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12. 本当に畏怖する人物
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ボニートは、伯爵家といえどもコネリアーノ国で一番影響力のあるバジーリオを怒らせてしまったと焦っていた。しかし、下手に口を開いても余計に怒らせるだけだと考え倦ねている。騎士団長でもあり、普段は決断力も即決する能力も素晴らしくあるのだが、今だけは迷っていた。
ヴァルフレードも、普段優秀である為こんなに怒られた事もない。
また、この婚約の話は昨夜屋敷に帰ってから聞いたのだ。バジーリオ伯爵にも思惑があるが、こちらの打診を受けると言ってくれたのだから朝一にソルディーニ家へ向かうと。その際、『バジーリオ伯爵は、今は地位は違うとはいえ、国王よりも威厳があるお方。節度ある態度でいかねば、婚約話は無くなると思いなさい』と口酸っぱく言われたのだ。
そして、それは、残念ながら的中してしまった。
その為、どう反応すればいいのか迷っている。
しかし、そこでいち早く動いたのは、アルフォンシーナだった。結婚が無くなると言われ、さすがに勝手に決めないで、と思ったからだ。
「お父様?私、先ほどなんとお伝えしたか覚えておりますの?」
「…なにがだ。」
叫び終わり、フーフーと肩で息をしていたが、怒りが少しだけ落ち着いたのだろう。アルフォンシーナの静かな語りかけにバジーリオは言葉だけで対応する。
「私は、落ち着いて、と言いました。私はすでに、何があろうとヴァルフレード様と婚約を結べるものと思っております。お父様はこの話をして下さった時に、私に『選べ』と申しました。だから私は選びましたのよ、ヴァルフレードと婚約を結ぶ事を。それを、お父様の勝手な感情で無かった事にすると仰るのですか?お父様は、私の幸せを勝手に踏みにじると仰るのですか!?」
アルフォンシーナは、静かに怒りを露わにしたのだ。その怒りは、娘を大事に想って言葉を発したと思っていたバジーリオにかなりの衝撃を与えた。
アルフォンシーナもまた、遥か昔、コネリアーノ国の王城がウディネにあった頃の王族の血が流れているのだ。人を黙らせるような圧を発していた。しかも、可愛い愛娘から叱られたのだ。
「あ、アルフォンシーナ…だってね…」
「だってね、ではありません!そもそも、私は七歳の頃の事は覚えていないのです。だから、それは今関係ありません。そうですよね?お父様?」
「うむ…いや、しかし…」
「お父様!!」
「……お前は、ヴァルフレードと結婚したいのか。」
「そう申し上げています!私の言葉を聞いてらっしゃらなかったの!?」
「いや、聞いておったとも。わかった……ボニート殿、ヴァルフレード殿。申し訳無かった。頭に血が上ってしまった。書類を作成していただけるか。」
「…よろしいのですか。」
「う、うむ…アルフォンシーナが言うのだ。確かに素行は、申し訳ないが調べさせてもらっているが、ヴァルフレードは何の問題も無いのだ。むしろこれ以上の人物は探すのに苦労するほどである。
だから、まぁ、アルフォンシーナの相手には不足ない。あのバカ王子の対応も国防軍の協力も必要だろう。済まなかった。よろしく頼む。」
(いやー、一時はどうなるかとおもったが、バジーリオ伯爵の機嫌が持ち直して良かった。真に怒らせると怖いのは、アルフォンシーナ嬢の方かもしれない…。)
(バジーリオ伯爵はさすが国王よりも迫力があったが、それを沈めたアルフォンシーナもすごいな…怒らせないようにしなければ。まぁ、そんな事はないだろうが。)
ボニートとヴァルフレードも、そう心の中で思った。
(しかし…バジーリオ伯爵が言った言葉も気になる。あとで聞いてみたいが、バジーリオ伯爵の機嫌を損ねてもいけないか。アルフォンシーナは覚えていないと言ったし…もし本当に、俺が言った言葉を忠実に守っていたのだとしたら…?何気なくそう思ったのだが、そうなのかもしれない。それであれば俺は…。)
ヴァルフレードはアルフォンシーナヘ償いたいと思った。
ヴァルフレードも、普段優秀である為こんなに怒られた事もない。
また、この婚約の話は昨夜屋敷に帰ってから聞いたのだ。バジーリオ伯爵にも思惑があるが、こちらの打診を受けると言ってくれたのだから朝一にソルディーニ家へ向かうと。その際、『バジーリオ伯爵は、今は地位は違うとはいえ、国王よりも威厳があるお方。節度ある態度でいかねば、婚約話は無くなると思いなさい』と口酸っぱく言われたのだ。
そして、それは、残念ながら的中してしまった。
その為、どう反応すればいいのか迷っている。
しかし、そこでいち早く動いたのは、アルフォンシーナだった。結婚が無くなると言われ、さすがに勝手に決めないで、と思ったからだ。
「お父様?私、先ほどなんとお伝えしたか覚えておりますの?」
「…なにがだ。」
叫び終わり、フーフーと肩で息をしていたが、怒りが少しだけ落ち着いたのだろう。アルフォンシーナの静かな語りかけにバジーリオは言葉だけで対応する。
「私は、落ち着いて、と言いました。私はすでに、何があろうとヴァルフレード様と婚約を結べるものと思っております。お父様はこの話をして下さった時に、私に『選べ』と申しました。だから私は選びましたのよ、ヴァルフレードと婚約を結ぶ事を。それを、お父様の勝手な感情で無かった事にすると仰るのですか?お父様は、私の幸せを勝手に踏みにじると仰るのですか!?」
アルフォンシーナは、静かに怒りを露わにしたのだ。その怒りは、娘を大事に想って言葉を発したと思っていたバジーリオにかなりの衝撃を与えた。
アルフォンシーナもまた、遥か昔、コネリアーノ国の王城がウディネにあった頃の王族の血が流れているのだ。人を黙らせるような圧を発していた。しかも、可愛い愛娘から叱られたのだ。
「あ、アルフォンシーナ…だってね…」
「だってね、ではありません!そもそも、私は七歳の頃の事は覚えていないのです。だから、それは今関係ありません。そうですよね?お父様?」
「うむ…いや、しかし…」
「お父様!!」
「……お前は、ヴァルフレードと結婚したいのか。」
「そう申し上げています!私の言葉を聞いてらっしゃらなかったの!?」
「いや、聞いておったとも。わかった……ボニート殿、ヴァルフレード殿。申し訳無かった。頭に血が上ってしまった。書類を作成していただけるか。」
「…よろしいのですか。」
「う、うむ…アルフォンシーナが言うのだ。確かに素行は、申し訳ないが調べさせてもらっているが、ヴァルフレードは何の問題も無いのだ。むしろこれ以上の人物は探すのに苦労するほどである。
だから、まぁ、アルフォンシーナの相手には不足ない。あのバカ王子の対応も国防軍の協力も必要だろう。済まなかった。よろしく頼む。」
(いやー、一時はどうなるかとおもったが、バジーリオ伯爵の機嫌が持ち直して良かった。真に怒らせると怖いのは、アルフォンシーナ嬢の方かもしれない…。)
(バジーリオ伯爵はさすが国王よりも迫力があったが、それを沈めたアルフォンシーナもすごいな…怒らせないようにしなければ。まぁ、そんな事はないだろうが。)
ボニートとヴァルフレードも、そう心の中で思った。
(しかし…バジーリオ伯爵が言った言葉も気になる。あとで聞いてみたいが、バジーリオ伯爵の機嫌を損ねてもいけないか。アルフォンシーナは覚えていないと言ったし…もし本当に、俺が言った言葉を忠実に守っていたのだとしたら…?何気なくそう思ったのだが、そうなのかもしれない。それであれば俺は…。)
ヴァルフレードはアルフォンシーナヘ償いたいと思った。
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