12 / 439
第一部:第一章 夢への第一歩
(四)共に一歩①
しおりを挟む
(四)
模擬戦も終わり、残すは魔法適正試験のみとなった。
これは体内に宿す魔力の質と量、および制御能力を測るものである。
一口に魔法と言っても、幾つかの体系に分かれており、その使用者も用途も異なっている。騎士達が主に用いるのは、そのうちの神聖魔法と呼ばれるものである。
神聖魔法は主に神官が使用する魔法で、回復や、加護と呼ばれる強化付与など、戦闘においては補助的なものが多い。「体内の力を、神の技によって顕現させている」と、教会は布教する際に喧伝している。だが学者達の間では、実際に神が関与しているのか、という議論に事欠かない。
また、信仰する神や宗派によって、若干使用する魔法が異なっている例もある。それが本当に異なる神から力を与えられたからなのか、年月の積み重ねによる派生なのか、現在では誰も分かる者はいない。神の力を感じるという事が、理論上どういうものなのか、誰も分からないというのが本当のところだろう。
次に挙げるのは「古代魔法」や「近代魔法」などと俗称される強力な魔法類。魔術師と呼ばれる者達が主として使用する魔法がこれにあたる。その内訳は攻撃魔法から、防御魔法、幻術、死霊術、付与術、召喚術など多岐にわたるもので、それぞれに特化した術者も存在する。
三つ目は、近代魔法の手順などを簡易化した、もので、「汎用魔法」または「共通魔法」と呼ばれるもの。
手軽に魔法が使用出来るようになった反面、その効果は古代魔法や近代魔法に劣る。だが、鍛練すれば、大抵の者が扱えるようになるため、そこそこの広がりを見せている。
四つ目が、精霊使い達が使用する精霊魔法。精霊の力を借りる、または直接精霊を召喚するなどして、行使する魔法だ。精霊との繋がりが薄い者は困難であったり、時には精霊と契約することも必要となるなど、課題が多く、使用する者は少ない。
最後に、伝説や伝承、英雄譚などを歌い上げる吟遊詩人。魔力を乗せて曲を奏でたり歌うことで、それに見合った力を発生させるというものだ。当然だが、歌が主体となるため、歌い手としての資質が重要な要素となり、効果を左右することになる。
これらの様々な形態の魔法は、使用を重ねて鍛練することにより、体内にある魔力を変質させていく。
次第に、鍛えられた系統の魔法に特化するようになり、他の系統が扱いにくくなる、という傾向がある。
適正試験においては、魔力の質に偏りがないか、ということも重要になってくる。
試験自体は両掌を胸の前で少し離して向かい合わせ、真ん中に魔力で球体を作り上げる、という単純なものだ。単純であるが故に、良し悪しがはっきりと出てしまう。
制御が出来ない者は、球体がいびつになり、体内の魔力量が少なければ、球体が小さかったり、すぐに消滅したりする。質が悪ければ、球体の色が薄かったり明滅したりと安定しない。
試験では、この魔力球は虹色がかった白が素地として良いとされている。他系統の魔法のに適正が向いていたり、既に鍛練していたりした場合には、この色が赤や青、黒といったように変質してしまっている。
神聖魔法の鍛練を積むと、純粋な白色へと変質していく。
そのため、騎士になるには他に大きく偏った魔力は好ましくない、という審査基準がある。
但し、若干ではあるが、他系統の魔法を操る特異な部隊も存在するため、完全に否定される訳でもない。
模擬戦も終わり、残すは魔法適正試験のみとなった。
これは体内に宿す魔力の質と量、および制御能力を測るものである。
一口に魔法と言っても、幾つかの体系に分かれており、その使用者も用途も異なっている。騎士達が主に用いるのは、そのうちの神聖魔法と呼ばれるものである。
神聖魔法は主に神官が使用する魔法で、回復や、加護と呼ばれる強化付与など、戦闘においては補助的なものが多い。「体内の力を、神の技によって顕現させている」と、教会は布教する際に喧伝している。だが学者達の間では、実際に神が関与しているのか、という議論に事欠かない。
また、信仰する神や宗派によって、若干使用する魔法が異なっている例もある。それが本当に異なる神から力を与えられたからなのか、年月の積み重ねによる派生なのか、現在では誰も分かる者はいない。神の力を感じるという事が、理論上どういうものなのか、誰も分からないというのが本当のところだろう。
次に挙げるのは「古代魔法」や「近代魔法」などと俗称される強力な魔法類。魔術師と呼ばれる者達が主として使用する魔法がこれにあたる。その内訳は攻撃魔法から、防御魔法、幻術、死霊術、付与術、召喚術など多岐にわたるもので、それぞれに特化した術者も存在する。
三つ目は、近代魔法の手順などを簡易化した、もので、「汎用魔法」または「共通魔法」と呼ばれるもの。
手軽に魔法が使用出来るようになった反面、その効果は古代魔法や近代魔法に劣る。だが、鍛練すれば、大抵の者が扱えるようになるため、そこそこの広がりを見せている。
