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第四章 秘伝と導く音色
168 妹分です
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家守りとの契約は、家守りが認めれば簡単だ。触れて、力を通すだけでいい。
《お兄はん……っ、んっ、やっぱ……っ、すごいわ……っ》
少々苦しそうにしながらも力を受け取っていくエリーゼ。はっきり言って色っぽい声は要らん。
高耶的にはちょっとばかり、力だけでなく精神的にも削られているのに気付けるのは、この場では黒艶くらいだ。
そして、エリーゼから離れると、エリーゼは一瞬後、人形サイズから十代半ばの少女サイズに変化していた。
《お、大きゅうなった……?》
ゴスロリ少女の完成だ。
「……ゴスロリか……」
《なっ、なんやご主人っ。この格好はダメなん? 受け付けんの!?》
「いや……」
別にゴスロリがダメなわけではない。ただ、思い出すのだ。あのゴスロリ吸血鬼を。気付いたのは黒艶だ。
《はははっ、これは仕方ない。なあに、ちょっと同じようなゴスロリ少女の吸血鬼に似ているというだけだ。主に結婚を迫ってくるアレには、我も手を焼くからな》
《……結婚って……っ》
「……高耶くん……吸血鬼って……エルラント様の娘さんだよね? 本当に迫られてたんだね」
「……まあ、そうですね……」
源龍に知られるのは、少し恥ずかしい。
《ほ、ほんならっ、コレはどうや!?》
「ん?」
エリーゼはキラキラと光を纏わせて服を変える。時折家守りがやるコレ。魔法少女の変身にしか見えないというのが高耶の感想だ。
服がゴスロリからメイドに変わる。それも、秋葉のメイド喫茶にある可愛らしいメイド服だった。
《どや!? メロメロか!?》
「……メイド……」
《お~、うむ。よし! こう手でハート型をつくって……腰の角度はこう!》
《ふむふむ。こう……で、ご主人様♪ メロメロりん☆》
「……黒艶、どこでこの知識入れた?」
この間もエリーゼはハート型を作ったままウインクして固まっている。いや、可愛らしくはある。
《我は勤勉なのだよ。主を悦ばせるのが我の使命!》
「今変な字使ったろ? 喜ばせるの意味合い違うよな? 俺の認識がおかしいのか!?」
未だポーズを崩さないエリーゼはプロ意識高めのようだ。
《なんと! 良く分かったな主よ! そう! 我は主に性的な意味で悦ばっ!!》
《沈むがよい》
テンションを急激に上げていた黒艶に、綺翔のかかと落としが決まった。
《き、綺翔! これはさすがに痛いぞっ》
《うるさい……主様……困らすな》
《あれは悦んでっ!》
高耶が床に転がる黒艶の頭を屈みこんで鷲掴みにする。
「ねえからな? あと変なこと教えんな。お前らの妹分だろうがっ」
《ギ、ギリギリ気持ちっ、い、痛ッ! 痛いぞ! 本気で潰すのはやめてくれ!》
「ったく……ほら、エリーゼ。お前ももう良いから。それは可愛い。大丈夫だ」
《ふえっ!? か、かわ、かわいい!? かわっ、なんやドキドキが止まらん! 恋か!? これが恋か! ご主人! ウチを好きにしてや! へぶっ……!》
《落ち着く》
飛びかかろうとして両手を広げたエリーゼの顔面に綺翔のパンチが見事に決まっていた。
「なんて言うが高耶くん……大変だね」
「しみじみ言わないでください……」
結構危険な状況がすぐ隣にあるというのに、これでは緊張感もなにもない。
「ふふふ。そんな落ち込まないで。ほら、電話鳴ってるよ」
「はい……」
源龍に言われ、高耶はスマホを手に取る。達喜だった。
「どうしましたか?」
『おう、高耶。お前、扉繋げんだろ? そこに直で繋いでくれや。三つ葉邸を空けさせたからよ。部屋は首領会するとこで』
「……分かりました」
三つ葉邸とは、連盟の会合で使う邸の一つだ。扉を繋げるのに問題はなさそうだ。ただ、達喜の言い方がどうしてもカツアゲっぽく聞こえるのはどうにかならないだろうか。
「エリーゼ、そっちの扉は収納だよな?」
《うえっ、あ、そうや。今は中に何もないで?》
「それで良い。外に繋ぐ。お前は通るなよ?」
《繋ぐ? ま、まあ、ええよ。ご、ご主人のす、好きにしてえやっ》
エリーゼの許可も取れた。頬を染めるのは何故か分からないが、気にせず扉を繋いだ。扉を開くと、その先は間違いなく三つ葉邸の部屋だ。そこに達喜と刑事の迅、そして、焔泉までもが嬉しそうに笑って待っていた。
