某国の皇子、冒険者となる

くー

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第7章 命の代償

16. 完成

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「チェインライトニング!」
雷撃を浴びたモンスターの動きが一瞬、止まる。

「うおおおおおぉ!」
ウィルが正面からモンスターに飛びかかり、剣を袈裟切りに振り下ろした。

――ドオオオオォン!

頭に致命傷を受けたモンスターは倒れ、二度と立ち上がることはなかった。


「やった……」
「勝った……っ!」
安堵のあまり力が抜け、床にへたり込んでしまった。

「そうだ……ジンのケガは!?」
ジンとニケの方へ目を向けると、ジンがこちらへと手を振っていた。

「大丈夫!今ニケに治療してもらってる」
「僕のせいでごめん。でも、このくらいなら魔法ですぐに治せそうだよ」
「よ、よかったあ~……」

ほんとうに嬉しい……誰も大きなケガをせず、戦いに勝つことができて……

「キマイラ……強かったな」
「ああ……でも、俺たちはそれに勝ったんだ……!」
「ていうかウィル……なんか、強くなってない?」
「一か月以上、帝都のギルドで死に物狂いで修業したからな。あれはキツかった……」
「ああ!そうだったね。落ち着いたら修行の話、詳しく聞かせてね」
「ああ、もちろん!」


それから、俺たちはキマイラから心臓を取り出し、ミーカが貸してくれた保存用の容器に入れた。そしてすぐに転移魔法を唱え、魔族の里へと戻った。

明かりが消えている家も多い。もう夜も更けた時刻だが、俺たちには関係なかった。
ようやく、素材が揃ったのだ。早く、ラウルスを助けてあげたい――

足早に診療所へ向かうと、ミーカが外で待ってくれていた。
「おかえり。薬を作る準備はしておいた。すぐに私の研究室へ」
「助かるよ。ありがとう、ミーカ!」

からだを張ってニケを助けて命を危険に晒しているラウルスを思えば、夜を徹しての作業も、まったく苦にはならなかった。



夜が明け、空が明るくなり始めた頃――

薬がついに完成した。

「ラウルス!治療薬が完成したよ」
「ノア……狂暴なモンスターとの戦いがあったとウィルから聞きました。お疲れでしょうに、申し訳ない……」
「全然大丈夫だよ。早くラウルスによくなってもらいたいんだ。さあ、薬を飲んで」
「では……」

ラウルスは、ゴブレットに注がれた赤紫色の液体を一気に飲み干した。

「くっ……!」
「……ど、どう?」
「な、なかなか苦い薬ですね……」
「ごめんね……腕の傷はどう?」
「今のところはまだ何も………ツッ!?」
ラウルスは突然、腕を押さえて苦しみ始めた。

「ラウルス!?」
「腕が……灼けるっ……!」


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