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4. 領地の祭り
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毎年、ソルディーニ伯爵の領地、ウディネでは仮装祭りがある。
庶民も貴族も、身分関係なく正体が分からないよう仮面を被ったり全く違う変装をしたりして、街を出歩くのだ。
それは昼の十二時から始まり、夜にかけて盛り上がりを見せる。日が暮れ始めると、街の中心部でダンスパーティーとなるのだ。そして朝日が昇るまでそれは続く。
相手の正体が分からない為に、身分関係なく、分け隔てなく会話を楽しんだり、ダンスを楽しんだりするのだ。
アルフォンシーナは以前から、仮面を被って参加するのはいつもと違う自分になるようでわくわくしながら参加していたのだが、笑わなくなって初めての八歳の仮装祭りの年は、仮面を被れる為に表情を隠す事が出来るから安心して参加出来ると思った。
だが。
仮装祭りに近づくにつれて、何故か姉二人に参加するのかとしつこいほどに聞かれた。
毎年参加しているのだから、アルフォンシーナにとってそれは食事を摂るのと同じように習慣化されていたので、何故何度も確認するのかが疑問だった。
「ブルニルタお姉様、何故聞くのですか?参加しますわ。」
「そう?本当ね?絶対よ!」
「カンディダお姉様も何故聞くのですか?毎年の習慣ですから参加しますわ。」
「あらそう?よかった。気が変わらないでね!」
当日。
アルフォンシーナは、毎年同じ飾り気のない仮面を被り、ドレスは黄緑色にして出掛けようとした。
「アルフォンシーナ!夕方、一度帰って来てちょうだい!」
母のベルティーナが慌ててアルフォンシーナへと声を掛ける。
「え?ええ。分かったわ、お母様。」
昼間は、建物の外に出店が並んでいる。
簡易机の上に敷物を敷いただけの出店ではあるが、食べ物が売っていたり、雑貨が売っていたりして見ているだけでとても楽しい。
いつもは店を構えていない人も、領主のバジーリオに申請をすれば、販売する事が出来るとあって、家にあった要らなくなった物を売っている人もいる。
(ふふふ。仮面を被っているから、なにも気にする事なく、堂々と話し掛ける事が出来るわ!)
アルフォンシーナは、領地を出歩く事はあっても庶民と会話をする事はほとんどない。あったとしても、貴族であるアルフォンシーナが話し掛ければ庶民は緊張し、うまく会話をする事が出来ない。
だが、仮面を被っていれば、庶民も貴族と話していい事になっている為、普通に友達のように話す事が出来るのだ。
アルフォンシーナは、毎年、それが面白いと楽しみにしていた。
街へ行けば、相手が分からなくとも皆が皆、会話を楽しんでいる。
日も暮れかけ、アルフォンシーナは一度屋敷へと戻った。ベルティーナが一度戻って来てと言ったからだ。
「ただいま。」
「アルフォンシーナ様!お帰りなさいませ。さぁ、こちらへ。」
侍女のビオンダが待ってましたとばかりに出迎えてくれると、連れて行かれた先はなぜか応接室の扉の前で立ち止まった。
「ビオンダ?」
「アルフォンシーナ様。こちらにお客様がお待ちです。よろしいですか?仮面を被っておられるのですから、楽しめばよろしいですからね。」
そう念を押し、ビオンダは去って行った。
(一体、どうしたって言うのよ…。お客様って?お母様の計らいかしら。)
アルフォンシーナはそう思ったが、まぁ会話をするくらいいいかと扉を叩いた。
先ほどまで街中でも仮面を被った人達と話してきたのだ。それと大して変わらないだろうと思った。
「どうぞ。」
低く、それでいて優しい、どこか懐かしい声だった。アルフォンシーナは緊張し、それでも戸惑いながらも入って行く。
「来てくれて良かった。ええと…今日は仮装祭りなんだよね?初めて参加するから、案内してくれると嬉しいな。」
「は、はい…。」
誰だろうか。仮面を被っているから分からない。髪は短く、色は赤茶色の髪色だった。
アルフォンシーナはそれでも、お祭りなのだからと楽しもうと思った。
それに、自分の領地で開催される祭りが初めて参加すると言った彼に、少しでも楽しかったと思ってもらえるといいなと思ったのだ。
「あぁ、緊張ないでね。俺の事は、そうだなぁ…フレードとでも呼んで欲しい。」
「フレード…様?」
「この祭りは、身分関係ないんだよね?だったら、様はいらないよ。敬語も必要ない。そうだよね?
