6 / 107
本編
勇者様は天然の様です
しおりを挟む
心臓が止まりそうな程の驚きの目覚めの後、勇者様を叩き起こした。目を覚ました勇者様は、普通に朝の挨拶してから部屋を出ていった。アンタなにしてんの?
「リナ!ランディーと鍛練してくるから、朝飯をこいつの分も頼む」
「は~い」
一階から聞こえた師匠の声に返事をすると、二人は近付かない様にと言って外へ出た。自分の実力は分かってますから行きませんよ。
何時もの二倍ほどの朝食を作ってから窓から外の様子を確認すると、まだ模擬戦をしていた。二人共、朝から元気だね。
「ご飯出来ましたよ!早く来ないと、無くなるよ~」
私が大きな声で叫ぶと、勇者様が師匠を足で蹴り飛ばしてから、私の方を見た。
「今、行くから待って!」
は?いや……そうじゃないでしょ!!!!師匠が木にめり込んでるけど生きてる!?
「し、師匠……?」
「ゴホッ……この馬鹿力が……ゴホッ、ゴホッ」
何度も噎せ込みながら師匠が立ち上がる。フラフラと歩く師匠の背中には、どす黒いオーラが見える気がする。うわ……師匠が本気で怒ってる。
勇者様は早くご飯が食べたいのか家に向かって歩いてくるけど、後ろから追い付いた師匠が肩に手を置いた瞬間、彼に投げ飛ばされた。……え?……は?ウソ、え?師匠って、そんなに軽かった?
「あ、あの……勇者様、師匠が……」
「名前で呼んでくれないのか?」
今、そこ?気になるところがそこ!?天然なの!?違うでしょ!後ろの師匠が!
私の視線に気付いた勇者様が、やっと後ろを振り返って師匠を見た。どす黒いオーラの師匠に向かって、勇者様は苦笑いしているだけだ。怖くないの?
「師匠、ご飯食べてから続きしましょ。俺、腹ペコで力が出ませんよ」
ニコニコと笑みを浮かべる勇者様は、地面に座り込んだままの師匠の手を掴んで立ち上がらせた。二人が並ぶと改めて勇者様の体格の良さが目立つ。師匠も強いし背が高いけど細身。勇者様は筋肉質な体型で大柄。たくさん食べるのかな?
「うわ、旨そう!いただきます」
「おい、リナの分は残しておけよ」
手を洗った二人がテーブルにつくと、凄い勢いで食べ物が消えて行く。空になった皿を下げて新しい料理を出すと、また直ぐに消えて空になる。もっと作った方が良かったかな。
「旨い!料理上手だな。師匠の料理は不味いから助かった」
「お前、相変わらずシレッと毒を吐くな」
乾いた笑いしかでない。二人の会話もだけど、私の分のご飯が残らなかった。う~ん、甘いの焼こうかな?
「まさか、全部食べたのか?」
「え?イリーナの分は?」
おーい、気付いて無かったの?私、ずっと立ったまま皿を下げてましたよ。私が苦笑いで返すと、勇者様が更に慌てる姿が可笑しくて、久しぶりに声を出して笑った。
「気にしないで下さい。甘いの食べたくなったから、パンケーキを焼きます」
「甘いの……食べたいです」
甘いのと聞いて勇者様の目がキラキラと期待の眼差しになる。え?まだ、食べるの?この人の胃袋は底なしなの?
「……リナ、それもこのバカの分も焼いてくれるか?」
「はい……食べたら買い出しに行って来ますね」
師匠が肩を落として頷いた。今晩も泊まるなら、何時もの三倍の量がいるかな?
「買い出しの時は、ランディーお前も行け。荷物持ちしろ」
「了解です」
師匠の言葉にニコニコと笑顔で返事をする姿は、勇者様と言うより子供の様で私はまた笑った。
結局、パンケーキは10枚焼いたけど、残りませんでした。マジか~
「リナ!ランディーと鍛練してくるから、朝飯をこいつの分も頼む」
「は~い」
一階から聞こえた師匠の声に返事をすると、二人は近付かない様にと言って外へ出た。自分の実力は分かってますから行きませんよ。
何時もの二倍ほどの朝食を作ってから窓から外の様子を確認すると、まだ模擬戦をしていた。二人共、朝から元気だね。
「ご飯出来ましたよ!早く来ないと、無くなるよ~」
私が大きな声で叫ぶと、勇者様が師匠を足で蹴り飛ばしてから、私の方を見た。
「今、行くから待って!」
は?いや……そうじゃないでしょ!!!!師匠が木にめり込んでるけど生きてる!?
「し、師匠……?」
「ゴホッ……この馬鹿力が……ゴホッ、ゴホッ」
何度も噎せ込みながら師匠が立ち上がる。フラフラと歩く師匠の背中には、どす黒いオーラが見える気がする。うわ……師匠が本気で怒ってる。
勇者様は早くご飯が食べたいのか家に向かって歩いてくるけど、後ろから追い付いた師匠が肩に手を置いた瞬間、彼に投げ飛ばされた。……え?……は?ウソ、え?師匠って、そんなに軽かった?
「あ、あの……勇者様、師匠が……」
「名前で呼んでくれないのか?」
今、そこ?気になるところがそこ!?天然なの!?違うでしょ!後ろの師匠が!
私の視線に気付いた勇者様が、やっと後ろを振り返って師匠を見た。どす黒いオーラの師匠に向かって、勇者様は苦笑いしているだけだ。怖くないの?
「師匠、ご飯食べてから続きしましょ。俺、腹ペコで力が出ませんよ」
ニコニコと笑みを浮かべる勇者様は、地面に座り込んだままの師匠の手を掴んで立ち上がらせた。二人が並ぶと改めて勇者様の体格の良さが目立つ。師匠も強いし背が高いけど細身。勇者様は筋肉質な体型で大柄。たくさん食べるのかな?
「うわ、旨そう!いただきます」
「おい、リナの分は残しておけよ」
手を洗った二人がテーブルにつくと、凄い勢いで食べ物が消えて行く。空になった皿を下げて新しい料理を出すと、また直ぐに消えて空になる。もっと作った方が良かったかな。
「旨い!料理上手だな。師匠の料理は不味いから助かった」
「お前、相変わらずシレッと毒を吐くな」
乾いた笑いしかでない。二人の会話もだけど、私の分のご飯が残らなかった。う~ん、甘いの焼こうかな?
「まさか、全部食べたのか?」
「え?イリーナの分は?」
おーい、気付いて無かったの?私、ずっと立ったまま皿を下げてましたよ。私が苦笑いで返すと、勇者様が更に慌てる姿が可笑しくて、久しぶりに声を出して笑った。
「気にしないで下さい。甘いの食べたくなったから、パンケーキを焼きます」
「甘いの……食べたいです」
甘いのと聞いて勇者様の目がキラキラと期待の眼差しになる。え?まだ、食べるの?この人の胃袋は底なしなの?
「……リナ、それもこのバカの分も焼いてくれるか?」
「はい……食べたら買い出しに行って来ますね」
師匠が肩を落として頷いた。今晩も泊まるなら、何時もの三倍の量がいるかな?
