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愛を誓う二度目の鐘
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アランと二人、私の実家へと馬車で向かっている。
近づいていくにつれ、アランの口数が少なくなっていくのが分かった。
「もしかして、緊張してる?」
「そりゃあな……」
「アランでも緊張することあるんだ!」
「当たり前だ。俺だって普通の人間だぞ」
「ふふっそれは知らなかった」
新しい発見が、妙に嬉しい。
「印象は最悪だろうな……」
「会うの、やめとく?」
「いや、それは駄目だ。妻の家族と――できれば仲良くなりたいからな」
「妻の家族……いい響き!」
「あぁ、愛する妻の家族だ」
アランと見つめ合い、自然に距離が縮まる。
互いの心臓の鼓動だけが、この小さな空間に満ちていく。思わず目を閉じた瞬間――。
「旦那様、奥様、到着しました」
現実に引き戻され、ぎこちない動作のまま馬車から降りた。
出迎えてくれた両親の顔は穏やかだったが、どこかアランを見る眼差しが険しい気がする。
「話は中でじっくりと聞かせてもらうよ」
父デヴィッドの声に、アランが静かに頷いた。
屋敷に入ると、弟のマティアスが目を潤ませて駆け寄ってくる。
「姉上! おかえりなさい!」
「マティ! 元気そうね、よかったわ」
「あのね、僕――」
「マティ、まずは姉さんたちの話を聞くといっておいただろう。待ってなさい」
デヴィッドに遮られ、マティアスは渋々頷いた。
「さあ、座ってくれ」
デヴィッドに促され、アランと私はソファに腰を下ろした。
向かいには両親と弟。何ともいえぬ緊張感が漂う。
「あまりアランをいじめないであげてね?」
「それは返答次第だ!」
「あなた……」
母シンシアが目配せすると、デヴィッドは無言で頷いた。
二人のやりとりに、何か企みがあることが垣間見える。
(アランに変なことしなきゃいいけど……)
デヴィッドは軽く咳ばらいをした。いつもより低い声で、仰々しい様子で話し始める。
「アレクサンダー殿。娘クラリスが貴殿の家に着いて早々、結婚式を挙げたと聞いている。私たち家族には何の知らせもなかった。何か申し開きはあるかね」
「申し訳ございません。一刻も早く式を挙げたかったのです」
「……それほどまでにクラリスを愛していると? 一度も顔を見せに来なかったのに?」
大きく手を動かしながら、デヴィッドは追及を重ねる。
「私と会ったご令嬢は皆、結婚は無理だと……。何としても結婚したい一心で、事前の挨拶もせず、挙式を急いでしまいました」
「ふん。うちのクラリスを他のご令嬢と一緒にしてもらっては困る。そんなやわな人間ではない!」
「そうよ、クラリスは変わってるのよ」
「お父様、お母さま、それ褒めてないわ……」
たまらず口を挟むと、有無を言わさぬ雰囲気で窘められた。
「クラリスは黙っていなさい!」
アランは立ち上がり、深く頭を下げた。
「礼を欠いたこと、深く反省しております。結婚式については、日を改めて――再度挙げさせていただけないでしょうか」
「再度式をあげる、だと?」
「ええ。皆さんの前で式を挙げたいのです」
「どういう風の吹き回しかな。君が結婚してからもクラリスに冷たい態度をとっていたことは、調べがついているんだぞ」
アランは一度目をつぶり、覚悟を決めたように告げた。
「……私には想い人がいます。その人を一生愛し続けると心に誓っておりました。ですので、クラリス嬢とは距離を置こうと思っていたのです」
「伯爵家に嫁いだら幸せに過ごしてくれると思ってクラリスを送り出したのに!大事な人がいるなら、そいつと結婚すればよかっただろう!」
「その……私の想い人は、男性なのです。なので結婚は……」
(ちょっとアラン、そうだけど!そうじゃないでしょ!?)
「えええっ……!」
「まぁ!?」
アランの発言で、デヴィッドの演技が一瞬で吹き飛んでいた。
シンシアは目を輝かせ、マティアスはオロオロと視線を彷徨わせている。
「私は対外的には留学していることになっていましたが、本当のところは違います」
アランの静かな告白に、みな耳を傾けていた。
「貴族社会にどうにも馴染めなかった私は、父に頼み込み――傭兵団に身を寄せておりました。彼とはそこで出会ったのです」
「傭兵団……?それはまた奇遇ね……」
シンシアが小さくつぶやく。
「彼はお金に困って傭兵になったのですが、それまで剣など握ったこともなかった。すぐに逃げ出すという私の予想に反して、彼は全く諦めなかった。毎日必死に鍛錬を重ね、強くなっていく。その真っ直ぐな姿に、私は……惹かれていきました」
「それでどうしたの、告白したの!?」
「ちょっと、お母さま……!」
私は顔が熱くなっていくのを感じながら、興味津々なシンシアに狼狽える。
「いえ、想いは伝えませんでした。家に戻れば父の後を継ぎ、結婚せねばならない身です。それに、男から気持ちを伝えられても困らせるだけでしょう。彼――クリスには、気持ちを打ち明けることなく、良き傭兵仲間として別れを告げました」
その名を聞いた瞬間、デヴィッドが盛大に紅茶を吹き出した。
「あなた、汚いわよ」
シンシアが淡々と口元を拭いてやる。
「クリスとはそれっきりだと覚悟しておりました。この想いは一生、胸の奥にしまい続けようと。ですが――」
「ま、ま、まさか……!」
デヴィッドが震え出す。
「あーーー!」
沈黙していたマティアスが、突然叫んで立ち上がった。
「マティ、どうしたの?」
私が驚いて問いかける。
「さっき姉上が言った“アラン”って、どこかで聞いたことがあると思ったんだ。昔もらった手紙に書いてあった、傭兵団の団長の名前だ!」
「ほう……その手紙には、何と?」
アランが面白そうに言う。
「とっても強くて、頼りがいのある、素敵な人だって!」
マティアスは胸を張って答えた。
「ちょ、ちょっと、やめてってば!」
本人にばらされるのは、たまったもんじゃない。
「なら、クラリスと会ったあとも冷たい態度をとっていたのはなぜなのかしら?」
シンシアが首をかしげる。
「それは……お恥ずかしながら、クラリス嬢の噂を鵜呑みにしており、クラリスの姿がクリスに見えるのは何かの術だと思ったのです……」
「ふふふっ。なぁにそれ、すごい発想ね」
「君が貴族社会に馴染めない理由、なんとなく分かった気がするぞ」
デヴィッドが溜息混じりに笑った。
アランは少し居心地悪そうにしている。
私はそっと彼の手を握った。
「お義父様にみっちりしごかれてるから、今後に期待よね?」
「ええ。皆さんに大切なクラリス嬢を安心して任せてもらえるよう、励んでおります」
「そう……。それで式は、いつ頃に?」
「わ、儂はまだ、認めておらんぞ!」
「あなた、演技はもう結構よ。だって運命じゃない? 両想いだった二人が、結婚相手として再会したのよ!」
「両想い?えっ、そうなのかい……?」
デヴィッドの目が見開かれる。
「なんで……」
私は思わず小声でつぶやいた。
そんなこと、一言も言ってないのに。
「分かるわよ。親ですもの」
シンシアの笑顔は、まるで全てをお見通しのようだった。
そして――
私は今、アランと二度目の結婚式を挙げている。
アランが、私の手を取り、しっかりと見つめた。
「クラリス。私は一生涯、貴女を愛し、守り抜くと誓おう」
白百合の花で飾られた庭園には、祝福の鐘が響いていた。
参列者には、双方の親族、アランの側近、ルシアンの剣の師、淑女教育をしてくれた先生など。
皆が笑顔で私たちを祝福してくれている。
そして少し離れたところに、懐かしい面々が見え、私は思わず微笑みかけた。
「すげぇ、これが貴族の結婚式かぁ!」
「あの団長が伯爵様って、未だに信じられん」
「お前たち、あまり騒ぐでない」
前団長ハロルドを始めとする、かつての傭兵団仲間たちだ。
場違いなほど陽気な彼らの声が、逆に心地よい。
「それよりも……あれ、本当にクリスなのか?」
「いやいや、あの淑女がクリスなわけねぇじゃん!」
「フレッド、俺たちを騙そうとしたな?」
「本当なんだって!伯爵夫人はクリスだったんだよ!」
フレッドが必死に訴えるが、誰も信じようとしない。