四つ目が、精霊使い達が使用する精霊魔法。精霊の力を借りる、または直接精霊を召喚するなどして、行使する魔法だ。精霊との繋がりが薄い者は困難であったり、時には精霊と契約することも必要となるなど、課題が多く、使用する者は少ない。
最後に、伝説や伝承、英雄譚などを歌い上げる吟遊詩人。魔力を乗せて曲を奏でたり歌うことで、それに見合った力を発生させるというものだ。当然だが、歌が主体となるため、歌い手としての資質が重要な要素となり、効果を左右することになる。
これらの様々な形態の魔法は、使用を重ねて鍛練することにより、体内にある魔力を変質させていく。
次第に、鍛えられた系統の魔法に特化するようになり、他の系統が扱いにくくなる、という傾向がある。
適正試験においては、魔力の質に偏りがないか、ということも重要になってくる。
試験自体は両掌を胸の前で少し離して向かい合わせ、真ん中に魔力で球体を作り上げる、という単純なものだ。単純であるが故に、良し悪しがはっきりと出てしまう。
制御が出来ない者は、球体がいびつになり、体内の魔力量が少なければ、球体が小さかったり、すぐに消滅したりする。質が悪ければ、球体の色が薄かったり明滅したりと安定しない。
試験では、この魔力球は虹色がかった白が素地として良いとされている。他系統の魔法のに適正が向いていたり、既に鍛練していたりした場合には、この色が赤や青、黒といったように変質してしまっている。
神聖魔法の鍛練を積むと、純粋な白色へと変質していく。
そのため、騎士になるには他に大きく偏った魔力は好ましくない、という審査基準がある。
但し、若干ではあるが、他系統の魔法を操る特異な部隊も存在するため、完全に否定される訳でもない。
0
あなたにおすすめの小説
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ボンクラ王子の側近を任されました
里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」
王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。
人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。
そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。
義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。
王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?
余命僅かな大富豪を看取って、円満に未亡人になるはずでした
ぜんだ 夕里
恋愛
傾きかけた家を救うため、私が結んだのはあまりにも不謹慎な契約――余命いくばくもない大富豪の辺境伯様と結婚し、彼の最期を穏やかに看取ることで莫大な遺産を相続する、というものだった。
しかし、人の死を利用して富を得るなど不正義!
そう考えた私が立てたのは、前代未聞の計画。
「そうだ、遺産が残らないくらい贅沢の限りを尽くしてもらえば、すべて丸く収まるじゃない!」
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
『悪役』のイメージが違うことで起きた悲しい事故
ラララキヲ
ファンタジー
ある男爵が手を出していたメイドが密かに娘を産んでいた。それを知った男爵は平民として生きていた娘を探し出して養子とした。
娘の名前はルーニー。
とても可愛い外見をしていた。
彼女は人を惹き付ける特別な外見をしていたが、特別なのはそれだけではなかった。
彼女は前世の記憶を持っていたのだ。
そして彼女はこの世界が前世で遊んだ乙女ゲームが舞台なのだと気付く。
格好良い攻略対象たちに意地悪な悪役令嬢。
しかしその悪役令嬢がどうもおかしい。何もしてこないどころか性格さえも設定と違うようだ。
乙女ゲームのヒロインであるルーニーは腹を立てた。
“悪役令嬢が悪役をちゃんとしないからゲームのストーリーが進まないじゃない!”と。
怒ったルーニーは悪役令嬢を責める。
そして物語は動き出した…………──
※!!※細かい描写などはありませんが女性が酷い目に遭った展開となるので嫌な方はお気をつけ下さい。
※!!※『子供が絵本のシンデレラ読んでと頼んだらヤバイ方のシンデレラを読まれた』みたいな話です。
◇テンプレ乙女ゲームの世界。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げる予定です。
王子よ、貴方が責任取りなさい
天冨 七緒
恋愛
「聖女の補佐をしてくれないか?」
王子自ら辺境まで訪れ、頭を下げる。
それほど国は、切羽詰まった状況なのだろう。
だけど、私の答えは……
皆さんに知ってほしい。
今代の聖女がどんな人物なのか。
それを知った上で、私の決断は間違いだったのか判断してほしい。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる