【完結】子爵令嬢の秘密

りまり

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 恐怖体験をした翌日、学校帰りに侯爵さまが待っていたのだ。

 「どうしてこちらに?」

 何でいるんですか!!!!

 怖いんですけど……

 「一緒にお茶しようと思ってね」

 マジですか!!!!

 侯爵さまはその日から毎日のように私の前に現れてお茶をしたり、買い物したりと連れまわされるようになったのです。

 あの怖い侯爵さまが頭を過り、断りたくっても断れないんですけど!!!!!!

 それ以外は、アルバイトの時間になるとどこからともなく現れアルバイト先まで送ってくれ、帰りは迎えに来てくれるようになったのだ。

 そんなことが毎日になると、学園に行くと仲良くなった女生徒にからかわれるようになるのとともに、心配されるようになったのだ。

 「すごいアピールの仕方ね」

 「やっぱりあれって何かのアピールか何かなんですか?」

 女生徒は笑い出し、事細かく話してくれた。

 侯爵さまのやっていることはこいつは俺の女だから近づくなアピールでした。

 なんでやねん!!!!

 侯爵さまはお姉さまの婚約者だ。

 「でも、あの人すごいわよね」

 「何がですか?」

 「外堀埋めまくっているじゃない?」

 「外堀ですか?」

 「せいぜい頑張りなさい」

 本当に何を言っているかわからないんですけど!!!!

 確かに色々なお店を回り、試着したりおいしいスイーツを頂いたりとデートと言えなくもない行為はしているが、それだけだ。

 今日も侯爵さまは待っていた。

 二人並んで歩き、お店を回りおしゃべりした。

 楽しいが、本当にこれでいいのか迷うときがある。

 「今日はどこに行こうか?」

 「どこと言われましても、大体行きつくしたと思いますよ?」

 「そうか、なら今日は日替わりパフェを食べに行こう」

 侯爵さまは私の腕を掴むと走り出したのだ。

 「ちょっ、ちょっと待ってください」

 つられて走り出した私を見て微笑むとニコニコしながらこちらを見ている。

 はっきり言って甘いです!!!!

 あっま~~い!!!!

 そう叫ばれても頷ける甘々ぶりです。


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