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マレとの会話
しおりを挟む話したいと、いつ通話できそうか時間を尋ねてきたマレ。メッセージは今しがた届いたばかりだ。
だったら繋がるだろうと、返信の代わりに直接発信ボタンを押した。
即繋がった。マレも画面を観ていたのだろうか。
「わ、びっくりした! 電話だいじょうぶ?」
私の方が掛けたのに、こちらの状況を心配してくれている。
「うん、大丈夫だよ。あとは寝るだけだから。話そー」
フランスは今夕方くらい。マレも学校のタスクは一通り終え、一息ついたタイミングだろうか。
「うん! ありがとう! 『まれほまれ』の動画、次の何か考えたいなぁって思って」
マレはちょっとした登録者数を抱えている動画配信者だった。
アクションカメラを装着したままバレエの練習をした際の動画をアップしていたところ、ハイレベルのバレリーナの目線を体験できる映像として、じわじわと人気を獲得していったらしい。
動画の性質上、顔は出ない動画ばかりだったが、せっかく登録者が増えているからと、他の主旨のコンテンツをいくつか追加することにしたマレ。
日本に戻ってきていたマレと話したとき、私と一緒にやりたいことを片っ端から挙げてもらった。
マレが前を向けるために、マレの気持ちが揚がることは何でもやりたいと思ったのだ。
その中のひとつに、「一緒に踊りたい」というものがあり、音楽イベントでは「まれほまれ」というユニット名で、ふたりで踊るパフォーマンスを披露した。
せっかく名前も付けたのだからと、このユニットで動画も撮りたいねなんて話をしていたのだった。
コンテンツ『まれほまれ』は、イベントの時のパフォーマンスを撮影してもらった映像と、練習時に撮影した素材を繋げたメイキングをあげ、その後はふたりでお菓子を食べながらイベントの苦労話や感想を言い合い、たまにお菓子の講評もする動画をあげただけで止まっていた。
「この前、のんたちとの動画もリモートで撮影したよ! それぞれで演奏とダンスをするとか、映像素材をいくつか撮って、編集して格好良い感じにするのも良いかなぁって思ってるんだけど、どうかなぁ?」
「面白そう! うーん、でも、直近だと時間ちょっと作れないかも……」
「あ、そっか、映画? 撮影始まってるんだよね」
マレとはそれなりにメッセージでのやり取りをしている。
映像作品に役者として出演することになったなんて話や、撮影の話なども軽くだが伝えていた。それに、浅草サンバカーニバルも間近に迫っていて、その準備も同時進行で行っていることも。
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