オメガ転生。

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学園生活

やばいです(雅貴)

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せっかく手に入れて、このまま囲い込んでしまおうかと真剣に考えを巡らせたが、それではダメだと考え直した。
そう、彼にとっての貴重な青春時代の一つとなろう学園での学生生活。
他の者を達に見られたり、触られるのも本当は嫌なのだが、学生の時期でしか手に入らない友人関係や思い出作りも大切だろうと言う思いに至った。
それに、この愛しい者は、妹や家族をものすごく気にかけて大事にしている事も知っている。
それを無理やり引き離してしまうのは得策ではない。

仕事を辞めようとは本気で思ったんですがね…
そのセリフを吐くと、苦笑いされてしまいました。
ならば、かっこよく仕事をこなしてもっと私を見てもらおうと思います。
見惚れるぐらいにね…

ですが…もう少し翔を堪能したい気持ちもあって…
そうこうしていたら、城から迎えが来てしまった。

「もう少し踏ん張ってもらいたかったのですがね!!」

思いっきり執務室でぼやいてしまっても仕方がないと思うよ。本当に!!
机にドンと置かれた書類も山にウンザリする。

翔にはしっかりと約束をさせておいたが、自分が帰るまで待ってもらいたいと言う事を忘れてしまった。
というか、言う時間がなかった。
寮に帰る事はしっかりと相談し、本当は嫌だったんだけど認めた。
でも、自分が屋敷に帰り、『お帰りなさい』なんて言ってくれたらと思う。

宰相職について忙しい。確かに忙しいが、別に自分がし続ける必要性はないと考えていた。
彼と出会う前はそんな事は考えもしていなかったが、出会ってからは自分の部下をとにかくしっかりと教育したつもりだ。
ついて来たかどうかは…まぁ、大丈夫だろう。きっと…
『仕事なんて、辞めます!!』と辞職宣言してみたら、城の中がてんわわんやの大騒ぎになったらしいが、そんな事は関係ないと真剣に考えていた。

結果的には、なぜか皇帝自ら迎えに来て、連行されて今に至る。
『もう、十分仕事したから良いはず!』とも言ってみたが、『お前でないと困るんだよね』とほざいて、幼馴染の騎士団長であるあいつに担がれた。

「私の扱い、酷くありませんか?」

そうぼやいても、聞く耳持たずと言う感じだ。
渋々書類を片付けていく。

「何ですか?この件はこの前片付けたはずです。これは…ん??」

山の書類の中に一つ不審な物がある。
これは…
さらにもう一つ、関係性が無いようで、何か…
引っ掛かりを感じて、至急関係者やその他の情報を集めるよう指示を出した。

「これでは帰れませんね……」

そうぼやいた時、影の者から報告が…

「そうですか…翔が帰ったのですね…」

悲しい…悲しすぎる。しかしだ…

「それでは、翔の警護を頼みますね。そうそう、今度はあの様な失敗が無いように。くれぐれもですよ…」

ボソボソと呟くように言った言葉に微かな返答と同時に気配が消えた。


屋敷の者達が対応して送り出したのならば大丈夫だろう。
だが…

書類を眺めて思案を巡らした。
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