君の事は、なんて呼んだらいいかな?」
「はい…ええ。私は…シーナと。」
「分かった。シーナ、連れていってくれるかい?」
「分かったわ!フレード、行きましょ!」
(なんだか面白そうね!お母様のお知り合いかしら?服装は動き易そうな飾り気のない服だけれど、しっかりとした生地のようだから貴族かと思ったのよね。でも、顔が見えないように仮面を付けているし、まぁ今回限りでしょう。)
フレードとシーナとして、屋台で軽い食事をして、近くを散策し、最後は広場で火を囲みながら踊りを見ていた頃には、だいぶ打ち解けていた。
「いつもはシーナはあの輪に入って踊るの?」
「そうね…誘われたら行くわ。でも、私は皆が踊っているのを見るのが好きだから、少し離れた所で見ているのよ。」
「ふうん…じゃあ俺が誘ったら、一緒に踊ってくれる?」
「え?フレード踊れるの?いいわよ!行きましょう!」
どちらからとも無く手を繋いでその輪に入った二人の距離が近くなる。
フレードの背丈は、アルフォンシーナの頭一つ分以上高く、そちらに視線を合わせば仮面の目の部分のくり抜かれた隙間から見える鮮やかな緑色の瞳に吸い込まれそうになる。
アルフォンシーナは、少しだけ心がドキドキと高鳴った。昨年までは誰と踊ってもこんな気持ちにはなった事がなかった。
それに、フレードに触れた時、爽やかな香りがした。以前どこかで嗅いだ事のあるような、それでいて懐かしい香り。
それがどこで嗅いだのかまでは思い出せなかった。
ーーー
ーー
ー
そして、次の年もその次の年も、その彼は仮装祭りの時に、夕方に来て案内してくれと言ってきた。
アルフォンシーナも、だんだんと待ち遠しいと思った頃に訪れなくなった。一通の短い手紙が代わりに申し訳なさそうに届いた。
〝今年、行けなくて済まない。一緒に参加したかったからとても残念だ。〟
アルフォンシーナは、その手紙を引き出しの奥へとしまったのだった。
庶民も貴族も、身分関係なく正体が分からないよう仮面を被ったり全く違う変装をしたりして、街を出歩くのだ。
それは昼の十二時から始まり、夜にかけて盛り上がりを見せる。日が暮れ始めると、街の中心部でダンスパーティーとなるのだ。そして朝日が昇るまでそれは続く。
相手の正体が分からない為に、身分関係なく、分け隔てなく会話を楽しんだり、ダンスを楽しんだりするのだ。
アルフォンシーナは以前から、仮面を被って参加するのはいつもと違う自分になるようでわくわくしながら参加していたのだが、笑わなくなって初めての八歳の仮装祭りの年は、仮面を被れる為に表情を隠す事が出来るから安心して参加出来ると思った。
だが。
仮装祭りに近づくにつれて、何故か姉二人に参加するのかとしつこいほどに聞かれた。
毎年参加しているのだから、アルフォンシーナにとってそれは食事を摂るのと同じように習慣化されていたので、何故何度も確認するのかが疑問だった。
「ブルニルタお姉様、何故聞くのですか?参加しますわ。」
「そう?本当ね?絶対よ!」
「カンディダお姉様も何故聞くのですか?毎年の習慣ですから参加しますわ。」
「あらそう?よかった。気が変わらないでね!」
当日。
アルフォンシーナは、毎年同じ飾り気のない仮面を被り、ドレスは黄緑色にして出掛けようとした。
「アルフォンシーナ!夕方、一度帰って来てちょうだい!」
母のベルティーナが慌ててアルフォンシーナへと声を掛ける。
「え?ええ。分かったわ、お母様。」
昼間は、建物の外に出店が並んでいる。
簡易机の上に敷物を敷いただけの出店ではあるが、食べ物が売っていたり、雑貨が売っていたりして見ているだけでとても楽しい。
いつもは店を構えていない人も、領主のバジーリオに申請をすれば、販売する事が出来るとあって、家にあった要らなくなった物を売っている人もいる。
(ふふふ。仮面を被っているから、なにも気にする事なく、堂々と話し掛ける事が出来るわ!)
アルフォンシーナは、領地を出歩く事はあっても庶民と会話をする事はほとんどない。あったとしても、貴族であるアルフォンシーナが話し掛ければ庶民は緊張し、うまく会話をする事が出来ない。
だが、仮面を被っていれば、庶民も貴族と話していい事になっている為、普通に友達のように話す事が出来るのだ。
アルフォンシーナは、毎年、それが面白いと楽しみにしていた。
街へ行けば、相手が分からなくとも皆が皆、会話を楽しんでいる。
日も暮れかけ、アルフォンシーナは一度屋敷へと戻った。ベルティーナが一度戻って来てと言ったからだ。
「ただいま。」
「アルフォンシーナ様!お帰りなさいませ。さぁ、こちらへ。」
侍女のビオンダが待ってましたとばかりに出迎えてくれると、連れて行かれた先はなぜか応接室の扉の前で立ち止まった。
「ビオンダ?」
「アルフォンシーナ様。こちらにお客様がお待ちです。よろしいですか?仮面を被っておられるのですから、楽しめばよろしいですからね。」
そう念を押し、ビオンダは去って行った。
(一体、どうしたって言うのよ…。お客様って?お母様の計らいかしら。)
アルフォンシーナはそう思ったが、まぁ会話をするくらいいいかと扉を叩いた。
先ほどまで街中でも仮面を被った人達と話してきたのだ。それと大して変わらないだろうと思った。
「どうぞ。」
低く、それでいて優しい、どこか懐かしい声だった。アルフォンシーナは緊張し、それでも戸惑いながらも入って行く。
「来てくれて良かった。ええと…今日は仮装祭りなんだよね?初めて参加するから、案内してくれると嬉しいな。」
「は、はい…。」
誰だろうか。仮面を被っているから分からない。髪は短く、色は赤茶色の髪色だった。
アルフォンシーナはそれでも、お祭りなのだからと楽しもうと思った。
それに、自分の領地で開催される祭りが初めて参加すると言った彼に、少しでも楽しかったと思ってもらえるといいなと思ったのだ。
「あぁ、緊張ないでね。俺の事は、そうだなぁ…フレードとでも呼んで欲しい。」
「フレード…様?」
「この祭りは、身分関係ないんだよね?だったら、様はいらないよ。敬語も必要ない。そうだよね?
君の事は、なんて呼んだらいいかな?」
「はい…ええ。私は…シーナと。」
「分かった。シーナ、連れていってくれるかい?」
「分かったわ!フレード、行きましょ!」
(なんだか面白そうね!お母様のお知り合いかしら?服装は動き易そうな飾り気のない服だけれど、しっかりとした生地のようだから貴族かと思ったのよね。でも、顔が見えないように仮面を付けているし、まぁ今回限りでしょう。)
フレードとシーナとして、屋台で軽い食事をして、近くを散策し、最後は広場で火を囲みながら踊りを見ていた頃には、だいぶ打ち解けていた。
「いつもはシーナはあの輪に入って踊るの?」
「そうね…誘われたら行くわ。でも、私は皆が踊っているのを見るのが好きだから、少し離れた所で見ているのよ。」
「ふうん…じゃあ俺が誘ったら、一緒に踊ってくれる?」
「え?フレード踊れるの?いいわよ!行きましょう!」
どちらからとも無く手を繋いでその輪に入った二人の距離が近くなる。
フレードの背丈は、アルフォンシーナの頭一つ分以上高く、そちらに視線を合わせば仮面の目の部分のくり抜かれた隙間から見える鮮やかな緑色の瞳に吸い込まれそうになる。
アルフォンシーナは、少しだけ心がドキドキと高鳴った。昨年までは誰と踊ってもこんな気持ちにはなった事がなかった。
それに、フレードに触れた時、爽やかな香りがした。以前どこかで嗅いだ事のあるような、それでいて懐かしい香り。
それがどこで嗅いだのかまでは思い出せなかった。
ーーー
ーー
ー
そして、次の年もその次の年も、その彼は仮装祭りの時に、夕方に来て案内してくれと言ってきた。
アルフォンシーナも、だんだんと待ち遠しいと思った頃に訪れなくなった。一通の短い手紙が代わりに申し訳なさそうに届いた。
〝今年、行けなくて済まない。一緒に参加したかったからとても残念だ。〟
アルフォンシーナは、その手紙を引き出しの奥へとしまったのだった。
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