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文化祭勧誘編
出汁目的②
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椚田には2学期に入ってからよく声を掛けられるようになった。恐らくはキックターゲットの動画を見た影響だろう。残りの2人も見たことはあるが、一度も話したことはない。
椚田はタイプ的には少しギャルっぽい。だから瀬古とは仲が良いのだろうとは思うから、今回このメンバーになったのかな。
というよりも、俺と遊ぶのが目的って言ってた?
「高坂はウチ以外のこと知らないでしょ。こっちの2人」
「何回かクラスに来てたよな。見たことはあるけど……」
椚田が2人を紹介するが、ぶっちゃけ椚田もそんな知らん。椚田の自己紹介から頼みたい所存。
1人はショートカットでもう1人はポニーテールのように髪を後ろに纏めている。
こう言ってはなんだけど、椚田と結構タイプが違う2人というか、体育会系っぽいんだよな。
「2人とも6組の陸上部でこっちが仲哀菜々綺。んで、こっちが金成絵麻」
「よろしくね高坂君」
ポニテの方が仲哀、ショートカットが金成ね。
「高坂も知ってっかもだけど、私と菜々綺は同中だったからさ」
いや、知らん。
「結構よく遊んでんだよねー。んで、絵麻も菜々綺繋がりで仲良くなったんだけど、高坂がサッカーで有名だっての動画で知ったらしくてさ、高坂が気になってるみたいだから瀬古に頼んだってわけ」
「ちょっと燈ちゃん! 話を聞いてみたいって言っただけでしょ……! なんかごめんね高坂君、私が直接誘えば良かったよね」
仲哀が慌てて訂正する。
ふむ、第一印象は悪くないな。
後ろでニヤニヤヒソヒソ話すタイプだったらどうしようかと思ったけど、あれか、最初の一声に勇気がいるタイプね。
内弁慶属性だ。
「全然問題ないよ。それはそれとして瀬古は許さないが」
「なんでだよ!? 俺のせいじゃないと証明されたのに!」
「お前からは俺が上手く回してやろうという余計なお節介の匂いがする」
バレてた? という風に瀬古が明後日の方を見始めた。
「つーかどんだけ俺が出てた動画知られてんだよ。他クラスの奴までさぁ」
「てか私らも高坂君の動画を知ったのは桜川さんが騒いでたからだよね」
いきなりA級戦犯並みの名前が出てきた。
やっぱり原因アイツかい!
「うんうん。あれはもう布教活動だよね」
「何してんのアイツ……」
俺達のクラスでは珍しく新之助発信じゃなかったというのに、あいつには今度説教が必要か。
1組の前橋…………は広める相手もいないし心配する必要ゼロか。
「とりあえずボーリングの受付しよーぜー。すぐに入れるかも分からないしさー」
水本がダレたように声をあげた。
それに賛同するように店の中に入り、受付を済ませた。
それほど混んでいないらしく、すぐにレーンを取ることができた。
どうやらボウリングをする時は専用の靴に履き替えるらしく、靴をレンタルして履き替えた。
ボウリングの球がズラリと重さごとによって並べられており、それを一つ取って自分のところに持っていくみたいだ。
「どうしたの? ぼーっとして。もしかしてボウリング初めて?」
初めての経験尽くしに目をまんまるとさせていると、仲哀が声を掛けてきた。
「今までサッカーしかやってこなかったからさ。それ以外の球技なんて体育でやるやつしか知らないんだ」
「あはは、そうなんだね! 球はね、自分の片手で持てるぐらいの重さがいいよ。男の人は12ぐらいから上を選ぶ人多いかな」
「12? ああ、球に数字が書いてあるのか。仲哀はどれぐらいの重さのやつ持つの?」
「私は9かな。砲丸投げやってる人だともっと重いの持てるんだけどね」
そう言ってボウリングの球を両手で抱えた。
俺もとりあえず12と書かれた球を取って仲哀とレーンに戻った。
「仲哀は陸上部だっけ。なんの種目?」
「私は短距離だよ。絵麻ちゃんが高跳びだね」
「短距離まじか。100m?」
「うん」
「タイムは?」
「えっとね、私はそんなに早くないんだけど、13秒46がベストタイムだね」
女子陸上の中だとそのタイムはどうなんだろうな。
少なくともそこらの男子よりかは速いと思うけど。
サッカーでも十分通用する速さだ。
「高坂君はサッカーずっとやってたんだよね? クラブチームとかでやってたの?」
「東京ヴァリアブルのジュニアユースにいたよ。でも怪我でやめたんだ」
「怪我、しちゃったんだ……」
「気にすることはないよ。動画で見てもらった通り、治りつつあるから」
サッカーを再開したおかげか、最近は割と聞かれても怪我のことはスッと話せるようになった。
過去の話なんだよ、と自分の中で割り切ることができつつあるからなのかもしれない。
「でも東京ヴァリアブル! J1リーグにも出てる有名なところだよね!」
「へぇ、仲哀は知ってるんだ」
「お父さんがサッカーファンだからね。弟もサッカーやってるし」
そりゃわざわざキックターゲットの動画を見るぐらいだもんな。
多少なりともサッカーの知識はあって当然か。
「へいへい2人とも、話に華を咲かせるのもいいけど高坂の投げる番だぜ」
気付けば順番が回ってきていた。
俺は立ち上がり、自分の持ってきた球の穴に指を入れて見よう見まねで構えた。
「さてさて、サッカーの天才のボウリングの腕前は如何なものか……」
要はこのまままっすぐ腕を振り抜いて真ん中に当てればいいだけ。
運動神経が悪いわけじゃないし、初球からストライク取ってやろうぜ。
第一投を力強く投げた。
「あっ」「これは……」「ああ~」「うーん……」
…………うん、これがいわゆるガーターってやつか。勉強になるなぁ。
椚田はタイプ的には少しギャルっぽい。だから瀬古とは仲が良いのだろうとは思うから、今回このメンバーになったのかな。
というよりも、俺と遊ぶのが目的って言ってた?
