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1.0歳編
58.状態異常無効化
しおりを挟むエリアーナSide
風の精霊様が放った魔法を“威圧”というらしい。
弱い魔物などに遭遇した時に使うと、戦闘にならずに逃げていくので有効らしいが、さっきのはいただけない。
早とちりした風の精霊様と、土の精霊様が悪い。
早とちりだけで済めばよかったが、威圧までする必要はなかった。
慌てて鎮静の魔法を屋敷中に使ってくれた光の精霊様にお礼にお菓子を差し出しながら、事情を説明する。
すると、他の精霊様たちも呼び出し、後でお説教しておくので安心するようにと、いい笑顔で言われた。
こちらに全く非がないとは言えないが、よろしくと伝えるとにっこり頷かれた。
「祖父:恐れながら、光の精霊様。こちらの非ですので、何卒ご容赦ください」
『光:祖父君、そうは行かないのだ。なにせ、姫に被害があったかもしれないのだからな』
その言葉に、ハッとし私の方を向く家族一同。
私は平気ですけど?
((リア:私は、なんともないですよ?))
ザワザワしだす家族と、ハラハラと涙を流す風の精霊様、俯く土の精霊様。
阿鼻叫喚地獄絵図とはこのことを言うのだろう。
光の精霊様は少し考えて、無の精霊様を喚び出した。
『無:どうしたの?姫に鑑定したらいいの?』
呼び出されて早々、私に鑑定を使って欲しいと言われて順応する無の精霊。
一言私に許可をとり、それに了承すると鑑定魔法を使った。
『無:……姫、いつの間に“状態異常無効”なんてスキル生やしたの?』
状態異常無効化?
というか、スキルって生えるの?
私が疑問に思っていると、さっきの一件を光の精霊様から聞いた無の精霊様はすぐさま他の精霊様たちを喚び出した。
((リア:無の精霊様、どう言うことなのですか?))
私の問いに、光の精霊様と共に無の精霊様が答えてくれる。
『光:このおバカな精霊たちは、姫がいるのにも関わらず、威圧を使いました。そして私が来てみると、1人ケロッとした姫がいて驚き、鑑定をしてもらうために無のを喚びました』
『無:鑑定すると、姫いくつかスキル増えてる。状態異常無効化もその一つ』
状態異常無効化とは、あらゆる状態異常、例えば威圧や錯乱の魔法、毒や麻痺など物理でも精神でも状態異常に陥る攻撃を完全に無効化するスキルのようだ。
でもなぜ、生えた?
そんな鍛錬した覚えもないし、そもそも鍛錬すれば手に入るの?
「リア:神ちゃま?」
精霊様たちは、『多分……?』と苦笑いをしている。
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