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23. そこに居たのは
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「あーもう!アレッシアがなぜここに居るのかしら!全く!こんな所に落ちてくるなんて!!しかも私達が片付けしなきゃなんないじゃない!面倒だわ!
枯草、どんだけ拾えばいいのよー!」
「まぁまぁ、落ち着きなさいよ。ほら、さっさとやって!終わらなかったら大変だわ!」
そのような張り上げるような声が聞こえる、先ほどアレッシアが落ちた飼育用の食料庫へと辿り着いたアレッシアとフィオリーノは、入り口で一度立ち止まった。
アレッシアは、聞いた事のあるような声だなぁと思いながら中を覗くと、泥で汚れた枯草を台車に載せている同じ年頃の女の子達を見て、声を上げた。
「カルメラ?それに、ダイラ?」
すると作業をしていた二人が振り向いて、苦虫をかみつぶしたような顔をして手を止めアレッシアから目を逸らした。
「やっぱり!え?どうしてここに?二人共、結婚って…」
そう言うとアレッシアは中へと入り、二人の元へと近寄った。
「アレッシア、聞いて!私騙されたのよ。私の事を褒めながら『俺についてこない?』って言われたら結婚だと思うじゃない?なのに、ついて来た先はこの鉱山の穴の中!料理の下働きとしての誘い文句だったらしいのよ。だったらはっきり言ってくれたら断ったのに!」
「本当に!私も騙されたわ!じめじめとした日の光も届かない穴の中だから、明るい女の子が仕事していた方が少しでも華やかになっていいのですって!あー素敵な人だったのに騙された!!」
そう言って、二人は誘ってきた男性を思い出したのか足に力を入れ地面を蹴っている。
「そう…そうだったのね。」
アレッシアは実際、どんな男性達がカルメラとダイラに声を掛けたのか見ていないし、信用しない方がいいのでは、と思っていたからそれ以上掛ける言葉が見つからず、そう言うに留めた。
「やっぱり、しがない田舎者じゃあ見初められて結婚、なんて夢のまた夢だったのかしら。」
「悔しいけど、アレッシアの言う事が正しかったわ!」
そう言ったダイラとカルメラは、入り口に男性が立っている事に初めて気づいたようでアレッシアに声を潜めて聞いた。
「ねぇ、あの格好いい人、誰?」
「本当ね。ねぇアレッシア、紹介してよ。」
(紹介してって、この二人の話を聞いたあとにどう言えばいいのかしら。)
と、アレッシアが戸惑いながらフィオリーノへと振り返る。フィオリーノはそれに気づき、アレッシアの横まで来て肩を抱き、挨拶をした。
「ご挨拶が遅れまして。俺はアレッシアの恋人で、フィオリーノだ。
お嬢さん達、失恋をしたのかもしれないが、世の中にはもっと素晴らしい人生が待っている。経験は、その後の人生を華やかにする糧となる。アレッシアが、このイブレア鉱山へ働きに来たようにね。」
「恋人…!?」
「なんで?嘘…!!」
フィオリーノは、入り口でアレッシアとの話を聞いていて、アレッシアの知り合いだろうこの二人に、どうしても自分はアレッシアの恋人だと言いたかった。
それは、アレッシアに対してもそうである。この二人へ男達が口説いた文句と、自分がアレッシアへした誘い文句が似ているようだと感じた為にしっかりと自分の気持ちを言葉にしようと思ったのだ。
そればかりではなく、アレッシアは自ら選んでこの過酷な鉱山に働きに来たからこそ、自分と出会い幸せになれるのだと言ってやりたかった。
フィオリーノは、それとなく横にいるアレッシアを見ると顔を真っ赤にしていて、それを知ったフィオリーノは益々嬉しくなり、アレッシアの肩を抱いた力を、少しだけ強く込めてからさらに続けて言った。
「お嬢さん達、アレッシアが落ちた箇所を片付けてくれて助かる。アレッシアは、片付けてもらって申し訳ないと自らここへ来たんだ。自らね。
アレッシア、片付けをしようか。」
ここへ辿り着いた時にカルメラとダイラの恨めしい言葉を聞いていた。だから、フィオリーノはわざと強調して言った。
「は、はい…。え?フィオリーノさん、あ。フィオリーノも手伝ってくれるの?」
「当たり前だ。その為に来たんだからね。さぁ、汚れてしまった枯草を載せるのだろう。これはどこへ運ぶんだ?お嬢さん達、知ってるのか?」
「は、はい!た、堆肥置き場です!」
「堆肥置き場?どこ?まぁいいや。後で教えて。
そもそも、厨房や食料保管庫も入り口からこんな遠くにあったら材料の搬入なんか大変だろうに。この辺りも改善点か…。」
フィオリーノはブツブツとそう言うと、まだ地面に散らばった泥で汚れた枯草を拾いだした。
☆★
片付けも終え、食堂で夕飯を食べ終えたアレッシアは共に食べていたフィオリーノへと問い掛ける。
「ねぇフィオリーノ。私、ジャンパオロさんとグイドさんにも挨拶って出来ないのかしら。」
「…そうか、そうだな。俺は気が乗らないが、アレッシアがしたいのなら案内するよ。」
浮かない顔をしたフィオリーノがそのように返答すると、立ち上がりお盆を片付けに向かった。
ーー
ー
アレッシアが使っていた部屋からは反対方向の、少し奥まった場所がグイドとジャンパオロの部屋であった。医務室、のような場所であった。
あまり広くはない空間に、ベッドが少し間隔を開けて置かれている。周りの壁は剥き出しの土であるので、自然に出来た場所かもしくは掘って広げたのかとアレッシアは思った。
「あれ?アレッシア!…と、え?」
「ジャンパオロ、ですから言葉遣い!
