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本編
魔力の暴走 side カイン
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「イリーナ!」
ランディーの叫びと、ほぼ同時にリナが倒れる。地面に頭を打ち付けるより速く、アイツの腕が彼女の身体を捕まえた。
「リナ!聞こえるか!」
自分の声に反応して、リナが顔を動かしたのが最後だった。そのまま意識を失った彼女の魔力が暴走し始めた。ガタガタと身体を震わし、オレンジ色の髪が炎の様に揺れる。ランディーも事態に気付いて名前を呼んでいた。
「クソ!何だって急に」
ランディーが無意識に暴れるリナを抑える。その間に薬を取り出すと、リナの口元に近付けた。
「リナ!飲め!早く飲むんだ!」
魔力の暴走は、この娘を保護したあの日から時々起きていた。更に今が魔力の成長期である彼女は、魔力バランスが酷く不安定で薬を常時持ち歩かないと危険な状態だった。しかし、この一年は何事もなく油断していた。クソ!暴れて口に入らない!
「貸して!!」
自分の手から薬を引ったくる様に奪ったランディーが自分の口に薬を含むと、口移しで無理矢理リナに飲ませる。彼女が嫌がり首を叛けようとするが、大きな手でしっかり固定して全て飲ませた。
……いや、助かったんだが……コレ非常事態とは言え不味くないか?お前、普段の冷静沈着な判断力は何処へいった?いや、冷静だからこその判断だろうが……
「全部、飲みましたね」
何事もなかった様に言うランディーに頭が痛い。油断して薬を持たせなかった自分も悪いが、年頃の娘にする事では無いと思うぞ。
「ランディー」
「はい、何ですか?」
名前を呼ばれて普通に返事をする弟子に、将来が心配になった。コイツ、男女の機微というか気遣いが、全くない気がする。
「お前、今の不味いだろう」
「へ?」
何が不味いのか全く分かっていない様子の弟子の頭を、一発殴ってしまうのは仕方ない。殴られた理由が分からず不満気な表情のまま、リナを抱えて放さないバカ弟子に、彼女を荷台に寝かせる様に指示した。
「寝かせてきましたよ」
「ちょっと座れ」
焚き火の横に座る様に言えば、ランディーは素直に座った。リナが気になるのか時々、視線を荷馬車に向けるが仕方ないと諦めてそのまま話し始めた。
「お前、彼女が年頃の娘だって分かってるか?」
「急に何ですか?分かってますよ」
「……じゃあ、さっきの行動は?」
自分の言葉を聞いて首を傾げたが、やっと自分の行動を振り返り顔を赤くして慌て始めた。……コイツ、こんなに鈍感だったか?
「じ、人命救助!」
不味いと理解してから、言い訳を探している姿は年相応に見える。二人共、子供の頃から苦労をしているせいか、歳の割に大人びていて、こんな姿は久しぶりに見た気がする。そんな年寄り臭い事を考えた時、荷馬車の中で寝ていたはずのリナがフラフラしながら降りてきた。起きたのかと思ったが様子が可笑しい。ランディーが近付いた時、また、フラリと倒れて彼の腕の中に収まった。
「イリーナ、もう起きて大丈夫か?」
ランディーが声を掛けても反応が無い。夢遊病か、再暴走か。暴走は不味いな。
「あ……つい」
暴走に備えて薬のポーチに視線を向けた時、リナがボソッと言った。熱い?もう辺りも暗くなり気温も落ちてきている。暴走の影響で熱が出たか?反動熱は薬では治らないから、氷で冷やす方が良い。
「氷嚢を作るからリナを!?」
薬のポーチから視線をリナに戻すと、服を脱ごうとして暴れる彼女を慌てて止めるランディーの姿があった。
「イリーナ!ちょっと待て!服を脱ぐな!!!!」
なんて日だ。最悪だ。自分は、弟子の育て方を何処で間違えた?年頃の娘が、何で服を脱ごうとしているんだよ!
