2 / 50
1章 碧、前職で奮闘する
第1話 さっそくのつまずき
しおりを挟む
碧は「とくら食堂」に入る前、2年制の調理師学校を20歳で卒業してから、大阪に拠点を置くチェーン展開の定食屋「さつき亭」に就職した。「とくら食堂」を継ぐことを目標としていたので、同じジャンルで修行をしたかったのだ。
配属された店舗は淀屋橋にあった。大阪屈指のビジネス街で、大小様々な商業ビルがそびえ立つ。大阪メトロ御堂筋線が通り、京阪本線の始発駅でもある。
そんな近代的な街並みの中に、国指定重要文化財である大阪市中央公会堂と中之島図書館があり、その重厚さと芸術性が街を彩る。周辺には中之島公園のバラ園もあり、憩いの場になっているのだ。
今やチェーン店なら、セントラルキッチンなどで調理や下ごしらえなどを行うことが多いが、そこは店舗でいちから作っていた。だからこそそこを目指して就職活動をした。やはり料理人の卵なら、手ずからお料理をしたいと考えるのでは無いだろうか。
誰が手掛けても同じ味を安定して出すことができるセントラルキッチンは魅力的だと思う。調理経験の少ないスタッフでも美味しいものを提供することができるのだから。
だが、碧はこれでも調理学校で専門的なお料理を勉強してきた自負がある。まだまだひよっこだし、プロと名乗れるまでどれぐらい掛かるのかは分からないが、それでも手を、身体を動かして、初めてそれに近付くことができると思うのだ。
しかし、碧は初手でつまずいた。入社後、大阪市内の本社で3ヶ月の研修のち、この淀屋橋店に配属になって数日。まだ人間関係に慣れ切れず、ぎこちないながらも山原さんと世間話をしていたときだ。アイドルタイムなどならそんな余裕もあるのだ。
山原さんは碧の2歳上の男性の先輩だった。あまり背の高く無い中肉中背で、すこしつり上がっている目が特徴といえる。高校生のころからアルバイトでこの店舗に入っていて、そのまま正社員になったとのことだ。
碧は調理師学校を出ていることもあって、炒め物と焼き物メニューの調理を任されていた。レシピは決まっているものの、やりがいがあった。
ちなみに山原さんは揚げ物担当である。唐揚げやとんかつ、アジフライに天ぷら盛り合わせなどは、特にビジネスマンには大人気なのだ。お肉用とお魚用、天ぷら用のフライヤーを駆使している。
「都倉さんは、ここにおってなんか目標とか、そんなんあったりするん?」
海老と季節の野菜天ぷらを揚げる山原さんにそう聞かれたので、炒めあがったばかりの豚のしょうが焼きを、千切りきゃべつを盛った楕円形のシルバープレートに移した碧は緊張しつつも、意図せず軽く応えた。
「わたし、実家が定食屋やってるんですよ。やので、いずれは跡を継ぎたいと思ってて」
すると、碧を取り囲む空間の気温がすっと下がった気がした。フライヤーはぱちぱちと動いているし、それはもちろんただの空気感なのだが、そのとき山原先輩が碧に向けた目は、明らかに冷めていた。
碧は一瞬動きを止めてしまう。だが何とかすぐにお仕事を思い出し、豚のしょうが焼きを目の前のカウンタのトレイに置いた。ホール係のアルバイトさんが伝票を見て、手際良く運んでくれる。
「なんや、ここはただの腰掛けか」
まさか。碧は青ざめる。そんなこと、思うわけが無いではないか。碧にとって、このお店でのお仕事は修行だ。経験を積み、力を付けるための、大切なステージだ。軽く見ていたりないがしろにするつもりなんてさらさら無い。
「ちゃいます! そんなつもりは」
碧が焦って言うと、山原さんは言葉を繋ぐ。
「あ、それかあれや、踏み台や」
そんなことも思っていない。碧は呆然としてしまう。こんな穿った様な極端なことを思われるとは。
「そんなこと、思うわけ無いや無いですか。わたしはここで真剣にお仕事をさせていただいて、力も付けたくて」
「せやから、それを踏み台て言うんや」
山原先輩にそう言われ、鼻で笑われた。
どうしよう。どうしたら分かってもらえるのだろうか。でも踏み台と言われて、碧の心は揺らいでしまった。碧にとってはスキルアップの場であると思っているのだが、それを踏み台と捉える価値観もあるのだ。
それを伝えたら分かってもらえるだろうか。碧はこの職場を大切に思っている。お店のために、そしてお客さまのために、腕を振るえたらと思っているのだ。
「しょうもな」
