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・腹黒宰相は異世界転移のモブを溺愛する
48)陰謀 sideゲイル
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「ダライアス卿、お久しぶりでございますな、よくぞおいで下さった」
「挨拶は抜きじゃ。悪いが神官達は席を外してくれ。神官長と二人で話したいのだ」
「かしこまりました」
サイラスの言葉に神官たちが部屋から去っていく。なんだ、わしよりも偉そうではないか。うちの神官達をあごで使いよって。昔は地位が高かったが今はわしよりも下位ではないのか?
「なんどか見舞いに行ったが、貴殿が言うように王様の容態に変わりはない。もう治る見込みはないのだな」
「そうでしょうとも。定期的に我が治癒師たちが王の元へ通っておりますからな」
わしの手の者達が交代で変化がないか確認しているのだ。間違いがなかろう。
「以前の勇敢な姿は見る影もなく生きる屍のようなお姿であらせられる」
「さよう。嘆かわしいことでございますな」
サイラスは用心深い。そのために自分の目で確認しないと腰をあげないのはわかっていた。
「しかもあと二か月もすれば第二王子が王の座についてしまう」
「しっ。立太子されたではありませぬか。それに呼び捨てはいけませぬぞ」
誰が聞いているわからぬのに名前で呼ぶなんて不敬にあたるではないか!
「そういえばブラッドフォードが宰相補佐を雇ったそうだぞ」
「あやつめ、王太子に取り入りよって。好き勝手な事ばかりしておるな。生意気な奴め」
少しばかり痛い目にあわせようと襲撃を計画したが失敗した。難病の家族の治癒と引き換えに襲わせたゆえ、わしの名があやつに知れ渡ってはいないだろうが。警戒されてるに違いない。
「なんでもとても可愛い子らしい。動物の言葉を理解するのだそうだ」
可愛い子だと?あやつもやはり少年愛好家だったか。あの時の少年に違いない。
「それに万能薬というのが出回り始めているそうではないか。治癒師の仕事が減ってきていると聞いたぞ」
「そんなもの、治癒師の能力に比べれば大したことはありませぬぞ」
そうだ、その変な薬にも宰相が関わっているのだという。憎々しいやつめ。その万能薬とかのせいで最近では治癒の依頼が激減してしまっている。わしの、いや、神殿の大事な収入源でもあるというのにだ。このままでは今の生活がままならないではないか。
奴の屋敷内で作成していると聞き、忍び込ませようとしたがこれまた失敗に終わっている。
「さてどうなさいます?」
さあもういいだろう。充分と自分の目で王の容態も確認しただろうし、わしの計画に乗るのか乗らないのかはっきりさせてもらいたい。サイラス自身もまた権力を手にしたいだろうに。
「本当にこちらの思うように動かせるのか?」
「では詳細はこの者から説明させましょう。モーガンよ、こちらへ」
「御意」
物陰から現れたのを見てサイラスが目を見開く。
「この者は魔導士でございます。物陰に潜むことなど簡単な事」
「お初にお目にかかります。モーガンと申します。なんなりとお言いつけを」
「お前は本当に人の意識を操れるのか?」
「はい。成果のほどは神官長殿にお伺いくださいませ」
「どういうことだ?」
「はは。それは私の可愛いしもべ達のことですな」
モーガン、言いすぎだぞ。サイラスに小姓達を会わせるつもりはないぞ。
「洗脳しているというのか?」
「はい、さようでございます」
「なるほど合点がいった。年端もいかない可愛らしい子達が神官長を慕っているのはそういう事なのだな」
「お待ちください。中には私の神聖力や懐の深さに惹かれているものもおります」
失礼な!このわしを心底慕っている者も多いというのに!
「ふん。まあよいわ。ところで決行はいつにするのだ?」
「はい。瘴気も集まってきた事ですし、そろそろいい時期かと」
「できれば貴族が大勢集まる時がよろしいのではと存じますが」
モーガンが嬉々として言い出す。そんな事をすれば混乱するだけだろうが。
「いや、それよりも秘密裏に行った方がいいのではないか?」
「どういうことでしょうか?」
モーガンが片眉をあげる。なんだか今日は態度が悪い。いつもはもっとへりくだっているのに。
「切り札として使うのはいかがですかな?」
「なるほど、王太子を脅して我らの威厳を復活させるというのだな」
「さようでございます。王の座につくと同時に我らの昇格を告げていただく。さすれば我らの背後には王が控えているということでまた実権が我らの元に戻ってくる」
「フハハ。それは面白いな」
「ええ。かなり笑えるかと。がはは」
「では宰相の座をいただこうかな?」
「がはは。それは良いことですな」
「…………ちっ」
モーガンが舌打ちをする。こやつ、こんなに行儀が悪かったか?
「どうした?モーガン。何か不服でもあるのか?」
「いいえ。なんでもございません。……まあ、早い方がいいでしょうね。術具も限界に近いようですし、近日中に決行に及ぶ準備をいたしましょう。タイミングはこちらで決めさせていただきます」
「わしらはいつでも動けるぞ」
楽しくなってきたわい。なあに、もしも失敗したとしてもサイラスが首謀者ということにしてしまえばいい。
「挨拶は抜きじゃ。悪いが神官達は席を外してくれ。神官長と二人で話したいのだ」
「かしこまりました」
サイラスの言葉に神官たちが部屋から去っていく。なんだ、わしよりも偉そうではないか。うちの神官達をあごで使いよって。昔は地位が高かったが今はわしよりも下位ではないのか?
「なんどか見舞いに行ったが、貴殿が言うように王様の容態に変わりはない。もう治る見込みはないのだな」
「そうでしょうとも。定期的に我が治癒師たちが王の元へ通っておりますからな」
わしの手の者達が交代で変化がないか確認しているのだ。間違いがなかろう。
「以前の勇敢な姿は見る影もなく生きる屍のようなお姿であらせられる」
「さよう。嘆かわしいことでございますな」
サイラスは用心深い。そのために自分の目で確認しないと腰をあげないのはわかっていた。
「しかもあと二か月もすれば第二王子が王の座についてしまう」
「しっ。立太子されたではありませぬか。それに呼び捨てはいけませぬぞ」
誰が聞いているわからぬのに名前で呼ぶなんて不敬にあたるではないか!
「そういえばブラッドフォードが宰相補佐を雇ったそうだぞ」
「あやつめ、王太子に取り入りよって。好き勝手な事ばかりしておるな。生意気な奴め」
少しばかり痛い目にあわせようと襲撃を計画したが失敗した。難病の家族の治癒と引き換えに襲わせたゆえ、わしの名があやつに知れ渡ってはいないだろうが。警戒されてるに違いない。
「なんでもとても可愛い子らしい。動物の言葉を理解するのだそうだ」
可愛い子だと?あやつもやはり少年愛好家だったか。あの時の少年に違いない。
「それに万能薬というのが出回り始めているそうではないか。治癒師の仕事が減ってきていると聞いたぞ」
「そんなもの、治癒師の能力に比べれば大したことはありませぬぞ」
そうだ、その変な薬にも宰相が関わっているのだという。憎々しいやつめ。その万能薬とかのせいで最近では治癒の依頼が激減してしまっている。わしの、いや、神殿の大事な収入源でもあるというのにだ。このままでは今の生活がままならないではないか。
奴の屋敷内で作成していると聞き、忍び込ませようとしたがこれまた失敗に終わっている。
「さてどうなさいます?」
さあもういいだろう。充分と自分の目で王の容態も確認しただろうし、わしの計画に乗るのか乗らないのかはっきりさせてもらいたい。サイラス自身もまた権力を手にしたいだろうに。
「本当にこちらの思うように動かせるのか?」
「では詳細はこの者から説明させましょう。モーガンよ、こちらへ」
「御意」
物陰から現れたのを見てサイラスが目を見開く。
「この者は魔導士でございます。物陰に潜むことなど簡単な事」
「お初にお目にかかります。モーガンと申します。なんなりとお言いつけを」
「お前は本当に人の意識を操れるのか?」
「はい。成果のほどは神官長殿にお伺いくださいませ」
「どういうことだ?」
「はは。それは私の可愛いしもべ達のことですな」
モーガン、言いすぎだぞ。サイラスに小姓達を会わせるつもりはないぞ。
「洗脳しているというのか?」
「はい、さようでございます」
「なるほど合点がいった。年端もいかない可愛らしい子達が神官長を慕っているのはそういう事なのだな」
「お待ちください。中には私の神聖力や懐の深さに惹かれているものもおります」
失礼な!このわしを心底慕っている者も多いというのに!
「ふん。まあよいわ。ところで決行はいつにするのだ?」
「はい。瘴気も集まってきた事ですし、そろそろいい時期かと」
「できれば貴族が大勢集まる時がよろしいのではと存じますが」
モーガンが嬉々として言い出す。そんな事をすれば混乱するだけだろうが。
「いや、それよりも秘密裏に行った方がいいのではないか?」
「どういうことでしょうか?」
モーガンが片眉をあげる。なんだか今日は態度が悪い。いつもはもっとへりくだっているのに。
「切り札として使うのはいかがですかな?」
「なるほど、王太子を脅して我らの威厳を復活させるというのだな」
「さようでございます。王の座につくと同時に我らの昇格を告げていただく。さすれば我らの背後には王が控えているということでまた実権が我らの元に戻ってくる」
「フハハ。それは面白いな」
「ええ。かなり笑えるかと。がはは」
「では宰相の座をいただこうかな?」
「がはは。それは良いことですな」
「…………ちっ」
モーガンが舌打ちをする。こやつ、こんなに行儀が悪かったか?
「どうした?モーガン。何か不服でもあるのか?」
「いいえ。なんでもございません。……まあ、早い方がいいでしょうね。術具も限界に近いようですし、近日中に決行に及ぶ準備をいたしましょう。タイミングはこちらで決めさせていただきます」
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