婚約破棄?責任を取らされた王太子はホームレスになりました

鷹 綾

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第二十六話 廃嫡

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第二十六話 廃嫡

王城、大広間。

再び評議会が開かれる。

前回は審議。

今回は結論。

重臣、諸侯当主、教会代表、商会長。

全員が揃っている。

国王は玉座に座る。

顔色は優れない。

王太子は中央に立つ。

まだ胸を張っている。

財務官が報告する。

「王家財政は回復の見込みが立っておりません」

辺境伯が続く。

「軍の統制は諸侯騎士団に依存し、王家単独での指揮は困難」

商会長。

「信用回復策が示されぬ限り、契約条件は厳格化せざるを得ません」

事実だけが並ぶ。

王太子は声を上げる。

「私は誤っていない!」

「正統な継承者だ!」

教会代表が静かに言う。

「正統と適性は別です」

沈黙。

辺境伯が立ち上がる。

「王太子の統治能力は、国家安定を損なった」

「継承者として不適」

言葉は明確。

逃げ道はない。

王太子は国王を見る。

「父上、否定なさるのですか」

国王は長く息を吐く。

「国家を守るのが王の務めだ」

そして。

「王太子の地位を剥奪する」

大広間が静まり返る。

廃嫡。

正式に記録される。

王太子の顔から血の気が引く。

「……取り消せ」

「私は王になる」

辺境伯が言う。

「ならぬ」

騎士が一歩前に出る。

威圧ではない。

決定の象徴。

王太子は剣に手をかける。

だが誰も動かない。

騎士団は評議会の決定を優先している。

王家の命令ではなく。

王太子は理解する。

命令が通らない。

それが現実。

国王が告げる。

「王族籍は保持する。ただし継承権は永久に剥奪」

温情ではない。

完全な排除ではないだけ。

王太子は笑う。

乾いた笑い。

「象徴……か」

だが象徴ですらない。

権力は失われた。

評議会は閉会する。

諸侯は静かに退出する。

誰も祝わない。

誰も嘆かない。

決定は粛々と執行された。

王太子は大広間に立ち尽くす。

玉座は遠い。

いや、最初から届いていなかったのかもしれない。

廃嫡。

それは終わりではない。

王家の責任問題は、まだ残っている。

だが継承の鎖は断たれた。

王城の空気が変わる。

王家は、自らの血を切り捨てた。

そして、後戻りはできない。
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