山原さんは天ぷらを揚げ終えると、油を切り、天紙を敷いたお皿に盛り付けて、あとはお運びのアルバイトさんに託して、不機嫌なままその場を離れた。
碧は呆然としてしまう。完全に誤解された。とはいえ、このお店はチェーン店なのだから、他の店舗も含めて骨を埋める気が無いのなら、そう思われてしまう可能性だってあったのだ。そこは碧の想像力が足りなかったのかも知れない。
困った。めっちゃ困った。注文が入らないのを良いことに、碧がその場でうなだれていると、琴平店長が「都倉さん」とやってきた。その顔には心配げな様子が浮かんでいた。ほっそりと背の高い女性である。髪は潔いショートカットで、シャープな印象だ。
「山原くんに聞いた。ここの仕事を腰掛けやて言われたんやて?」
「あの、わたし、そんなこと全然思ってなくて、あの」
さっそく告げ口の様なことをされてしまった。ああ、それはどうでも良い、万が一、琴平店長にまでそう思われてしまっては。碧が焦ると、琴平店長は「分かってるって」と、碧を安心させてくれるような柔らかな笑みを浮かべた。
「わたしは都倉さんの事情も知ってるし、独立とかのために他の店で修行するんも当たり前なんやから、他のスタッフはそんなこと思ってへんよ。それにしても山原くんなぁ~」
琴平店長は、困った様な表情になる。
「うちを大事にしてくれるんはありがたいんよ。この店舗で店長になりたいって思ってくれとってね。でもなぁ~」
琴平店長は一瞬言い淀み、苦笑混じりで言った。
「思い込みが激しくて、難しいんよねぇ~……」
なるほど、それゆえのこの一連の行動なわけか。碧は妙に納得してしまったのだった。
配属された店舗は淀屋橋にあった。大阪屈指のビジネス街で、大小様々な商業ビルがそびえ立つ。大阪メトロ御堂筋線が通り、京阪本線の始発駅でもある。
そんな近代的な街並みの中に、国指定重要文化財である大阪市中央公会堂と中之島図書館があり、その重厚さと芸術性が街を彩る。周辺には中之島公園のバラ園もあり、憩いの場になっているのだ。
今やチェーン店なら、セントラルキッチンなどで調理や下ごしらえなどを行うことが多いが、そこは店舗でいちから作っていた。だからこそそこを目指して就職活動をした。やはり料理人の卵なら、手ずからお料理をしたいと考えるのでは無いだろうか。
誰が手掛けても同じ味を安定して出すことができるセントラルキッチンは魅力的だと思う。調理経験の少ないスタッフでも美味しいものを提供することができるのだから。
だが、碧はこれでも調理学校で専門的なお料理を勉強してきた自負がある。まだまだひよっこだし、プロと名乗れるまでどれぐらい掛かるのかは分からないが、それでも手を、身体を動かして、初めてそれに近付くことができると思うのだ。
しかし、碧は初手でつまずいた。入社後、大阪市内の本社で3ヶ月の研修のち、この淀屋橋店に配属になって数日。まだ人間関係に慣れ切れず、ぎこちないながらも山原さんと世間話をしていたときだ。アイドルタイムなどならそんな余裕もあるのだ。
山原さんは碧の2歳上の男性の先輩だった。あまり背の高く無い中肉中背で、すこしつり上がっている目が特徴といえる。高校生のころからアルバイトでこの店舗に入っていて、そのまま正社員になったとのことだ。
碧は調理師学校を出ていることもあって、炒め物と焼き物メニューの調理を任されていた。レシピは決まっているものの、やりがいがあった。
ちなみに山原さんは揚げ物担当である。唐揚げやとんかつ、アジフライに天ぷら盛り合わせなどは、特にビジネスマンには大人気なのだ。お肉用とお魚用、天ぷら用のフライヤーを駆使している。
「都倉さんは、ここにおってなんか目標とか、そんなんあったりするん?」
海老と季節の野菜天ぷらを揚げる山原さんにそう聞かれたので、炒めあがったばかりの豚のしょうが焼きを、千切りきゃべつを盛った楕円形のシルバープレートに移した碧は緊張しつつも、意図せず軽く応えた。
「わたし、実家が定食屋やってるんですよ。やので、いずれは跡を継ぎたいと思ってて」
すると、碧を取り囲む空間の気温がすっと下がった気がした。フライヤーはぱちぱちと動いているし、それはもちろんただの空気感なのだが、そのとき山原先輩が碧に向けた目は、明らかに冷めていた。
碧は一瞬動きを止めてしまう。だが何とかすぐにお仕事を思い出し、豚のしょうが焼きを目の前のカウンタのトレイに置いた。ホール係のアルバイトさんが伝票を見て、手際良く運んでくれる。
