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第3章 定めに抗う者たち
8. 一時撤退
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ニケに言われた通り、俺たちはアルゴグの動きを観察した。
そして、とうとうモンスターは俺たちに狙いを定めたようだった。
せめて一撃だけでも……俺は詠唱を始めた。
「そろそろ限界かな…」
ニケは魔法陣がかかれた紙を取り出し、地面に敷いた。転移魔法か――
ガキィィィィン!!
アルゴグの爪と魔法障壁がぶつかり合い、鋭い音が響く。
「アイシクルファング!」
空気が氷り、氷柱がモンスターの目を狙って連なってゆく。アルゴグは後ろに跳躍して、氷の牙を避けた。
唸り声を上げ、モンスターは全身に力を込めた。
来る――――
その瞬間、転移魔法が発動した。
「ここは……」
俺たちは、ギルドの演習場に転移していた。ニケの魔法によって――
「ハァ…ハァ……」
「ニケ…大丈夫か!?」
ふら……と、俺の方に倒れ込みそうになるニケを、俺は慌てて支えた。
「ちょっと魔力を使いすぎたかも……」
「きみのおかげで俺たちはケガ一つないよ。ありがとう……」
「ほんとうに…?ノア…きみにケガがなくてよかった。がんばったかいがあったよ…」
ニケが俺の方にグッと体重を預けてきた。顔が近づき、ニケの吐息が頬に当たっている。
「ノアの魔法もよかったよ。あのモンスター、びびって逃げてたね。おしかったなぁ……」
「ニケの魔法障壁のおかげで、集中して詠唱できた。きみってほんとにすごいよ。俺より年下なのに、あんなに魔法を使えるなんて…」
「ノアを守りたかったから……ノアのおかげで、いつもより力が出せたよ。ありがとう、ノア…」
「このガキ……」
ウィルが何かボソっと呟き、負のオーラを発し始めた。怖い……
「とりあえず……ヒーラーとしてニケは超一流だね!間違いないよ」
「…おっさんにしてはわかってるじゃない」
「ニケ?どうしたらそのおっさん呼びをやめてくれるのかな?」
「アルゴグをおっさん一人の力で倒せたら、ずっと名前で呼んであげるよ」
「ノア~~~!ニケがいじめる~~~~」
涙目のおっさんが迫ってくる……うわぁ…
「「ノアに触るな!」」
ウィル、ニケ……阻止ありがとう。
「おっさんだけあそこに残して、アルゴグの餌にすればよかった…」
ひぃぃっ!と悲鳴を上げて、ウィルの背に隠れるおっさんこと、ジン。
ニケならやりかねない。気を付けろよ――ジン……
そして、とうとうモンスターは俺たちに狙いを定めたようだった。
せめて一撃だけでも……俺は詠唱を始めた。
「そろそろ限界かな…」
ニケは魔法陣がかかれた紙を取り出し、地面に敷いた。転移魔法か――
ガキィィィィン!!
アルゴグの爪と魔法障壁がぶつかり合い、鋭い音が響く。
「アイシクルファング!」
空気が氷り、氷柱がモンスターの目を狙って連なってゆく。アルゴグは後ろに跳躍して、氷の牙を避けた。
唸り声を上げ、モンスターは全身に力を込めた。
来る――――
その瞬間、転移魔法が発動した。
「ここは……」
俺たちは、ギルドの演習場に転移していた。ニケの魔法によって――
「ハァ…ハァ……」
「ニケ…大丈夫か!?」
ふら……と、俺の方に倒れ込みそうになるニケを、俺は慌てて支えた。
「ちょっと魔力を使いすぎたかも……」
「きみのおかげで俺たちはケガ一つないよ。ありがとう……」
「ほんとうに…?ノア…きみにケガがなくてよかった。がんばったかいがあったよ…」
ニケが俺の方にグッと体重を預けてきた。顔が近づき、ニケの吐息が頬に当たっている。
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「ニケの魔法障壁のおかげで、集中して詠唱できた。きみってほんとにすごいよ。俺より年下なのに、あんなに魔法を使えるなんて…」
「ノアを守りたかったから……ノアのおかげで、いつもより力が出せたよ。ありがとう、ノア…」
「このガキ……」
ウィルが何かボソっと呟き、負のオーラを発し始めた。怖い……
「とりあえず……ヒーラーとしてニケは超一流だね!間違いないよ」
「…おっさんにしてはわかってるじゃない」
「ニケ?どうしたらそのおっさん呼びをやめてくれるのかな?」
「アルゴグをおっさん一人の力で倒せたら、ずっと名前で呼んであげるよ」
「ノア~~~!ニケがいじめる~~~~」
涙目のおっさんが迫ってくる……うわぁ…
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ウィル、ニケ……阻止ありがとう。
「おっさんだけあそこに残して、アルゴグの餌にすればよかった…」
ひぃぃっ!と悲鳴を上げて、ウィルの背に隠れるおっさんこと、ジン。
ニケならやりかねない。気を付けろよ――ジン……
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