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本編
28話 心配する王子様
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森にある小屋。
手作りの簡易的な机とイスが置かれています。
「シルヴィア、どこに行くんだ」
私がイスから立ち上がると、レオン王子殿下が話しかけて来る。
「レオン様、少し外の空気でも吸おうと思いまして......」
「そうか。それなら俺もついて行こう」
レオン王子殿下は、私の後に続いて小屋の外へと出た。
外は、いつもと変わらない。ただただ草木が生い茂っているだけの森がある。
私は、ゆっくりと深呼吸をしてこの森の匂いをかいだ。
土の香り、草木の香り、流れる水の香り。
その他にも、たくさんの匂いがします。
「悪くないにおいだ」
「ええ......」
「そろそろ中に戻ろう」
私たちは、小屋の中へと戻りました。
「シルヴィア、どこに行くんだ」
「その......少しだけ外に行こうと思いまして」
私がイスから立ち上がると、またレオン王子殿下は声をかけて来る。
あの森での一件以降、レオン王子殿下は私がどこに行くのかをすごく気にするようになりました。
「それなら俺も行こう」
「いや、その......」
「ん? 何だシルヴィア。俺は絶対について行くからな」
なんでも、レオン王子殿下は、私が森の獣に襲われたのは、自分の責任だと思っているようです。
自分がしっかりと見ていれば、こんな目に合わせなくて済んだのに。
そう言っていました。
気持ちは嬉しいのですが、今回ばかりはついて来られると困ります。
「レオン様、その......」
「どうしたシルヴィア、声が小さくて聞こえないぞ」
私がもごもごと話していると、サラがこっちにやって来た。
「レオン様、シルヴィア様には私がついて行くので大丈夫ですよ」
「いや、だが......」
「もう、大丈夫ですよ!」
サラは、私の手を引っ張って小屋の外へと連れ出した。
「サラありがとう」
「良いんですよシルヴィア様」
私は、安心してトイレへと行くことが出来ました。
私とサラが戻ると、レオン王子殿下が落ち着きがない様子で、小屋の中を歩きまわっていました。
「シルヴィアっ! 大丈夫だったのか!」
そんな様子を見て、私たち二人は笑いました。
◇
「シルヴィアはどうして森になんか入ったんだ?」
「え?」
特にやることもないので、小屋でぼけっーとしているとレオン王子殿下から声をかけられた。
「いや、その、な。俺に何か問題があるのではないかと思ってな」
「そんなことはありませんわ!」
申し訳なさそうな顔をして言って来たので、しっかりと否定をする。
「それなら良いんだ。またシルヴィア辛い目に合わせてしまったのだと考えてしまったんだ」
また、とはやさぐれ王子のことを言っているのかもしれません。
私は、安心してもらえるためにも、素直に言うことにしました。
「レオン様のせいではありませんわ。皆が仕事をしているのを見て、私にも何か出来ることがないか探そうと思ったのですわ」
「それで森に?」
「ええ、毒キノコを思い出して、山菜でも採りに行こうと......」
レオン王子殿下とサラのことを思い出して、ふふっ、と笑いながら言う。
「そうだったのか......それはやはり私のせいだな」
レオン王子殿下は、何かを考えるようにしてそう言いました。
「そんなことありませんわ!」
「いや、私のせいだ。私がシルヴィアの身の安全だけを優先して、仕事も何も与えなかったから......」
「レオン様......」
そういえばたしかに、私には明確な役割は与えられませんでした。
「レオン様のその気持ちだけで、私は十分ですわ」
「すまないなシルヴィア。今度は、二人で......クライヴも連れて山菜でも採りに行こうか」
「ええっ!!」
レオン王子殿下は、どこか照れながらそう言った。
◇
日が落ち始めてきた頃。
小屋には、私とレオン王子殿下がいた。
机には、手紙が置かれています。
先程、新しく届けられたものです。
「それで、どうするつもりですか?」
「そうだな。領主の手紙には、王国の気になる情勢が書かれていたな」
「なんと書かれて?」
私は、レオン王子殿下に聞いた。
「アーヴァイン公爵領、シルヴィアの実家で何やらあやしい動きがあるらしい......」
「私の?」
「ああ、詳しいことは分かってはいないようだが、領民たちが何やら不審な行動をしているらしいんだ」
「そんな! すぐに戻って止めさせないと」
私は、アーヴァイン公爵領の領民たちを思い出した。
ボロボロの衣服にやせこけた身なり。
税金も安いとは言えず、いつ何かが起こってもおかしくはありません。
「それはダメだシルヴィア。今は耐えてくれと手紙にも書いてある」
「そんな、ひどいですわレオン様」
「領主が情報を知らせてくれると言っているんだ、しばらくは静観しよう。それに、今の俺たちに出来ることは何もない」
私は、レオン王子殿下に言われてはっとする。
今、私たちが出て行けば王国に捕まるだけです。
くやしいですが、ここは諦めて耐えるしかなさそうです。
私は、この森から領民たちのことを考えた。
いつか、絶対になんとかしてみせるから、もう少しだけ頑張ってください。
そんなことを考えながら、故郷のある方向を見つめた——。
手作りの簡易的な机とイスが置かれています。
「シルヴィア、どこに行くんだ」
私がイスから立ち上がると、レオン王子殿下が話しかけて来る。
「レオン様、少し外の空気でも吸おうと思いまして......」
「そうか。それなら俺もついて行こう」
レオン王子殿下は、私の後に続いて小屋の外へと出た。
外は、いつもと変わらない。ただただ草木が生い茂っているだけの森がある。
私は、ゆっくりと深呼吸をしてこの森の匂いをかいだ。
土の香り、草木の香り、流れる水の香り。
その他にも、たくさんの匂いがします。
「悪くないにおいだ」
「ええ......」
「そろそろ中に戻ろう」
私たちは、小屋の中へと戻りました。
「シルヴィア、どこに行くんだ」
「その......少しだけ外に行こうと思いまして」
私がイスから立ち上がると、またレオン王子殿下は声をかけて来る。
あの森での一件以降、レオン王子殿下は私がどこに行くのかをすごく気にするようになりました。
「それなら俺も行こう」
「いや、その......」
「ん? 何だシルヴィア。俺は絶対について行くからな」
なんでも、レオン王子殿下は、私が森の獣に襲われたのは、自分の責任だと思っているようです。
自分がしっかりと見ていれば、こんな目に合わせなくて済んだのに。
そう言っていました。
気持ちは嬉しいのですが、今回ばかりはついて来られると困ります。
「レオン様、その......」
「どうしたシルヴィア、声が小さくて聞こえないぞ」
私がもごもごと話していると、サラがこっちにやって来た。
「レオン様、シルヴィア様には私がついて行くので大丈夫ですよ」
「いや、だが......」
「もう、大丈夫ですよ!」
サラは、私の手を引っ張って小屋の外へと連れ出した。
「サラありがとう」
「良いんですよシルヴィア様」
私は、安心してトイレへと行くことが出来ました。
私とサラが戻ると、レオン王子殿下が落ち着きがない様子で、小屋の中を歩きまわっていました。
「シルヴィアっ! 大丈夫だったのか!」
そんな様子を見て、私たち二人は笑いました。
◇
「シルヴィアはどうして森になんか入ったんだ?」
「え?」
特にやることもないので、小屋でぼけっーとしているとレオン王子殿下から声をかけられた。
「いや、その、な。俺に何か問題があるのではないかと思ってな」
「そんなことはありませんわ!」
申し訳なさそうな顔をして言って来たので、しっかりと否定をする。
「それなら良いんだ。またシルヴィア辛い目に合わせてしまったのだと考えてしまったんだ」
また、とはやさぐれ王子のことを言っているのかもしれません。
私は、安心してもらえるためにも、素直に言うことにしました。
「レオン様のせいではありませんわ。皆が仕事をしているのを見て、私にも何か出来ることがないか探そうと思ったのですわ」
「それで森に?」
「ええ、毒キノコを思い出して、山菜でも採りに行こうと......」
レオン王子殿下とサラのことを思い出して、ふふっ、と笑いながら言う。
「そうだったのか......それはやはり私のせいだな」
レオン王子殿下は、何かを考えるようにしてそう言いました。
「そんなことありませんわ!」
「いや、私のせいだ。私がシルヴィアの身の安全だけを優先して、仕事も何も与えなかったから......」
「レオン様......」
そういえばたしかに、私には明確な役割は与えられませんでした。
「レオン様のその気持ちだけで、私は十分ですわ」
「すまないなシルヴィア。今度は、二人で......クライヴも連れて山菜でも採りに行こうか」
「ええっ!!」
レオン王子殿下は、どこか照れながらそう言った。
◇
日が落ち始めてきた頃。
小屋には、私とレオン王子殿下がいた。
机には、手紙が置かれています。
先程、新しく届けられたものです。
「それで、どうするつもりですか?」
「そうだな。領主の手紙には、王国の気になる情勢が書かれていたな」
「なんと書かれて?」
私は、レオン王子殿下に聞いた。
「アーヴァイン公爵領、シルヴィアの実家で何やらあやしい動きがあるらしい......」
「私の?」
「ああ、詳しいことは分かってはいないようだが、領民たちが何やら不審な行動をしているらしいんだ」
「そんな! すぐに戻って止めさせないと」
私は、アーヴァイン公爵領の領民たちを思い出した。
ボロボロの衣服にやせこけた身なり。
税金も安いとは言えず、いつ何かが起こってもおかしくはありません。
「それはダメだシルヴィア。今は耐えてくれと手紙にも書いてある」
「そんな、ひどいですわレオン様」
「領主が情報を知らせてくれると言っているんだ、しばらくは静観しよう。それに、今の俺たちに出来ることは何もない」
私は、レオン王子殿下に言われてはっとする。
今、私たちが出て行けば王国に捕まるだけです。
くやしいですが、ここは諦めて耐えるしかなさそうです。
私は、この森から領民たちのことを考えた。
いつか、絶対になんとかしてみせるから、もう少しだけ頑張ってください。
そんなことを考えながら、故郷のある方向を見つめた——。
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