【完結】子爵令嬢の秘密

りまり

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20 侯爵2&お庭番? お友達?

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 着実に外堀は埋まりつつある。

 俺とリリアちゃんのことを疑う人間はいないだろう。

 牽制のつもりでやったことだが、外堀は埋めておいた方がいいのは確かだ。

 俺は今日もリリアちゃんを連れて色々なところを回った。

 リリアちゃんの姉ローズはすぐに俺にドレスや宝石を強請ってくるのだ。

 ローズだけじゃない、少しでも俺と接触して一夜を共にした女はドレスや宝石を強請るのだ。

 はっきり言えば辟易していた。

 でもリリアちゃんは強請るところか買ってあげると言っても嫌がるのだ。

 そんな子だから、ついつい甘やかしてしまいたくなる。

 かわいいリリアちゃんが、俺の腕の中で朝まで過ごすのはまだまだ先のことだが、それまで誰にも振れさせる気はない。

 



 俺は、侯爵家のお庭番をしております。

 クールで人を人とも思わない冷血な侯爵さまが、一人の少女によって腑抜けにさせられた。

 暗黒のボスと言われ、王家の部分を担うような人だから普通の恋愛や結婚は望めないと思っていた。

 それがまさかあんな姿が見られるとは思わなかったのだ。

 それにしても最近の侯爵さまは恋愛ボケしてしまい、使い物にならなくなってきているのは確かだが、あの子が関わらなければ本当に優秀な上司なのだ。

 小さな女の子に一目ぼれして、それをこじらせているただの変態と言ってしまえばそれまでなのだが、俺は今日もリリアちゃんを見守っている。

 変な虫がつかないようにと虐められていないかとか、それが今の俺の任務だ。

 時たま俺のが見ていることが、ばれているのかと思うぐらいこちらを見ている気がするのだが、それも気のせいだと思わなければやってられない。

 ああ、俺のかわいいリリアちゃんが腹黒上司に汚されてしまう。

 最近の悩みはかわいいリリアちゃんを取るか、上司を取るかで悩んでいることだ。





 私は、リリアの同級生で最近仲良くなり始めましたの。

 私目を疑いましたのよ。

 氷の侯爵さまがリリアの前で声をだして笑っているんですよ。

 ありえませんわ。

 それも甘々で、何アピールですの!!!!

 と、つい突っ込んでしまったのは若気の至りとしておきましょう。

 そんなことが見受けられるようになったなった時、あるうわさが聞こえてきました。

 リリアをないがしろにしていた家族は没落したと。

 それも侯爵さまがやったことだとすぐにわかりましたわ。

 恋する気持ちに男だとか女とか関係ないみたいですね。

 ただちょっと色々と拗らせちゃっているみたいですけどね。

 影で見守っている方もかわいいリリアに毒されつつあるようで、最近は悶絶しながらリリアを眺めていると、家の影が申してました。

 王太子殿下もリリアを構い始めましたし、変なことにならなければいいのですが……

 無理ですよね……

 
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