「買い出しの時は、ランディーお前も行け。荷物持ちしろ」
「了解です」
師匠の言葉にニコニコと笑顔で返事をする姿は、勇者様と言うより子供の様で私はまた笑った。
結局、パンケーキは10枚焼いたけど、残りませんでした。マジか~
71
あなたにおすすめの小説
全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。
彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ】悪妃は余暇を楽しむ
ごろごろみかん。
恋愛
「こちら、離縁届です。私と、離縁してくださいませ、陛下」
ある日、悪妃と名高いクレメンティーナが夫に渡したのは、離縁届だった。彼女はにっこりと笑って言う。
「先日、あなた方の真実の愛を拝見させていただきまして……有難いことに目が覚めましたわ。ですので、王妃、やめさせていただこうかと」
何せ、あれだけ見せつけてくれたのである。ショックついでに前世の記憶を取り戻して、千年の恋も瞬間冷凍された。
都合のいい女は本日で卒業。
今後は、余暇を楽しむとしましょう。
吹っ切れた悪妃は身辺整理を終えると早々に城を出て行ってしまった。
【完結】愛され公爵令嬢は穏やかに微笑む
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
恋愛
「シモーニ公爵令嬢、ジェラルディーナ! 私はお前との婚約を破棄する。この宣言は覆らぬと思え!!」
婚約者である王太子殿下ヴァレンテ様からの突然の拒絶に、立ち尽くすしかありませんでした。王妃になるべく育てられた私の、存在価値を否定するお言葉です。あまりの衝撃に意識を手放した私は、もう生きる意味も分からなくなっていました。
婚約破棄されたシモーニ公爵令嬢ジェラルディーナ、彼女のその後の人生は思わぬ方向へ転がり続ける。優しい彼女の功績に助けられた人々による、恩返しが始まった。まるで童話のように、受け身の公爵令嬢は次々と幸運を手にしていく。
ハッピーエンド確定
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/10/01 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、二次選考通過
2022/07/29 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、一次選考通過
2022/02/15 小説家になろう 異世界恋愛(日間)71位
2022/02/12 完結
2021/11/30 小説家になろう 異世界恋愛(日間)26位
2021/11/29 アルファポリス HOT2位
2021/12/03 カクヨム 恋愛(週間)6位
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
【完結済】破棄とか面倒じゃないですか、ですので婚約拒否でお願いします
紫
恋愛
水不足に喘ぐ貧困侯爵家の次女エリルシアは、父親からの手紙で王都に向かう。
王子の婚約者選定に関して、白羽の矢が立ったのだが、どうやらその王子には恋人がいる…らしい?
つまりエリルシアが悪役令嬢ポジなのか!?
そんな役どころなんて御免被りたいが、王サマからの提案が魅力的過ぎて、王宮滞在を了承してしまう。
報酬に目が眩んだエリルシアだが、無事王宮を脱出出来るのか。
王子サマと恋人(もしかしてヒロイン?)の未来はどうなるのか。
2025年10月06日、初HOTランキング入りです! 本当にありがとうございます!!(2位だなんて……いやいや、ありえないと言うか…本気で夢でも見ているのではないでしょーか……)
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※小説家になろう様にも掲載させていただいています。
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
悪女と呼ばれた王妃
アズやっこ
恋愛
私はこの国の王妃だった。悪女と呼ばれ処刑される。
処刑台へ向かうと先に処刑された私の幼馴染み、私の護衛騎士、私の従者達、胴体と頭が離れた状態で捨て置かれている。
まるで屑物のように足で蹴られぞんざいな扱いをされている。
私一人処刑すれば済む話なのに。
それでも仕方がないわね。私は心がない悪女、今までの行いの結果よね。
目の前には私の夫、この国の国王陛下が座っている。
私はただ、
貴方を愛して、貴方を護りたかっただけだったの。
貴方のこの国を、貴方の地位を、貴方の政務を…、
ただ護りたかっただけ…。
だから私は泣かない。悪女らしく最後は笑ってこの世を去るわ。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ ゆるい設定です。
❈ 処刑エンドなのでバットエンドです。
完結 女性に興味が無い侯爵様、私は自由に生きます
ヴァンドール
恋愛
私は絵を描いて暮らせるならそれだけで幸せ!
そんな私に好都合な相手が。
女性に興味が無く仕事一筋で冷徹と噂の侯爵様との縁談が。 ただ面倒くさい従妹という令嬢がもれなく付いてきました。
【完結】虐げられて自己肯定感を失った令嬢は、周囲からの愛を受け取れない
春風由実
恋愛
事情があって伯爵家で長く虐げられてきたオリヴィアは、公爵家に嫁ぐも、同じく虐げられる日々が続くものだと信じていた。
願わくば、公爵家では邪魔にならず、ひっそりと生かして貰えたら。
そんなオリヴィアの小さな願いを、夫となった公爵レオンは容赦なく打ち砕く。
※完結まで毎日1話更新します。最終話は2/15の投稿です。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる