【完結】続・転生したら悪役令嬢になったようですが、肝心のストーリーが分かりません!! ~聖女がやって来た!~

Rohdea

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大事なのは肝心のお相手なのよ!!

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「ど、どうしてそう思われた……のですか……」

  セイラ様が動揺しながら私に訊ねる。

「だって、セイラ様……最近、心ここに在らずで、時々、ぼぉっとしたり、ある一点を見つめて熱い眼差しを」
「!!  知られて!?」

 セイラ様の顔がますます赤くなる。

「わ、私……こんな気持ち……初めてで……その、あの」
「……」
「こ、こんな気持ち、そ、そこの隅の床に投げ出されている王子には抱いた事も無かったのに……やっぱり恋……なのでしょうか?」

  部屋の端から「グハッ」って声が聞こえた気がした。

  両手で「あぁぁ、恥ずかしいです」と、顔を覆ってモジモジするセイラ様。
  セイラ様が恋する乙女だわ!   こんな顔を見せられたら何が何でも応援したくなっちゃう!

  でもね、大事なのは肝心のお相手なのよ!!
  シュナイダー様では困るのよ!!

「セイラ様!」
「は、はい」
「シュナイダー様はね……とっーーてもカッコイイの!」
「は、はい……?」

  突然の私の発言にセイラ様がえっ?  という驚いた顔をしている。

「その、ちょっと私を好き過ぎるかなって言う欠点?  はあるのだけれど」
「え?  キャロライン……様?」
「こんなバカみたいに突っ走る私を一途に想ってくれていて、いつだって優しく受け止めてくれるの、昔もね、自分を犠牲にしてまでピンク色から私を守ろうとしてくれて……」

  私が語るシュナイダー様論に皆が呆気に取られているのが分かる。
  だって、やっぱりシュナイダー様は譲れないもの。
  セイラ様のさっきの反応で違うかもって思ってはいるけれど、万が一……
  そう思ったら、シュナイダー様との事を語らずにはいられなかった。

  ちなみに私がシュナイダー様の事を語る度に「グハッ」とダメージを受けているビー(略)が視界の端に見えたけれど無視をする事にした。

「す、隙あらばキスを仕掛けてくるし、相変わらず人目が無くなると膝の上に私を乗せたりしようともするけれど……私はそんなシュナイダー様が大好きなの!!  だからセイラ様、もしもあなたがそのシュナイダー様の事を……」

  ひとり白熱した私がそこまで語った時、

「キャロライン!」
「キャロライン様!」
「!?」

  後ろからシュナイダー様に抱き着かれ、目の前には真っ赤な顔したセイラ様。
  どうしたというの?

「キャロライン……君は……もう僕をどうしたいの?」
「シュナイダー様?」

  シュナイダー様が後ろから、ぎゅっと抱き締めてくる。

「あれかな?  僕の理性を試してる?  無理だよ?  愛するキャロラインの前では僕の理性なんてその辺の紙っぺらより薄いんだから」
「?」
「全然分かってない顔だね。あれだな、もう今夜は僕の部屋に泊まらせようか?  朝まで愛して教えてあげるよ?」
「……!?」

  ちょっ、ちょっ……シュナイダー様ったら突然何を言い出したの?
  それでは18禁になってしまうわ!  結婚までは清らかでないとダメでしょーー??

「あ、朝まで?  きゃー!  ……で、では無く……キャ、キャロライン様……!  まさかとは思いますが……」

  そして、目の前で真っ赤な顔したセイラ様が必死に何かを言おうとしている。

「私がシュナイダー殿下に恋をしている……と思っていませんよね?」
「……違います?」
「ち、ち、違いますっ!!  どうして私がそんな!  有り得ません!」

  シュナイダー殿下にはキャロライン様込みで憧れているだけでーー!
  と、セイラ様が叫ぶ。

「そ、それならセイラ様は誰を見つめて頬を赤らめていたの?」
「!」
「セイラ様?」

  セイラ様はしばらく躊躇っていたけれど、やがて何かを決意をしたかのように顔を上げて言った。

「わ、私が見ていたのはシュナイダー殿下ではなく……そのお隣にいつも控えているエディ様ですっっ!!」
「えぇ!?」
「ぐぇぇぇ!」

  ──ん?

  真っ赤な顔で大告白をしたセイラ様の言葉を邪魔するかのような声が部屋に響いた。

  なに、今の……?
  そう思って声のした方に視線を向けると、
  先程から「グハッ」と煩かったセクハラ王子の腕と足を縛り上げようとしていたエディ様が突然の発言に驚き、力加減を間違えて王子を捻り潰してしまっていた。

「え?」
「ぐぇっ」
「何でしょうか……今……」
「ぐぇぇ」

  動揺するエディ様と、苦しそうなビーブル(略)

「聖女様が……私を……?  見てい……た?」
「ぐぇ、ぐぇ」
「そんな事が……?」
「ぐぇーーー」

  エディ様はかなり動揺していた。
  私はセイラ様に訊ねる。
  
「エ、エディ様を見ていたのですか?」
「そ、そうなんです……その、すみません、キャロライン様……誤解させてしまいました」
「あ、それは……」

  確かに黒い気持ちにはなりかけたわ。
  そんな私にセイラ様が頭を下げた。

「それなのに、いつも、明るく優しく接してくれて……ありがとうございます……」
「そ、そんな事は……」

  そう答える私を後ろから抱きしめているシュナイダー様は、うんうん頷きながら、
「さすが、僕のキャロライン」と、小さな声で呟いていた。

「あの、エディ様……」

  頭を上げたセイラ様がエディ様(と、ビーブル殿下)の元へと近づいて行く。

「は、はい」
「ぐぇ」
「その、この国に来て慣れない私の面倒をいつも見てくださっていたあなたの事がずっとずっと気になっていて……その、いつしかこの気持ちが……その……」
「聖女様……」
「ぐ、ぐぇ」
「聖女様なんて呼び方しないで下さい!  どうか、セイラ、と。それで、迷惑でなければ……私との事を考えて下さい!!」
「セ、セイラ様!!」
「ぐえぇぇーーーー」


「……」

  この様子を見るにエディ様も満更ではなさそうな顔をしているので、大変喜ばしい事なのだけど、私は思った。
  手元のビーグル(違う)王子は一旦手放した方がいいのでは?   と。


 
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