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アルバイト勧誘編
不意強襲④
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「さっきまでそこでフットサルやってたんですよ! それで高坂っちのチームが優勝して───」
桜川の何の悪気の無い一言によって空気がピリついた。
それもそのはず、弥守と涼介は俺がボールを蹴れることをまだ知らない。
「フットサル? あなたが?? あはは! サッカーができない代わりにフットサルなんて始めたのね。いいんじゃない? そういう道もあると思うわ。今からサッカーを始めても間に合わないだろうしね」
見下すように弥守が言った。
いや見下すようにじゃない、見下してるんだ、実際。
弥守が転校してからまだ1ヶ月。俺は大見得切ってサッカーをやれると言える段階ではない。
だからこそ以前と同じように煽っているんだ。
「弥守、そんな言い方はないだろう」
「そうだよ鷺宮さん。急に転校して心配してたのに、どうしてそんな責めるような」
涼介と梨音が嗜めた。
そういえば梨音は八幡と一緒に体育の時間で弥守とバスケで対決していたぐらいには馴染みがあるんだったか。
「そうね、終わった選手に対して少し過剰に反応し過ぎてしまったみたい。私らしくもない」
「こいつ…………!」
「高坂は終わった選手なんかじゃない!」
突然の大声に思わずビックリした。
大声ももちろんそうなんだが、何よりもその大声を出した人物に俺達は驚いていた。
前橋が感情的になってる……。
「さっきから聞いてれば高坂のことをよく知らないくせに失礼なことばかり……! アナタにとってどうでもいい選手なら無視すればいいでしょ!」
「よく知らない…………!? 貴方がどこの誰かは知らないけど、私の方が修斗のことについては良く知ってるつもりだけど? その上で終わった選手だと評しているのよ」
「違う! 高坂は終わってなんかない! 今だってサッカーができるように毎日リハビリを頑張ってるし、プレイの精度や独創性だって今日見たけど衰えてなかったんだから!」
「へ、へぇ……衰えてなかったんだ………じゃなくて! そんなの、貴方目線の話でしょ? アマチュアのレベルに混ざって活躍したからと言って、第一線で活躍できるわけないでしょ」
「そ、そんなことない! そんなこと…………ないし…………!」
「もういいよ前橋。擁護してくれてありがとう。その気持ちだけで俺は嬉しい」
感情が昂りすぎて既に少し涙目になっている前橋の肩に手を置いて落ち着かせた。
普段から低血圧の鬼で人見知りが激しく、クラスメイトですらろくに話すことのできない前橋が、話したこともない同年代相手に俺のことでこんなにも熱くなってくれている。
それだけで心にグッと来るものがある。
これに応えなきゃ男じゃねーだろ。
「弥守、俺は前にも言ったよな。唇を噛み締めることになるのはお前だって」
「どうだったかしら」
「改めて今ここで宣言してやる。俺は必ず、世界で一番のサッカー選手になる。涼介や優夜なんて目じゃ無い、世界中のトッププレーヤー達の頂点にな」
俺は常に自分が一番だと思っている。
その心の持ちようは今でも変わらない。
見据える先は常にトップだ。
「マジかよ……!」
一番に反応したのは涼介だった。
「じゃあ修斗の足の具合は良くなるんだな? だから言っただろ、修斗は必ず戻ってくるって。俺はずっと信じてたんだ…………! いつ頃修斗はヴァリアブルに戻ってくるんだ? 修斗が戻って来れば、俺達はまた最強の布陣が完成する。ヴァリアブルの本当の全盛期が来るんだ。全てのタイトル総ナメも確実なものになるぞ…………!!」
俺がヴァリアブルに出戻りするのが当たり前といった反応だ。
だが俺はヴァリアブルには戻らない。
俺を切り捨てたクラブチーム、そして鷺宮=アーデルハイト=弥守を見返すことが俺の今の原動力だ。
「俺はヴァリアブルには戻らない」
「………………え?」
涼介には悪いが、俺は俺の道でトップを目指す。
「悪いな親友、次お前とフィールドでサッカーをする時は、敵同士だ」
「………………ははっ」
意外にも涼介は嬉しそうに笑った。
まるで俺が敵として立ちはだかっていることを喜ぶように。
「面白い……! 思えば修斗とはジュニアサッカー時代の頃から常に一緒にやってきた。だからこそ敵として真剣に戦ったことは一度もない。いいぜ、かかってきな。修斗が俺達の前に現れるまで、俺達は常に頂点の位置で待つ。上がってこい…………高坂修斗!」
「首洗って待ってな」
お互いに啖呵を切った。
どちらも一歩も引くことは許されない。
ここから先、どんな地獄が待っていようとも俺は諦めない。
誰のためでもない、俺自身のために。
桜川の何の悪気の無い一言によって空気がピリついた。
それもそのはず、弥守と涼介は俺がボールを蹴れることをまだ知らない。
「フットサル? あなたが?? あはは! サッカーができない代わりにフットサルなんて始めたのね。いいんじゃない? そういう道もあると思うわ。今からサッカーを始めても間に合わないだろうしね」
見下すように弥守が言った。
いや見下すようにじゃない、見下してるんだ、実際。
弥守が転校してからまだ1ヶ月。俺は大見得切ってサッカーをやれると言える段階ではない。
だからこそ以前と同じように煽っているんだ。
「弥守、そんな言い方はないだろう」
「そうだよ鷺宮さん。急に転校して心配してたのに、どうしてそんな責めるような」
涼介と梨音が嗜めた。
そういえば梨音は八幡と一緒に体育の時間で弥守とバスケで対決していたぐらいには馴染みがあるんだったか。
「そうね、終わった選手に対して少し過剰に反応し過ぎてしまったみたい。私らしくもない」
「こいつ…………!」
「高坂は終わった選手なんかじゃない!」
突然の大声に思わずビックリした。
大声ももちろんそうなんだが、何よりもその大声を出した人物に俺達は驚いていた。
前橋が感情的になってる……。
「さっきから聞いてれば高坂のことをよく知らないくせに失礼なことばかり……! アナタにとってどうでもいい選手なら無視すればいいでしょ!」
「よく知らない…………!? 貴方がどこの誰かは知らないけど、私の方が修斗のことについては良く知ってるつもりだけど? その上で終わった選手だと評しているのよ」
「違う! 高坂は終わってなんかない! 今だってサッカーができるように毎日リハビリを頑張ってるし、プレイの精度や独創性だって今日見たけど衰えてなかったんだから!」
「へ、へぇ……衰えてなかったんだ………じゃなくて! そんなの、貴方目線の話でしょ? アマチュアのレベルに混ざって活躍したからと言って、第一線で活躍できるわけないでしょ」
「そ、そんなことない! そんなこと…………ないし…………!」
「もういいよ前橋。擁護してくれてありがとう。その気持ちだけで俺は嬉しい」
感情が昂りすぎて既に少し涙目になっている前橋の肩に手を置いて落ち着かせた。
普段から低血圧の鬼で人見知りが激しく、クラスメイトですらろくに話すことのできない前橋が、話したこともない同年代相手に俺のことでこんなにも熱くなってくれている。
それだけで心にグッと来るものがある。
これに応えなきゃ男じゃねーだろ。
「弥守、俺は前にも言ったよな。唇を噛み締めることになるのはお前だって」
「どうだったかしら」
「改めて今ここで宣言してやる。俺は必ず、世界で一番のサッカー選手になる。涼介や優夜なんて目じゃ無い、世界中のトッププレーヤー達の頂点にな」
俺は常に自分が一番だと思っている。
その心の持ちようは今でも変わらない。
見据える先は常にトップだ。
「マジかよ……!」
一番に反応したのは涼介だった。
「じゃあ修斗の足の具合は良くなるんだな? だから言っただろ、修斗は必ず戻ってくるって。俺はずっと信じてたんだ…………! いつ頃修斗はヴァリアブルに戻ってくるんだ? 修斗が戻って来れば、俺達はまた最強の布陣が完成する。ヴァリアブルの本当の全盛期が来るんだ。全てのタイトル総ナメも確実なものになるぞ…………!!」
俺がヴァリアブルに出戻りするのが当たり前といった反応だ。
だが俺はヴァリアブルには戻らない。
俺を切り捨てたクラブチーム、そして鷺宮=アーデルハイト=弥守を見返すことが俺の今の原動力だ。
「俺はヴァリアブルには戻らない」
「………………え?」
涼介には悪いが、俺は俺の道でトップを目指す。
「悪いな親友、次お前とフィールドでサッカーをする時は、敵同士だ」
「………………ははっ」
意外にも涼介は嬉しそうに笑った。
まるで俺が敵として立ちはだかっていることを喜ぶように。
「面白い……! 思えば修斗とはジュニアサッカー時代の頃から常に一緒にやってきた。だからこそ敵として真剣に戦ったことは一度もない。いいぜ、かかってきな。修斗が俺達の前に現れるまで、俺達は常に頂点の位置で待つ。上がってこい…………高坂修斗!」
「首洗って待ってな」
お互いに啖呵を切った。
どちらも一歩も引くことは許されない。
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誰のためでもない、俺自身のために。
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