食いしんぼうエルフ姫と巡る、日本一周ほのぼの旅!

タジリユウ

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第71話 福井県② 永平寺、ソースカツ丼

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「これはまた立派なお寺じゃな」

「ここは曹洞宗の大本山である永平寺えいへいじだよ。ここは770年の長い歴史があるお寺だね。雲水と呼ばれている修行僧の人たちが日本各地から集まってきて厳しい修行を受けている場所なんだよ」

「参道や長い年月をかけて育ってきた杉がとても荘厳な景色ですね」

「うん、とても歴史のある場所だからね。雲水の人たちが実際に修行をしている場所を見学することができるけれど、真剣に修行をしている人たちが大勢いるから、ここからはあんまり騒いだりしたら駄目だからね」

「うむ、分かったのじゃ!」

 この永平寺では毎日厳しい修行が行われている。そのため、ここでは立ち入り禁止や撮影禁止の場所も多くあり、雲水の人たちにカメラを向けることも厳禁だ。雲水の人たちは厳しい修行を受けにここまでやってきているのだから、それも当然だ。

 永平寺には33万㎡の敷地と70を超える諸堂が存在しており、そのうちの19の建物が国の重要文化財に指定されている。その中でも七堂伽藍しちどうがらんは修行に欠かせない重要な建物で、階段と廊下でつながっており、ここを回りながら禅の教えを学んでいく。

「……見事な天井絵じゃな」

「昔の一流の画家たちが描いた絵だよ」

 先ほどの説明を聞いてミルネさんが小さな声で話す。ミルネさんのおかげで周りの人たちに俺たちのことは気付かれないが、こういうのは雰囲気に合わせることが大事である。

 この大広間は絵天井の間として知られている場所で、昭和の日本画家144名による230枚もの素晴らしい絵が天井にはめ込まれている。花や鳥などの自然から、鯉や唐獅子などの生き物が描かれたものまでさまざまだ。

「……大勢の修行をしている者がいっぱいおるのう」

「ここには多くの僧の人たちが集まってきているからね」

 他にもこの永平寺では一般の人たちも座禅や写経などの修行の体験もできるようになっている。座禅に関しては1日に3回ほど受け付けており、所要時間は約50分ほどらしい。

 さすがにエルフのお姫様に座禅をさせるのもどうかという話になったので、今回は止めておいた。雑念などがあった時に肩を警策けいさくという木の棒で叩かれるのはいろいろとまずそうだもんな。

 座禅だけでなく、一晩お寺に泊まって朝のお勤めなんかも学べる1泊2日のコースなんかもあるらしい。その場合は実際にお寺で出されている精進料理なんかも体験することができるので、お寺での禅修行に興味がある人にはおすすめだぞ。





「おお、前に食べたカツ丼とは少し違っているが、これはとてもおいしいのじゃ!」

「福井県でカツ丼と言えば、こっちのソースカツ丼を指しているんだよ」

「カツ丼と言えばタマネギが入っていて卵でとじたものが一般的だと思っていたのですが、このカツ丼は全然違うのですね」

 喜屋武さんの言う通り、一般的にカツ丼と言えば、厚めのトンカツに甘辛い醤油のつゆとタマネギを一緒に半熟の卵でとじて仕上げに三つ葉を添えたものだ。

 しかし、福井県のカツ丼はまったく別のソースカツ丼を指している。薄くスライスされた豚肉をきめ細かいパン粉を付けてカラッと揚げたカツにウスターソースを絡めてご飯の上に乗せた料理だ。

 カツは薄くて柔らかく、サクッと噛みきれ、ウスターソースの甘いソースの甘味がきめ細かい衣にしっかりと絡んで本当にうまいんだよな。このお店は創業してから100年近く経つ老舗で多くのお客さんが訪れている。

「こちらのメンチカツもとてもおいしいですね。私は普通のカツ丼よりもこちらの方が好きかもしれません」

「メンチカツもおいしいよね。それにこのウスターソースは店によって全然違う味らしいよ」

 このお店は普通のカツだけでなくメンチカツもとてもおいしい。カツは普通のカツ丼のカツよりも薄くて食べやすいため、女性の人はこっちのカツ丼の方が好きかもしれないな。

 福井県のソースカツ丼はお店によってそれぞれ違うらしくソースの味にこだわりがあったり、丼の中にカツが大きすぎて入らないようなお店もあるようだ。福井県ではスーパーのお惣菜でも普通にソースカツが売っていたり、大人になって卵にとじる方のカツ丼を初めて食べるというのも福井県あるあるらしい。

 他の福井県あるあるは、テレビの砂嵐のことをジャミジャミというらしい。テレビがジャミジャミになったといっても、福井県の人以外には伝わらないよな。

 そして福井県民は水ようかんを冬にこたつの中に入って食べるらしい。水ようかんと言えば完全に夏のイメージだったのだが、まさかこたつに入って水ようかんを食べるという発想がなかった。逆に福井県民は夏に水ようかんを食べるという発想はないみたいだ。こういう地域での違いもいろいろと面白い。
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