5 / 18
2-1 穏やかな朝と“才能”の芽吹き
しおりを挟む
第2章 2-1 穏やかな朝と“才能”の芽吹き
白い結婚の契約を交わしてから、一週間が経った。
セレナの生活は、追放されたあの日の自分には想像もつかないほど穏やかで、静かな喜びに満ちていた。
朝は、やわらかな陽光がレース越しに差し込む中で目覚める。
ブランシェット家では、朝食前に父の説教と母の小言が日課のように続いたが、ここグレイス家にはそんなものはない。
侍女が優しく「おはようございます」と声をかけ、温かいスープと新鮮なパンを運んでくれる。
(……幸せって、こんなに静かなものだったのね)
誰にも責められず、誰にも監視されない。
初めて“自分の人生”が始まったような気がしていた。
◇
午前のうちにセレナは屋敷の中を歩いて回った。
今日は庭の散策ではなく、屋敷の中の施設や倉庫を見せてもらう日だった。
「こちらは魔道具の保管庫です、セレナ様」
案内役の侍女アリスが扉を開けると、整然と並んだ魔道具の数々が目に入る。
照明用の魔石灯、温度調整の魔道具、治癒用の細工物――。
どれも高品質で、王都の商会ではなかなか手に入らないものばかりだ。
「これほどの量を……公爵家では、普段から魔道具を?」
「ええ。領地は寒冷地であり、魔術による生活補助は必要不可欠なのです。
特に冬場は命に関わりますから」
「なるほど……」
セレナは一つ一つの道具を見ながら、手に取ったランタンに目を留めた。
(これ、火力が不安定……魔力の循環が偏っているわ)
魔力の流れが乱れていて、点灯してもすぐに消えてしまうタイプだ。
王都の初級魔道具商でもよく見かける不良品の原因と同じ。
(もしかして……)
セレナは棚にあった小さな工具箱を見つけ、アリスに尋ねた。
「修理しても構いませんか?」
「えっ、セレナ様、魔道具修理ができるのですか?」
「少しだけ……以前、趣味で触っておりまして」
趣味。
そう言ってはいるが、実際は家の中で唯一“自由にしてよい”と言われた部屋が魔道具倉庫だっただけだ。
両親から冷たくあしらわれる日々の中で、魔道具を弄る時間だけが、セレナに与えられた小さな息抜きだった。
工具を手に取り、魔石ランタンの蓋を外す。
(魔力導線がよじれている……はんだ付けの魔法も中途半端。
魔力の循環を整えて――)
細かい作業を数分。
セレナは慣れた手つきで導線を修復し、魔石の配置をわずかに調整した。
「これで、いいはず……」
カチ、とスイッチを押すと。
――ぱっ。
青白い光がふわりと灯り、室内を柔らかく照らし出した。
「……わあ」
アリスが目を丸くしている。
「すごいです、セレナ様! このランタン、修理してもすぐ消えちゃうって評判で……」
「単に、魔力の流れの調整ですわ。難しくはありません」
セレナは微笑んだが、アリスは首を振る。
「いえ、難しいことです! グレイス家の魔道具職人たちでも直せなかったんですよ!?」
「え……そうなの?」
「はい! それをこんなに簡単に……」
アリスの声は驚きで震えていた。
「きっと、公爵様に報告しないといけません!」
「えっ、いえ、そんな大げさな……」
「いいえ、これは大事件です!」
アリスは小走りで廊下へ駆け出した。
(お、大事件って何かしら……?)
その疑問は数時間後、アーヴィングの行動で明らかになる。
◇
夕方。
セレナが庭を散歩していると、アーヴィングが珍しく自ら歩いて姿を現した。
「セレナ」
「公爵様?」
「魔道具を修理したそうだな」
「アリスが……報告を?」
「詳しく聞いた。魔石ランタンは職人でも修理できず、困っていたものだ。それを君が直したと?」
「は、はい……ですが本当に簡単なことで……」
アーヴィングは魔石ランタンを手にし、じっと見つめた。
「魔力の循環……導線……配置……なるほど。
職人では思いつかない発想か」
「公爵様?」
アーヴィングは顔を上げ、まっすぐにセレナを見た。
「――セレナ。君には魔道具に関して、天賦の才がある」
「……天賦の、才?」
「君が直した技術は、王都の魔道具研究所でも応用されている高度な修復技術と同じだ。
素人が無意識にやっていいレベルではない」
「そ、そんな……私はただ、昔から触るのが好きだっただけで……」
「好きだけで、この完成度は出ない」
アーヴィングの声は、淡々としているのになぜか胸の奥に響いた。
(天賦の才なんて……言われたことがない)
王都では、無表情でいるだけで「冷たい女」と言われた。
婚約者には「つまらない」と言われ、家族には「政治価値のための飾り」として扱われた。
誰も、セレナの能力を評価したことなどなかった。
「……嬉しいです」
気づけば、涙がこぼれ落ちていた。
「どうした?」
「いえ……その……生まれて初めて……私のことを褒めてもらえた気がして」
アーヴィングは驚いたように目を見開き、少しだけ柔らかな声で言った。
「そうか。……それなら良かった」
それだけで、セレナの胸は満たされていく。
(私……ここなら、生きていけるかもしれない)
◇
その夜。
セレナは自室の机に向かい、小さな魔道具の部品を並べていた。
ライターのように火を灯す魔石具、温度調整用の風魔石、湿気を吸収する保冷魔道具。
どれも壊れていて、王都の貴族なら“捨てる”しか選ばないものだ。
(……もったいない。直せばまだまだ使えるのに)
工具を持つと、不思議と心が落ち着く。
(これが……私の好きなこと)
追放され、捨てられ、居場所をなくしたはずなのに。
今は、小さな魔道具ひとつで胸が温かくなる。
(きっと私は、こういう日々を求めていたのね)
火花が散り、導線を調整し、魔石の光がゆらりと灯る。
白い結婚の契約――
恋愛感情は求めない、干渉しない、自由な毎日。
だが、その自由はセレナにとって、
かつてない幸福の形だった。
(明日は、もう少し大きな魔道具にも挑戦してみよう)
窓の外には、満天の星が輝いている。
王都で味わったことのない静けさと、明日への期待が、胸に広がっていた。
――この日、氷の公爵家に “天才魔道具職人” の才能を持つ公爵夫人が誕生した。
誰も知らぬうちに、静かに、確かに。
白い結婚の契約を交わしてから、一週間が経った。
セレナの生活は、追放されたあの日の自分には想像もつかないほど穏やかで、静かな喜びに満ちていた。
朝は、やわらかな陽光がレース越しに差し込む中で目覚める。
ブランシェット家では、朝食前に父の説教と母の小言が日課のように続いたが、ここグレイス家にはそんなものはない。
侍女が優しく「おはようございます」と声をかけ、温かいスープと新鮮なパンを運んでくれる。
(……幸せって、こんなに静かなものだったのね)
誰にも責められず、誰にも監視されない。
初めて“自分の人生”が始まったような気がしていた。
◇
午前のうちにセレナは屋敷の中を歩いて回った。
今日は庭の散策ではなく、屋敷の中の施設や倉庫を見せてもらう日だった。
「こちらは魔道具の保管庫です、セレナ様」
案内役の侍女アリスが扉を開けると、整然と並んだ魔道具の数々が目に入る。
照明用の魔石灯、温度調整の魔道具、治癒用の細工物――。
どれも高品質で、王都の商会ではなかなか手に入らないものばかりだ。
「これほどの量を……公爵家では、普段から魔道具を?」
