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#39 お味噌充実!
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「おお、嬉しいのう、また味噌が食べられるのう」
茂造が眼を細めて、味噌の木桶を覗き込む。
「早速食べよう! じいちゃん、この村で育ててる野菜で、味噌に合いそうなのってあるかな。えーと、きゅうりとか茄子とか、大根とか」
「カルパッチョに使っとるきゅうりがあるぞ。厨房の冷蔵庫じゃ」
「取って来る!」
早く味噌を堪能したい、味わいたいと、壱は階段を駆け下りた。厨房に入り冷蔵庫を開け、きゅうりの束から2本掴むと、また階段を駆け上がる。
キッチンできゅうりを洗ってしっかりと水分を拭き取る。切り方にやや迷ったが、縦に包丁を入れて4等分にし、適当な長さにカットした。
「ほらじいちゃん、味噌付けて食べてみてよ。もろきゅうってあるだろ? あれはもろみ味噌で、この味噌とはまた違うんだけど、普通の味噌付けて食べても美味しいから」
壱が元の世界でよくやっていた食べ方でもある。もろみ味噌は甘みも強いが、普通の味噌は控えめである。だがそれが壱は好きだった。
壱は木桶から適当に味噌を掬うと、小皿に移す。カットしたきゅうりを手にし、味噌を取ってきゅうりにたっぷりと付けると、早速口に運んだ。
「うまーい!」
壱は嬉しくなって、叫ぶ様に言った。そのままで食べるにはやや塩気が強い味噌が、瑞々しいきゅうりの淡さで緩和され、味噌の旨味がしっかりと伝わって来る。
本来なら大豆用では無い枝豆が成長したもの、それが魚沼のコシヒカリで作った麹の力とこの村で作られた塩の力を借りて、こんなにも美味しい味噌に仕上がった。これは充分に及第点では無いだろうか。
「どれどれ、では儂も」
茂造が壱に倣い、きゅうりに味噌を付けて口に含む。しみじみと眼を細めた。
「うんうん、旨いのう、懐かしいのう、旨いのう」
嬉しそうに茂造が言う。口にも合った様だ。
「ふむ、我も味見してみるとしようカピ」
「うん、ちょっと待ってな」
壱はきゅうりを小さくに割ると、それに味噌を付ける。
「ほら」
サユリの口に入れてやる。するとじっくりと味わう様に眼を閉じ食み、やがて小さく頷いた。
「うむ、不思議な味カピな。けど悪く無いカピ。癖になる味カピな」
サユリの味覚はこの世界のものの筈なので、と言う事は、この世界の人たちに受け入れられるかどうかは五分五分と言うところか。
しかし癖になる味と言ったので、勝算はあるだろうか。
しかし食堂のメニューに味噌を使ったものを加えるとなると、もっと大量の味噌が必要になる。
それに客に提供して、自分の分の味噌が確保出来なくなってしまえば、それは心の死活問題である。
壱が味噌の算段を立てていると、サユリが口を開いた。
「ひとまずこれは、今のところ量産は難しいカピ。まずは枝豆の生産量を増やさなければならないからカピ。もちろん収穫量は月によってばらつきがあるカピが、枝豆は村人の貴重なおやつカピ。少なくすると不満が出ると思われるカピよ」
「え、じゃあこの味噌、うちだけで食べて良いの?」
「それはそもそも試作だったカピ、元よりそのつもりだったカピよ。存分に食べるが良いカピ」
サユリの言葉に、壱は飛び跳ねそうになりながら言った。
「ありがとう!」
壱はまた味噌を付けたきゅうりを口に放り込む。うん、やっぱり美味しい。ついつい頬を緩ませる。
「味噌の普及は様子を見るカピよ。まずは村内で米を定着させたいところカピ。田んぼを作らねばカピ」
「それもまた調べてみるよ。見ただけなら、かなり水の多い泥って感じなんだけど、何か決まりとか法則とかあるかも知れないし」
「うむカピ、では頼むカピ」
村長と言うだけあって、サユリには考えなければならない事が多い様だ。
茂造が眼を細めて、味噌の木桶を覗き込む。
「早速食べよう! じいちゃん、この村で育ててる野菜で、味噌に合いそうなのってあるかな。えーと、きゅうりとか茄子とか、大根とか」
「カルパッチョに使っとるきゅうりがあるぞ。厨房の冷蔵庫じゃ」
「取って来る!」
早く味噌を堪能したい、味わいたいと、壱は階段を駆け下りた。厨房に入り冷蔵庫を開け、きゅうりの束から2本掴むと、また階段を駆け上がる。
キッチンできゅうりを洗ってしっかりと水分を拭き取る。切り方にやや迷ったが、縦に包丁を入れて4等分にし、適当な長さにカットした。
「ほらじいちゃん、味噌付けて食べてみてよ。もろきゅうってあるだろ? あれはもろみ味噌で、この味噌とはまた違うんだけど、普通の味噌付けて食べても美味しいから」
壱が元の世界でよくやっていた食べ方でもある。もろみ味噌は甘みも強いが、普通の味噌は控えめである。だがそれが壱は好きだった。
壱は木桶から適当に味噌を掬うと、小皿に移す。カットしたきゅうりを手にし、味噌を取ってきゅうりにたっぷりと付けると、早速口に運んだ。
「うまーい!」
壱は嬉しくなって、叫ぶ様に言った。そのままで食べるにはやや塩気が強い味噌が、瑞々しいきゅうりの淡さで緩和され、味噌の旨味がしっかりと伝わって来る。
本来なら大豆用では無い枝豆が成長したもの、それが魚沼のコシヒカリで作った麹の力とこの村で作られた塩の力を借りて、こんなにも美味しい味噌に仕上がった。これは充分に及第点では無いだろうか。
「どれどれ、では儂も」
茂造が壱に倣い、きゅうりに味噌を付けて口に含む。しみじみと眼を細めた。
「うんうん、旨いのう、懐かしいのう、旨いのう」
嬉しそうに茂造が言う。口にも合った様だ。
「ふむ、我も味見してみるとしようカピ」
「うん、ちょっと待ってな」
壱はきゅうりを小さくに割ると、それに味噌を付ける。
「ほら」
サユリの口に入れてやる。するとじっくりと味わう様に眼を閉じ食み、やがて小さく頷いた。
「うむ、不思議な味カピな。けど悪く無いカピ。癖になる味カピな」
サユリの味覚はこの世界のものの筈なので、と言う事は、この世界の人たちに受け入れられるかどうかは五分五分と言うところか。
しかし癖になる味と言ったので、勝算はあるだろうか。
しかし食堂のメニューに味噌を使ったものを加えるとなると、もっと大量の味噌が必要になる。
それに客に提供して、自分の分の味噌が確保出来なくなってしまえば、それは心の死活問題である。
壱が味噌の算段を立てていると、サユリが口を開いた。
「ひとまずこれは、今のところ量産は難しいカピ。まずは枝豆の生産量を増やさなければならないからカピ。もちろん収穫量は月によってばらつきがあるカピが、枝豆は村人の貴重なおやつカピ。少なくすると不満が出ると思われるカピよ」
「え、じゃあこの味噌、うちだけで食べて良いの?」
「それはそもそも試作だったカピ、元よりそのつもりだったカピよ。存分に食べるが良いカピ」
サユリの言葉に、壱は飛び跳ねそうになりながら言った。
「ありがとう!」
壱はまた味噌を付けたきゅうりを口に放り込む。うん、やっぱり美味しい。ついつい頬を緩ませる。
「味噌の普及は様子を見るカピよ。まずは村内で米を定着させたいところカピ。田んぼを作らねばカピ」
「それもまた調べてみるよ。見ただけなら、かなり水の多い泥って感じなんだけど、何か決まりとか法則とかあるかも知れないし」
「うむカピ、では頼むカピ」
村長と言うだけあって、サユリには考えなければならない事が多い様だ。
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