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第七章 秘伝と任されたもの
442 褒め過ぎ注意
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舞台袖に戻ってくると、優希の腰の辺りに『2-3』と統二達の組のフダが付けられる。
「ああっ。人気投票は間違いなくもらったわ!」
「すごく良かったよ! ユウキちゃん!」
「女優ね! ううんっ、プロのキッズモデルさんね!」
女生徒達が優希に集っていく。興奮は最高潮のようだ。
「優希ちゃん……本当に怖くないのかな……」
統二が心配そうに遠巻きで見ているが、高耶は余裕だ。
「統二、よく見てみろ。あの褒め方。家でも見るだろ」
「……あ……樹さんと美咲さんにそっくり……」
「だろ」
「あははっ。確かにっ! あんな感じじゃんっ」
「樹さんは褒めて伸ばすタイプらしい。自覚ないみたいではあるが……母さんは普通に優希に魅了されてる。女の子嬉しいらしいから」
「「なるほど」」
ごく自然にこうなったというわけだ。
「あまり最初から褒めるばかりだと、過信するようになるし、失敗しても怒らないから怖いもの知らずになるからどうかと思うんだけどな……」
「それ分かるっ。うちの従兄弟のとこの子がそれだ! 褒めて伸ばすってやってたら、あそこのチビ、やたらと出来てねえのに出来た感出してドヤ顔すんの。まだ小さいから良いけど、あのままだと厄介だぜ」
出来ていなくても褒められるものだから、本当に出来たというのが分からないのかもしれない。ここに、平等にという精神が入ってくると、競争や見比べての優劣が付かないので、何事でも完成度や熟練度が低くなりそうだ。理想とする完成度を突き詰めることが出来なくなるかもしれない。
「まあ、優希は理想とするものが自分にあって、褒められても納得出来なかったら自分で突き詰めていくからいいんだけどな」
「そうですね……見本というか、目標になる先生達が周りに沢山いますしね」
習い事が増え、他人に評価されるということも知った。学校ではない専門的な知識を持つ人の下での学習は、そうした過信もしっかりと否定してくれる。もちろん、中にはそうした所でも褒めて伸ばすを取り入れている所もあるようだが、元々が高い理想を持った専門の人達なので、過信させるということまではいかないようだ。それで良い。
「俺、最近のちびっ子達の習い事漬けの感じ、良くないと思ってたけど、コレは出来てコレは出来ないってのが知れるならいいかもな。寧ろ、いくつか掛け持ちしねえと、それを分からないのかも」
「それはありそうですね。一つのことを極めるというのは、気概があればいつからでも出来ますから、親は大変でしょうが、学校や仕事に縛られない時間がある小学生の頃に色々と経験させるのは良いのかもしれません」
「叱れる教師の立場が弱い時代だしな~」
そんな話をしている内に、キッズモデル達のショーは終了。結果発表は大人の部門が終わってからだ。
「え? これ、このまま、きてていいの?」
優希は服が気に入ったのか、嬉しそうに聞いていた。
「うんうんっ! 他の子達も着たままだと思うよ。そのまま着て帰っても良いの。これがモデル代みたいなものだからね!」
「モデルだい……あ、おきゅうりょう?」
「そうっ! モデルのお仕事代ね。お兄さんの服も渡すから、是非二人で着てね!」
「うん! こんどのおでかけのときに、きるね!」
「そうして! あ、写真! 写真撮らせて!」
「うん! お兄ちゃんも!」
「「「「「是非!!」」」」」
次の部門への切り替えと審査中のため、余裕がある。そこかしこで写真撮影がなされていた。
そして、次の準備が始まる。
「さあっ! お兄さん! 着替えましょう!!」
「……ああ……」
高耶を目を爛々と輝かせた女生徒達が取り囲む。そのまま連行されるように着替えを急かされたのだ。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
「ああっ。人気投票は間違いなくもらったわ!」
「すごく良かったよ! ユウキちゃん!」
「女優ね! ううんっ、プロのキッズモデルさんね!」
女生徒達が優希に集っていく。興奮は最高潮のようだ。
「優希ちゃん……本当に怖くないのかな……」
統二が心配そうに遠巻きで見ているが、高耶は余裕だ。
「統二、よく見てみろ。あの褒め方。家でも見るだろ」
「……あ……樹さんと美咲さんにそっくり……」
「だろ」
「あははっ。確かにっ! あんな感じじゃんっ」
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「「なるほど」」
ごく自然にこうなったというわけだ。
「あまり最初から褒めるばかりだと、過信するようになるし、失敗しても怒らないから怖いもの知らずになるからどうかと思うんだけどな……」
「それ分かるっ。うちの従兄弟のとこの子がそれだ! 褒めて伸ばすってやってたら、あそこのチビ、やたらと出来てねえのに出来た感出してドヤ顔すんの。まだ小さいから良いけど、あのままだと厄介だぜ」
出来ていなくても褒められるものだから、本当に出来たというのが分からないのかもしれない。ここに、平等にという精神が入ってくると、競争や見比べての優劣が付かないので、何事でも完成度や熟練度が低くなりそうだ。理想とする完成度を突き詰めることが出来なくなるかもしれない。
「まあ、優希は理想とするものが自分にあって、褒められても納得出来なかったら自分で突き詰めていくからいいんだけどな」
「そうですね……見本というか、目標になる先生達が周りに沢山いますしね」
習い事が増え、他人に評価されるということも知った。学校ではない専門的な知識を持つ人の下での学習は、そうした過信もしっかりと否定してくれる。もちろん、中にはそうした所でも褒めて伸ばすを取り入れている所もあるようだが、元々が高い理想を持った専門の人達なので、過信させるということまではいかないようだ。それで良い。
「俺、最近のちびっ子達の習い事漬けの感じ、良くないと思ってたけど、コレは出来てコレは出来ないってのが知れるならいいかもな。寧ろ、いくつか掛け持ちしねえと、それを分からないのかも」
「それはありそうですね。一つのことを極めるというのは、気概があればいつからでも出来ますから、親は大変でしょうが、学校や仕事に縛られない時間がある小学生の頃に色々と経験させるのは良いのかもしれません」
「叱れる教師の立場が弱い時代だしな~」
そんな話をしている内に、キッズモデル達のショーは終了。結果発表は大人の部門が終わってからだ。
「え? これ、このまま、きてていいの?」
優希は服が気に入ったのか、嬉しそうに聞いていた。
「うんうんっ! 他の子達も着たままだと思うよ。そのまま着て帰っても良いの。これがモデル代みたいなものだからね!」
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「うん! お兄ちゃんも!」
「「「「「是非!!」」」」」
次の部門への切り替えと審査中のため、余裕がある。そこかしこで写真撮影がなされていた。
そして、次の準備が始まる。
「さあっ! お兄さん! 着替えましょう!!」
「……ああ……」
高耶を目を爛々と輝かせた女生徒達が取り囲む。そのまま連行されるように着替えを急かされたのだ。
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