の塊ようなそれはやはりヨタヨタと歩いている。
(どうしよう…今は、エイダさんの靴磨きに付き合うって決めたからな…。)
レナは、せっかくハサミを手に入れたから手入れをしてあげたいと思うけれど、一昨日も見つけて今日も見つけたから、きっとまたすぐ見つけられるだろうと、そちらに視線を向けながらもエイダさんの客寄せに精を出した。
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