ランディーの叫びと、ほぼ同時にリナが倒れる。地面に頭を打ち付けるより速く、アイツの腕が彼女の身体を捕まえた。
「リナ!聞こえるか!」
自分の声に反応して、リナが顔を動かしたのが最後だった。そのまま意識を失った彼女の魔力が暴走し始めた。ガタガタと身体を震わし、オレンジ色の髪が炎の様に揺れる。ランディーも事態に気付いて名前を呼んでいた。
「クソ!何だって急に」
ランディーが無意識に暴れるリナを抑える。その間に薬を取り出すと、リナの口元に近付けた。
「リナ!飲め!早く飲むんだ!」
魔力の暴走は、この娘を保護したあの日から時々起きていた。更に今が魔力の成長期である彼女は、魔力バランスが酷く不安定で薬を常時持ち歩かないと危険な状態だった。しかし、この一年は何事もなく油断していた。クソ!暴れて口に入らない!
「貸して!!」
自分の手から薬を引ったくる様に奪ったランディーが自分の口に薬を含むと、口移しで無理矢理リナに飲ませる。彼女が嫌がり首を叛けようとするが、大きな手でしっかり固定して全て飲ませた。
……いや、助かったんだが……コレ非常事態とは言え不味くないか?お前、普段の冷静沈着な判断力は何処へいった?いや、冷静だからこその判断だろうが……
「全部、飲みましたね」
何事もなかった様に言うランディーに頭が痛い。油断して薬を持たせなかった自分も悪いが、年頃の娘にする事では無いと思うぞ。
「ランディー」
「はい、何ですか?」
名前を呼ばれて普通に返事をする弟子に、将来が心配になった。コイツ、男女の機微というか気遣いが、全くない気がする。
「お前、今の不味いだろう」
「へ?」
何が不味いのか全く分かっていない様子の弟子の頭を、一発殴ってしまうのは仕方ない。殴られた理由が分からず不満気な表情のまま、リナを抱えて放さないバカ弟子に、彼女を荷台に寝かせる様に指示した。
「寝かせてきましたよ」
「ちょっと座れ」
焚き火の横に座る様に言えば、ランディーは素直に座った。リナが気になるのか時々、視線を荷馬車に向けるが仕方ないと諦めてそのまま話し始めた。
「お前、彼女が年頃の娘だって分かってるか?」
「急に何ですか?分かってますよ」
「……じゃあ、さっきの行動は?」
自分の言葉を聞いて首を傾げたが、やっと自分の行動を振り返り顔を赤くして慌て始めた。……コイツ、こんなに鈍感だったか?
「じ、人命救助!」
不味いと理解してから、言い訳を探している姿は年相応に見える。二人共、子供の頃から苦労をしているせいか、歳の割に大人びていて、こんな姿は久しぶりに見た気がする。そんな年寄り臭い事を考えた時、荷馬車の中で寝ていたはずのリナがフラフラしながら降りてきた。起きたのかと思ったが様子が可笑しい。ランディーが近付いた時、また、フラリと倒れて彼の腕の中に収まった。
「イリーナ、もう起きて大丈夫か?」
ランディーが声を掛けても反応が無い。夢遊病か、再暴走か。暴走は不味いな。
「あ……つい」
暴走に備えて薬のポーチに視線を向けた時、リナがボソッと言った。熱い?もう辺りも暗くなり気温も落ちてきている。暴走の影響で熱が出たか?反動熱は薬では治らないから、氷で冷やす方が良い。
「氷嚢を作るからリナを!?」
薬のポーチから視線をリナに戻すと、服を脱ごうとして暴れる彼女を慌てて止めるランディーの姿があった。
「イリーナ!ちょっと待て!服を脱ぐな!!!!」
なんて日だ。最悪だ。自分は、弟子の育て方を何処で間違えた?年頃の娘が、何で服を脱ごうとしているんだよ!
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