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#08 情報は大切
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「おお、これじゃこれじゃ。台所にほとんど入らなかった儂でも、米ぐらいは見た事あるぞ」
茂造は嬉しそうに微笑む。
「我の魔法で育てたので、クズ米は無いカピ。選別は大変だカピ」
「壱、早速#炊#た__#いとくれ」
「じいちゃん炊け……炊けないか。料理とかこっちに来てからやり始めたんだろうしな。俺も炊飯器以外で炊いた事なんて、キャンプの#飯盒#はんごう__#ぐらいだけど、何とかなるかな? 水の量が問題か。あ、そういやスマホ!」
壱は弾かれる様に立ち上がると、走って食堂に戻る。テーブルに置きっ放しにしていたボディバッグを開け、スマートフォンを取り出した。
電源は入ったままだが、普段は上部分に表示されている電波の受信状況を示すアイコンは消え、当然Wi-Fiのアイコンも表示されない。
「そりゃそうか。ここ、異世界らしいもんな」
がっかりするが、しかしそこで、サユリの魔法を思い出す。サユリなら何とかしてくれるのでは無いか。そうしたら、もっといろいろと作れるものも増えるのでは無いだろうか。
駄目元で聞いて見る事にしよう。
駆け足で裏庭に戻った壱は、すぐさまサユリにスマホを差し出す。
「なぁサユリ、このスマホ、この世界で使える様にする事って出来ないかな」
「スマホ? ああ、これ、向こうの世界でよく人間どもが使っておった機械カピね。写真が撮れる事は知っているカピ。#不躾#ぶしつけ__#にも良く動物園で向けられたからカピな。実際はどういうものカピ?」
「写真も撮れるんだけど、電話が出来て、ネットが使えるんだ。写真は電波来て無くても使えるし、電話、は、まぁいいとして、ネットが使えたら凄い助かる。いろんな調べ物とかも出来るから、作れるものも増えるだろうし、食堂のメニュー増やしたり」
「おお、何か聞いた事があるぞ。何じゃ、あれじゃろ、何か凄い携帯電話じゃな?」
「そんな感じ。じいちゃんがこっちっつうか向こうにいる時に使ってた携帯電話のグレードアップ版だと思ってもらって良い。あれよりもっと便利になってんだよ」
「凄いのう」
茂造が感心した声を上げ、スマートフォンの画面をもの珍しげに眺める。
茂造がこちらの世界に連れて来られた時点では、まだスマートフォンの普及率はさほど高くは無かった#筈#はず__#だ。茂造本人や周囲の人間の殆どはフィーチャーフォンユーザだったと思われるので、確かに珍しいのかも知れない。
「これが動けば、米もちゃんと炊ける」
「何と! それは大事じゃ! サユリさん、何とかならんか!」
1番米を食べたがっていた茂造が大いに反応する。
「要は、電波だけをこちらと繋げれば良いという事カピか?」
「出来たら、俺の家で引いてるWi-Fiからだと助かる。さすがに電波を無料で使うのは良心が咎める」
それを言うと使用料も支払えないのだが、それはご勘弁いただきたい。
「あ、それとこれ、電池パックで動いてんだ。充電器は持ってるから、この世界の電気で充電出来ないかな」
「そんなものは我の魔法で永久電池にしてやるカピ。その方が簡単カピ。それよりWi-Fiとは何カピ?」
「スマホへの電波って基本は有限なんだよ。それが無限で使える様になる機械から出てる電波ってとこかな。うちのリビングのテレビの下に機械があるんだけど」
「ふむ、待つカピ」
サユリが眼を閉じる。数秒後、口を開いた。
「テレビとやらの左側の下にある、横型の黒い箱カピ? 確かにそこから何やら不可思議な波動が感じられるカピ」
「それそれ! 置くところが無くて、テレビの左下の#隙間#すきま__#に突っ込んだんだよ。いけるか?」
「我を誰だと思っているカピ。偉大なる魔法使いカピよ」
サユリは言い、胸を張る様に背中を反った。
「こんなのはちょちょいのちょいカピ。身体を異世界に渡すのは大量の魔力がいるカピが、電波程度なら少しの魔力で済むカピ」
そしてサユリは右前足を上げる。くるくると宙を描き。
壱の手元のスマートフォンの上部分に、Wi-Fiのアイコンが現れた。
「うおっ! 凄い! ありがとうサユリ!」
「お安い御用カピ。それで本当に食堂のメニューを増やしたり出来るんだカピな?」
「出来る出来る。いや、ここのメニュー知らないけど、簡単なものばかりって言ってただろ? スマホが使えたらレシピ見れるから、ハーブの使い方とかもいろいろ出て来ると思うよ」
「ふむ。期待しているカピ」
なぜ我が家のインテリアが分かるのか。突っ込みたいところだが、魔法はそういうものだと納得せざるを得ない。
「それより今は何より米じゃ、壱よ。儂は早く白いご飯が食べたいんじゃ」