「ええ。領地は寒冷地であり、魔術による生活補助は必要不可欠なのです。
特に冬場は命に関わりますから」
「なるほど……」
セレナは一つ一つの道具を見ながら、手に取ったランタンに目を留めた。
(これ、火力が不安定……魔力の循環が偏っているわ)
魔力の流れが乱れていて、点灯してもすぐに消えてしまうタイプだ。
王都の初級魔道具商でもよく見かける不良品の原因と同じ。
(もしかして……)
セレナは棚にあった小さな工具箱を見つけ、アリスに尋ねた。
「修理しても構いませんか?」
「えっ、セレナ様、魔道具修理ができるのですか?」
「少しだけ……以前、趣味で触っておりまして」
趣味。
そう言ってはいるが、実際は家の中で唯一“自由にしてよい”と言われた部屋が魔道具倉庫だっただけだ。
両親から冷たくあしらわれる日々の中で、魔道具を弄る時間だけが、セレナに与えられた小さな息抜きだった。
工具を手に取り、魔石ランタンの蓋を外す。
(魔力導線がよじれている……はんだ付けの魔法も中途半端。
魔力の循環を整えて――)
細かい作業を数分。
セレナは慣れた手つきで導線を修復し、魔石の配置をわずかに調整した。
「これで、いいはず……」
カチ、とスイッチを押すと。
――ぱっ。
青白い光がふわりと灯り、室内を柔らかく照らし出した。
「……わあ」
アリスが目を丸くしている。
「すごいです、セレナ様! このランタン、修理してもすぐ消えちゃうって評判で……」
「単に、魔力の流れの調整ですわ。難しくはありません」
セレナは微笑んだが、アリスは首を振る。
「いえ、難しいことです! グレイス家の魔道具職人たちでも直せなかったんですよ!?」
「え……そうなの?」
「はい! それをこんなに簡単に……」
アリスの声は驚きで震えていた。
「きっと、公爵様に報告しないといけません!」
「えっ、いえ、そんな大げさな……」
「いいえ、これは大事件です!」
アリスは小走りで廊下へ駆け出した。
(お、大事件って何かしら……?)
その疑問は数時間後、アーヴィングの行動で明らかになる。
◇
夕方。
セレナが庭を散歩していると、アーヴィングが珍しく自ら歩いて姿を現した。
「セレナ」
「公爵様?」
「魔道具を修理したそうだな」
「アリスが……報告を?」
「詳しく聞いた。魔石ランタンは職人でも修理できず、困っていたものだ。それを君が直したと?」
「は、はい……ですが本当に簡単なことで……」
アーヴィングは魔石ランタンを手にし、じっと見つめた。
「魔力の循環……導線……配置……なるほど。
職人では思いつかない発想か」
「公爵様?」
アーヴィングは顔を上げ、まっすぐにセレナを見た。
「――セレナ。君には魔道具に関して、天賦の才がある」
「……天賦の、才?」
「君が直した技術は、王都の魔道具研究所でも応用されている高度な修復技術と同じだ。
素人が無意識にやっていいレベルではない」
「そ、そんな……私はただ、昔から触るのが好きだっただけで……」
「好きだけで、この完成度は出ない」
アーヴィングの声は、淡々としているのになぜか胸の奥に響いた。
(天賦の才なんて……言われたことがない)
王都では、無表情でいるだけで「冷たい女」と言われた。
婚約者には「つまらない」と言われ、家族には「政治価値のための飾り」として扱われた。
誰も、セレナの能力を評価したことなどなかった。
「……嬉しいです」
気づけば、涙がこぼれ落ちていた。
「どうした?」
「いえ……その……生まれて初めて……私のことを褒めてもらえた気がして」
アーヴィングは驚いたように目を見開き、少しだけ柔らかな声で言った。
「そうか。……それなら良かった」
それだけで、セレナの胸は満たされていく。
(私……ここなら、生きていけるかもしれない)
◇
その夜。
セレナは自室の机に向かい、小さな魔道具の部品を並べていた。
ライターのように火を灯す魔石具、温度調整用の風魔石、湿気を吸収する保冷魔道具。
どれも壊れていて、王都の貴族なら“捨てる”しか選ばないものだ。
(……もったいない。直せばまだまだ使えるのに)
