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第5章 砂漠の国の錬金術師
4. それぞれの決意
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「ニケの故郷ってどこなの?」
「ザハブルハーム王国だよ」
ザハブルハームはベルムデウス帝国より東に位置する隣国だ。
乾燥していて砂漠が多い。独自の文化を発展させ、帝国とも貿易など交流がある。
でも…国内よりも、危険じゃないかなぁ……
「帝国じゃないんだなぁ…」
「ノア!ダメだ!危険すぎる!」
ひさしぶりに、ウィルの保護者モードが発動だ。外国行きを心配するのは、従者として当然かもしれない。
「危険?冒険者なんだから、いろんな国で冒険するのが普通でしょ?」
たしかにそうだ。同じ国の中から一歩も出ない冒険者なんて、俺の目指す冒険者ではない。
「帝国の外に出るなんて初めてだな……」
「歓迎するよ、ノア」
「ザハブルハーム王国へ行くのは私も初めてです。楽しみですねぇ」
「……俺はどうなっても知らないよ~」
「ウィル……兄上に報告したら絶交だから」
「~~~~~~っ!!ノア!!」
師の屋敷に帰り、俺たちは大急ぎで荷造りをした。ようやくのことであらかたの作業を終える頃には、とっくに深夜になっていた。
「ウィル、荷造り手伝ってくれてありがとう。助かったよ」
「ノアの異次元生成魔法、勝手がよすぎてついつい荷物が増えちゃうよなぁ……」
ねぎらいの意味も込めて、ウィルにお茶を淹れた。
「ありがとう、ノア」
「ウィル、修行がんばってな」
「俺の事より、ほんとうに大丈夫なのか?せめて俺がついて行けたら……」
「大丈夫だって。帝国から出ることは冒険者として、いずれ通らなければならない道なんだから。ニケの故郷だっていうし、心配ないさ」
「ノア…」
「ん?」
「強くなったな……」
「な、なんだよいきなりっ!」
「いや…帝都を出てからもう四か月も経つんだって思うと、感慨深いなって……」
「ああ……。あのときはこんなにうまくやって行けるとは思ってなかった。試験も落ちたと思ったし」
「正直、間一髪だったよな……あのときはヒヤヒヤしたよ。冒険者試験に受かってからも、俺はノアが冒険者なんてやめるって、すぐ言い出すと思ってた」
ウィル……そんなこと思ってたのか……
「なんだよ。まぁ、俺って飽き性なとこはあるけどさ~」
「でも……ホルデウム殿の下で真剣に修行してるきみを見て、考えが変わった。きみはずっとこの先も――冒険者をやめないだろうなって。だから俺は君を守るよ、ずっと……」
「ウィル……ほんとうにいいの?だってきみは…」
「…家のこと?それなら心配ないよ。俺には兄弟がたくさんいるから」
「ウィルも俺が冒険者である限り、同じように冒険者としてずっと生きていく――ほんとうにそれでいいのか?……って、ごめん。俺の都合できみをさんざん振り回してきて、今さら何言ってんだよってかんじだよな……」
「俺は子どもの頃、騎士になりたかった。でも、騎士じゃきみを守れないだろ、ノア。そういうことさ」
強い意志がウィルの緑の瞳に宿っている。それを見ると、俺は何も言えなくなってしまった。
「ウィル…ありがとう」
「……明日も早い。そろそろ寝ないとな」
「うん、そうだね……おやすみ、ウィル」
「おやすみ、ノア」
ルクスは今日も、俺の中で眠っている……
もし俺がこの世界に来ることなく、ルクスのままだったら……ウィルは騎士になっていたんだろうなぁ……
ウィル……俺、がんばる。あのとき俺から離れて騎士になっていればよかったって、きみが後悔しないように……君を失望させないために――
「ザハブルハーム王国だよ」
ザハブルハームはベルムデウス帝国より東に位置する隣国だ。
乾燥していて砂漠が多い。独自の文化を発展させ、帝国とも貿易など交流がある。
でも…国内よりも、危険じゃないかなぁ……
「帝国じゃないんだなぁ…」
「ノア!ダメだ!危険すぎる!」
ひさしぶりに、ウィルの保護者モードが発動だ。外国行きを心配するのは、従者として当然かもしれない。
「危険?冒険者なんだから、いろんな国で冒険するのが普通でしょ?」
たしかにそうだ。同じ国の中から一歩も出ない冒険者なんて、俺の目指す冒険者ではない。
「帝国の外に出るなんて初めてだな……」
「歓迎するよ、ノア」
「ザハブルハーム王国へ行くのは私も初めてです。楽しみですねぇ」
「……俺はどうなっても知らないよ~」
「ウィル……兄上に報告したら絶交だから」
「~~~~~~っ!!ノア!!」
師の屋敷に帰り、俺たちは大急ぎで荷造りをした。ようやくのことであらかたの作業を終える頃には、とっくに深夜になっていた。
「ウィル、荷造り手伝ってくれてありがとう。助かったよ」
「ノアの異次元生成魔法、勝手がよすぎてついつい荷物が増えちゃうよなぁ……」
ねぎらいの意味も込めて、ウィルにお茶を淹れた。
「ありがとう、ノア」
「ウィル、修行がんばってな」
「俺の事より、ほんとうに大丈夫なのか?せめて俺がついて行けたら……」
「大丈夫だって。帝国から出ることは冒険者として、いずれ通らなければならない道なんだから。ニケの故郷だっていうし、心配ないさ」
「ノア…」
「ん?」
「強くなったな……」
「な、なんだよいきなりっ!」
「いや…帝都を出てからもう四か月も経つんだって思うと、感慨深いなって……」
「ああ……。あのときはこんなにうまくやって行けるとは思ってなかった。試験も落ちたと思ったし」
「正直、間一髪だったよな……あのときはヒヤヒヤしたよ。冒険者試験に受かってからも、俺はノアが冒険者なんてやめるって、すぐ言い出すと思ってた」
ウィル……そんなこと思ってたのか……
「なんだよ。まぁ、俺って飽き性なとこはあるけどさ~」
「でも……ホルデウム殿の下で真剣に修行してるきみを見て、考えが変わった。きみはずっとこの先も――冒険者をやめないだろうなって。だから俺は君を守るよ、ずっと……」
「ウィル……ほんとうにいいの?だってきみは…」
「…家のこと?それなら心配ないよ。俺には兄弟がたくさんいるから」
「ウィルも俺が冒険者である限り、同じように冒険者としてずっと生きていく――ほんとうにそれでいいのか?……って、ごめん。俺の都合できみをさんざん振り回してきて、今さら何言ってんだよってかんじだよな……」
「俺は子どもの頃、騎士になりたかった。でも、騎士じゃきみを守れないだろ、ノア。そういうことさ」
強い意志がウィルの緑の瞳に宿っている。それを見ると、俺は何も言えなくなってしまった。
「ウィル…ありがとう」
「……明日も早い。そろそろ寝ないとな」
「うん、そうだね……おやすみ、ウィル」
「おやすみ、ノア」
ルクスは今日も、俺の中で眠っている……
もし俺がこの世界に来ることなく、ルクスのままだったら……ウィルは騎士になっていたんだろうなぁ……
ウィル……俺、がんばる。あのとき俺から離れて騎士になっていればよかったって、きみが後悔しないように……君を失望させないために――
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