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第二十八話 拘束
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第二十八話 拘束
廃嫡の決定から三日。
王都の空気は、さらに冷え込んだ。
廃嫡は終わりではなかった。
むしろ始まりだった。
市場では、同じ言葉が繰り返される。
「誰が混乱を招いた」
「誰が王太子を惑わせた」
その視線は、自然と一人に集まる。
王城。
重臣会議。
辺境伯が言う。
「民心は収まっておらぬ」
財務官。
「信用回復の象徴が必要です」
教会代表。
「魔女の噂が広がっております」
国王は沈黙する。
王太子は部屋に籠もったまま。
王家は象徴を失った。
ならば別の象徴を差し出すしかない。
商会長が低く言う。
「責任の明確化を」
辺境伯が視線を国王に向ける。
「決断を」
長い沈黙。
そして国王は告げる。
「平民出身の娘を拘束する」
罪名は定まっていない。
だが名目はある。
「王家秩序を乱した疑い」
「国家混乱の原因調査」
形式は調査。
実態は切り離し。
その夜。
王太子の居室に衛兵が入る。
「何の真似だ!」
命令書が示される。
王太子は掴みかかる。
だが衛兵は退かない。
権限は重臣会議名義。
王家単独ではない。
平民娘は自室で震えている。
扉が開く。
「……来たのですね」
涙は出ない。
覚悟はない。
ただ、恐怖。
王太子が叫ぶ。
「触れるな!」
だが誰も止まらない。
彼の命令は届かない。
平民娘は連れて行かれる。
王城の廊下は静まり返っている。
誰も助けない。
誰も目を合わせない。
王太子はその場に崩れ落ちる。
廃嫡された彼に、止める力はない。
翌朝。
王都に報が流れる。
「王家、混乱の原因調査開始」
「平民娘拘束」
市場は静まる。
歓声はない。
だが、ざわめきが収まる。
責任の所在が動いた。
王家は象徴を差し出した。
だが重臣たちは理解している。
これで終わりではない。
信用はまだ戻らない。
王家の責任は消えていない。
拘束は第一段階。
次は、断罪か。
それともさらに大きな決断か。
王城の塔に、朝日が差す。
平民娘は石の部屋に座る。
外の音は届かない。
彼女は理解する。
愛は、盾にならない。
王太子は窓を叩く。
「私は王になるはずだった」
だが声は空に消える。
王家は、自らを守るために彼女を切り離した。
冷酷ではない。
必然。
国家は感情で動かない。
拘束。
それは終焉への道の一歩だった。
廃嫡の決定から三日。
王都の空気は、さらに冷え込んだ。
廃嫡は終わりではなかった。
むしろ始まりだった。
市場では、同じ言葉が繰り返される。
「誰が混乱を招いた」
「誰が王太子を惑わせた」
その視線は、自然と一人に集まる。
王城。
重臣会議。
辺境伯が言う。
「民心は収まっておらぬ」
財務官。
「信用回復の象徴が必要です」
教会代表。
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国王は沈黙する。
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王家は象徴を失った。
ならば別の象徴を差し出すしかない。
商会長が低く言う。
「責任の明確化を」
辺境伯が視線を国王に向ける。
「決断を」
長い沈黙。
そして国王は告げる。
「平民出身の娘を拘束する」
罪名は定まっていない。
だが名目はある。
「王家秩序を乱した疑い」
「国家混乱の原因調査」
形式は調査。
実態は切り離し。
その夜。
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「何の真似だ!」
命令書が示される。
王太子は掴みかかる。
だが衛兵は退かない。
権限は重臣会議名義。
王家単独ではない。
平民娘は自室で震えている。
扉が開く。
「……来たのですね」
涙は出ない。
覚悟はない。
ただ、恐怖。
王太子が叫ぶ。
「触れるな!」
だが誰も止まらない。
彼の命令は届かない。
平民娘は連れて行かれる。
王城の廊下は静まり返っている。
誰も助けない。
誰も目を合わせない。
王太子はその場に崩れ落ちる。
廃嫡された彼に、止める力はない。
翌朝。
王都に報が流れる。
「王家、混乱の原因調査開始」
「平民娘拘束」
市場は静まる。
歓声はない。
だが、ざわめきが収まる。
責任の所在が動いた。
王家は象徴を差し出した。
だが重臣たちは理解している。
これで終わりではない。
信用はまだ戻らない。
王家の責任は消えていない。
拘束は第一段階。
次は、断罪か。
それともさらに大きな決断か。
王城の塔に、朝日が差す。
平民娘は石の部屋に座る。
外の音は届かない。
彼女は理解する。
愛は、盾にならない。
王太子は窓を叩く。
「私は王になるはずだった」
だが声は空に消える。
王家は、自らを守るために彼女を切り離した。
冷酷ではない。
必然。
国家は感情で動かない。
拘束。
それは終焉への道の一歩だった。
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