工具を持つと、不思議と心が落ち着く。
(これが……私の好きなこと)
追放され、捨てられ、居場所をなくしたはずなのに。
今は、小さな魔道具ひとつで胸が温かくなる。
(きっと私は、こういう日々を求めていたのね)
火花が散り、導線を調整し、魔石の光がゆらりと灯る。
白い結婚の契約――
恋愛感情は求めない、干渉しない、自由な毎日。
だが、その自由はセレナにとって、
かつてない幸福の形だった。
(明日は、もう少し大きな魔道具にも挑戦してみよう)
窓の外には、満天の星が輝いている。
王都で味わったことのない静けさと、明日への期待が、胸に広がっていた。
――この日、氷の公爵家に “天才魔道具職人” の才能を持つ公爵夫人が誕生した。
誰も知らぬうちに、静かに、確かに。
28
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので田舎で猫と暮らします
たくわん
恋愛
社交界の華と謳われた伯爵令嬢セレスティアは、王太子から「完璧すぎて息が詰まる」と婚約破棄を告げられる。傷心のまま逃げるように向かったのは、亡き祖母が遺した田舎の小さな屋敷だった。
荒れ果てた屋敷、慣れない一人暮らし、そして庭に住みついた五匹の野良猫たち。途方に暮れるセレスティアの隣には、無愛想で人嫌いな青年医師・ノアが暮らしていた。
「この猫に構うな。人間嫌いだから」
冷たく突き放すノアだが、捨て猫を保護し、傷ついた動物を治療する彼の本当の姿を知るうちに、セレスティアの心は少しずつ惹かれていく。
猫の世話を通じて近づく二人。やがて明かされるノアの過去と、王都から届く縁談の催促。「完璧な令嬢」を脱ぎ捨てた先に待つ、本当の自分と本当の恋——。
お金がありすぎて困っておりますの(悪役令嬢ver.) ~悪役令嬢は噂も相場も支配しますわ~
ふわふわ
恋愛
「お金がありすぎて、困っておりますの」
ヴァレンティス侯爵家当主・シグネアは、若くして膨大な資産と権限を手にした“悪役令嬢”。 しかし彼女は、金にも噂にも振り回されない。
──ならば、支配すればよろしいのですわ。
社交界を飛び交う根拠のない噂。 無能な貴族の見栄と保身。 相場を理解しない者が引き起こす経済混乱。 そして「善意」や「情」に見せかけた、都合のいい救済要求。
シグネアは怒鳴らない。 泣き落としにも応じない。 復讐も、慈善も、選ばない。
彼女がするのはただ一つ。 事実と数字と構造で、価値を測ること。
噂を操り、相場を読まず、裁かず、助けず、 それでもすべてを終わらせる“悪役令嬢”の統治劇。
「助けなかったのではありませんわ」 「助ける必要がなかっただけです」
一撃で終わる教育的指導。 噂も相場も、そして人の価値さえも―― 悪役令嬢は、今日も静かに支配する。
冷酷侯爵と政略結婚したら、実家がざまぁされました
鍛高譚
恋愛
「この結婚は、家のため。ただの政略結婚よ」
そう言い聞かせ、愛のない結婚を受け入れた公爵令嬢リゼット。
しかし、挙式後すぐに父が「婚約破棄しろ」と命じてきた!?
だが、夫であるアレクシス・フォン・シュヴァルツ侯爵は冷たく言い放つ。
「彼女を渡すつもりはない」
冷酷無慈悲と噂される侯爵が、なぜかリゼットを溺愛し始める!?
毎日甘やかされ、守られ、気づけば逃げ場なし!
さらに、父の不正が明るみに出て、公爵家は失墜――
リゼットを道具として利用しようとした者たちに、ざまぁの鉄槌が下される!
政略結婚から始まる、甘々溺愛ラブストーリー!
「愛なんてないはずなのに……どうしてこんなに大切にされるの?」
『お前の顔は見飽きた!』内心ガッツポーズで辺境へ
夏乃みのり
恋愛
「リーナ・フォン・アトラス! 貴様との婚約を破棄する!」
華やかな王宮の夜会で、第一王子ジュリアンに突きつけられた非情な宣告。冤罪を被せられ、冷酷な悪役令嬢として追放を言い渡されたリーナだったが、彼女の内心は……「やったーーー! これでやっとトレーニングに専念できるわ!」と歓喜に震えていた!
「誰もお前なんか愛さない」と笑われたけど、隣国の王が即プロポーズしてきました
ゆっこ
恋愛
「アンナ・リヴィエール、貴様との婚約は、今日をもって破棄する!」
王城の大広間に響いた声を、私は冷静に見つめていた。
誰よりも愛していた婚約者、レオンハルト王太子が、冷たい笑みを浮かべて私を断罪する。
「お前は地味で、つまらなくて、礼儀ばかりの女だ。華もない。……誰もお前なんか愛さないさ」
笑い声が響く。
取り巻きの令嬢たちが、まるで待っていたかのように口元を隠して嘲笑した。
胸が痛んだ。
けれど涙は出なかった。もう、心が乾いていたからだ。
婚約破棄?結構ですわ。公爵令嬢は今日も優雅に生きております
鍛高譚
恋愛
婚約破棄された直後、階段から転げ落ちて前世の記憶が蘇った公爵令嬢レイラ・フォン・アーデルハイド。
彼女の前世は、ブラック企業で心身をすり減らして働いていたOLだった。――けれど、今は違う!
「復讐? 見返す? そんな面倒くさいこと、やってられませんわ」
「婚約破棄? そんなの大したことじゃありません。むしろ、自由になって最高ですわ!」
貴族の婚姻は家同士の結びつき――つまりビジネス。恋愛感情など二の次なのだから、破談になったところで何のダメージもなし。
それよりも、レイラにはやりたいことがたくさんある。ぶどう園の品種改良、ワインの販路拡大、新商品の開発、そして優雅なティータイム!
そう、彼女はただ「貴族令嬢としての特権をフル活用して、人生を楽しむ」ことを決めたのだ。
ところが、彼女の自由気ままな行動が、なぜか周囲をざわつかせていく。
婚約破棄した王太子はなぜか複雑な顔をし、貴族たちは彼女の事業に注目し始める。
そして、彼女が手がけた最高級ワインはプレミア化し、ついには王室から直々に取引の申し出が……!?
「はぁ……復讐しないのに、勝手に“ざまぁ”になってしまいましたわ」
復讐も愛憎劇も不要!
ただひたすらに自分の幸せを追求するだけの公爵令嬢が、気づけば最強の貴族になっていた!?
優雅で自由気ままな貴族ライフ、ここに開幕!
「醜い」と婚約破棄された銀鱗の令嬢、氷の悪竜辺境伯に嫁いだら、呪いを癒やす聖女として溺愛されました
黒崎隼人
恋愛
「醜い銀の鱗を持つ呪われた女など、王妃にはふさわしくない!」
衆人環視の夜会で、婚約者の王太子にそう罵られ、アナベルは捨てられた。
実家である公爵家からも疎まれ、孤独に生きてきた彼女に下されたのは、「氷の悪竜」と恐れられる辺境伯・レオニールのもとへ嫁げという非情な王命だった。
彼の体に触れた者は黒い呪いに蝕まれ、死に至るという。それは事実上の死刑宣告。
全てを諦め、死に場所を求めて辺境の地へと赴いたアナベルだったが、そこで待っていたのは冷徹な魔王――ではなく、不器用で誠実な、ひとりの青年だった。
さらに、アナベルが忌み嫌っていた「銀の鱗」には、レオニールの呪いを癒やす聖なる力が秘められていて……?
地味で役に立たないと言われて捨てられましたが、王弟殿下のお相手としては最適だったようです
有賀冬馬
恋愛
「君は地味で、将来の役に立たない」
そう言われ、幼なじみの婚約者にあっさり捨てられた侯爵令嬢の私。
社交界でも忘れ去られ、同情だけを向けられる日々の中、私は王宮の文官補佐として働き始める。
そこで出会ったのは、権力争いを嫌う変わり者の王弟殿下。
過去も噂も問わず、ただ仕事だけを見て評価してくれる彼の隣で、私は静かに居場所を見つけていく。
そして暴かれる不正。転落していく元婚約者。
「君が隣にいない宮廷は退屈だ」
これは、選ばれなかった私が、必要とされる私になる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる