【完結】いつも微笑んでいる侯爵様とニコリともしない伯爵令嬢のお話

まりぃべる

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3. この国の学校生活

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 このコネリアーノ国は、貴族たちの間では学校教育があり八歳になると女子は十二歳まで、男子は十四歳までそれぞれの学校生活が待っている。


 そこは、貴族が通う学校であり、女子であればそこで、将来夫を支える為に女はどう有るべきかを学ぶ場所だ。
読み書きから始まり、貴族の階級社会でどう生活し、結婚後も夫をどう支えていくかのいわば淑女教育が中心である。

 男子であればそこで、読み書きから始まり、貴族社会をどう生活していくか、また嫡男以外は家を継ぐ事が出来ない為、どう生き抜くのかを学ぶ。



 アルフォンシーナもまた、八歳でコネリアーノ国営女学校に入学した。


 その時にはすでにアルフォンシーナは笑わなくなっていた為に、姉二人はアルフォンシーナへ助言をする。


「いい?アルフォンシーナ。最初の自己紹介で、『私は顔に表情が出ないのですが、皆さんと一緒に生活していけるのを楽しみにしています』って言うのよ?」

「そうよ、最初が肝心なの。『私は不機嫌に見えるかもしれませんが、不器用なだけです。ぜひお友達になって下さい』って言うのよ?」

「ええ?言うのですか?わざわざ?」

「ええそうよ!」
「そうね、誤解されては今後の学校生活に関わってくるのよ。伝えて損はないわ!」


 それでもアルフォンシーナが自己紹介の時に言わないのを見越して、三歳上のブルニルタは同級生に妹の話を何度もする。


「私の妹は、幼い頃は表情豊かでしたのにいつの間にか笑わなくなってしまったの。どうしたら笑うようになるのかしら。」

「そのせいできっと学校生活が始まってもお友達が出来ないのよ。私は皆さんとお友達になれてとても充実した学校生活を送れているのに。あぁ、妹が可哀想だわ。」


 ブルニルタは明るい性格であるので友人もたくさんいる。その為、ブルニルタの力になろうとする友人もたくさんいたのだ。アルフォンシーナと同学年に妹がいる友人は、それとなくそんなアルフォンシーナを気に掛けるよう伝える友人が多かった。



 カンディダもまた、明るい朗らかな性格であるので気の置けない友人がたくさんいる。その為ブルニルタの友人達と同じように、カンディダがお茶会などで末妹の心配をすれば、親身に力になろうとする友人もたくさんいた。
アルフォンシーナと同学年に妹がいない友人も、大きくなり社交の集まりでアルフォンシーナを見掛ければ、それとなく気を配り、話し掛ける者もいた。

 また弟がいる友人達は、アルフォンシーナの伝え聞いた性格を教え、形だけでもダンスを誘ってあげなさいだの、笑わないからと文句を言ってはいけないだのと親戚のおばさんのように忠告をしていた。

 ソルデーニ伯爵家への忖度があった可能性も無いわけではないが、皆、良くしてくれたのだ。


 そのおかげか、アルフォンシーナは、学校生活でも一人だけ浮く事もなく、それなりに友人も出来、楽しく生活が送れたのだった。


 逆に、口がよく動く姉二人に比べて、末妹であるから遠慮して積極的に意見を述べないところが、アルフォンシーナは聞き上手だと同級生からは捉えられ、相談事をされたりする事も多かった。
 女は、話をしたい生き物。些細な事で盛り上がり、特に恋の話には終わりが尽きなかった。

 そのような時、アルフォンシーナは、よく最後に意見を聞かれる事が多かった。


「…で、アルフォンシーナはどう思うかしら?」

「うーん、それはやっぱり…じゃないのかしらね。」

「そうよね!」
「アルフォンシーナは、すごいわ!」


 アルフォンシーナもまた、愛想が無くとも友人達と楽しく過ごせる事が、とても嬉しく思ったのだった。


 学校を十二歳で卒業してからは、お茶会や、屋敷へ招待し合う事で友人達とも変わらず交流をする。
 アルフォンシーナを招待する家はたくさんあったので、アルフォンシーナは誘われた所へ行くのに忙しかった。


 そして、十四歳で社交界デビューをすると、社交シーズンでは舞踏会やガーデンパーティーなどで友人達と歓談をするのだった。


 アルフォンシーナも、表情は変わらないが、友人達との交流は楽しいと思っていた。
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