123 / 203
アルバイト勧誘編
不意強襲⑤
しおりを挟む
宣戦布告をしたところで俺達は互いにすれ違った。
次に会うとすればそれはフィールド上でだ。
クラブの歴代最強にして現ユースチーム最強の東京ヴァリアブル。
俺は常に俺が一番のプレーヤーだと思ってはいるが、現時点で涼介一人にすら俺は到底敵わないだろう。
それほどまでに、1年間のブランクというのは大きい。
練習嫌いだった光ですら雑だったはずのクロスを正確に上げることができていたように、紗凪が空中戦のスペシャリストになったように、それぞれの成長率は著しいんだ。
同世代のアイツらをまとめて相手するのに俺だけじゃ足りない。
涼介、優夜、賢治、光、流星、龍二、郡司。
少なくともこいつらに対抗できるレベルのチームメイトを見つける必要がある。
「高坂っち」
「なんだよ」
少し離れてから桜川が声を掛けてきた。
「サッカー復帰するってマジ?」
「…………聞いての通りよ」
「一大ニュースじゃん! 私があれだけ誘ってもダメだったのに! てか梨音っちと前橋っちはなんでそんなローテンションでいられるの!?」
「なんでって…………」
「結構前から知ってたもん」
「あれ!? 知らなかったの私だけ!?」
生徒会の面々には配慮してもらう関係で一番最初に伝えてあったからな。
いまさら宣言繰り返したところでリアクション薄めなのは当たり前だわな。
「じゃあ部活入る!? サッカー部入る!?」
「いや生徒会入ってるし今は部活やらないよ。つーか桜川、お前また勧誘に力入れるなよな」
「血が騒ぐね……!」
「何者なんだよ」
またトイレまで付いて来られるのは勘弁して欲しい。
「にしても驚いたのはきいだよ。あんなに声を荒げてたの初めて見た。凄く格好良かったよね」
弥守に噛みついたやつな。
確かにあれは熱い場面だった。
「私も! いつもはもっとクールで落ち着いてるイメージあったのに、あんな一面があったんだねぇ。高坂っちのためだよね」
「ち、ちがっ……! 別に高坂のためとかじゃなく…………あれは、そう、尊敬してるプレーヤーを馬鹿にされたら誰だって怒るじゃん。同じ選手として、怒ったの」
「うんうん、その気持ち分かるよ。私も梨音っちもよく代弁してくれた! って思ったしね。それに対して高坂っちの反応は?」
「女神がいると思いました」
「~~~ッッ!!」
前橋の顔が照れからか赤くなっていくのが分かる。
その時々の感情を改めて思い返したりした時や指摘された時に恥ずかしくなること、あるよな。
「いよっ! 瑞都高校の女神っち!」
「女神っちってなんだよたまごっちかよ」
優夜に終わっている選手と言われた時、否定してくれたのは弥守だった。
そして今回、その弥守から終わっている選手と言われ、今度は前橋が否定してくれた。
ここで俺が結果を出せなければ前橋にも恥をかかせることになる。
「期待には応えたいよなぁ…………」
「ん? なに?」
「いや、飯食いに行こうぜ」
「おー! 行こう行こうー!」
ともあれ正式にサッカーができるようになるのはしばらく先の話だ。
今はまだ、一つ一つを大事にしていこう。
次に会うとすればそれはフィールド上でだ。
クラブの歴代最強にして現ユースチーム最強の東京ヴァリアブル。
俺は常に俺が一番のプレーヤーだと思ってはいるが、現時点で涼介一人にすら俺は到底敵わないだろう。
それほどまでに、1年間のブランクというのは大きい。
練習嫌いだった光ですら雑だったはずのクロスを正確に上げることができていたように、紗凪が空中戦のスペシャリストになったように、それぞれの成長率は著しいんだ。
同世代のアイツらをまとめて相手するのに俺だけじゃ足りない。
涼介、優夜、賢治、光、流星、龍二、郡司。
少なくともこいつらに対抗できるレベルのチームメイトを見つける必要がある。
「高坂っち」
「なんだよ」
少し離れてから桜川が声を掛けてきた。
「サッカー復帰するってマジ?」
「…………聞いての通りよ」
「一大ニュースじゃん! 私があれだけ誘ってもダメだったのに! てか梨音っちと前橋っちはなんでそんなローテンションでいられるの!?」
「なんでって…………」
「結構前から知ってたもん」
「あれ!? 知らなかったの私だけ!?」
生徒会の面々には配慮してもらう関係で一番最初に伝えてあったからな。
いまさら宣言繰り返したところでリアクション薄めなのは当たり前だわな。
「じゃあ部活入る!? サッカー部入る!?」
「いや生徒会入ってるし今は部活やらないよ。つーか桜川、お前また勧誘に力入れるなよな」
「血が騒ぐね……!」
「何者なんだよ」
またトイレまで付いて来られるのは勘弁して欲しい。
「にしても驚いたのはきいだよ。あんなに声を荒げてたの初めて見た。凄く格好良かったよね」
弥守に噛みついたやつな。
確かにあれは熱い場面だった。
「私も! いつもはもっとクールで落ち着いてるイメージあったのに、あんな一面があったんだねぇ。高坂っちのためだよね」
「ち、ちがっ……! 別に高坂のためとかじゃなく…………あれは、そう、尊敬してるプレーヤーを馬鹿にされたら誰だって怒るじゃん。同じ選手として、怒ったの」
「うんうん、その気持ち分かるよ。私も梨音っちもよく代弁してくれた! って思ったしね。それに対して高坂っちの反応は?」
「女神がいると思いました」
「~~~ッッ!!」
前橋の顔が照れからか赤くなっていくのが分かる。
その時々の感情を改めて思い返したりした時や指摘された時に恥ずかしくなること、あるよな。
「いよっ! 瑞都高校の女神っち!」
「女神っちってなんだよたまごっちかよ」
優夜に終わっている選手と言われた時、否定してくれたのは弥守だった。
そして今回、その弥守から終わっている選手と言われ、今度は前橋が否定してくれた。
ここで俺が結果を出せなければ前橋にも恥をかかせることになる。
「期待には応えたいよなぁ…………」
「ん? なに?」
「いや、飯食いに行こうぜ」
「おー! 行こう行こうー!」
ともあれ正式にサッカーができるようになるのはしばらく先の話だ。
今はまだ、一つ一つを大事にしていこう。
11
あなたにおすすめの小説
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。
エース皇命
青春
高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。
そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。
最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。
陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。
以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。
※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。
※表紙にはAI生成画像を使用しています。
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる