オメガ転生。

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学園生活

やばいです(雅貴)

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城内で使える全て及び、自分の密かに使える駒を全て動員して仕事をこなしていく。
ある程度終わり、気がつけば深夜をまわっていた。

「お疲れ、大丈夫か?」

そう言って入って来たのは幼馴染のあの男と…

「すまないね。やはり君がいないとこの城、いや、この国はうまく機能がしないようだよ」
「はぁ…いくら私が長い間この職をついてたとは言え、それもどうですかね」

少しぐらい嫌味を言っても良いだろう。
今は深夜。お互い気心は知れている。

「そうなんだがな、例のあの少女。どうも姉妹だったらしくてな。少し面倒事が起こりそうだ」
「そうだって…そちらで捕撲してどうにかできないのですか?」
「まぁ、事情があってな…」
「これですか?」

バサッと数枚の報告書を二人の前にあるテーブルの上に叩きつけるようにして置く。
二人とも今ソファーに座ってくつろぎながら、私の行動を眺めていた。

「俺のところよりも詳しい報告書だな」
「そうですね。わかりやすい。流石君の飼いだね」

二人がペラペラと捲りながら確認していく書類。
影の者に調べさせていた者だ。
この国主人でもある皇帝が知らないわけでは無いと思うが、あえて伏せて置く。

「この件と、例のあの子。あの国に送ったのに、どう言う手を使ったのか逃げ出したらしいんだ。手に入れたと思って気が緩んだのかねぇ…しっかり捕まえて、閉じ込めてくれて良かったのにね」
「だが、しっかりあの刑は施したのだろう?」
「………」
「どう言う事だ??」

だんだんと苛立ちが湧き出てくる。
これは、もう一人も同じようだ…

「ごめん」
「何がごめんだ??」
「どう言う事だ!」

二人で詰め寄るのは仕方がない事だ。
その刑に処して、彼の国に送るからとの約束で、仕方なく踏みとどまったのだから…

「オメガに落とすはずだったんだ。だが、不具合が生じてね…」
「まさか、アルファのままとか言わないよな!!」
「あの国から邪魔が入ってね…自分の目の前で落として、そのままで連れて来て欲しいとか、自分の目の前で落として欲しいとか…みたいな事を言い出したらしくて…」
「それで??」
「仕方なく、向こうでする事になってね…神殿の者と向こうの迎えの者とで拘束しながら連れて行って…逃げられた」



「何馬鹿なことやってるんだよ!」
「俺たちの苦労はどうなった!」
「ごめん、ほんとーにごめん。今自分の動かせる影の者達とか、向こうの者達で追跡してるんだ。この国に戻って来たと言う情報は入っていない」
「そう言う問題じゃないだろう!!」

あの男は多くのオメガをいたぶり、売買してきた。
自分の番いもそうだが、コイツの部下の番いも被害を受けたと聞いた。

「「それで、どう対策されてるんですかね⁈」」

二人でハモってしまっても仕方がないだろう!

「見つけ次第拘束。彼の国が名を言おうと我が名を持って刑を執行し、送りつける。アイツも意地でも捕らえると言っていたからね。壊れるぐらいにして、孕ませるとか…」

最後、ボソボソ言っていたが、結構過激に…

「お互いの国においてのミスでもあるから、協力する事になった。二人とも頼むね」
「最後はこっちに振るのですね」
「五体満足かどうかは知りませんよ!」

「多少の傷は癒せるけど、欠損は困るから、五体満足で向こうに送るよ。心は…どうでも良いか…どうせ向こうで壊すだろうし…」

そっぽむきながら話す内容だとは思いませんが、この人も結構過激でいらっしゃる。

「それより、疲れただろ?良いの持って来たんだ」

琥珀色の液体の入った瓶をテーブルに置く。
何処から出したんだ??
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