某国の皇子、冒険者となる

くー

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第2章 魔術師の試練

3. 魔術師の屋敷

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やっぱりエトワールはすごいなぁ……
最悪見つからないかもしれないと覚悟していた魔法使いの屋敷を、一日もかからず見つけてしまった。
「ありがとう!エトワール」
「お役に立てて何よりです」
非の打ちどころのない美しい顔で微笑み返され、思わず照れてしまう。

魔術師の屋敷をあらためて見渡す。
「雰囲気あるなぁ…」
現代風に言うとゴシック建築というのだろうか。一部分は三階まであるようだが、基本は二階建ての石造りの館はところどころをツタのような植物に覆われている。夕焼けの紅い光と、鴉の鳴き声が辺りに響き渡るのも相まって、おどろおどろしい雰囲気を醸し出していた。

「……幽霊屋敷じゃないよな?」
「大丈夫だ、ノアは下がって…」
「いや、俺がやるから大丈夫」
ウィルの過保護は阻止だ。魔術師に用があるのは俺なのだから。

梟の意匠に象られたノッカーに手をかけ、戸を叩いた。
「……こんにちはー」

しばらく待っていると、小さな声が聞こえた。
「お待ちください」
扉を開けてくれたのは、こげ茶の髪に緑がかった茶色い目の可愛い少年だった。背丈は俺の胸くらいで、年齢は12歳くらいに見える。
「魔術師ホルデウムの屋敷へようこそ。お待ちしておりました」

「え……待ってたって?」
「主は高名な魔術師、あなた方の来訪を予見しておりました」
「予見……」
「あやしい!ノア、やめておいた方が…」
「俺も修行すればそういうこともできるようになれるかな?」
「ノア…目が輝いていますね」

少年は扉を大きく開き、俺たちを屋敷に招き入れた。
「どうぞお入りください」
「ありがとう、君の名前は?」
「…私はただの主の召使いです。どうかお気になさらず……」

戸をくぐり、邸内に通される。玄関は吹き抜けになっていて、右手側には2階へと続く階段があり、石造りの壁には絵画が飾られていた。

「応接室へご案内します。こちらへどうぞ」
左手側には廊下があり、そこを抜けていくらか奥まった部屋に通された。

「主はすぐに参ります」
少年はお茶の準備を始めた。俺たちはソファに座った。豪奢なソファは、三人が横に並んでもまだ余裕がある。

「どんな人なんだろうな、魔術師って…」
「辺鄙な場所に隠れ住んでいる魔術師には、変わり者が多いとききます……ノア、どうか気をつけてくださいね」
「心配してくれてありがとう、エトワール。気をつけるよ」

ウィルは窓辺に立って、外を見ている。
心配性なウィルのことだから、もしものときの脱出経路を確認しているのかな――

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