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本編
眠れない夜 side ランバート
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イリーナが眠りについた後も彼女の頭を撫でていると、風呂場から出てきた師匠が大きなため息を吐いた。
「ランバート、リナに触るな」
師匠に言われて彼女の頭を撫でていた手を離し、視線を向けると真剣な表情で俺を見ていた。
「お前、どういうつもりだ」
「何がですか?」
「リナの事だ」
彼女が寝ているベッドから距離を取り、椅子に腰掛けた師匠が俺に睨む様な視線を向ける。イリーナの事?一体、何の話だ?
「無自覚か……クソ面倒だな」
「師匠、何の話なんですか?」
悪態をつく師匠に問えば、話されたのは俺と彼女の距離感の近さ。師匠に言われても、何が悪いのか分からず首を傾げた。
「じゃあ、言い方を変える。お前はリナの恋人か?」
「はぁ?……えぇと……いや、違います」
“恋人”その一言でやっと師匠の言いたい事を理解した。他人にしては近すぎる距離。無意識に彼女の髪に触れ、身体に触れ……俺の行動って端から見れば……
「ナンパ野郎」
違う!断じて違うと叫びたかったが、寝ている彼女を起こしてしまう。それに、彼女に触れると落ち着く自分に気付いた。
「改めて聞くぞ。どういうつもりだ?」
師匠の真剣な問いに、直ぐに返事が出来なかった。
俺は彼女と……イリーナに何を求めている?何故、側に行く?さっきも、そうだ。何時もなら他人が不安そうにしてようが、気にしない。いや、放置すると言っても良い。何故、彼女にはそれが出来ない。他人と同じ事が……
「答えられないか?」
「……はい……自分でも分かりません」
何時まで経っても答えられない俺を、師匠が苦笑いしながら見ていて俯いて視線を遮った。
「お前は、他人と距離を置き過ぎたから仕方ないか……リナを守れるのはお前しかいない」
その言葉を聞いて師匠がいると思ったが、まるで自分には無理だと言っている様にも聞こえて、思わず顔を上げると困った様に眉を下げている師匠がいた。
「これから先、あの娘を守れるのは、お前だけなんだ」
「師匠、何を隠しているんですか?」
疑問を素直に投げ掛けても、師匠は首を横に振って答えてはくれなかった。重い沈黙の中、師匠がイリーナに視線を向ける。彼女を見詰める視線は、まるで成長を見守る父親の様に見えた。
「アイツの花嫁姿を見たいんだがなぁ……」
「彼女なら相手は幾らでもいるでしょう?」
「じゃあ、ランディー。他の男がリナに触れたらどう思う?」
師匠に言われた事を想像してみる。俺以外の男がイリーナの炎の様に温かで綺麗な髪に触れ、隣に立ち、不安で揺れる瞳を見詰め寄り添う。
その瞬間、奥歯に力が入りギリッと音が鳴った。嫌だ。彼女が俺以外に微笑みを向ける事を想像するだけで、相手を殴りたくなる程に嫌だった。
「頑張れよ」
師匠はそう言うとベッドに入って眠りにつく。俺もベッドに入ったが、眠れそう無かった。
頑張れか……戦う事しか出来ない俺が、結婚して家庭を持つ。人に触れる事すら出来なかった俺には、想像もつかないな。
「……難しいな」
一言、呟くと明日に備えて身体を休めようと目を閉じたが、やはり眠気はこない。二、三日、徹夜でも問題無いし、眠れないなら周囲の警戒でもするか。
目を閉じて魔力を広げ敵の位置を確認する。王様は言った通り、街外れの空き家を制圧して、犯人の捕縛に成功した様だ。実行犯は……今、捕まったな。彼女の不安が一つでも減って良かった。しかし、まだ空が明るくなるには程遠い。
先は長いな
「ランバート、リナに触るな」
師匠に言われて彼女の頭を撫でていた手を離し、視線を向けると真剣な表情で俺を見ていた。
「お前、どういうつもりだ」
「何がですか?」
「リナの事だ」
彼女が寝ているベッドから距離を取り、椅子に腰掛けた師匠が俺に睨む様な視線を向ける。イリーナの事?一体、何の話だ?
「無自覚か……クソ面倒だな」
「師匠、何の話なんですか?」
悪態をつく師匠に問えば、話されたのは俺と彼女の距離感の近さ。師匠に言われても、何が悪いのか分からず首を傾げた。
「じゃあ、言い方を変える。お前はリナの恋人か?」
「はぁ?……えぇと……いや、違います」
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違う!断じて違うと叫びたかったが、寝ている彼女を起こしてしまう。それに、彼女に触れると落ち着く自分に気付いた。
「改めて聞くぞ。どういうつもりだ?」
師匠の真剣な問いに、直ぐに返事が出来なかった。
俺は彼女と……イリーナに何を求めている?何故、側に行く?さっきも、そうだ。何時もなら他人が不安そうにしてようが、気にしない。いや、放置すると言っても良い。何故、彼女にはそれが出来ない。他人と同じ事が……
「答えられないか?」
「……はい……自分でも分かりません」
何時まで経っても答えられない俺を、師匠が苦笑いしながら見ていて俯いて視線を遮った。
「お前は、他人と距離を置き過ぎたから仕方ないか……リナを守れるのはお前しかいない」
その言葉を聞いて師匠がいると思ったが、まるで自分には無理だと言っている様にも聞こえて、思わず顔を上げると困った様に眉を下げている師匠がいた。
「これから先、あの娘を守れるのは、お前だけなんだ」
「師匠、何を隠しているんですか?」
疑問を素直に投げ掛けても、師匠は首を横に振って答えてはくれなかった。重い沈黙の中、師匠がイリーナに視線を向ける。彼女を見詰める視線は、まるで成長を見守る父親の様に見えた。
「アイツの花嫁姿を見たいんだがなぁ……」
「彼女なら相手は幾らでもいるでしょう?」
「じゃあ、ランディー。他の男がリナに触れたらどう思う?」
師匠に言われた事を想像してみる。俺以外の男がイリーナの炎の様に温かで綺麗な髪に触れ、隣に立ち、不安で揺れる瞳を見詰め寄り添う。
その瞬間、奥歯に力が入りギリッと音が鳴った。嫌だ。彼女が俺以外に微笑みを向ける事を想像するだけで、相手を殴りたくなる程に嫌だった。
「頑張れよ」
師匠はそう言うとベッドに入って眠りにつく。俺もベッドに入ったが、眠れそう無かった。
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「……難しいな」
一言、呟くと明日に備えて身体を休めようと目を閉じたが、やはり眠気はこない。二、三日、徹夜でも問題無いし、眠れないなら周囲の警戒でもするか。
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先は長いな
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