「ないない、見ろよあの上品な微笑み……」
「あんな方が傭兵なんてできるわけないだろ、冗談もたいがいにしろ」
「ハロルドさんなら、あれがクリスだってわかりますよね!?」
フレッドが縋るようにハロルドに声をかける。
「う、うむ。儂は……遠くてよく見えん」
「そんなーーーーー!」
彼らの賑やかな声を聞きながら、私はそっとアランの腕に手を添えた。
新しい人生も、過去の絆も、どちらも大切に抱きしめるように。
そして――私は今日も、伯爵夫人として“完璧な淑女”を演じる。
けれど、アランと二人きりの時には、その仮面を外すこともあるかもしれない。
だって、彼は――かつて私が戦場で背を預けた団長であり、
今は私が心を預けるたったひとりの人なのだから。
近づいていくにつれ、アランの口数が少なくなっていくのが分かった。
「もしかして、緊張してる?」
「そりゃあな……」
「アランでも緊張することあるんだ!」
「当たり前だ。俺だって普通の人間だぞ」
「ふふっそれは知らなかった」
新しい発見が、妙に嬉しい。
「印象は最悪だろうな……」
「会うの、やめとく?」
「いや、それは駄目だ。妻の家族と――できれば仲良くなりたいからな」
「妻の家族……いい響き!」
「あぁ、愛する妻の家族だ」
アランと見つめ合い、自然に距離が縮まる。
互いの心臓の鼓動だけが、この小さな空間に満ちていく。思わず目を閉じた瞬間――。
「旦那様、奥様、到着しました」
現実に引き戻され、ぎこちない動作のまま馬車から降りた。
出迎えてくれた両親の顔は穏やかだったが、どこかアランを見る眼差しが険しい気がする。
「話は中でじっくりと聞かせてもらうよ」
父デヴィッドの声に、アランが静かに頷いた。
屋敷に入ると、弟のマティアスが目を潤ませて駆け寄ってくる。
「姉上! おかえりなさい!」
「マティ! 元気そうね、よかったわ」
「あのね、僕――」
「マティ、まずは姉さんたちの話を聞くといっておいただろう。待ってなさい」
デヴィッドに遮られ、マティアスは渋々頷いた。
「さあ、座ってくれ」
デヴィッドに促され、アランと私はソファに腰を下ろした。
向かいには両親と弟。何ともいえぬ緊張感が漂う。
「あまりアランをいじめないであげてね?」
「それは返答次第だ!」
「あなた……」
母シンシアが目配せすると、デヴィッドは無言で頷いた。
二人のやりとりに、何か企みがあることが垣間見える。
(アランに変なことしなきゃいいけど……)
デヴィッドは軽く咳ばらいをした。いつもより低い声で、仰々しい様子で話し始める。
「アレクサンダー殿。娘クラリスが貴殿の家に着いて早々、結婚式を挙げたと聞いている。私たち家族には何の知らせもなかった。何か申し開きはあるかね」
「申し訳ございません。一刻も早く式を挙げたかったのです」
「……それほどまでにクラリスを愛していると? 一度も顔を見せに来なかったのに?」
大きく手を動かしながら、デヴィッドは追及を重ねる。
「私と会ったご令嬢は皆、結婚は無理だと……。何としても結婚したい一心で、事前の挨拶もせず、挙式を急いでしまいました」
「ふん。うちのクラリスを他のご令嬢と一緒にしてもらっては困る。そんなやわな人間ではない!」
「そうよ、クラリスは変わってるのよ」
「お父様、お母さま、それ褒めてないわ……」
たまらず口を挟むと、有無を言わさぬ雰囲気で窘められた。
「クラリスは黙っていなさい!」
アランは立ち上がり、深く頭を下げた。
「礼を欠いたこと、深く反省しております。結婚式については、日を改めて――再度挙げさせていただけないでしょうか」
「再度式をあげる、だと?」
「ええ。皆さんの前で式を挙げたいのです」
「どういう風の吹き回しかな。君が結婚してからもクラリスに冷たい態度をとっていたことは、調べがついているんだぞ」
アランは一度目をつぶり、覚悟を決めたように告げた。
「……私には想い人がいます。その人を一生愛し続けると心に誓っておりました。ですので、クラリス嬢とは距離を置こうと思っていたのです」
「伯爵家に嫁いだら幸せに過ごしてくれると思ってクラリスを送り出したのに!大事な人がいるなら、そいつと結婚すればよかっただろう!」
「その……私の想い人は、男性なのです。なので結婚は……」
(ちょっとアラン、そうだけど!そうじゃないでしょ!?)
「えええっ……!」
「まぁ!?」
アランの発言で、デヴィッドの演技が一瞬で吹き飛んでいた。
シンシアは目を輝かせ、マティアスはオロオロと視線を彷徨わせている。
「私は対外的には留学していることになっていましたが、本当のところは違います」
アランの静かな告白に、みな耳を傾けていた。
「貴族社会にどうにも馴染めなかった私は、父に頼み込み――傭兵団に身を寄せておりました。彼とはそこで出会ったのです」
「傭兵団……?それはまた奇遇ね……」
シンシアが小さくつぶやく。
「彼はお金に困って傭兵になったのですが、それまで剣など握ったこともなかった。すぐに逃げ出すという私の予想に反して、彼は全く諦めなかった。毎日必死に鍛錬を重ね、強くなっていく。その真っ直ぐな姿に、私は……惹かれていきました」
「それでどうしたの、告白したの!?」
「ちょっと、お母さま……!」
私は顔が熱くなっていくのを感じながら、興味津々なシンシアに狼狽える。
「いえ、想いは伝えませんでした。家に戻れば父の後を継ぎ、結婚せねばならない身です。それに、男から気持ちを伝えられても困らせるだけでしょう。彼――クリスには、気持ちを打ち明けることなく、良き傭兵仲間として別れを告げました」
その名を聞いた瞬間、デヴィッドが盛大に紅茶を吹き出した。
「あなた、汚いわよ」
シンシアが淡々と口元を拭いてやる。
「クリスとはそれっきりだと覚悟しておりました。この想いは一生、胸の奥にしまい続けようと。ですが――」
「ま、ま、まさか……!」
デヴィッドが震え出す。
「あーーー!」
沈黙していたマティアスが、突然叫んで立ち上がった。
「マティ、どうしたの?」
私が驚いて問いかける。
「さっき姉上が言った“アラン”って、どこかで聞いたことがあると思ったんだ。昔もらった手紙に書いてあった、傭兵団の団長の名前だ!」
「ほう……その手紙には、何と?」
アランが面白そうに言う。
「とっても強くて、頼りがいのある、素敵な人だって!」
マティアスは胸を張って答えた。
「ちょ、ちょっと、やめてってば!」
本人にばらされるのは、たまったもんじゃない。
「なら、クラリスと会ったあとも冷たい態度をとっていたのはなぜなのかしら?」
シンシアが首をかしげる。
「それは……お恥ずかしながら、クラリス嬢の噂を鵜呑みにしており、クラリスの姿がクリスに見えるのは何かの術だと思ったのです……」
「ふふふっ。なぁにそれ、すごい発想ね」
「君が貴族社会に馴染めない理由、なんとなく分かった気がするぞ」
デヴィッドが溜息混じりに笑った。
アランは少し居心地悪そうにしている。
私はそっと彼の手を握った。
「お義父様にみっちりしごかれてるから、今後に期待よね?」
「ええ。皆さんに大切なクラリス嬢を安心して任せてもらえるよう、励んでおります」
「そう……。それで式は、いつ頃に?」
「わ、儂はまだ、認めておらんぞ!」
「あなた、演技はもう結構よ。だって運命じゃない? 両想いだった二人が、結婚相手として再会したのよ!」
「両想い?えっ、そうなのかい……?」
デヴィッドの目が見開かれる。
「なんで……」
私は思わず小声でつぶやいた。
そんなこと、一言も言ってないのに。
「分かるわよ。親ですもの」
シンシアの笑顔は、まるで全てをお見通しのようだった。
そして――
私は今、アランと二度目の結婚式を挙げている。
アランが、私の手を取り、しっかりと見つめた。
「クラリス。私は一生涯、貴女を愛し、守り抜くと誓おう」
白百合の花で飾られた庭園には、祝福の鐘が響いていた。
参列者には、双方の親族、アランの側近、ルシアンの剣の師、淑女教育をしてくれた先生など。
皆が笑顔で私たちを祝福してくれている。
そして少し離れたところに、懐かしい面々が見え、私は思わず微笑みかけた。
「すげぇ、これが貴族の結婚式かぁ!」
「あの団長が伯爵様って、未だに信じられん」
「お前たち、あまり騒ぐでない」
前団長ハロルドを始めとする、かつての傭兵団仲間たちだ。
場違いなほど陽気な彼らの声が、逆に心地よい。
「それよりも……あれ、本当にクリスなのか?」
「いやいや、あの淑女がクリスなわけねぇじゃん!」
「フレッド、俺たちを騙そうとしたな?」
「本当なんだって!伯爵夫人はクリスだったんだよ!」
フレッドが必死に訴えるが、誰も信じようとしない。
「ないない、見ろよあの上品な微笑み……」
「あんな方が傭兵なんてできるわけないだろ、冗談もたいがいにしろ」
「ハロルドさんなら、あれがクリスだってわかりますよね!?」
フレッドが縋るようにハロルドに声をかける。
「う、うむ。儂は……遠くてよく見えん」
「そんなーーーーー!」
彼らの賑やかな声を聞きながら、私はそっとアランの腕に手を添えた。
新しい人生も、過去の絆も、どちらも大切に抱きしめるように。
そして――私は今日も、伯爵夫人として“完璧な淑女”を演じる。
けれど、アランと二人きりの時には、その仮面を外すこともあるかもしれない。
だって、彼は――かつて私が戦場で背を預けた団長であり、
今は私が心を預けるたったひとりの人なのだから。
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―――
完結しました。
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