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にじゅうご。
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「私の腹黒さが滲み出ているのでしょうか……。」
「なに?そんなに汚いの?君のお腹?」
そう言って汚いものを見るような視線を向けてくるメリル様に、違う!と弁解しようとすれば、冗談。と言われる。
私のガラスのハートはひび割れた…。と床に手をつくと、元気だしなよ。と頭をポンポンされた。
花宮 凛羽 21歳、復活の時である。
ほら、遊んでないで座って。とメリル様に言われ、素早く着席する。
机に置いていた、先ほどの魔法石をメリル様が手に取った。
「凄いね。オニキスみたいに綺麗だ。」
そう言って、魔法石を眺める。
そう。
オニキスみたいと言う表現で分かったと思うが、私が作り出した魔法石は、メリル様が私の魔力検査をした時に言った、魔力の色を表しているかのような黒さだったのである。
「こんな魔法石初めてみたよ。」
クルクルと、綺麗な指先で転がしながらメリル様は言う。
「…失敗、じゃないんですか…?」
ちゃんとできているか不安な私がそう聞くと、わからないね。と言われる。
わからない…?と首をかしげる私に、メリル様は言った。
「属性もわからないし、ちょっと、試してみようか。」
「…え?」
そして、部屋の窓に向かうメリル様を眺めていれば、おいで。と手招きされる。
飼い主に尻尾を振るように近付くと、良い子。と頭を撫でられた。
へへ……へへへ……。
そうだらしなく笑っていると、そんな私を無視して、窓を開ける。
念のためとフードを被れば、人はいないよ。と言われた。
それじゃあ…。と脱ぐと、窓の外に広がる木々を見る。
その中の、一本の大きな木をメリル様が指差し、あれを見ててね。と言った。
何が始まるのだろうかと思いながらも、はい。と返事をして言われた通りに見ていれば、
ボッ
「ハッ⁉︎」
そんな音がして、緑の木は、赤の炎に包まれた。
「……へぇ。なるほどね。」
「め、メリル様⁉︎火事です!木が!木が!」
「うん、ちょっと静かにしててくれる?」
轟々と燃え盛る炎を纏った木を指差し、メリル様に言うと、彼はこちらを見ることなく、無表情でそう言った。
そして、木に向かって手をかざしたと思ったら、
ピキリ
先ほど燃えていた木の方から、そんな音がした。
恐る恐る見れば、
「…えぇぇぇえ⁉︎」
燃えていたはずの木が、氷漬けにされていた。
「え?え?何?…え?」
困惑する私の元に、冷んやりとした空気が流れてくる。
「これもか……。」
よくわからない言葉を呟き、再度手をかざすメリル様に、次は何が起こるのかと、氷漬けの木を見ていれば、
バッ
強風が吹いた。
ビュンビュンと風を切る音が聞こえる。
思わず目をつぶってしまった私は、風がやんだのを感じると、ソッと目を開けた。
「えぇぇぇぇ……。」
なんかもう、反応するのも疲れてきた。
なんと、先ほどまで氷漬けにされていた木が、無くなっていたのである。
「凄いね。リウ。」
「……そうですね。」
こんな凄い魔法を立て続けに見るなんて……。と言えば、そう言うことじゃないんだけどね。と苦笑いされた。
その後、確認が終わったのか、窓を閉めたメリル様に着いて、ソファーに戻る。
何か考え込んでいるメリル様に話しかけることが出来ず、冷めてしまったハーブティーを飲んだ。
……あ、冷めても美味しい。
そうやって待つこと数十分。
流石にそろそろ何かお話を…!と思った頃、メリル様の口が動いた。
「リウ。」
「はい。」
「まだ、僕が持っている属性しか試していないから、確実なことは言えないけど……、」
そう言って、私の目の前に、あの魔法石を持ってきた。
「リウが作ったこの魔法石は、多分、全属性持ちだ。」
「……へ?」
「ま、またまたご冗談を。」
私はそう簡単に騙されませんよ!
そう言って、ヘラっと笑えば、
「何?僕の言っていることが信じられないの?」
冷たい瞳を向けられた。
シュバっ
「め、滅相もございません…っ!!」
「分かればよろしい。」
メリル様にお許しいただけたようで、ホッと胸をなでおろす。
人生で初めて、スライディング土下座と言うものをしたが、案外できるものだな、と思った。
その後、調べたいことが出来た。と言うメリル様に、寮まで送ってもらった。
先ほどの事を知りたくて、教えて欲しいと聞くと、調べてはっきりしたらね。と言われてしまった。
メリル様にそう言われれば、私なんかが聞けるはずもないじゃないか…!
そうして、送ってくれたメリル様に、ありがとうございました。と言い、その背を見送る。
馬車でここまで来ないのはなぜか分からないが、多分、いつも引きこもっているとメリル様が言っていたから、ちょうど良い運動なのだろう。
メリル様に会えたと、ルンルンで寮に帰ろうと振り返ると、
「随分と、楽しそうだな。リウ。」
「—ヒッ!」
鬼の形相をした、ゼノさんがおりましたとさ。
「なに?そんなに汚いの?君のお腹?」
そう言って汚いものを見るような視線を向けてくるメリル様に、違う!と弁解しようとすれば、冗談。と言われる。
私のガラスのハートはひび割れた…。と床に手をつくと、元気だしなよ。と頭をポンポンされた。
花宮 凛羽 21歳、復活の時である。
ほら、遊んでないで座って。とメリル様に言われ、素早く着席する。
机に置いていた、先ほどの魔法石をメリル様が手に取った。
「凄いね。オニキスみたいに綺麗だ。」
そう言って、魔法石を眺める。
そう。
オニキスみたいと言う表現で分かったと思うが、私が作り出した魔法石は、メリル様が私の魔力検査をした時に言った、魔力の色を表しているかのような黒さだったのである。
「こんな魔法石初めてみたよ。」
クルクルと、綺麗な指先で転がしながらメリル様は言う。
「…失敗、じゃないんですか…?」
ちゃんとできているか不安な私がそう聞くと、わからないね。と言われる。
わからない…?と首をかしげる私に、メリル様は言った。
「属性もわからないし、ちょっと、試してみようか。」
「…え?」
そして、部屋の窓に向かうメリル様を眺めていれば、おいで。と手招きされる。
飼い主に尻尾を振るように近付くと、良い子。と頭を撫でられた。
へへ……へへへ……。
そうだらしなく笑っていると、そんな私を無視して、窓を開ける。
念のためとフードを被れば、人はいないよ。と言われた。
それじゃあ…。と脱ぐと、窓の外に広がる木々を見る。
その中の、一本の大きな木をメリル様が指差し、あれを見ててね。と言った。
何が始まるのだろうかと思いながらも、はい。と返事をして言われた通りに見ていれば、
ボッ
「ハッ⁉︎」
そんな音がして、緑の木は、赤の炎に包まれた。
「……へぇ。なるほどね。」
「め、メリル様⁉︎火事です!木が!木が!」
「うん、ちょっと静かにしててくれる?」
轟々と燃え盛る炎を纏った木を指差し、メリル様に言うと、彼はこちらを見ることなく、無表情でそう言った。
そして、木に向かって手をかざしたと思ったら、
ピキリ
先ほど燃えていた木の方から、そんな音がした。
恐る恐る見れば、
「…えぇぇぇえ⁉︎」
燃えていたはずの木が、氷漬けにされていた。
「え?え?何?…え?」
困惑する私の元に、冷んやりとした空気が流れてくる。
「これもか……。」
よくわからない言葉を呟き、再度手をかざすメリル様に、次は何が起こるのかと、氷漬けの木を見ていれば、
バッ
強風が吹いた。
ビュンビュンと風を切る音が聞こえる。
思わず目をつぶってしまった私は、風がやんだのを感じると、ソッと目を開けた。
「えぇぇぇぇ……。」
なんかもう、反応するのも疲れてきた。
なんと、先ほどまで氷漬けにされていた木が、無くなっていたのである。
「凄いね。リウ。」
「……そうですね。」
こんな凄い魔法を立て続けに見るなんて……。と言えば、そう言うことじゃないんだけどね。と苦笑いされた。
その後、確認が終わったのか、窓を閉めたメリル様に着いて、ソファーに戻る。
何か考え込んでいるメリル様に話しかけることが出来ず、冷めてしまったハーブティーを飲んだ。
……あ、冷めても美味しい。
そうやって待つこと数十分。
流石にそろそろ何かお話を…!と思った頃、メリル様の口が動いた。
「リウ。」
「はい。」
「まだ、僕が持っている属性しか試していないから、確実なことは言えないけど……、」
そう言って、私の目の前に、あの魔法石を持ってきた。
「リウが作ったこの魔法石は、多分、全属性持ちだ。」
「……へ?」
「ま、またまたご冗談を。」
私はそう簡単に騙されませんよ!
そう言って、ヘラっと笑えば、
「何?僕の言っていることが信じられないの?」
冷たい瞳を向けられた。
シュバっ
「め、滅相もございません…っ!!」
「分かればよろしい。」
メリル様にお許しいただけたようで、ホッと胸をなでおろす。
人生で初めて、スライディング土下座と言うものをしたが、案外できるものだな、と思った。
その後、調べたいことが出来た。と言うメリル様に、寮まで送ってもらった。
先ほどの事を知りたくて、教えて欲しいと聞くと、調べてはっきりしたらね。と言われてしまった。
メリル様にそう言われれば、私なんかが聞けるはずもないじゃないか…!
そうして、送ってくれたメリル様に、ありがとうございました。と言い、その背を見送る。
馬車でここまで来ないのはなぜか分からないが、多分、いつも引きこもっているとメリル様が言っていたから、ちょうど良い運動なのだろう。
メリル様に会えたと、ルンルンで寮に帰ろうと振り返ると、
「随分と、楽しそうだな。リウ。」
「—ヒッ!」
鬼の形相をした、ゼノさんがおりましたとさ。
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