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『千玲』3日目~1泊2日のバイトを終えるまで
第95話 探偵事務所“ウィルベル”①
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詩織さんのお父さんの部屋にあるノートパソコンから、浮気を疑わせるメールが見つかった。他の証拠は見つからなかったので、この状態で探偵に依頼する事になる…。
「早速、“ウィルベル”さんに電話してみるわね」
全員リビングに戻った後、沙織さんは千春さんから受け取った紙を見ながら電話をかける。俺達はなるべく静かにしよう。
「こういう時って落ち着かないよね~。逆にうるさくしたいというか…」
「あんたは黙ってなさい」
「――あっ、もしもし。お忙しいところすみません。依頼の話をしたいのですが、よろしいですか?」
電話口から相手の声が聞こえないから、どういう人かわからない。
「内容は…、夫の浮気についてです。いつ予約できますか?」
沙織さんはメモとペンの準備を始める。
「……えっ、今日空いてるんですか? 早速伺います」
もう依頼できるのか。ありがたいような、その事務所大丈夫か? と思うような…。
「そちらに伺うのはわたし含め3人になるんですが、大丈夫でしょうか?」
詩織さんと紬さんの事だ。俺と満里奈さんはここか事務所の近くで待機かな。
「…3人どころか何人でもOKなんですか? では、5人でお願いします」
なんか追加できる流れになってるぞ。柔軟性があるのか適当なのかサッパリだ。
「――大丈夫ですか。ありがとうございます」
本当にOKされてる感じだ、そっちの方がありがたいから良いけど。それから沙織さんは、雑談したり返事しながらメモする。
「――最後に、必要な物は○○と△△と□□。以上でよろしいですか? ………ありがとうございます。ではすぐ伺います」
沙織さんは復唱した後、電話を切る。
「真君・満里奈ちゃん、今の話聞いてたと思うけど、2人も一緒に来て良いからね♪」
「はい」
「わかりました」
「わたしはこれから必要な物を準備するから待っててちょうだい」
沙織さんは急ぎ足でリビングを出る。
「さっきの電話、どういう人が出たんだろう? 探偵だから渋いオッサンかな?」
「あたしはチャラいお兄さん系をイメージしたよ」
その答えは事務所に行けばわかる。怖い人じゃなければ誰でも良いや…。
沙織さんが準備を済ませてからリビングに戻ってきたので、俺達は彼女の車に乗って再び出かける。
「ねぇ沙織ママ。さっきの電話って渋いオッサンだった?」
「ううん、若いお姉さんだったわ。千夏さんや朱里さんぐらいだと思う」
「女の人なんだ~、意外」
「その人が探偵かはわからないけどね」
言われてみればそうだな。すっかり思い込みをしていたぞ。
移動し始めて約10分。車は、あるマンションの敷地内にある駐車場に停まる。
「そこは自宅兼事務所で、222号室にあるんだって。『エスリート』って表札があるみたいよ」
何だそれ? まったく話に付いていけない。
「みんなに言うのを忘れてた、そこに住んでるのは外国人なの。さっき電話に出た人は“ウィルベル=エスリート”って言ってたわ」
「沙織ママ、その人が探偵なんじゃないの?」
紬さんの疑問はもっともだ。事務所名と彼女の名前が一致してるんだから。
「そうとは限らないわ。ウィルベルさんのご両親が、彼女の産まれた後に事務所を立ち上げたかもしれないでしょ? そこに娘の名前を使うのは不自然じゃないわ」
「じゃあ、沙織ママがなんかのお店をオープンさせたら『詩織』って店名にするの?」
「絶対じゃないけど、可能性はあるわ」
「あたしは『千玲』みたいに名前の一部が良いな。『さおしお』とか良くない?」
「そっちも捨てがたいわね♪」
店名か…。以前自営業の話をしたが、そっちの道を選ぶならそれも決めないといけないな。みんなの納得する店名なんてあるのか?
車を降りた後、目的地の222号室を目指す。そして…、迷う事なく到着する。
「表札に『エスリート』って書いてあるわね。呼鈴押すわよ?」
沙織さんが呼鈴を押すと、すぐ返事が来た。
「どちら様ですカ~?」
聞こえてきた女の人の声は、本当に千夏さんや朱里さんと変わらないお姉さんって感じだ。
「こんにちは、予約した愛山です」
「アイヤマさん、待ってましたよ~。すぐ行くので待ってて下さイ!」
彼女が扉を開けてくれるまで待とう。どういう人か気になるな…。
「早速、“ウィルベル”さんに電話してみるわね」
全員リビングに戻った後、沙織さんは千春さんから受け取った紙を見ながら電話をかける。俺達はなるべく静かにしよう。
「こういう時って落ち着かないよね~。逆にうるさくしたいというか…」
「あんたは黙ってなさい」
「――あっ、もしもし。お忙しいところすみません。依頼の話をしたいのですが、よろしいですか?」
電話口から相手の声が聞こえないから、どういう人かわからない。
「内容は…、夫の浮気についてです。いつ予約できますか?」
沙織さんはメモとペンの準備を始める。
「……えっ、今日空いてるんですか? 早速伺います」
もう依頼できるのか。ありがたいような、その事務所大丈夫か? と思うような…。
「そちらに伺うのはわたし含め3人になるんですが、大丈夫でしょうか?」
詩織さんと紬さんの事だ。俺と満里奈さんはここか事務所の近くで待機かな。
「…3人どころか何人でもOKなんですか? では、5人でお願いします」
なんか追加できる流れになってるぞ。柔軟性があるのか適当なのかサッパリだ。
「――大丈夫ですか。ありがとうございます」
本当にOKされてる感じだ、そっちの方がありがたいから良いけど。それから沙織さんは、雑談したり返事しながらメモする。
「――最後に、必要な物は○○と△△と□□。以上でよろしいですか? ………ありがとうございます。ではすぐ伺います」
沙織さんは復唱した後、電話を切る。
「真君・満里奈ちゃん、今の話聞いてたと思うけど、2人も一緒に来て良いからね♪」
「はい」
「わかりました」
「わたしはこれから必要な物を準備するから待っててちょうだい」
沙織さんは急ぎ足でリビングを出る。
「さっきの電話、どういう人が出たんだろう? 探偵だから渋いオッサンかな?」
「あたしはチャラいお兄さん系をイメージしたよ」
その答えは事務所に行けばわかる。怖い人じゃなければ誰でも良いや…。
沙織さんが準備を済ませてからリビングに戻ってきたので、俺達は彼女の車に乗って再び出かける。
「ねぇ沙織ママ。さっきの電話って渋いオッサンだった?」
「ううん、若いお姉さんだったわ。千夏さんや朱里さんぐらいだと思う」
「女の人なんだ~、意外」
「その人が探偵かはわからないけどね」
言われてみればそうだな。すっかり思い込みをしていたぞ。
移動し始めて約10分。車は、あるマンションの敷地内にある駐車場に停まる。
「そこは自宅兼事務所で、222号室にあるんだって。『エスリート』って表札があるみたいよ」
何だそれ? まったく話に付いていけない。
「みんなに言うのを忘れてた、そこに住んでるのは外国人なの。さっき電話に出た人は“ウィルベル=エスリート”って言ってたわ」
「沙織ママ、その人が探偵なんじゃないの?」
紬さんの疑問はもっともだ。事務所名と彼女の名前が一致してるんだから。
「そうとは限らないわ。ウィルベルさんのご両親が、彼女の産まれた後に事務所を立ち上げたかもしれないでしょ? そこに娘の名前を使うのは不自然じゃないわ」
「じゃあ、沙織ママがなんかのお店をオープンさせたら『詩織』って店名にするの?」
「絶対じゃないけど、可能性はあるわ」
「あたしは『千玲』みたいに名前の一部が良いな。『さおしお』とか良くない?」
「そっちも捨てがたいわね♪」
店名か…。以前自営業の話をしたが、そっちの道を選ぶならそれも決めないといけないな。みんなの納得する店名なんてあるのか?
車を降りた後、目的地の222号室を目指す。そして…、迷う事なく到着する。
「表札に『エスリート』って書いてあるわね。呼鈴押すわよ?」
沙織さんが呼鈴を押すと、すぐ返事が来た。
「どちら様ですカ~?」
聞こえてきた女の人の声は、本当に千夏さんや朱里さんと変わらないお姉さんって感じだ。
「こんにちは、予約した愛山です」
「アイヤマさん、待ってましたよ~。すぐ行くので待ってて下さイ!」
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