[完結]私を巻き込まないで下さい

シマ

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本編

買い物に行きました

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 朝食の片付けまで済ませた私は、食材の確認をしていた。野菜や肉、出来たら魚も欲しいかな?あとお菓子も作るならドライフルーツとか牛乳、バターに卵。う~ん、種類が増えると量も増える。二人で持てるか自信無いなあ。配達を頼もうかなぁ。

「そろそろ買い物行こうか」

 声が聞こえて振り返ると、白のシャツに黒のスラックスに着替えた勇者様がいた。着替えたけど、腰に剣を差したままで私の隣に立った。

「勇者様。量が多いから配達にしませんか?」

 手元の買い物メモを見せながらそう言うと、勇者様が顎に手を添えて少し考える素振りを見せた。だから多いって言ったよね?

「俺、一人で持てるから大丈夫。籠が三つくらいある?」

「え?ありますよ」

「良し行こう。あぁ、流石に外で勇者様は止めてくれないか?」

 勇者様の困った様な顔を見て頷いてしまったけど、名前で呼ぶのかぁ。……間違えそうだから呼ばない様にしよう。


 勇者様と二人の買い物は順調に進んで最後のお肉屋に着いたんだけど、勇者様ヨダレたれそうだね。

「……口元」

「あっ!」

 私の指摘で慌てて口元を手で拭う。ヘラッと笑って誤魔化す勇者様にため息が出た。

「何か食べたいご飯はありましたか?」

「ステーキにローストビーフに……」

 指折りしながら肉料理の名前を上げる勇者様に、私はもう一度ため息を吐いた。

「お肉以外も食べて下さい」

「……はい、すみませんでした」

 謝る勇者様に呆れながらも、ステーキならすぐに出きるから夕食用に買う。他のお肉も何種類か買って、籠に入れたんだけど……お肉が溢れてる。そして、その肉を嬉しそうに見てる勇者様がいる。

「今まで、どんな食生活してたんですか」

 帰り道、勇者様に聞けば旅をしていると偏りやすいらしい。

「宿屋や食堂があれば良いが、国境辺りでは野営もよくあるからな」

 そう言って教えてくれたのは、野営の時の食事事情。アイテムボックスの保存食や途中で狩りをして丸焼きなんて事もあったとか。空間魔法だから食材は腐らないよね?狩りをするって、野菜は?それに丸焼きって、下処理してから焼いてる?

「気になったけど、下処理とか香辛料とかは?」

「うん?下処理ってなんだ?」

 わー、皮剥いで焼くだけって事?師匠と同レベルだわ。野菜の素焼きとか肉の素焼きとか味がしないヤツ。

「……その残念なモノを見る視線は何?」

「いえ、戦闘も料理も師匠と同じだなぁと」

「料理も師匠と同じ!?……え?そんなに酷いって事か?何が悪い?」

 料理しないのか、単に知識が無いのか分からないけど、二人にはご飯を作らないで欲しい。私、お腹壊したくないです。何処から説明する?

「う~ん、一言で言えば……全部?」

「えぇ!?そ、そうなのか?」

 私の一言に驚きを隠せない勇者様に、頷いて肯定すると肩を落として明らかに落ち込んでる。気付いて無かったの?それともバカ舌なの?天然なの?

「そうですね……百聞は一見に如かずです。お昼は一緒に作りますか?」

「お願いします」

 勇者様なのに腰の低い彼から頭を下げられて、私が慌てるとニヤリと笑っていた。ちょっと意地悪ですね!

「あ!蝋燭女が男といるぞ!」

 私と勇者様を指差して、大きな声で冷やかすのは近所の同級生のマークとその友人達。何故か、学生時代から絡まれていたけど人を巻き込むのは止めて欲しい。面倒臭い。

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