アレッシア、なんだか久し振りですね。フィオリーノ様とご一緒ですか?」
「あぁ。お前らの様子を見にな。」
「グイドさん、お元気そうで良かった。」
グイドはベッドの上で上半身を起こし、隣のベッドに腰掛けているジャンパオロと話をしているところであった。
「アレッシア、ご心配おかけしました。実は、動いた時に無理をしたのか筋を痛めまして…少し養生させていただいてるのです。全く、不甲斐ないです。」
「仕方ねぇからよ、おれがその分働いてるんだぜ!」
「そうだったのね。お大事にしてね。」
グイドは大した事なかったと聞いたが、それにしてはすぐに部屋に戻って来なかったので、そういう事だったのだと思い、労いの言葉を伝えると、グイドは苦笑いしながら頷いた。
「そういやジャンパオロ、お前はまだそっちで作業をしてるのか?」
「ああ、だってあんま力仕事好きじゃないからさ。せっかくおっさんがおれをこっちへ仕事を融通してくれたんだ。
おかげで、野菜の皮むきが上達したんだぜ、すごいだろ?」
「怪我が耐えないのでこっちはヒヤヒヤさせられるんですけどね。」
「なるほどな、お前らしい。」
「仕事も、どうにか解明出来たしな!これでいつでも帰れるんだけどよ、グイドが良くなるまではまぁもう少し働くさ。」
「ん?すごいじゃないか。お前の手柄だな。頼もしくなったもんだ。」
「だろ!?」
ジャンパオロは誇らしそうにそのように返答する。
(仕事?何の話かしら。)
アレッシアはしかし、話の内容が良く分からず首を傾げる。
「あぁ、アレッシア。ジャンパオロは、あることを調べる為にここへ働きに来たそうだ。ジャンパオロは、これでもアレッシアの国の、第二王子なんだよ。」
「ええ!?」
アレッシアはそのように言われ、体を仰け反るように驚いた。
(そ、そうだったの!?え、私失礼でなかったかしら!?)
「ちょっ…!何で言うんだよ!?」
「フィオリーノ様!?」
フィオリーノがアレッシアへと暴露してしまった事で、ジャンパオロとグイドは狼狽えてしまう。別に、隠しておかなければならない事ではないが、むやみやたらと話していい内容でもない為、なぜアレッシアへと言ってしまったのか疑問を呈す。
「まぁ、いいだろ。アレッシアはそれを知るに値するのだから。
ジャンパオロ、グイド。俺は明日、ここを去る。兄上に報告があるからな。それに伴って、アレッシアを連れて行く。」
それを聞き、ジャンパオロとグイドはますます驚きの声を上げた。
「はぁ!?」
「ど、どうしてでしょうか!?」
「俺がこちらの国のアレッシアを、自国に連れて行く。それがどう意味するのか、お前らなら直接口にしなくても分かるだろう?」
そう意味深に、ニヤリと笑いながらフィオリーノは二人へと伝えると、アレッシアの肩を抱いた。
見せつけるようにされたそれを見てジャンパオロとグイドは顔を見合わせ、ジャンパオロは項垂れてしまった。グイドはジャンパオロを横目で見ながら恐る恐るアレッシアへと問う。
「アレッシア、フィオリーノ様の事はその…ご存じで?」
「え?えぇ…少しは。」
肩に腕を回された事で少し恥ずかしく頬を赤く染めたアレッシアがそれに答えると、フィオリーノは肩に回した手にさらに少し力を入れて自身に引き寄せながら言う。
「まぁ、野暮な事は聞くな。騙しているわけでもないから安心しろ。アレッシアは俺が幸せにする。」
ますます頬を赤らめたアレッシアにそろそろ戻ろうかと言ったフィオリーノは、未だ項垂れているジャンパオロと唖然としているグイドにまたな、と告げると、慌てて『本当にお世話になりました!』と言ったアレッシアを促しながらその部屋をあとにした。
枯草、どんだけ拾えばいいのよー!」
「まぁまぁ、落ち着きなさいよ。ほら、さっさとやって!終わらなかったら大変だわ!」
そのような張り上げるような声が聞こえる、先ほどアレッシアが落ちた飼育用の食料庫へと辿り着いたアレッシアとフィオリーノは、入り口で一度立ち止まった。
アレッシアは、聞いた事のあるような声だなぁと思いながら中を覗くと、泥で汚れた枯草を台車に載せている同じ年頃の女の子達を見て、声を上げた。
「カルメラ?それに、ダイラ?」
すると作業をしていた二人が振り向いて、苦虫をかみつぶしたような顔をして手を止めアレッシアから目を逸らした。
「やっぱり!え?どうしてここに?二人共、結婚って…」
そう言うとアレッシアは中へと入り、二人の元へと近寄った。
「アレッシア、聞いて!私騙されたのよ。私の事を褒めながら『俺についてこない?』って言われたら結婚だと思うじゃない?なのに、ついて来た先はこの鉱山の穴の中!料理の下働きとしての誘い文句だったらしいのよ。だったらはっきり言ってくれたら断ったのに!」
「本当に!私も騙されたわ!じめじめとした日の光も届かない穴の中だから、明るい女の子が仕事していた方が少しでも華やかになっていいのですって!あー素敵な人だったのに騙された!!」
そう言って、二人は誘ってきた男性を思い出したのか足に力を入れ地面を蹴っている。
「そう…そうだったのね。」
アレッシアは実際、どんな男性達がカルメラとダイラに声を掛けたのか見ていないし、信用しない方がいいのでは、と思っていたからそれ以上掛ける言葉が見つからず、そう言うに留めた。
「やっぱり、しがない田舎者じゃあ見初められて結婚、なんて夢のまた夢だったのかしら。」
「悔しいけど、アレッシアの言う事が正しかったわ!」
そう言ったダイラとカルメラは、入り口に男性が立っている事に初めて気づいたようでアレッシアに声を潜めて聞いた。
「ねぇ、あの格好いい人、誰?」
「本当ね。ねぇアレッシア、紹介してよ。」
(紹介してって、この二人の話を聞いたあとにどう言えばいいのかしら。)
と、アレッシアが戸惑いながらフィオリーノへと振り返る。フィオリーノはそれに気づき、アレッシアの横まで来て肩を抱き、挨拶をした。
「ご挨拶が遅れまして。俺はアレッシアの恋人で、フィオリーノだ。
お嬢さん達、失恋をしたのかもしれないが、世の中にはもっと素晴らしい人生が待っている。経験は、その後の人生を華やかにする糧となる。アレッシアが、このイブレア鉱山へ働きに来たようにね。」
「恋人…!?」
「なんで?嘘…!!」
フィオリーノは、入り口でアレッシアとの話を聞いていて、アレッシアの知り合いだろうこの二人に、どうしても自分はアレッシアの恋人だと言いたかった。
それは、アレッシアに対してもそうである。この二人へ男達が口説いた文句と、自分がアレッシアへした誘い文句が似ているようだと感じた為にしっかりと自分の気持ちを言葉にしようと思ったのだ。
そればかりではなく、アレッシアは自ら選んでこの過酷な鉱山に働きに来たからこそ、自分と出会い幸せになれるのだと言ってやりたかった。
フィオリーノは、それとなく横にいるアレッシアを見ると顔を真っ赤にしていて、それを知ったフィオリーノは益々嬉しくなり、アレッシアの肩を抱いた力を、少しだけ強く込めてからさらに続けて言った。
「お嬢さん達、アレッシアが落ちた箇所を片付けてくれて助かる。アレッシアは、片付けてもらって申し訳ないと自らここへ来たんだ。自らね。
アレッシア、片付けをしようか。」
ここへ辿り着いた時にカルメラとダイラの恨めしい言葉を聞いていた。だから、フィオリーノはわざと強調して言った。
「は、はい…。え?フィオリーノさん、あ。フィオリーノも手伝ってくれるの?」
「当たり前だ。その為に来たんだからね。さぁ、汚れてしまった枯草を載せるのだろう。これはどこへ運ぶんだ?お嬢さん達、知ってるのか?」
「は、はい!た、堆肥置き場です!」
「堆肥置き場?どこ?まぁいいや。後で教えて。
そもそも、厨房や食料保管庫も入り口からこんな遠くにあったら材料の搬入なんか大変だろうに。この辺りも改善点か…。」
フィオリーノはブツブツとそう言うと、まだ地面に散らばった泥で汚れた枯草を拾いだした。
☆★
片付けも終え、食堂で夕飯を食べ終えたアレッシアは共に食べていたフィオリーノへと問い掛ける。
「ねぇフィオリーノ。私、ジャンパオロさんとグイドさんにも挨拶って出来ないのかしら。」
「…そうか、そうだな。俺は気が乗らないが、アレッシアがしたいのなら案内するよ。」
浮かない顔をしたフィオリーノがそのように返答すると、立ち上がりお盆を片付けに向かった。
ーー
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アレッシアが使っていた部屋からは反対方向の、少し奥まった場所がグイドとジャンパオロの部屋であった。医務室、のような場所であった。
あまり広くはない空間に、ベッドが少し間隔を開けて置かれている。周りの壁は剥き出しの土であるので、自然に出来た場所かもしくは掘って広げたのかとアレッシアは思った。
「あれ?アレッシア!…と、え?」
「ジャンパオロ、ですから言葉遣い!
アレッシア、なんだか久し振りですね。フィオリーノ様とご一緒ですか?」
「あぁ。お前らの様子を見にな。」
「グイドさん、お元気そうで良かった。」
グイドはベッドの上で上半身を起こし、隣のベッドに腰掛けているジャンパオロと話をしているところであった。
「アレッシア、ご心配おかけしました。実は、動いた時に無理をしたのか筋を痛めまして…少し養生させていただいてるのです。全く、不甲斐ないです。」
「仕方ねぇからよ、おれがその分働いてるんだぜ!」
「そうだったのね。お大事にしてね。」
グイドは大した事なかったと聞いたが、それにしてはすぐに部屋に戻って来なかったので、そういう事だったのだと思い、労いの言葉を伝えると、グイドは苦笑いしながら頷いた。
「そういやジャンパオロ、お前はまだそっちで作業をしてるのか?」
「ああ、だってあんま力仕事好きじゃないからさ。せっかくおっさんがおれをこっちへ仕事を融通してくれたんだ。
おかげで、野菜の皮むきが上達したんだぜ、すごいだろ?」
「怪我が耐えないのでこっちはヒヤヒヤさせられるんですけどね。」
「なるほどな、お前らしい。」
「仕事も、どうにか解明出来たしな!これでいつでも帰れるんだけどよ、グイドが良くなるまではまぁもう少し働くさ。」
「ん?すごいじゃないか。お前の手柄だな。頼もしくなったもんだ。」
「だろ!?」
ジャンパオロは誇らしそうにそのように返答する。
(仕事?何の話かしら。)
アレッシアはしかし、話の内容が良く分からず首を傾げる。
「あぁ、アレッシア。ジャンパオロは、あることを調べる為にここへ働きに来たそうだ。ジャンパオロは、これでもアレッシアの国の、第二王子なんだよ。」
「ええ!?」
アレッシアはそのように言われ、体を仰け反るように驚いた。
(そ、そうだったの!?え、私失礼でなかったかしら!?)
「ちょっ…!何で言うんだよ!?」
「フィオリーノ様!?」
フィオリーノがアレッシアへと暴露してしまった事で、ジャンパオロとグイドは狼狽えてしまう。別に、隠しておかなければならない事ではないが、むやみやたらと話していい内容でもない為、なぜアレッシアへと言ってしまったのか疑問を呈す。
「まぁ、いいだろ。アレッシアはそれを知るに値するのだから。
ジャンパオロ、グイド。俺は明日、ここを去る。兄上に報告があるからな。それに伴って、アレッシアを連れて行く。」
それを聞き、ジャンパオロとグイドはますます驚きの声を上げた。
「はぁ!?」
「ど、どうしてでしょうか!?」
「俺がこちらの国のアレッシアを、自国に連れて行く。それがどう意味するのか、お前らなら直接口にしなくても分かるだろう?」
そう意味深に、ニヤリと笑いながらフィオリーノは二人へと伝えると、アレッシアの肩を抱いた。
見せつけるようにされたそれを見てジャンパオロとグイドは顔を見合わせ、ジャンパオロは項垂れてしまった。グイドはジャンパオロを横目で見ながら恐る恐るアレッシアへと問う。
「アレッシア、フィオリーノ様の事はその…ご存じで?」
「え?えぇ…少しは。」
肩に腕を回された事で少し恥ずかしく頬を赤く染めたアレッシアがそれに答えると、フィオリーノは肩に回した手にさらに少し力を入れて自身に引き寄せながら言う。
「まぁ、野暮な事は聞くな。騙しているわけでもないから安心しろ。アレッシアは俺が幸せにする。」
ますます頬を赤らめたアレッシアにそろそろ戻ろうかと言ったフィオリーノは、未だ項垂れているジャンパオロと唖然としているグイドにまたな、と告げると、慌てて『本当にお世話になりました!』と言ったアレッシアを促しながらその部屋をあとにした。
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