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#09 お米を炊こう
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「よし! じゃあ米を炊くぞ!」
「楽しみじゃ!」
食堂の厨房で壱が右腕を上に突き出すと、茂造も気合が入った様に右腕を振り上げた。サユリも付き合いだと言う様に無表情で左右足を上げる。
無洗米なので、洗う必要は無い。それでも念の為に、軽量カップで計った2カップの米をさっと濯いで、水に浸ける。
「30分は水に浸けなきゃならないんだ。ちょっと待ってな」
「では、我の出番カピな」
サユリが魔法を掛けてくれる。
「30分経ったカピ」
「ありがとな。じゃあ水を切って、米を鍋に入れて……じいちゃん、土鍋みたいなのは無いかな」
「土鍋は無いのう。鍋もフライパンも、全部鉄製か銅製じゃ」
「じゃあ鉄の鍋で炊いてみるかな? えーと、これで」
厨房の奥の棚から深めで蓋の付いている鍋を取り出す。普段から使っているのか綺麗に洗われていたので、そのまま使う。
鍋にザルで水を切った米を入れ、水を注ぐ。水の量はレシピによって様々だったが、1番分かりやすいレシピで、米と同量の2カップを入れる。
鍋を火に掛ける。まずは強火に。沸いて来たら弱火に落とし、約10分。
鍋からチリチリと音がして来たら炊き上がり。火を止めて10分蒸らす。
これらの時間経過はサユリの魔法に頼らずに待った。サユリは申し出てくれたが、米を炊く感覚を掴んでおきたかったのだ。
「よっし、じいちゃん、米が炊けたぞ!」
「おおお!」
茂造はまるで鍋ごとかぶり付く勢いである。ほかほかと湯気が上がり、壱には馴染みの、茂造には懐かしい香りが上がる。米もつやつやピカピカと粒が立っている様な気がするが、欲目だろうか。
「じいちゃん、何か茶碗みたいなのってある?」
「んー、無いのう。じゃからとりあえずはサラダボウルで食べるかの。箸も無いぞ。フォークかの」
茂造からしゃもじ代わりの木べらを受け取り、くっつき防止に水に濡らしてから、ご飯を解して行く。その度に鍋から甘い香りが上がり、茂造は嬉しそうに眼を細めた。
底から返すと、芳ばしいおこげも出来ていた。茂造が喉を鳴らす。
サラダボウルにおこげも合わせてふんわりと盛り、茂造に渡してやる。
「どうぞ、じいちゃん。ちゃんと炊けてると思うんだけど」
「いやぁ旨そうじゃ。いただきます」
そう言っていそいそとフォークの腹に乗せた米を口に運ぶ。途端に茂造の目が見開かれた。心なしか頬も紅潮している様な気がする。
「旨いぞ壱! 凄いなぁ! ちゃんと巧く炊けているぞ! ああ旨い! 久々の米じゃ、嬉しいのう!」
茂造はそう言いながら、2口3口と次々に口に入れて行く。満足してくれた様だ。良かった。
「サユリも食べられるか?」
「もちろんカピ。我は殆どのものが食べられるカピよ」
「じゃあ」
ご飯をよそったサラダボウルを前に置いてやる。サユリは初めて口にする食物に恐る恐ると言った様子でひとくち含むと、しっかりと味わう様に咀嚼する。
「ふむ……これは……可能性を感じるカピ……」
そう言いながら口を動かす。うっとりとした表情から、どうやらお気に召してくれた様子だ。
さて、壱はようやく自分の分を盛る。フォークでひとくち。うん、我ながら巧く炊けたのでは無いだろうか。粒もしっかりしているし、芯までちゃんと火が通っている。甘みや旨みもしっかり感じる。
炊飯器よりも鍋で炊いたご飯は旨いと聞いた事が何度もある。それもあるだろうが、壱がこれまで家で食べていた米よりも格段に美味しい様な。
壱は首を傾げた。
「楽しみじゃ!」
食堂の厨房で壱が右腕を上に突き出すと、茂造も気合が入った様に右腕を振り上げた。サユリも付き合いだと言う様に無表情で左右足を上げる。
無洗米なので、洗う必要は無い。それでも念の為に、軽量カップで計った2カップの米をさっと濯いで、水に浸ける。
「30分は水に浸けなきゃならないんだ。ちょっと待ってな」
「では、我の出番カピな」
サユリが魔法を掛けてくれる。
「30分経ったカピ」
「ありがとな。じゃあ水を切って、米を鍋に入れて……じいちゃん、土鍋みたいなのは無いかな」
「土鍋は無いのう。鍋もフライパンも、全部鉄製か銅製じゃ」
「じゃあ鉄の鍋で炊いてみるかな? えーと、これで」
厨房の奥の棚から深めで蓋の付いている鍋を取り出す。普段から使っているのか綺麗に洗われていたので、そのまま使う。
鍋にザルで水を切った米を入れ、水を注ぐ。水の量はレシピによって様々だったが、1番分かりやすいレシピで、米と同量の2カップを入れる。
鍋を火に掛ける。まずは強火に。沸いて来たら弱火に落とし、約10分。
鍋からチリチリと音がして来たら炊き上がり。火を止めて10分蒸らす。
これらの時間経過はサユリの魔法に頼らずに待った。サユリは申し出てくれたが、米を炊く感覚を掴んでおきたかったのだ。
「よっし、じいちゃん、米が炊けたぞ!」
「おおお!」
茂造はまるで鍋ごとかぶり付く勢いである。ほかほかと湯気が上がり、壱には馴染みの、茂造には懐かしい香りが上がる。米もつやつやピカピカと粒が立っている様な気がするが、欲目だろうか。
「じいちゃん、何か茶碗みたいなのってある?」
「んー、無いのう。じゃからとりあえずはサラダボウルで食べるかの。箸も無いぞ。フォークかの」
茂造からしゃもじ代わりの木べらを受け取り、くっつき防止に水に濡らしてから、ご飯を解して行く。その度に鍋から甘い香りが上がり、茂造は嬉しそうに眼を細めた。
底から返すと、芳ばしいおこげも出来ていた。茂造が喉を鳴らす。
サラダボウルにおこげも合わせてふんわりと盛り、茂造に渡してやる。
「どうぞ、じいちゃん。ちゃんと炊けてると思うんだけど」
「いやぁ旨そうじゃ。いただきます」
そう言っていそいそとフォークの腹に乗せた米を口に運ぶ。途端に茂造の目が見開かれた。心なしか頬も紅潮している様な気がする。
「旨いぞ壱! 凄いなぁ! ちゃんと巧く炊けているぞ! ああ旨い! 久々の米じゃ、嬉しいのう!」
茂造はそう言いながら、2口3口と次々に口に入れて行く。満足してくれた様だ。良かった。
「サユリも食べられるか?」
「もちろんカピ。我は殆どのものが食べられるカピよ」
「じゃあ」
ご飯をよそったサラダボウルを前に置いてやる。サユリは初めて口にする食物に恐る恐ると言った様子でひとくち含むと、しっかりと味わう様に咀嚼する。
「ふむ……これは……可能性を感じるカピ……」
そう言いながら口を動かす。うっとりとした表情から、どうやらお気に召してくれた様子だ。
さて、壱はようやく自分の分を盛る。フォークでひとくち。うん、我ながら巧く炊けたのでは無いだろうか。粒もしっかりしているし、芯までちゃんと火が通っている。甘みや旨みもしっかり感じる。
炊飯器よりも鍋で炊いたご飯は旨いと聞いた事が何度もある。それもあるだろうが、壱がこれまで家で食べていた米よりも格段に美味しい様な。
壱は首を傾げた。
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