************
読んでくださりありがとうございます◎
《お兄はん……っ、んっ、やっぱ……っ、すごいわ……っ》
少々苦しそうにしながらも力を受け取っていくエリーゼ。はっきり言って色っぽい声は要らん。
高耶的にはちょっとばかり、力だけでなく精神的にも削られているのに気付けるのは、この場では黒艶くらいだ。
そして、エリーゼから離れると、エリーゼは一瞬後、人形サイズから十代半ばの少女サイズに変化していた。
《お、大きゅうなった……?》
ゴスロリ少女の完成だ。
「……ゴスロリか……」
《なっ、なんやご主人っ。この格好はダメなん? 受け付けんの!?》
「いや……」
別にゴスロリがダメなわけではない。ただ、思い出すのだ。あのゴスロリ吸血鬼を。気付いたのは黒艶だ。
《はははっ、これは仕方ない。なあに、ちょっと同じようなゴスロリ少女の吸血鬼に似ているというだけだ。主に結婚を迫ってくるアレには、我も手を焼くからな》
《……結婚って……っ》
「……高耶くん……吸血鬼って……エルラント様の娘さんだよね? 本当に迫られてたんだね」
「……まあ、そうですね……」
源龍に知られるのは、少し恥ずかしい。
《ほ、ほんならっ、コレはどうや!?》
「ん?」
エリーゼはキラキラと光を纏わせて服を変える。時折家守りがやるコレ。魔法少女の変身にしか見えないというのが高耶の感想だ。
服がゴスロリからメイドに変わる。それも、秋葉のメイド喫茶にある可愛らしいメイド服だった。
《どや!? メロメロか!?》
「……メイド……」
《お~、うむ。よし! こう手でハート型をつくって……腰の角度はこう!》
《ふむふむ。こう……で、ご主人様♪ メロメロりん☆》
「……黒艶、どこでこの知識入れた?」
この間もエリーゼはハート型を作ったままウインクして固まっている。いや、可愛らしくはある。
《我は勤勉なのだよ。主を悦ばせるのが我の使命!》
「今変な字使ったろ? 喜ばせるの意味合い違うよな? 俺の認識がおかしいのか!?」
未だポーズを崩さないエリーゼはプロ意識高めのようだ。
《なんと! 良く分かったな主よ! そう! 我は主に性的な意味で悦ばっ!!》
《沈むがよい》
テンションを急激に上げていた黒艶に、綺翔のかかと落としが決まった。
《き、綺翔! これはさすがに痛いぞっ》
《うるさい……主様……困らすな》
《あれは悦んでっ!》
高耶が床に転がる黒艶の頭を屈みこんで鷲掴みにする。
「ねえからな? あと変なこと教えんな。お前らの妹分だろうがっ」
《ギ、ギリギリ気持ちっ、い、痛ッ! 痛いぞ! 本気で潰すのはやめてくれ!》
「ったく……ほら、エリーゼ。お前ももう良いから。それは可愛い。大丈夫だ」
《ふえっ!? か、かわ、かわいい!? かわっ、なんやドキドキが止まらん! 恋か!? これが恋か! ご主人! ウチを好きにしてや! へぶっ……!》
《落ち着く》
飛びかかろうとして両手を広げたエリーゼの顔面に綺翔のパンチが見事に決まっていた。
「なんて言うが高耶くん……大変だね」
「しみじみ言わないでください……」
結構危険な状況がすぐ隣にあるというのに、これでは緊張感もなにもない。
「ふふふ。そんな落ち込まないで。ほら、電話鳴ってるよ」
「はい……」
源龍に言われ、高耶はスマホを手に取る。達喜だった。
「どうしましたか?」
『おう、高耶。お前、扉繋げんだろ? そこに直で繋いでくれや。三つ葉邸を空けさせたからよ。部屋は首領会するとこで』
「……分かりました」
三つ葉邸とは、連盟の会合で使う邸の一つだ。扉を繋げるのに問題はなさそうだ。ただ、達喜の言い方がどうしてもカツアゲっぽく聞こえるのはどうにかならないだろうか。
「エリーゼ、そっちの扉は収納だよな?」
《うえっ、あ、そうや。今は中に何もないで?》
「それで良い。外に繋ぐ。お前は通るなよ?」
《繋ぐ? ま、まあ、ええよ。ご、ご主人のす、好きにしてえやっ》
エリーゼの許可も取れた。頬を染めるのは何故か分からないが、気にせず扉を繋いだ。扉を開くと、その先は間違いなく三つ葉邸の部屋だ。そこに達喜と刑事の迅、そして、焔泉までもが嬉しそうに笑って待っていた。
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