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アノーのテーブル②
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翌日、ほとんど寝付けなかったせいか、顔にはくっきりクマが出来ていた。お義母様が心配してもう少しベッドで休むようにと促したが、やんわりと断わった。
イルギアス様のご訪問が待ちきれず、2階廊下の窓から馬車道につながる専用の小道を見守った。
しかし、逸る気持ちとは裏腹にイルギアス様を乗せた馬車はなかなか現れなかった。
夕暮れが差し掛かる頃、王宮用の馬車と護衛を乗せた馬達が”プチバトゥ”に向かって走ってくるのが見えた。
転ぶように、1階まで降りると玄関のドアから飛び出した。走ったせいで上がる息を整えていると、馬車が止まり中からイルギアス様と、アレン様、アレン様の従者であるハッサンが降りて来た。
予想外のアレン様の姿に驚き、ぜえぜえしていた息を飲みこんだ。
「アーリス様、お待たせして誠に申し訳ございません。昨日のことを陛下にご報告していた時に、アレン様が偶々いらしてご一緒することになりました。」
「アーリス嬢、驚かしてしまったようだな。イルギアス殿から兄上に闇魔法のサーナを掛けると聞いて一緒に同行したいと申し出たのだ。私の準備が整うまで少し時間が掛かってしまった。待たせたのなら申し訳なかった。」
「アレン様、立太子式のご準備でお忙しいのではないのですか?こちらに来られて良かったのでしょうか?」
「ああ。確かに忙しい。だが、王族に魔法を掛けるのであれば本来立ち会いが必要なのだ。魔法を掛けて兄上の身に万が一のことがあったら、最悪イルギアス殿とアーリス嬢に嫌疑が掛けられることになる。初回だけでも私が責任を持って立ち会った方が良いと判断して来たのだ。明日、早朝に東宮には戻らなければならないので早速行おう。兄上は今どこにいる?」
最後の言葉は訪問者を迎えに来たイーリスに掛けられた。
「今のお時間ですと、まだガゼボにいらっしゃると思われます。ご案内いたします。」
「アレン殿下、準備がございますのでアーリス様と私は先に邸内に入らせていただきます。」
イーリスとアレン様、ハッサンと護衛達は庭に、私とイルギアス様は”プチバトゥ”へ歩いて行った。
邸内に足を進めながらイルギアス様は他の者に聞こえないくらい小さな声で囁くように話しかけて来た。
「アレン殿下が同行したいと強く願われたので、遅くなり申し訳ございません。」
「いいえ、それは仕方がないですわ。魔道具は完成できましたか?」
「はい。今朝方完成いたしました。アレン殿下に本当のことを説明するには、人目がありできませんでした。後ほど人払いをして説明いたします。公爵夫人はいまどちらにいらっしゃいますか?」
「イルギアス様が到着されるまで、部屋で待機していただいています。もうまもなくこちらに来られると思います。」
「時間があまり無いので、立ち会いの際に人払いをしてアレン殿下に説明いたします。公爵夫人には席を外して貰わねばなりません。ご理解いただけますか?」
「わかりました。私からもお義母様に説明いたします。ところで、どこで魔法を行う予定なのでしょうか?」
「小さい部屋で良いので、私が滞在する予定の部屋で行います。先程、アレン殿下にもその旨説明していますので、まもなくクリストファー殿下と共にそちらにいらっしゃると思います。」
そう話している最中に、2階から階段を降りてくるお義母様の姿が見えた。アレン様がいらしたこと、魔法の最中は気配に過敏となる為多くの人数は立ち会えないと説明すると、最初は難色を示したがアレン殿下が立ち会うならと理解していただいた。部屋までは一緒に行ってアレン様にご挨拶したいとのことだったので、お義母様とイルギアス様と共に向かうことになり、遠く離れて待機していた侍女に案内を頼み、私たちは部屋へ移動した。
ーーーーーーーーーー
部屋で待機していると、間もなくクリス様とアレン様がやってきた。イルギアス様が人払いが必要と説明し、お義母様やハッサン、護衛達は部屋から退室していただいた。お義母様は最後にぎゅっと私の手を握ると黙って去って行った。
部屋にはクリス様、アレン様、イルギアス様、私の4人だけとなった。
「クリストファー殿下、魔法を使用すると意識を失う可能性がございます。ベッドに横たわっていただけますか。」
クリス様は頷き、ベッドへ横たわった。
イルギアス様はそれを見守ると徐に右手を上げると、”スリープ”と口ずさんだ。
ガクッとクリス様の頭が枕に落ち、すぐに寝息が聴こえてきた。
「えっ?イルギアス殿!兄上に何をしたんだ!」
「アレン殿下、お話がございます。」
アレン様の焦った声とイルギアス様の落ち着いた静かな声が交錯した。
「──事情は分かった。だが、”アノーのテーブル”等聞いたことがない。兄上に悪い影響はないのか?」
イルギアス様の説明を聞いて理解はされたようだが、どう捉えて良いのか戸惑ったように首を傾げた。
「はい。時間をかけることでクリストファー殿下に与える影響は最小限に抑える予定でございます。なお、陛下にはこの魔法の使用については既に許可は頂いております。」
「むっ・・・そうか・・・分かった。兄上はもうその魔法にかかっているのか?」
「いいえ、今は眠っていただいているだけです。意識があると拒否される可能性がありますのでこのまま続行いたします。」
そう言うと、鞄から魔法道具を出すとベッドサイドチェストの上に置いた。見た目は前世のティッシュケース位の大きさで、周りは何かの皮で覆われている。真ん中には穴が空いており、黄緑色の液体で満たされていた。近づくと薬草のツンとした匂いが鼻についた。
「アーリス様、こちら側からクリストファー殿下の手をお取りください。この魔道具にお二人の手を浸すように出来ますでしょうか?」
クリス様の手を取り魔道具に浸そうとするが、立ったままでは高さがあわず、ベッドサイドに跪き体勢を整えた。
「アーリス様、その体勢は苦しくありませんか?」
「大丈夫です。時間がないので進めましょう。」
それ以上はイルギアス様も何も言わず、小さな鈴のような物を握りしめ、反対側のベッドサイドからクリス様のもう一方の手を握った。
「アーリス様、右手を此方に伸ばしていただけますか?」空いていた右手を伸ばすが、跪いているためかイルギアス様まで手が届かなかった。
イルギアス様はベッドに膝を乗り上げると、私に手を伸ばした。その手には金色の羽根が握られていた。
「それでは開始いたします。アレン殿下、アーリス様よろしいでしょうか。」
私とアレン様が頷くと、イルギアス様は唄うように詠唱を始めた。
その時、
立ったまま私たちを見守っていたアレン様の身体が、グラッと傾げたのが目の端に映った。
確かめる為に体を僅かに起こし、アレン様の方向に目を向けた。
アレン様がじっと、私とクリス様の手が浸された魔法道具を見つめていたのが分かった。
「・・・だ・・・なの・・・」
何か小さく呟いたようだが、イルギアス様の詠唱に掻き消され、何を言ったのかハッキリと聞こえなかった。イルギアス様はアレン様に背を向けて詠唱を唱えている為、アレン様の様子に気づいていないようだった。
イルギアス様に声を掛けようか躊躇っていると、アレン様がフラフラと魔法道具に近寄ってきた。
「イルギアス様!アレン様のご様子がおかしいです!」
私が叫ぶのと、イルギアス様が詠唱を終えてアレン様に目を向けるのと、アレン様が魔法道具に浸された私とクリス様の手を握るのと、ほぼ同時だった。
「アレン殿下!すぐに手を離しーー」
イルギアス様の慌てた声を聞いたのを最後に、ズルッと身体が真下に落ちるような感覚がし、目の前が真っ暗になった。
イルギアス様のご訪問が待ちきれず、2階廊下の窓から馬車道につながる専用の小道を見守った。
しかし、逸る気持ちとは裏腹にイルギアス様を乗せた馬車はなかなか現れなかった。
夕暮れが差し掛かる頃、王宮用の馬車と護衛を乗せた馬達が”プチバトゥ”に向かって走ってくるのが見えた。
転ぶように、1階まで降りると玄関のドアから飛び出した。走ったせいで上がる息を整えていると、馬車が止まり中からイルギアス様と、アレン様、アレン様の従者であるハッサンが降りて来た。
予想外のアレン様の姿に驚き、ぜえぜえしていた息を飲みこんだ。
「アーリス様、お待たせして誠に申し訳ございません。昨日のことを陛下にご報告していた時に、アレン様が偶々いらしてご一緒することになりました。」
「アーリス嬢、驚かしてしまったようだな。イルギアス殿から兄上に闇魔法のサーナを掛けると聞いて一緒に同行したいと申し出たのだ。私の準備が整うまで少し時間が掛かってしまった。待たせたのなら申し訳なかった。」
「アレン様、立太子式のご準備でお忙しいのではないのですか?こちらに来られて良かったのでしょうか?」
「ああ。確かに忙しい。だが、王族に魔法を掛けるのであれば本来立ち会いが必要なのだ。魔法を掛けて兄上の身に万が一のことがあったら、最悪イルギアス殿とアーリス嬢に嫌疑が掛けられることになる。初回だけでも私が責任を持って立ち会った方が良いと判断して来たのだ。明日、早朝に東宮には戻らなければならないので早速行おう。兄上は今どこにいる?」
最後の言葉は訪問者を迎えに来たイーリスに掛けられた。
「今のお時間ですと、まだガゼボにいらっしゃると思われます。ご案内いたします。」
「アレン殿下、準備がございますのでアーリス様と私は先に邸内に入らせていただきます。」
イーリスとアレン様、ハッサンと護衛達は庭に、私とイルギアス様は”プチバトゥ”へ歩いて行った。
邸内に足を進めながらイルギアス様は他の者に聞こえないくらい小さな声で囁くように話しかけて来た。
「アレン殿下が同行したいと強く願われたので、遅くなり申し訳ございません。」
「いいえ、それは仕方がないですわ。魔道具は完成できましたか?」
「はい。今朝方完成いたしました。アレン殿下に本当のことを説明するには、人目がありできませんでした。後ほど人払いをして説明いたします。公爵夫人はいまどちらにいらっしゃいますか?」
「イルギアス様が到着されるまで、部屋で待機していただいています。もうまもなくこちらに来られると思います。」
「時間があまり無いので、立ち会いの際に人払いをしてアレン殿下に説明いたします。公爵夫人には席を外して貰わねばなりません。ご理解いただけますか?」
「わかりました。私からもお義母様に説明いたします。ところで、どこで魔法を行う予定なのでしょうか?」
「小さい部屋で良いので、私が滞在する予定の部屋で行います。先程、アレン殿下にもその旨説明していますので、まもなくクリストファー殿下と共にそちらにいらっしゃると思います。」
そう話している最中に、2階から階段を降りてくるお義母様の姿が見えた。アレン様がいらしたこと、魔法の最中は気配に過敏となる為多くの人数は立ち会えないと説明すると、最初は難色を示したがアレン殿下が立ち会うならと理解していただいた。部屋までは一緒に行ってアレン様にご挨拶したいとのことだったので、お義母様とイルギアス様と共に向かうことになり、遠く離れて待機していた侍女に案内を頼み、私たちは部屋へ移動した。
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部屋で待機していると、間もなくクリス様とアレン様がやってきた。イルギアス様が人払いが必要と説明し、お義母様やハッサン、護衛達は部屋から退室していただいた。お義母様は最後にぎゅっと私の手を握ると黙って去って行った。
部屋にはクリス様、アレン様、イルギアス様、私の4人だけとなった。
「クリストファー殿下、魔法を使用すると意識を失う可能性がございます。ベッドに横たわっていただけますか。」
クリス様は頷き、ベッドへ横たわった。
イルギアス様はそれを見守ると徐に右手を上げると、”スリープ”と口ずさんだ。
ガクッとクリス様の頭が枕に落ち、すぐに寝息が聴こえてきた。
「えっ?イルギアス殿!兄上に何をしたんだ!」
「アレン殿下、お話がございます。」
アレン様の焦った声とイルギアス様の落ち着いた静かな声が交錯した。
「──事情は分かった。だが、”アノーのテーブル”等聞いたことがない。兄上に悪い影響はないのか?」
イルギアス様の説明を聞いて理解はされたようだが、どう捉えて良いのか戸惑ったように首を傾げた。
「はい。時間をかけることでクリストファー殿下に与える影響は最小限に抑える予定でございます。なお、陛下にはこの魔法の使用については既に許可は頂いております。」
「むっ・・・そうか・・・分かった。兄上はもうその魔法にかかっているのか?」
「いいえ、今は眠っていただいているだけです。意識があると拒否される可能性がありますのでこのまま続行いたします。」
そう言うと、鞄から魔法道具を出すとベッドサイドチェストの上に置いた。見た目は前世のティッシュケース位の大きさで、周りは何かの皮で覆われている。真ん中には穴が空いており、黄緑色の液体で満たされていた。近づくと薬草のツンとした匂いが鼻についた。
「アーリス様、こちら側からクリストファー殿下の手をお取りください。この魔道具にお二人の手を浸すように出来ますでしょうか?」
クリス様の手を取り魔道具に浸そうとするが、立ったままでは高さがあわず、ベッドサイドに跪き体勢を整えた。
「アーリス様、その体勢は苦しくありませんか?」
「大丈夫です。時間がないので進めましょう。」
それ以上はイルギアス様も何も言わず、小さな鈴のような物を握りしめ、反対側のベッドサイドからクリス様のもう一方の手を握った。
「アーリス様、右手を此方に伸ばしていただけますか?」空いていた右手を伸ばすが、跪いているためかイルギアス様まで手が届かなかった。
イルギアス様はベッドに膝を乗り上げると、私に手を伸ばした。その手には金色の羽根が握られていた。
「それでは開始いたします。アレン殿下、アーリス様よろしいでしょうか。」
私とアレン様が頷くと、イルギアス様は唄うように詠唱を始めた。
その時、
立ったまま私たちを見守っていたアレン様の身体が、グラッと傾げたのが目の端に映った。
確かめる為に体を僅かに起こし、アレン様の方向に目を向けた。
アレン様がじっと、私とクリス様の手が浸された魔法道具を見つめていたのが分かった。
「・・・だ・・・なの・・・」
何か小さく呟いたようだが、イルギアス様の詠唱に掻き消され、何を言ったのかハッキリと聞こえなかった。イルギアス様はアレン様に背を向けて詠唱を唱えている為、アレン様の様子に気づいていないようだった。
イルギアス様に声を掛けようか躊躇っていると、アレン様がフラフラと魔法道具に近寄ってきた。
「イルギアス様!アレン様のご様子がおかしいです!」
私が叫ぶのと、イルギアス様が詠唱を終えてアレン様に目を向けるのと、アレン様が魔法道具に浸された私とクリス様の手を握るのと、ほぼ同時だった。
「アレン殿下!すぐに手を離しーー」
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