異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜

山いい奈

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#185 久々の家族との遣り取り

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 夜営業の仕込み、そして営業が始まってしまえば、壱はスマートフォンを気にする余裕も無くなってしまう。

 なので、家族にメッセージを送ってから、次にスマートフォンのチェックが出来たのは、寝支度を終えてからだった。

 SNSアプリのアイコンの右上には、新たに数字が表示されていた。壱はアイコンをタップする。

 家族グループに母親、そして妹からのメッセージが届いていた。妹からのものが多いのは、文字入力速度の違いだろう。

「本当に壱なの? 無事なの?」
「お兄ちゃん元気なの?」
「パパも心配してるよ!」
「どこにいるの? 異世界ってなに?」
「おじいちゃん? 本当?」
「お父さんがいたの!? どこ!?」
「帰れないってどういうことなの?」

 ほとんどが質問ばかりで、壱はつい苦笑する。しかしそれも仕方の無い事なのかも知れない。

 1ヶ月も行方不明だった息子からの、兄からのメッセージ。しかも異世界にいると言う。混乱もするだろう。

 壱は返信を打つ。


  異世界って言われても意味わかんないよね。
  でも本当のこと。
  俺もじいちゃんも無事だし元気。
  大丈夫だから。安心してね。

  帰れないのは、異世界にいるから。
  でも本当に大丈夫だから。
  平和な村なんだよ。

  これまでメッセ送れなかったのは、
  送っていいものなのかどうかわからなかったから。
  でもこっちの偉い人にOKもらえたから。
  これからたまに送るね。

  じゃあまた!


 送信ボタンをタップ。

 そして、壱が気に入って良く使っていたカピバラのシリーズのスタンプを追加した。身分証明のつもりである。

 「こっちの偉い人」とは勿論サユリと茂造の事である。茂造はともかく、「こちらには喋るカピバラがいる」なんて伝えたら、家族の混乱はますます大きくなるだろうから、これは黙っていよう。

「家族から返事があったのだカピか?」

 壱と一緒に部屋に戻って来て、とっととベッドに横たわっていたサユリにかれる。

「うん。やっぱり異世界とか意味判んないって。そりゃあそうだよね。混乱してるみたい」

「ま、仕方が無いカピ」

「まぁね」

 だが、それも徐々じょじょに落ち着いて行くだろう。

 とりあえず無事だと言う事は伝わっていると思うのだが。

 さて、アプリを落として寝ようか、としたところ、新たに家族グループにメッセージが入った。妹からだった。


  よくわかんないけど、お兄ちゃんもおじいちゃんも無事ならよかった。
  こっちもみんな元気だよ!
  またメッセ送ってね!
  こっちからも送るね!


 壱は返事として、「OK」と書かれているカピバラのスタンプを送信した。

 さて、今度こそ寝るぞ。壱はスマートフォンを机の引き出しに仕舞う。

「おやすみ、サユリ」

「おやすみカピ」

 そうして、ベッドに潜り込んだ。
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