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バイトを終えてから~夏休みが終わるまで
第152話 紬さんの質問が、俺達の未来を決める!
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千夏さんに慰謝料のアドバイスをもらった沙織さんは、正直な気持ちを明夫さんにスマホで伝えた。すると彼から『なるべく沙織の希望に沿うようにしたい』という返事が来る。
詳しい事は話し合って決める流れだが、慰謝料があれば離婚後の沙織さんと詩織さんの生活は楽になるはずだ。
この話が一段落した後、紬さんが千夏さんに訊きたい事があると言う…。
「ウチらが何度も泊まった部屋って、今どうなってるの?」
何でそんな事訊くんだ? 今考えても理解できそうにない。
「今は空室。そもそも、あんなところに泊まるなんて物好きしかいないから。大して宣伝はしてないし、豪華な料理を出す訳でもないし。銭湯以外の副収入はほぼ母さんのカレーだよ」
「ふ~ん。もし沙織ママと詩織ちゃんが住む所に困ったら、あそこに住むのはダメ?」
あそこに住む? 大きめの一部屋にテーブル・座椅子・布団一式・テレビ・トイレはあるものの、冷蔵庫やキッチンがないから住むのは無理だろ。
「…紬に先を越されるとはね。アンタやっぱり面白いわ」
「えっ?」
「それ、アタシと母さんで話し合った事あるんだよ。さすがにタダは無理だから超格安家賃にしてね」
「沙織さん。近くに頼れるお友達はいるかしら?」
千春さんが尋ねる。
「いえ、まったく。全然連絡していない高校とかの友達に頼るのは厳しいので困ってたところです…」
「そうなの。もし仕事探しにも困ったら、ここの手伝いをしてもらえると助かるわ。もちろんお給料は出すから安心してね♪」
「詩織のスク水は好評だったし、今も『戻って来てくれ!』とか常連に言われるんだよ。だから2人は大歓迎って訳」
銭湯にある空き部屋という変わった状況だが、それを何とか出来れば良い条件かも。千夏さん・千春さんがそばにいるのは絶対心強い。
「沙織ママと詩織ちゃんだけ? ウチらは歓迎してくれないの?」
「アンタ達は普通に家あるじゃん」
「ウチらが高校を卒業したら、みんなであそこに住むのはどう? 家賃払えば文句ないでしょ?」
紬さんがあの部屋を気にしてたのは、これが理由か!
「アンタがそうしたいのは何で?」
「お姉さん達と朱ちゃん・月ちゃんに会うためだよ。“ソフィー”はここから近いし、2人にもすぐ会えるからね」
それなら家賃が入る千夏さん達は当然だが、俺達もメリットがある。頼れる知り合いは近くにいたほうが良い。
「なるほど。母さんどう思う?」
「私は賛成よ♪ みんなしっかりしてるし、一緒にいると楽しいもの♪」
しっかりしてるかは微妙だが、賛成されるのは嬉しい。
「アタシも悪くない提案だと思うけど、満里奈は厳しいんじゃない? ここからアンタの行きたい大学に行けるかわからないじゃん」
「満里奈の行きたい大学? そんな話あったっけ?」
紬さんと同じく、俺も全然覚えてない。
「“社会人インタビュー”の時に少し話したわ」(65話参照)
「あの時、満里奈だけ行きたい大学について考えてたから覚えてたのよ。で、満里奈どうなの?」
「ここから行ける大学は一応候補に入ってますが、入学するとなると…」
「成績とか学校の雰囲気とか色々あるよね。断言できないのは当然でしょ」
「満里奈、今すぐ路線変更して!」
「満里奈に変更させる前に、アンタ達の将来の考えを教えて」
そういう流れになるよな。言いづらいが、ごまかすのはダメだ!
「ウチは絶対“マッサージ師”になる! 他の人の体を触ってお金もらえるなんて最高だから♡」
下心100%だが、それだけ軸がブレていない証拠になる。紬さんは必ずこの道を突き進むはず。
「俺は…、まったく決まってません」
「あたしも」
詩織さんもか。失礼かもしれないが、仲間がいるとホッとする。
「つまり満里奈の行きたい大学が何とかなれば、アンタ達はあの部屋に住めるって事か」
「満里奈何とかして! ウチ、満里奈と別れたくない!」
「俺もだよ満里奈さん。満里奈さんがそばにいないのは考えられない」
これはいくら恥ずかしくても、しっかり伝えないとダメだ!
「これからも一緒にいようよ、満里奈ちゃん」
「…私もまこくん達と別れたくないので、そういう方針にして良いですか?」
「良いよ。アンタ達が3年になっても変更しなかったら、あの部屋をリフォームしても良いかも。畳をどかしてフローリングにするとかさ」
「お姉さん、ウチは別に畳でも気にしないよ?」
「そうなんだ? 嫌がると思った」
俺も気にしないな。自宅に畳ないから新鮮だし。
「沙織ママもそれで良いよね?」
「良いわよ。離婚した後はみんなに寄り添うって決めたから♪」
こうして、俺達は高校卒業後にあの部屋に住む事になった。気になる点はあるものの、沙織さんの離婚後の生活に比べたら少ない。
みんなで一部屋で生活するなんて、考えただけでワクワクする。こんなに高校を卒業したい気持ちが強くなったのは初めてだ!
俺達の未来は明るい! そう確信するのだった。
詳しい事は話し合って決める流れだが、慰謝料があれば離婚後の沙織さんと詩織さんの生活は楽になるはずだ。
この話が一段落した後、紬さんが千夏さんに訊きたい事があると言う…。
「ウチらが何度も泊まった部屋って、今どうなってるの?」
何でそんな事訊くんだ? 今考えても理解できそうにない。
「今は空室。そもそも、あんなところに泊まるなんて物好きしかいないから。大して宣伝はしてないし、豪華な料理を出す訳でもないし。銭湯以外の副収入はほぼ母さんのカレーだよ」
「ふ~ん。もし沙織ママと詩織ちゃんが住む所に困ったら、あそこに住むのはダメ?」
あそこに住む? 大きめの一部屋にテーブル・座椅子・布団一式・テレビ・トイレはあるものの、冷蔵庫やキッチンがないから住むのは無理だろ。
「…紬に先を越されるとはね。アンタやっぱり面白いわ」
「えっ?」
「それ、アタシと母さんで話し合った事あるんだよ。さすがにタダは無理だから超格安家賃にしてね」
「沙織さん。近くに頼れるお友達はいるかしら?」
千春さんが尋ねる。
「いえ、まったく。全然連絡していない高校とかの友達に頼るのは厳しいので困ってたところです…」
「そうなの。もし仕事探しにも困ったら、ここの手伝いをしてもらえると助かるわ。もちろんお給料は出すから安心してね♪」
「詩織のスク水は好評だったし、今も『戻って来てくれ!』とか常連に言われるんだよ。だから2人は大歓迎って訳」
銭湯にある空き部屋という変わった状況だが、それを何とか出来れば良い条件かも。千夏さん・千春さんがそばにいるのは絶対心強い。
「沙織ママと詩織ちゃんだけ? ウチらは歓迎してくれないの?」
「アンタ達は普通に家あるじゃん」
「ウチらが高校を卒業したら、みんなであそこに住むのはどう? 家賃払えば文句ないでしょ?」
紬さんがあの部屋を気にしてたのは、これが理由か!
「アンタがそうしたいのは何で?」
「お姉さん達と朱ちゃん・月ちゃんに会うためだよ。“ソフィー”はここから近いし、2人にもすぐ会えるからね」
それなら家賃が入る千夏さん達は当然だが、俺達もメリットがある。頼れる知り合いは近くにいたほうが良い。
「なるほど。母さんどう思う?」
「私は賛成よ♪ みんなしっかりしてるし、一緒にいると楽しいもの♪」
しっかりしてるかは微妙だが、賛成されるのは嬉しい。
「アタシも悪くない提案だと思うけど、満里奈は厳しいんじゃない? ここからアンタの行きたい大学に行けるかわからないじゃん」
「満里奈の行きたい大学? そんな話あったっけ?」
紬さんと同じく、俺も全然覚えてない。
「“社会人インタビュー”の時に少し話したわ」(65話参照)
「あの時、満里奈だけ行きたい大学について考えてたから覚えてたのよ。で、満里奈どうなの?」
「ここから行ける大学は一応候補に入ってますが、入学するとなると…」
「成績とか学校の雰囲気とか色々あるよね。断言できないのは当然でしょ」
「満里奈、今すぐ路線変更して!」
「満里奈に変更させる前に、アンタ達の将来の考えを教えて」
そういう流れになるよな。言いづらいが、ごまかすのはダメだ!
「ウチは絶対“マッサージ師”になる! 他の人の体を触ってお金もらえるなんて最高だから♡」
下心100%だが、それだけ軸がブレていない証拠になる。紬さんは必ずこの道を突き進むはず。
「俺は…、まったく決まってません」
「あたしも」
詩織さんもか。失礼かもしれないが、仲間がいるとホッとする。
「つまり満里奈の行きたい大学が何とかなれば、アンタ達はあの部屋に住めるって事か」
「満里奈何とかして! ウチ、満里奈と別れたくない!」
「俺もだよ満里奈さん。満里奈さんがそばにいないのは考えられない」
これはいくら恥ずかしくても、しっかり伝えないとダメだ!
「これからも一緒にいようよ、満里奈ちゃん」
「…私もまこくん達と別れたくないので、そういう方針にして良いですか?」
「良いよ。アンタ達が3年になっても変更しなかったら、あの部屋をリフォームしても良いかも。畳をどかしてフローリングにするとかさ」
「お姉さん、ウチは別に畳でも気にしないよ?」
「そうなんだ? 嫌がると思った」
俺も気にしないな。自宅に畳ないから新鮮だし。
「沙織ママもそれで良いよね?」
「良いわよ。離婚した後はみんなに寄り添うって決めたから♪」
こうして、俺達は高校卒業後にあの部屋に住む事になった。気になる点はあるものの、沙織さんの離婚後の生活に比べたら少ない。
みんなで一部屋で生活するなんて、考えただけでワクワクする。こんなに高校を卒業したい気持ちが強くなったのは初めてだ!
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