「よぅし、ちょっと待ってな」
壱は言うと、慣れた手付きでスマートフォンを操作し、米の炊き方を調べた。
茂造は嬉しそうに微笑む。
「我の魔法で育てたので、クズ米は無いカピ。選別は大変だカピ」
「壱、早速#炊#た__#いとくれ」
「じいちゃん炊け……炊けないか。料理とかこっちに来てからやり始めたんだろうしな。俺も炊飯器以外で炊いた事なんて、キャンプの#飯盒#はんごう__#ぐらいだけど、何とかなるかな? 水の量が問題か。あ、そういやスマホ!」
壱は弾かれる様に立ち上がると、走って食堂に戻る。テーブルに置きっ放しにしていたボディバッグを開け、スマートフォンを取り出した。
電源は入ったままだが、普段は上部分に表示されている電波の受信状況を示すアイコンは消え、当然Wi-Fiのアイコンも表示されない。
「そりゃそうか。ここ、異世界らしいもんな」
がっかりするが、しかしそこで、サユリの魔法を思い出す。サユリなら何とかしてくれるのでは無いか。そうしたら、もっといろいろと作れるものも増えるのでは無いだろうか。
駄目元で聞いて見る事にしよう。
駆け足で裏庭に戻った壱は、すぐさまサユリにスマホを差し出す。
「なぁサユリ、このスマホ、この世界で使える様にする事って出来ないかな」
「スマホ? ああ、これ、向こうの世界でよく人間どもが使っておった機械カピね。写真が撮れる事は知っているカピ。#不躾#ぶしつけ__#にも良く動物園で向けられたからカピな。実際はどういうものカピ?」
「写真も撮れるんだけど、電話が出来て、ネットが使えるんだ。写真は電波来て無くても使えるし、電話、は、まぁいいとして、ネットが使えたら凄い助かる。いろんな調べ物とかも出来るから、作れるものも増えるだろうし、食堂のメニュー増やしたり」
「おお、何か聞いた事があるぞ。何じゃ、あれじゃろ、何か凄い携帯電話じゃな?」
「そんな感じ。じいちゃんがこっちっつうか向こうにいる時に使ってた携帯電話のグレードアップ版だと思ってもらって良い。あれよりもっと便利になってんだよ」
「凄いのう」
茂造が感心した声を上げ、スマートフォンの画面をもの珍しげに眺める。
茂造がこちらの世界に連れて来られた時点では、まだスマートフォンの普及率はさほど高くは無かった#筈#はず__#だ。茂造本人や周囲の人間の殆どはフィーチャーフォンユーザだったと思われるので、確かに珍しいのかも知れない。
「これが動けば、米もちゃんと炊ける」
「何と! それは大事じゃ! サユリさん、何とかならんか!」
1番米を食べたがっていた茂造が大いに反応する。
「要は、電波だけをこちらと繋げれば良いという事カピか?」
「出来たら、俺の家で引いてるWi-Fiからだと助かる。さすがに電波を無料で使うのは良心が咎める」
それを言うと使用料も支払えないのだが、それはご勘弁いただきたい。
「あ、それとこれ、電池パックで動いてんだ。充電器は持ってるから、この世界の電気で充電出来ないかな」
「そんなものは我の魔法で永久電池にしてやるカピ。その方が簡単カピ。それよりWi-Fiとは何カピ?」
「スマホへの電波って基本は有限なんだよ。それが無限で使える様になる機械から出てる電波ってとこかな。うちのリビングのテレビの下に機械があるんだけど」
「ふむ、待つカピ」
サユリが眼を閉じる。数秒後、口を開いた。
「テレビとやらの左側の下にある、横型の黒い箱カピ? 確かにそこから何やら不可思議な波動が感じられるカピ」
「それそれ! 置くところが無くて、テレビの左下の#隙間#すきま__#に突っ込んだんだよ。いけるか?」
「我を誰だと思っているカピ。偉大なる魔法使いカピよ」
サユリは言い、胸を張る様に背中を反った。
「こんなのはちょちょいのちょいカピ。身体を異世界に渡すのは大量の魔力がいるカピが、電波程度なら少しの魔力で済むカピ」
そしてサユリは右前足を上げる。くるくると宙を描き。
壱の手元のスマートフォンの上部分に、Wi-Fiのアイコンが現れた。
「うおっ! 凄い! ありがとうサユリ!」
「お安い御用カピ。それで本当に食堂のメニューを増やしたり出来るんだカピな?」
「出来る出来る。いや、ここのメニュー知らないけど、簡単なものばかりって言ってただろ? スマホが使えたらレシピ見れるから、ハーブの使い方とかもいろいろ出て来ると思うよ」
「ふむ。期待しているカピ」
なぜ我が家のインテリアが分かるのか。突っ込みたいところだが、魔法はそういうものだと納得せざるを得ない。
「それより今は何より米じゃ、壱よ。儂は早く白いご飯が食べたいんじゃ」
「よぅし、ちょっと待ってな」
壱は言うと、慣れた手付きでスマートフォンを操作し、米の炊き方を調べた。
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