「高坂はウチ以外のこと知らないでしょ。こっちの2人」
「何回かクラスに来てたよな。見たことはあるけど……」
椚田が2人を紹介するが、ぶっちゃけ椚田もそんな知らん。椚田の自己紹介から頼みたい所存。
1人はショートカットでもう1人はポニーテールのように髪を後ろに纏めている。
こう言ってはなんだけど、椚田と結構タイプが違う2人というか、体育会系っぽいんだよな。
「2人とも6組の陸上部でこっちが仲哀菜々綺。んで、こっちが金成絵麻」
「よろしくね高坂君」
ポニテの方が仲哀、ショートカットが金成ね。
「高坂も知ってっかもだけど、私と菜々綺は同中だったからさ」
いや、知らん。
「結構よく遊んでんだよねー。んで、絵麻も菜々綺繋がりで仲良くなったんだけど、高坂がサッカーで有名だっての動画で知ったらしくてさ、高坂が気になってるみたいだから瀬古に頼んだってわけ」
「ちょっと燈ちゃん! 話を聞いてみたいって言っただけでしょ……! なんかごめんね高坂君、私が直接誘えば良かったよね」
仲哀が慌てて訂正する。
ふむ、第一印象は悪くないな。
後ろでニヤニヤヒソヒソ話すタイプだったらどうしようかと思ったけど、あれか、最初の一声に勇気がいるタイプね。
内弁慶属性だ。
「全然問題ないよ。それはそれとして瀬古は許さないが」
「なんでだよ!? 俺のせいじゃないと証明されたのに!」
「お前からは俺が上手く回してやろうという余計なお節介の匂いがする」
バレてた? という風に瀬古が明後日の方を見始めた。
「つーかどんだけ俺が出てた動画知られてんだよ。他クラスの奴までさぁ」
「てか私らも高坂君の動画を知ったのは桜川さんが騒いでたからだよね」
いきなりA級戦犯並みの名前が出てきた。
やっぱり原因アイツかい!
「うんうん。あれはもう布教活動だよね」
「何してんのアイツ……」
俺達のクラスでは珍しく新之助発信じゃなかったというのに、あいつには今度説教が必要か。
1組の前橋…………は広める相手もいないし心配する必要ゼロか。
「とりあえずボーリングの受付しよーぜー。すぐに入れるかも分からないしさー」
水本がダレたように声をあげた。
それに賛同するように店の中に入り、受付を済ませた。
それほど混んでいないらしく、すぐにレーンを取ることができた。
どうやらボウリングをする時は専用の靴に履き替えるらしく、靴をレンタルして履き替えた。
ボウリングの球がズラリと重さごとによって並べられており、それを一つ取って自分のところに持っていくみたいだ。
「どうしたの? ぼーっとして。もしかしてボウリング初めて?」
初めての経験尽くしに目をまんまるとさせていると、仲哀が声を掛けてきた。
「今までサッカーしかやってこなかったからさ。それ以外の球技なんて体育でやるやつしか知らないんだ」
「あはは、そうなんだね! 球はね、自分の片手で持てるぐらいの重さがいいよ。男の人は12ぐらいから上を選ぶ人多いかな」
「12? ああ、球に数字が書いてあるのか。仲哀はどれぐらいの重さのやつ持つの?」
「私は9かな。砲丸投げやってる人だともっと重いの持てるんだけどね」
そう言ってボウリングの球を両手で抱えた。
俺もとりあえず12と書かれた球を取って仲哀とレーンに戻った。
「仲哀は陸上部だっけ。なんの種目?」
「私は短距離だよ。絵麻ちゃんが高跳びだね」
「短距離まじか。100m?」
「うん」
「タイムは?」
「えっとね、私はそんなに早くないんだけど、13秒46がベストタイムだね」
女子陸上の中だとそのタイムはどうなんだろうな。
少なくともそこらの男子よりかは速いと思うけど。
サッカーでも十分通用する速さだ。
「高坂君はサッカーずっとやってたんだよね? クラブチームとかでやってたの?」
「東京ヴァリアブルのジュニアユースにいたよ。でも怪我でやめたんだ」
「怪我、しちゃったんだ……」
「気にすることはないよ。動画で見てもらった通り、治りつつあるから」
サッカーを再開したおかげか、最近は割と聞かれても怪我のことはスッと話せるようになった。
過去の話なんだよ、と自分の中で割り切ることができつつあるからなのかもしれない。
「でも東京ヴァリアブル! J1リーグにも出てる有名なところだよね!」
「へぇ、仲哀は知ってるんだ」
「お父さんがサッカーファンだからね。弟もサッカーやってるし」
そりゃわざわざキックターゲットの動画を見るぐらいだもんな。
多少なりともサッカーの知識はあって当然か。
「へいへい2人とも、話に華を咲かせるのもいいけど高坂の投げる番だぜ」
気付けば順番が回ってきていた。
俺は立ち上がり、自分の持ってきた球の穴に指を入れて見よう見まねで構えた。
「さてさて、サッカーの天才のボウリングの腕前は如何なものか……」
要はこのまままっすぐ腕を振り抜いて真ん中に当てればいいだけ。
運動神経が悪いわけじゃないし、初球からストライク取ってやろうぜ。
第一投を力強く投げた。
「あっ」「これは……」「ああ~」「うーん……」
…………うん、これがいわゆるガーターってやつか。勉強になるなぁ。
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