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・腹黒宰相は異世界転移のモブを溺愛する
46)宰相補佐
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朝から着なれない服を着せられて緊張気味のイブキに会う。金の金具がついた黒のジャケットに金の刺繍が入った黒のベスト。ボトムスも黒でタイトなシルエットに仕立ててある。
「おはよう。なかなか似合ってるぞ」
「お、おはようございます」
結局、俺はイブキを王宮に連れて行くことにした。昨夜あれこれ悩みながらイブの部屋に入るとユキに睨まれたのだ。何もかも見過ごしてる様な顔に見えた。クソ。俺は鳥にも情けない奴と思われているのか。そう思うとなんだか悩むのがばからしくなってきたのだ。
そのままイブキに明日から一緒に登城するぞと伝えてしまっていた。
今日は初登城ということで俺と同じ正装をさせている。イブキはそわそわしたままだ。俺とお揃いなのが嬉しそうでずっとにこにこしている。可愛すぎて苦しい。そうか、以前イブキが好きすぎてしんどいと言っていたが、これがしんどいということか。
「王様ってシドのご友人ですよね?僕が会ってもいいのかな?」
「むしろ顔合わせだから会わないといけないな」
「お城の中なんて入ったことありません」
「黙って俺の傍に居ればいいさ」
「それって。シドの隣に立っていてもいいってことですか?」
「ああ。もちろん」
「ふふふ。嬉しいな」
イブがふわりと花が綻ぶように笑う。自然と手がイブの頬に行く。いつものように擦り寄られた瞬間、俺は理解した。大事なものは手放してはいけないんだと。怖がってばかりじゃ前に進めない。
「ピィ」
「ユキも連れて行くのか?」
「はい。最近は僕から離れようとしないんです」
ユキもイブキの事が心配か。警戒しているのだな。これは手元に置いておいて正解ということだな。
城に入るときょろきょろと辺りを見回す。その大きさに驚いているようだ。
「大きいだけではないぞ、ほら物陰や扉の前には警備の兵が控えているだろう?」
「ほんとうだ。凄いですね」
王宮の内と外は警護を強化している。見えない部分は俺の影たちが守っている。王太子直属の執事のヘルマンも何か手をくだしてくれているようだ。ヘルマンの現役当時は知らないがなにやらいわくありげな部隊にいたらしい。彼ほどアーベルに忠誠を誓っている者はいないので任せておいていいだろう。
「あ!団長さんだ」
「今日は討伐がないからな。警護にまわっているのだろう」
イブが手を振っている。相手は団長だな。まさか持ち場を離れてはこないだろうが。休憩時間に追い回されるかもしれないな。
大広間には複数の貴族が来ていた。今回は目立つように大広間にて、あえて任命式を行う事にしたのだ。
「よくぞ来た。タキジャワ・イブキ。異世界から来られし偉大なる癒し手の持ち主よ」
王太子が仰々しく言うと、イブキがあんぐりと口をあけた。まさか自分の事をそんな風に言われるとは思ってなかったのだろう。
「ぷっくくく。なんとも可愛らしい。ああ、成人されていたな。すまない」
「いえ。とんでもないことです。王太子殿下にはご機嫌麗しく、なによりでございます。つきましては此度、宰相閣下であるエルシド・オウル・ブラッドフォード卿の補佐を任命されたことをここにご報告にまいりました」
屋敷でも何度も練習していたとおりの挨拶だ。
「ほう。見かけによらずしっかりとした物言いに鋭い目線である。なるほど、万能薬を作成しただけはある。それについては後ほど褒美を取らせようぞ」
「いえ、万能薬については僕だけではなく薬師の皆様のおかげでもあるのです。褒美をくださるなら僕ではなく薬師の皆様に差し上げてください。」
「なんと、思いやりに満ちた人柄であるな。わかった。のちほど私の執務室に来るがいい」
ひと通り挨拶や形式的な式が終わると周りの貴族たちが俺達の周りに集まりだす。
「ブラッドフォード卿が補佐を取るなんて珍しい。それほど有能ということなのでしょうな」
皆イブキの事を好奇の目で見て回る。やめろ、見世物じゃねえぞ。こうなるから連れて来たくなかったんだ。
「こんなに可愛い補佐殿は何が出来るのかしら?」
「ピィ!」
イブキの肩に乗っていたユキがひと声あげた。
「まあ!本物なの?わたくしは飾りかと思ってましたわ」
「王宮にペットを連れてくるなんて」
「ペットではありません。この子はオウルの雛です。僕の友達です」
「ピィ!」
「オウル?ブラッドフォード卿の守護獣なのか!」
「いかにも。このイブキは動物達と心を通わせるチカラを持っております」
俺の言葉に毛玉が反応した。
「ピィ」
「ピィ―ピピ」
「ふふ。いいよ。シドの元に行っておいで」
毛玉がぱたぱたと俺の肩に乗る。珍しいこともあるものだ。
「この子はオウルの言葉がわかるというのか?」
「なんと噂は本当だったのか」
「ピィーピピピ。ピ―♪」
「おお。オウルが歌っているぞ」
「まあ初めて聞きましたわ」
イブキが俺を見て片目をつぶった。どうやらユキにパフォーマンスをさせたらしい。俺の守護獣だということを周知させるためにやったのだろう。上出来だ!クラークのいうとおりイブキは俺が思うよりも才覚があるかもしれない。
「では、我らはこれで失礼いたします」
もうお披露目はこの辺りで良いだろう。
「おはよう。なかなか似合ってるぞ」
「お、おはようございます」
結局、俺はイブキを王宮に連れて行くことにした。昨夜あれこれ悩みながらイブの部屋に入るとユキに睨まれたのだ。何もかも見過ごしてる様な顔に見えた。クソ。俺は鳥にも情けない奴と思われているのか。そう思うとなんだか悩むのがばからしくなってきたのだ。
そのままイブキに明日から一緒に登城するぞと伝えてしまっていた。
今日は初登城ということで俺と同じ正装をさせている。イブキはそわそわしたままだ。俺とお揃いなのが嬉しそうでずっとにこにこしている。可愛すぎて苦しい。そうか、以前イブキが好きすぎてしんどいと言っていたが、これがしんどいということか。
「王様ってシドのご友人ですよね?僕が会ってもいいのかな?」
「むしろ顔合わせだから会わないといけないな」
「お城の中なんて入ったことありません」
「黙って俺の傍に居ればいいさ」
「それって。シドの隣に立っていてもいいってことですか?」
「ああ。もちろん」
「ふふふ。嬉しいな」
イブがふわりと花が綻ぶように笑う。自然と手がイブの頬に行く。いつものように擦り寄られた瞬間、俺は理解した。大事なものは手放してはいけないんだと。怖がってばかりじゃ前に進めない。
「ピィ」
「ユキも連れて行くのか?」
「はい。最近は僕から離れようとしないんです」
ユキもイブキの事が心配か。警戒しているのだな。これは手元に置いておいて正解ということだな。
城に入るときょろきょろと辺りを見回す。その大きさに驚いているようだ。
「大きいだけではないぞ、ほら物陰や扉の前には警備の兵が控えているだろう?」
「ほんとうだ。凄いですね」
王宮の内と外は警護を強化している。見えない部分は俺の影たちが守っている。王太子直属の執事のヘルマンも何か手をくだしてくれているようだ。ヘルマンの現役当時は知らないがなにやらいわくありげな部隊にいたらしい。彼ほどアーベルに忠誠を誓っている者はいないので任せておいていいだろう。
「あ!団長さんだ」
「今日は討伐がないからな。警護にまわっているのだろう」
イブが手を振っている。相手は団長だな。まさか持ち場を離れてはこないだろうが。休憩時間に追い回されるかもしれないな。
大広間には複数の貴族が来ていた。今回は目立つように大広間にて、あえて任命式を行う事にしたのだ。
「よくぞ来た。タキジャワ・イブキ。異世界から来られし偉大なる癒し手の持ち主よ」
王太子が仰々しく言うと、イブキがあんぐりと口をあけた。まさか自分の事をそんな風に言われるとは思ってなかったのだろう。
「ぷっくくく。なんとも可愛らしい。ああ、成人されていたな。すまない」
「いえ。とんでもないことです。王太子殿下にはご機嫌麗しく、なによりでございます。つきましては此度、宰相閣下であるエルシド・オウル・ブラッドフォード卿の補佐を任命されたことをここにご報告にまいりました」
屋敷でも何度も練習していたとおりの挨拶だ。
「ほう。見かけによらずしっかりとした物言いに鋭い目線である。なるほど、万能薬を作成しただけはある。それについては後ほど褒美を取らせようぞ」
「いえ、万能薬については僕だけではなく薬師の皆様のおかげでもあるのです。褒美をくださるなら僕ではなく薬師の皆様に差し上げてください。」
「なんと、思いやりに満ちた人柄であるな。わかった。のちほど私の執務室に来るがいい」
ひと通り挨拶や形式的な式が終わると周りの貴族たちが俺達の周りに集まりだす。
「ブラッドフォード卿が補佐を取るなんて珍しい。それほど有能ということなのでしょうな」
皆イブキの事を好奇の目で見て回る。やめろ、見世物じゃねえぞ。こうなるから連れて来たくなかったんだ。
「こんなに可愛い補佐殿は何が出来るのかしら?」
「ピィ!」
イブキの肩に乗っていたユキがひと声あげた。
「まあ!本物なの?わたくしは飾りかと思ってましたわ」
「王宮にペットを連れてくるなんて」
「ペットではありません。この子はオウルの雛です。僕の友達です」
「ピィ!」
「オウル?ブラッドフォード卿の守護獣なのか!」
「いかにも。このイブキは動物達と心を通わせるチカラを持っております」
俺の言葉に毛玉が反応した。
「ピィ」
「ピィ―ピピ」
「ふふ。いいよ。シドの元に行っておいで」
毛玉がぱたぱたと俺の肩に乗る。珍しいこともあるものだ。
「この子はオウルの言葉がわかるというのか?」
「なんと噂は本当だったのか」
「ピィーピピピ。ピ―♪」
「おお。オウルが歌っているぞ」
「まあ初めて聞きましたわ」
イブキが俺を見て片目をつぶった。どうやらユキにパフォーマンスをさせたらしい。俺の守護獣だということを周知させるためにやったのだろう。上出来だ!クラークのいうとおりイブキは俺が思うよりも才覚があるかもしれない。
「では、我らはこれで失礼いたします」
もうお披露目はこの辺りで良いだろう。
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