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第3章 定めに抗う者たち
6. 集合場所へ
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翌朝――俺たちは8時前にギルドの演習場に到着した。既に二十人以上の冒険者たちが集まっていた。
「全員アルゴグ討伐の参加者?」
「他の町の冒険者ギルドからも集まるって聞いたから、現場にはもっといるだろうね~」
「は~~。すごいなぁ……」
辺りを見回していると、木の幹に背中を凭れさせているニケを見つけた。黄金色の髪が朝の光を浴びて輝いている。イケメンオーラが、眩しい……
「ニケ!おはよう」
「おはよう…」
「昨日はよく眠れた?」
「まあまあかなー…」
「そっか……」
不安がられたり見くびられたりされたら嫌だから黙っていたけど、昨夜は興奮していたせいか、目が冴えてあまり眠れなかった。
ニケは落ち着いてるなぁ……
「……アンタのその髪」
「ん?」
「キレイだね…」
「え……っ」
「それに…どこかで見たことあるなあ……」
「そうか?まぁ…よくある色だからな」
「よくある?……そう?」
「親戚はだいたいこの色だよ」
「そうなんだ……んー…僕たち、昔どこかで会ってる?」
「…え?」
「あーー!ニケってば、もしかしてノアを口説いてる?」
「……ちっ。おっさんは黙ってろよ」
「お、おっさん……」
ウィルに肩ポンされるおっさん…じゃなかった、ジン。
落ち込んでる。かわいそうに。
「ニケっていくつなの?」
「18だけど。ノアは?」
「19。俺の方が年上だな」
城でも冒険者になってからも、ずっと年上に囲まれていたからなんだか嬉しい。
「…たったの一個じゃん……」
ふい、と顔を背けられてしまった。
しばらくすると、ギルドの女性が冒険者たちに集まるようにと、声を張り上げ叫び始めた。
「みなさ~ん!お待たせしました!今から順に転移魔法でマントデア平野へ移動していただきます~!パーティごとに固まってこちらへお越しくださ~い!」
「みんな、行こう!」
「よっし…!」
魔法陣が描かれた布が地面に何枚か敷かれている。そのうちのひとつに、俺たち4人は乗った。
やがて、ギルドの魔法使いの呪文の詠唱が終わると、転移魔法の発動を感じ、俺たちはアルゴグの待つ地へと飛ばされたのだった。
「うっ……」
転移魔法後の乗り物酔いのような感覚――……一生慣れそうにないな……
「ここがマントデア平野か……」
辺りを見回すと、ひらけた場所に100人をゆうに超える冒険者たちが集っていた。
「人多いなー…」
「フン……ザコばっかだけどね」
ニケのキツめの発言に、怪訝な顔でこちらを振り返る冒険者たちが数名いた。
「ニケ……っ!トラブルは控えよう!」
ニケは俺の耳元に顔を寄せ、クスクスと笑い、小声で囁く。
「今振り向いたヤツらは、特にそうだよ……」
「……まさか」
こちらを見ている何人かを観察すると、たしかに、装備の手入れを怠っているような者までいた。間違っても強者ではないだろう……
「たしかに…そんなかんじかも」
「ぜったいそうだよ……よくここに来れたもんだよねぇ」
「なんか……ノアとニケ、あっというまに打ち解けてるよね~」
「……(ギリギリギリ)」
「ウィル……歯ぎしりやめなよ…気持ちわかるけれども……」
「全員アルゴグ討伐の参加者?」
「他の町の冒険者ギルドからも集まるって聞いたから、現場にはもっといるだろうね~」
「は~~。すごいなぁ……」
辺りを見回していると、木の幹に背中を凭れさせているニケを見つけた。黄金色の髪が朝の光を浴びて輝いている。イケメンオーラが、眩しい……
「ニケ!おはよう」
「おはよう…」
「昨日はよく眠れた?」
「まあまあかなー…」
「そっか……」
不安がられたり見くびられたりされたら嫌だから黙っていたけど、昨夜は興奮していたせいか、目が冴えてあまり眠れなかった。
ニケは落ち着いてるなぁ……
「……アンタのその髪」
「ん?」
「キレイだね…」
「え……っ」
「それに…どこかで見たことあるなあ……」
「そうか?まぁ…よくある色だからな」
「よくある?……そう?」
「親戚はだいたいこの色だよ」
「そうなんだ……んー…僕たち、昔どこかで会ってる?」
「…え?」
「あーー!ニケってば、もしかしてノアを口説いてる?」
「……ちっ。おっさんは黙ってろよ」
「お、おっさん……」
ウィルに肩ポンされるおっさん…じゃなかった、ジン。
落ち込んでる。かわいそうに。
「ニケっていくつなの?」
「18だけど。ノアは?」
「19。俺の方が年上だな」
城でも冒険者になってからも、ずっと年上に囲まれていたからなんだか嬉しい。
「…たったの一個じゃん……」
ふい、と顔を背けられてしまった。
しばらくすると、ギルドの女性が冒険者たちに集まるようにと、声を張り上げ叫び始めた。
「みなさ~ん!お待たせしました!今から順に転移魔法でマントデア平野へ移動していただきます~!パーティごとに固まってこちらへお越しくださ~い!」
「みんな、行こう!」
「よっし…!」
魔法陣が描かれた布が地面に何枚か敷かれている。そのうちのひとつに、俺たち4人は乗った。
やがて、ギルドの魔法使いの呪文の詠唱が終わると、転移魔法の発動を感じ、俺たちはアルゴグの待つ地へと飛ばされたのだった。
「うっ……」
転移魔法後の乗り物酔いのような感覚――……一生慣れそうにないな……
「ここがマントデア平野か……」
辺りを見回すと、ひらけた場所に100人をゆうに超える冒険者たちが集っていた。
「人多いなー…」
「フン……ザコばっかだけどね」
ニケのキツめの発言に、怪訝な顔でこちらを振り返る冒険者たちが数名いた。
「ニケ……っ!トラブルは控えよう!」
ニケは俺の耳元に顔を寄せ、クスクスと笑い、小声で囁く。
「今振り向いたヤツらは、特にそうだよ……」
「……まさか」
こちらを見ている何人かを観察すると、たしかに、装備の手入れを怠っているような者までいた。間違っても強者ではないだろう……
「たしかに…そんなかんじかも」
「ぜったいそうだよ……よくここに来れたもんだよねぇ」
「なんか……ノアとニケ、あっというまに打ち解けてるよね~」
「……(ギリギリギリ)」
「ウィル……歯ぎしりやめなよ…気持ちわかるけれども……」
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