「なんや、ここはただの腰掛けか」
まさか。碧は青ざめる。そんなこと、思うわけが無いではないか。碧にとって、このお店でのお仕事は修行だ。経験を積み、力を付けるための、大切なステージだ。軽く見ていたりないがしろにするつもりなんてさらさら無い。
「ちゃいます! そんなつもりは」
碧が焦って言うと、山原さんは言葉を繋ぐ。
「あ、それかあれや、踏み台や」
そんなことも思っていない。碧は呆然としてしまう。こんな穿った様な極端なことを思われるとは。
「そんなこと、思うわけ無いや無いですか。わたしはここで真剣にお仕事をさせていただいて、力も付けたくて」
「せやから、それを踏み台て言うんや」
山原先輩にそう言われ、鼻で笑われた。
どうしよう。どうしたら分かってもらえるのだろうか。でも踏み台と言われて、碧の心は揺らいでしまった。碧にとってはスキルアップの場であると思っているのだが、それを踏み台と捉える価値観もあるのだ。
それを伝えたら分かってもらえるだろうか。碧はこの職場を大切に思っている。お店のために、そしてお客さまのために、腕を振るえたらと思っているのだ。
「しょうもな」
山原さんは天ぷらを揚げ終えると、油を切り、天紙を敷いたお皿に盛り付けて、あとはお運びのアルバイトさんに託して、不機嫌なままその場を離れた。
碧は呆然としてしまう。完全に誤解された。とはいえ、このお店はチェーン店なのだから、他の店舗も含めて骨を埋める気が無いのなら、そう思われてしまう可能性だってあったのだ。そこは碧の想像力が足りなかったのかも知れない。
困った。めっちゃ困った。注文が入らないのを良いことに、碧がその場でうなだれていると、琴平店長が「都倉さん」とやってきた。その顔には心配げな様子が浮かんでいた。ほっそりと背の高い女性である。髪は潔いショートカットで、シャープな印象だ。
「山原くんに聞いた。ここの仕事を腰掛けやて言われたんやて?」
「あの、わたし、そんなこと全然思ってなくて、あの」
さっそく告げ口の様なことをされてしまった。ああ、それはどうでも良い、万が一、琴平店長にまでそう思われてしまっては。碧が焦ると、琴平店長は「分かってるって」と、碧を安心させてくれるような柔らかな笑みを浮かべた。
「わたしは都倉さんの事情も知ってるし、独立とかのために他の店で修行するんも当たり前なんやから、他のスタッフはそんなこと思ってへんよ。それにしても山原くんなぁ~」
琴平店長は、困った様な表情になる。
「うちを大事にしてくれるんはありがたいんよ。この店舗で店長になりたいって思ってくれとってね。でもなぁ~」
琴平店長は一瞬言い淀み、苦笑混じりで言った。
「思い込みが激しくて、難しいんよねぇ~……」
なるほど、それゆえのこの一連の行動なわけか。碧は妙に納得してしまったのだった。
23
あなたにおすすめの小説
下宿屋 東風荘 2
浅井 ことは
キャラ文芸
※※※※※
下宿屋を営み、趣味は料理と酒と言う変わり者の主。
毎日の夕餉を楽しみに下宿屋を営むも、千年祭の祭りで無事に鳥居を飛んだ冬弥。
しかし、飛んで仙になるだけだと思っていた冬弥はさらなる試練を受けるべく、空高く舞い上がったまま消えてしまった。
下宿屋は一体どうなるのか!
そして必ず戻ってくると信じて待っている、残された雪翔の高校生活は___
※※※※※
下宿屋東風荘 第二弾。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
鎌倉黒猫カフェ クロスオーバー
櫻井千姫
キャラ文芸
鎌倉の滑川近くにある古民家カフェ「クロスオーバー」。イケメンだけどちょっと不思議な雰囲気のマスター、船瀬守生と、守生と意思を交わすことのできる黒猫ハデス。ふたりが迎えるお客さんたちは、希死念慮を抱えた人ばかり。ブラック企業、失恋、友人関係、生活苦......消えたい、いなくなりたい。そんな思いを抱える彼らに振る舞われる「思い出のおやつ」が、人生のどん詰まりにぶち当たった彼らの未来をやさしく照らす。そして守生とハデス、「クロスオーバー」の秘密とは?※表紙のみAI使用
【完結】「かわいそう」な公女のプライド
干野ワニ
恋愛
馬車事故で片脚の自由を奪われたフロレットは、それを理由に婚約者までをも失い、過保護な姉から「かわいそう」と口癖のように言われながら日々を過ごしていた。
だが自分は、本当に「かわいそう」なのだろうか?
前を向き続けた令嬢が、真の理解者を得て幸せになる話。
※長編のスピンオフですが、単体で読めます。
【完結】二十五歳のドレスを脱ぐとき ~「私という色」を探しに出かけます~
朝日みらい
恋愛
二十五歳――それは、誰かのために生きることをやめて、
自分のために色を選び直す年齢だったのかもしれません。
リリア・ベルアメール。王都の宰相夫人として、誰もが羨む立場にありながら、 彼女の暮らす屋敷には、静かすぎるほどの沈黙が流れていました。
深緑のドレスを纏い、夫と並んで歩くことが誇りだと信じていた年月は、
いまではすべて、くすんだ記憶の陰に沈んでいます。
“夫の色”――それは、誇りでもあり、呪いでもあった。
リリアはその色の中で、感情を隠し、言葉を飲み込み、微笑むことを覚えた。
けれど二十五歳の冬、長く続いた沈黙に小さなひびが入ります。
愛されることよりも、自分を取り戻すこと。
選ばれる幸せよりも、自分で選ぶ勇気。
その夜、彼女が纏ったのは、夫の深緑ではなく――春の蕾のような淡いピンク。
それは、彼女が“自分の色”で生きると決めた最初の夜でした――。
あやかしが家族になりました
山いい奈
キャラ文芸
★お知らせ
いつもありがとうございます。
当作品、3月末にて非公開にさせていただきます。再公開の日時は未定です。
ご迷惑をお掛けいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
母親に結婚をせっつかれている主人公、真琴。
一人前の料理人になるべく、天王寺の割烹で修行している。
ある日また母親にうるさく言われ、たわむれに観音さまに良縁を願うと、それがきっかけとなり、白狐のあやかしである雅玖と結婚することになってしまう。
そして5体のあやかしの子を預かり、5つ子として育てることになる。
真琴の夢を知った雅玖は、真琴のために和カフェを建ててくれた。真琴は昼は人間相手に、夜には子どもたちに会いに来るあやかし相手に切り盛りする。
しかし、子どもたちには、ある秘密があるのだった。
家族の行く末は、一体どこにたどり着くのだろうか。
隠された第四皇女
山田ランチ
恋愛
ギルベアト帝国。
帝国では忌み嫌われる魔女達が集う娼館で働くウィノラは、魔女の中でも稀有な癒やしの力を持っていた。ある時、皇宮から内密に呼び出しがかかり、赴いた先に居たのは三度目の出産で今にも命尽きそうな第二側妃のリナだった。しかし癒やしの力を使って助けたリナからは何故か拒絶されてしまう。逃げるように皇宮を出る途中、ライナーという貴族男性に助けてもらう。それから3年後、とある命令を受けてウィノラは再び皇宮に赴く事になる。
皇帝の命令で魔女を捕らえる動きが活発になっていく中、エミル王国との戦争が勃発。そしてウィノラが娼館に隠された秘密が明らかとなっていく。
ヒュー娼館の人々
ウィノラ(娼館で育った第四皇女)
アデリータ(女将、ウィノラの育ての親)
マイノ(アデリータの弟で護衛長)
ディアンヌ、ロラ(娼婦)
デルマ、イリーゼ(高級娼婦)
皇宮の人々
ライナー・フックス(公爵家嫡男)
バラード・クラウゼ(伯爵、ライナーの友人、デルマの恋人)
ルシャード・ツーファール(ギルベアト皇帝)
ガリオン・ツーファール(第一皇子、アイテル軍団の第一師団団長)
リーヴィス・ツーファール(第三皇子、騎士団所属)
オーティス・ツーファール(第四皇子、幻の皇女の弟)
エデル・ツーファール(第五皇子、幻の皇女の弟)
セリア・エミル(第二皇女、現エミル王国王妃)
ローデリカ・ツーファール(第三皇女、ガリオンの妹、死亡)
幻の皇女(第四皇女、死産?)
アナイス・ツーファール(第五皇女、ライナーの婚約者候補)
ロタリオ(ライナーの従者)
ウィリアム(伯爵家三男、アイテル軍団の第一師団副団長)
レナード・ハーン(子爵令息)
リナ(第二側妃、幻の皇女の母。魔女)
ローザ(リナの侍女、魔女)
※フェッチ
力ある魔女の力が具現化したもの。その形は様々で魔女の性格や能力によって変化する。生き物のように視えていても力が形を成したもの。魔女が死亡、もしくは能力を失った時点で消滅する。
ある程度の力がある者達にしかフェッチは視えず、それ以外では気配や感覚でのみ感じる者もいる。
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる