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第2章 ハルシュライン編
第36話 女性騎士の企み
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アリスは何もせず朝日を見る。
そこには白い雲と青い空が広がり、太陽が水平線を照らしているだけである。
(暇ですね。2日目にしてやることが無くなりました)
「アリスどうしましたか?」
ウィルは椅子に座って空を眺めるアリスを心配する。
「いえ、すごく退屈なだけです。なにか、やることはないですか?」
「そうですね。私も特に思いつきませんね」
「そうですかぁ~」
アリスは暇そうに椅子の上で足をバタバタする。
彼女はひざ下までのワンピースを着ているため、下着などは見えないが生足のため、ウィルは彼女の足を反射的に見てしまう。
「すいません。失礼でしたね」
ウィルは顔を赤くして、アリスから目を逸らす。
アリスは笑みを浮かべて彼の手を握る。
(言われた通りにすればいいのですよね?)
「どうしました、アリス?」
「あの足が疲れたので足をマッサージして貰えませんか?」
この言葉にウィルは口を開けたまま固まる。
女性と接することに奥手なウィルにとって、愛する人の生足をマッサージすることは彼にとってハードルが高すぎたのだ。
「ウィル、お願いします。私の足をマッサージしてください」
この言葉にウィルは顔を赤くしながらも口を開く。
「それならばメイドを呼びましょう」
ウィルはなんとか逃げの一手を繰り出す。
これには、周りで二人の進展を望んでいた騎士団の面々は頭を抱える。
彼らからすれば、騎士団が今後も同じ予算で継続していくためには、ウィルに次期女王アリスと結婚して貰わねば困るのだ。
「いえ、男の人の固い手で、強めにマッサージしてほしいのです。さすがにウィル以外の男の人に直に触られるのは嫌なのです」
ウィルは逃げ場をなくし、動揺する。
愛する婚約者がアルやレイ以外の男に触られるのは看過できない。
だが、アリスの生足を触るのも恥ずかしい。
彼の中で二つの考えがせめぎあう。
「わかりました。マッサージしましょう」
「それでは、よろしくお願いします」
アリスは近くの騎士たちに目配せをする。
すると甲板の人間がアリスの後方に移動する。
これには、ウィルも不審に思い周りを見渡す。
「ワンピースのスカートの中が見えてしまったら恥ずかしいので、私のスカートの中が見える位置から皆さんには移動していただきました」
「なるほど、では私も見ないように気をつけます」
ウィルの紳士さにアリスはニヤリと何かを企むように笑うのだった。
「それでは、マッサージをしますね」
ウィルは騎士団に支給される手袋をつけ、アリスの足に触れようとする。
「あの手袋でやるのですか。私の足は汚いでしょうか?」
アリスは悲しそうな声でウィルに尋ねる。
これにはウィルも慌てて手袋を外すのであった。
しかし、これは全て仕組まれたことだった。
騎士団の女性騎士がアリスにアドバイスし協力したのだ。
これも女性騎士達のシナリオ通りである。
そんなことは知らないウィルは顔を赤くしたまま、アリスの足を優しく掴み、壊れ物を扱うかのように弱い力でツボを押す。
「アリス、痛くないですか。あなたの綺麗な足を傷つけたくはないのです」
ウィルは素でアリスの足を綺麗だと褒めた。
これにはアリスも嬉しい気分になる。
(やはり、こういう展開はドキドキしますね)
「あのウィル、私の足はどういう感触ですか?」
「えっ……あの……柔らかくて暖かいです」
ウィルは顔を赤くして真剣に答える。
しかし、これは女性騎士が考えたセリフである。
それからも、ウィルは一生懸命にアリスの足をマッサージする。
(ここで、スカートをめくるのでしたよね?)
「あのウィル?」
アリスは女性騎士の言う通り、ウィルに声をかけてから、彼にだけ見えるようにスカートをめくる。顔を上げた彼は、アリスの下着を見てしまい、鼻血を流してうずくまる。
「あ……アリス……なにを」
「こういうのは嫌いですか?」
「いや……そういう問題ではなく」
「私と親密にはなってくれませんか?」
「はい……アリスとはより親密になりたいと思っています。しかしこういうのは時と場所を選んでください」
ウィルはハンカチで鼻血を引き取り、真剣に言葉を選んで気持ちを素直に伝える。
「でも、ウィルが悪いのですよ。まったく何もしてこないのですから」
この言葉にはウィルは申し訳なく思い、勇気をだしてアリスの気持ちを受け止めようと考え始める。
「あの私の足を舐めてはくれませんか?」
この言葉と、背後から聞こえる女性騎士の黄色い声に、ウィルはおかしいと気づく。
そして、これは女性騎士が仕組んだことだと察したウィル。
彼は女性騎士たちのもとに歩いていき、襟をつかむと問答無用で海へと投げ捨てていく。
彼の顔は笑っており、女性騎士たちは大人しく捕まり海に投げ捨てられる。
彼女たちは知っているのだ、ここで制裁を受けなければ、より恐ろしい目に合うということを――
「おい、人が海に落ちたぞぉおおおおお!!!」
「なにかあったのかぁああああ!!!」
「副騎士団長がご乱心だぁああああ!!!」
船員たちや騎士たちが女性騎士を救出に向かう中、アリスは冷や汗をダラダラと流し、こっそり船内に逃げようとしていた。
しかし、アリスの頭をウィルは掴む。
「逃げられると思いますか。アリス?」
(あぁ、これは怒っていますね……どうしましょうか?)
そこには白い雲と青い空が広がり、太陽が水平線を照らしているだけである。
(暇ですね。2日目にしてやることが無くなりました)
「アリスどうしましたか?」
ウィルは椅子に座って空を眺めるアリスを心配する。
「いえ、すごく退屈なだけです。なにか、やることはないですか?」
「そうですね。私も特に思いつきませんね」
「そうですかぁ~」
アリスは暇そうに椅子の上で足をバタバタする。
彼女はひざ下までのワンピースを着ているため、下着などは見えないが生足のため、ウィルは彼女の足を反射的に見てしまう。
「すいません。失礼でしたね」
ウィルは顔を赤くして、アリスから目を逸らす。
アリスは笑みを浮かべて彼の手を握る。
(言われた通りにすればいいのですよね?)
「どうしました、アリス?」
「あの足が疲れたので足をマッサージして貰えませんか?」
この言葉にウィルは口を開けたまま固まる。
女性と接することに奥手なウィルにとって、愛する人の生足をマッサージすることは彼にとってハードルが高すぎたのだ。
「ウィル、お願いします。私の足をマッサージしてください」
この言葉にウィルは顔を赤くしながらも口を開く。
「それならばメイドを呼びましょう」
ウィルはなんとか逃げの一手を繰り出す。
これには、周りで二人の進展を望んでいた騎士団の面々は頭を抱える。
彼らからすれば、騎士団が今後も同じ予算で継続していくためには、ウィルに次期女王アリスと結婚して貰わねば困るのだ。
「いえ、男の人の固い手で、強めにマッサージしてほしいのです。さすがにウィル以外の男の人に直に触られるのは嫌なのです」
ウィルは逃げ場をなくし、動揺する。
愛する婚約者がアルやレイ以外の男に触られるのは看過できない。
だが、アリスの生足を触るのも恥ずかしい。
彼の中で二つの考えがせめぎあう。
「わかりました。マッサージしましょう」
「それでは、よろしくお願いします」
アリスは近くの騎士たちに目配せをする。
すると甲板の人間がアリスの後方に移動する。
これには、ウィルも不審に思い周りを見渡す。
「ワンピースのスカートの中が見えてしまったら恥ずかしいので、私のスカートの中が見える位置から皆さんには移動していただきました」
「なるほど、では私も見ないように気をつけます」
ウィルの紳士さにアリスはニヤリと何かを企むように笑うのだった。
「それでは、マッサージをしますね」
ウィルは騎士団に支給される手袋をつけ、アリスの足に触れようとする。
「あの手袋でやるのですか。私の足は汚いでしょうか?」
アリスは悲しそうな声でウィルに尋ねる。
これにはウィルも慌てて手袋を外すのであった。
しかし、これは全て仕組まれたことだった。
騎士団の女性騎士がアリスにアドバイスし協力したのだ。
これも女性騎士達のシナリオ通りである。
そんなことは知らないウィルは顔を赤くしたまま、アリスの足を優しく掴み、壊れ物を扱うかのように弱い力でツボを押す。
「アリス、痛くないですか。あなたの綺麗な足を傷つけたくはないのです」
ウィルは素でアリスの足を綺麗だと褒めた。
これにはアリスも嬉しい気分になる。
(やはり、こういう展開はドキドキしますね)
「あのウィル、私の足はどういう感触ですか?」
「えっ……あの……柔らかくて暖かいです」
ウィルは顔を赤くして真剣に答える。
しかし、これは女性騎士が考えたセリフである。
それからも、ウィルは一生懸命にアリスの足をマッサージする。
(ここで、スカートをめくるのでしたよね?)
「あのウィル?」
アリスは女性騎士の言う通り、ウィルに声をかけてから、彼にだけ見えるようにスカートをめくる。顔を上げた彼は、アリスの下着を見てしまい、鼻血を流してうずくまる。
「あ……アリス……なにを」
「こういうのは嫌いですか?」
「いや……そういう問題ではなく」
「私と親密にはなってくれませんか?」
「はい……アリスとはより親密になりたいと思っています。しかしこういうのは時と場所を選んでください」
ウィルはハンカチで鼻血を引き取り、真剣に言葉を選んで気持ちを素直に伝える。
「でも、ウィルが悪いのですよ。まったく何もしてこないのですから」
この言葉にはウィルは申し訳なく思い、勇気をだしてアリスの気持ちを受け止めようと考え始める。
「あの私の足を舐めてはくれませんか?」
この言葉と、背後から聞こえる女性騎士の黄色い声に、ウィルはおかしいと気づく。
そして、これは女性騎士が仕組んだことだと察したウィル。
彼は女性騎士たちのもとに歩いていき、襟をつかむと問答無用で海へと投げ捨てていく。
彼の顔は笑っており、女性騎士たちは大人しく捕まり海に投げ捨てられる。
彼女たちは知っているのだ、ここで制裁を受けなければ、より恐ろしい目に合うということを――
「おい、人が海に落ちたぞぉおおおおお!!!」
「なにかあったのかぁああああ!!!」
「副騎士団長がご乱心だぁああああ!!!」
船員たちや騎士たちが女性騎士を救出に向かう中、アリスは冷や汗をダラダラと流し、こっそり船内に逃げようとしていた。
しかし、アリスの頭をウィルは掴む。
「逃げられると思いますか。アリス?」
(あぁ、これは怒っていますね……どうしましょうか?)
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