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第02章 旅立ちと出会い
19 収穫祭
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俺が拉致されてから、フリーズドライの技術に関する騒動は成りをひそめ、今は本格的な販売が開始されたことでいくつかの商会が仕入れにきている状態だ。
その商会の中にはアリプライス商会もやってきたが、どの面下げてきてるんだとワイエノに追い返されていた。
そのほかにも侵入者を送り込んできたと思われる商会や貴族についても断りを入れている。
とまぁ、それでも注文数が多く、魔道機械も2つでは明らかに足りずあれから工場を2つ追加し、機械もそれぞれ3つずつ作った。
言うまでもないことだが、それらにはしっかりとセキュリティをかけており、ワイエノとシエリルの2人でなければ機械が動かないよう仕掛けを施してある。
尤も、そのためにいちいち朝から2人に工場を回ってもらう必要があるがそれは仕方ない。
そうして、過ごすこと一か月と少し、今日俺たちは孤児院へとやって来ていた。
「あっ、スニルこっちこっち」
孤児院に着くとポリーが素早く俺を見つけ手を振ってきたので、俺たちはそのポリーの元に集まった。
余談だが、なぜ俺よりも先に孤児院にいるのかというと、これは村と孤児院をつなぐ転移の魔道具”転移門”を数日前に完成させて設置したからだ。
「今日は、みんなできたんだな」
「うん」
見るとポリーの周りには村長一家が勢ぞろいしていた。
「そりゃぁ、今日は子供たちの初めての収穫だもん、絶対見にこなきゃ」
「そうそう、みんなとても楽しみにしているのよねぇ」
「うむうむ」
「そうだね」
村長一家が言うように、実は今日は孤児院の畑を作り始めてから二か月、最初に植えた野菜の収穫を迎えたというわけだ。
種や苗を植えてからこんなに収穫になるのかと思ったが、考えてみれば地球の作物と同じようなものであって同じではないし、というか、そもそも地球上の作物だってどのくらいで収穫かなんて知らないんだよな。
閑話休題。
子供らは昨日からかなり楽しみのようで畑の前でまだかなまだかなと集まっていた。
「大体集まったようだな。それじゃ、これより収穫を始めようと思う。皆準備はいいか」
「「「うん!」」」
「たのしみー」
ロッドが子供たちの前でそういうと、子供たちはいっせいに返事をした。
「じゃぁ、始めようか」
「やったー! ぼくいちばん」
「あっ、あたしがいちばんだよ」
ロッドの言葉に子供たちが先を争って畑に足を踏み入れていった。
その光景を見つつ村人たちがみんな微笑んでいる。
それから、子供たちのサポートに村人たちが付き、俺たちはそれを眺めていた。
「いい光景だな」
「そうね」
「平和そのものだよ」
「ほんとだね」
ダンクスの言葉にシュンナが答え、俺の言葉にポリーが答えた。
「さて、俺らもやるか」
「おっ、待ってました」
「そうしよっか」
「はい」
そして、俺たちも子供たちに続いて収穫の手伝いをすることにした。
いくら何でも子供らだけでは無理な量があるからな。
「懐かしいなぁ。こういうの」
「スニル?」
「ああ、前世でな。子供ころこうやって芋ほりをしたことがあるんだよ」
前世の小学校時代、近くの畑で芋ほりをするという授業が毎年あったことを思い出した。
あの時の俺たちは、今の孤児院の子供たちと同じようにはしゃいでいたよなぁ。
まぁ、尤もあの時のイモは、どっかの誰かが育てた物だったけどな。
子供らにとっては自分で育てた野菜だからな。
「そっか、そうだよね」
ポリーはそう言って残念そうな顔をしていた。
多分だけど、もし俺がまともに育っていたら、俺もポリーと同じく実家で農業をしていた。
だから、俺の農作業の記憶も前世までさかのぼらなくてもよかったからだ。
まぁ、俺の今世の記憶での農作業はろくでもないものしかないからな。
さて、もはやどうでもいい話はこのくらいにして収穫を続けよう。
「わぁ、おっきい、ほら、おじいちゃんみてー」
「おうおう、確かに大きいなぁ」
「おじいちゃん、わたしのもおおきいよ」
「そうだな、よしよし」
俺たちから少し離れた場所では、子供たちが自分が収穫したジャガイモ、いやこの世界ではマリーモだったなを、ロッドに見せていた。
ロッドとサリーム夫婦はすっかりと子供たちになつかれて、今ではおじいちゃん、おばあちゃんと呼ばれている。
はたから見ていると、本当の祖父母と孫だよな。
ロッドも話し方がやや柔らかくなり、まさに孫と触れ合うじいちゃんって感じだしな。
サリームはサリームで、そんな光景を見ながら微笑んでいるしな。
おっと、そんなサリームの元にも子供たちが自分が収穫したトマト(メイク)をもって見せている。
「ロッドお爺ちゃんとサリームお婆ちゃん、すごく楽しそうだね」
「だな、どうやら頼んで正解だったらしいな」
「うん、2人とも村にいるときはなんだかちょっと元気なかったからね。私たちもちょっと心配していたんだよね」
「そうか」
ポリーはそう言って笑っている。
こうして、子供たちの頑張りや村人たちのサポートのおかげか孤児院初めての収穫は終わったのだった。
収穫の次はといえば、当然実食である。
「さぁ、みんな取れたお野菜をもってきてね」
ノニスが子供たちに収穫した野菜を持ってくるように言った。
「はーい」
ノニスをはじめ村の女性たちは時々やって来ては料理をふるまったり、世話をしていたこともあり子供たちもなついている。
それから料理が始まったわけだが、そこには子供たちも混じっている。
これは、俺が提案した。
自分たちで収穫したものを自分たちで料理して食べる。
このほうが子供たちの今後のやる気にもつながると考えたからだ。
尤も、この提案に院長をはじめ多くの大人たちが危ないからと反対してきた。
もちろん、子供たちはまだ幼いために包丁(ここではナイフ)は使えないし、使わせられない。
日本みたいに子供用の包丁があるわけじゃないからな。
そこで、子供らにやらせるのは、例えば混ぜたり形を作ったりそんなものとしたわけだ。
「ふふっ、ほんとみんなかわいいよね」
「全くだな」
「そうだな。さてと、俺も何か作るか」
シュンナとダンクスと子供たちを見ていると俺もふと何か作りたくなった。
「何を作るの?」
「俺が作れるのは前世の料理だけだからな。そうだなぁ……ポテトでも作るか、簡単だし」
俺はマリーモ(ジャガイモ)を手に取りそういった。
本当ならもっと何か作りたかったんだが、せっかくなら今日収穫したもので作りたかったからな、そうなるとこのマリーモかメイク(トマト)、ミューリ(きゅうり)ぐらいしかない。
あとは、俺にはわからない野菜だしな。
まぁミューリとマリーモでポテサラとかもあるけど、肝心のマヨがない。
となるとできないし、でも油はあるからなぁ、さすがに泳がすほどの油は無理だが、少量の油でやれば問題ないだろ。
そんなわけで、まずはマリーモを手に取りまな板の上に置く。
「ちょっと、スニル君、ナイフは……」
さて切るかそんな風に思っていると、ノニスに止められた。
「いや、大丈夫だよ。昔使ってたから、それにこれ使ってるし」
ここでは余人の目もあるので、一応昔といった。
また、腰に刀を差しているので、刃物は問題ない。
「ほんとに大丈夫、なんだか不安だわぁ」
「大丈夫だよ。お母さん、私も見てるから」
「そう、うーん、わかったわ。気を付けてね」
ノニスはそう言って、不精不精といった感じに元も場所へと戻っていった。
「それで、スニルは何を作るの?」
「ポテトっていうものをな」
「ポテト? なにそれ」
「みんなが好きなものだよ」
ポテトが嫌いな人というのはあまり聞いたことがない。まぁ、どこかにいるとは思うけどな。
実際、俺なんて前世では子供がみんな好きだといわれていたエビフライ、嫌いだったしな。
そんなわけで、まな板の上に置いたマリーモを手に取り、まずは皮むきだ。
「へぇ、うまいね」
「よくやったからな」
ナイフを手に持ち、マリーモの皮をゆっくりと剥いていく。
それが終わると、芽をとる、この世界のジャガもやはり芽に毒があるらしいからな。
そうして、剥かれたマリーモを再びまな板の上に置き、真っ二つにする。
そこから、さらに切り細長くしていく。
「これ、どうするの」
ポリーが隣で不思議そうに見ていた。
「これを揚げるんだよ」
「アゲル? なにそれ?」
この世界には揚げるという料理法がないために、言葉もないためこれは日本語なんだよな。
「まぁ、見てればわかるよ」
というわけで、今度はフライパンに油を投入。
「えっ、そんなに油を入れるの?!」
俺が入れた油の量にポリーは驚愕していた。
フライパンに薄く張るぐらいの油の量しか入れていないが、この辺りではこれすら珍しいことだそうだ。
「ああ、本来はもっと油を入れるんだけどな。もったいないからな」
ちなみに、俺がフライパンを持った時、背後から視線を感じたので振り返るとそこには不安そうな表情をしたノニスがいたが、俺は見なかったことにして続けることにした。
「よし、こんなもんか」
適度に温まった油の中に、先ほど切ったマリーモを数本入れる。
油が少量のため揚げる量も少なくなってしまうな。
まぁ、仕方ないか。
そんなわけで、いい感じで揚がってきたマリーモを、紙を敷いた皿の上に並べていく。
「なんかいい匂いだね」
「だろ」
「うん、でも、なんで紙なんて敷いているの」
「紙に油を吸わせているんだよ。こうしないと油っぽくなるからな」
べちゃべちゃして食えたもんじゃない。
「そうなんだ」
「よしっ、できた。食ってみるか?」
「うん」
塩を振って完成したところで、そう言うとポリーはなんだか嬉しそうにポテトを一つ口に入れた。
それを見た俺もまた一口、うんうまい懐かしい味だ。
「おいしいね。これ」
「だろ」
「あら、スニル君できたの、私も一ついい?」
「ああ」
ノニスがやってきたので、一つあげた。
「あら、ほんとねおいしい、へぇ、マリーモってこういう風にもできるのね」
「まぁな。あっ、そっか」
「どうしたの」
俺がポンと手を打ちながらあることを思い出していると、ノニスとポリーがそろって首をかしげて聞いてきた。
さすが親子、仕草が似てるな。
とまぁ、そんなことはいいとして、今は俺が思いついたこと、というか思い出したものだ。
ていうか、なんで俺は最初に思い出さなかったんだろうな。
「コロッケを忘れてた」
「コロッケ? なーにそれ」
「マリーモを使った料理だよ。よしっ、材料もあるしさっそく作るか」
「手伝うよ」
「おう」
というわけで、今度はコロッケつくりに入った。
「まず、何をするの?」
「そうだな、普通ならじゃが、いや、マリーモから入るんだけど、ダンクス」
「ん、なんだ、スニル」
コロッケに必要不可欠なものを用意するためにダンクスを呼んだ。
「悪いが、この肉を細かくしてくれ」
「肉をか? なんでまた」
「これから作るものにはひき肉って言って、細かくした肉が必要なんだよ」
「? まぁ、よくわからないが、いいぜ、それで、細かくってどのくらいだ」
そう言うダンクスに俺は肉のひとかけらを潰しひき肉と変えていく。
「このぐらいだな」
「こんなにか、わかったぜ。任せろ」
さて、ひき肉のことはダンクスに任せるとして、今度はマリーモの皮をむいて、適度に切ってから、鍋に入れていく。
「あとはこれを塩ゆでにしていくわけだ」
「へぇ、あっそれは私に任せて」
「おう、じゃぁ、任せた」
「うん」
というわけで、ジャガはポリーが見ていてくれるので、俺は玉ねぎの準備だな。
そんなわけで、俺は玉ねぎを準備する。
ああ、ちなみにこの世界で玉ねぎは、マルネットというらしい。
これをみじん切りにしてから、フライパンで痛めていく。
この時、昔ならあめ色になるまで炒めるというが、確か玉ねぎってあまり痛めすぎるとなんかの栄養が出ていくって聞いたんだよな。だから、適度に炒めることにする。
「スニル、できたぞ、これでいいのか」
玉ねぎが大体痛めたところで、ダンクスからタイミングよく声がかかった。
「ああ、それじゃ、それをここに入れてくれ」
「おう」
ダンクスにひき肉を玉ねぎを炒めているフライパンに入れてもらう、それらをまとめてさらに炒めていく。
もちろん、この時に塩コショウと砂糖を入れ味を調整する。
余談だが、コショウというと、異世界ものではよく高価なものとして言われているが、この世界でもそれは同じだそうだ。
しかし、コショウや砂糖の産地が南のブリザリア王国で、そこで手に入れたものを王国に入れる際にここカリブリンを通るわけで、ある程度この街に落としていく。
そのため、カリブリンでは多少裕福な家庭であればコショウや砂糖を当たり前に使えるという。
もともと孤児院では使えない代物だったので、俺が個人的に仕入れてきた。
まぁ、今後は孤児院でもコショウや砂糖はそれなりに使えるようになると思う。
さて、コショウの話はこれぐらいして、料理の続きだ。
おっと、コショウについて考えている間に、肉にも火が通り、いい感じになってきた。
そこで、一口味見をしてみる……うん、いいかな。
あとは、火から離して適温に冷ましておく。
マリーモのほうはどうだろうか、そろそろゆであがったころだろう。
そう思ってポリーのほうを見てみると、いい感じにゆであがっていた。
「おっ、いいじゃないか、そろそろ火から離してもいいぞ」
「うん、それで、これどうするの?」
「ああ、その残った湯は捨てて、あとはつぶすんだ」
「つぶすの?」
「そっ」
「わかった」
ポリーはそういうと鍋の中の湯を捨ててから、スプーンを使ってつぶし始めた。
それを俺は横から見ているわけだ。
「スニル君、そっちは大丈夫?」
ここで、再びノニスがやってきた。
「ああ」
「ふぅ、できたよ。これでいいの?」
ポリーがどうかと聞いてきたので確認すると、うまくつぶれているようだ。
「ああ、それでいい、あとは、こいつと合わせてっと」
俺はポリーがつぶしたマリーモに先ほど俺が痛めた肉と玉ねぎを入れて混ぜていく。
「へぇ、合わせるのね」
「ああ、あとはこれを手に取って、ってアツッ」
「大丈夫?」
「あ、ああ、なんとか、っと」
やけどするほどではないが、結構熱い。
まぁ、できないことはないからな。
そうして、形を整えていくわけだが、今回は小判型とした。
やっぱり、コロッケと言ったら小判だよな。
まぁ、うちの実家は俵型だったけどな。
「その形にすればいいの」
「そうそう」
「わたしも手伝うわ」
ノニスも加わって、3人であっという間にすべてを小判型に成形した。
「あとは、これを小麦、卵パン粉をつけていくんだ」
この世界でも小麦は小麦というんだよな。
「わかった、でも、パン粉ってなに?」
「ああ、今ダンクスにやってもらってる」
「おい、スニルこれでいいのか?」
ちょうどその時ダンクスがパン粉をもってやってきた。
「ああ、そうそう、これでいいんだよ」
「なにこれ」
「パン粉といって、パンを細かくしたものだな」
「なんか、そんなのばかりだな」
「まぁな、でも、これがうまいんだよ」
というわけで、小判型にしたコロッケの種に小麦と卵とパン粉をつけていく。
「あとは、こいつを揚げていくんだ」
「アゲルって、さっきのポテトと一緒」
「そうそう」
そんなわけで、コロッケを揚げていく。
そうして、出来上がったのはコロッケである。
「さぁ、食ってみてくれ」
「う、うん……あっ、なにこれ!」
「おいしい」
「うまっ! なんだよこれ!」
ポリーとノニス、ダンクスの3人にはかなり好評だった。
こうして、俺はポテトとコロッケという揚げ物ばかりを作ったのだった。
ちょっと、重かったかとも思ったが、ノニス達が作ったものがさっぱりしたものばかりなので問題ないだろう。
その後、収穫祭はうまい飯と子供たちの笑顔により盛り上がったのであった。
もちろん、俺が作った2つは子供たちをはじめ全員に好評であり、みんなにレシピを教えたのは言うまでもないだろう。
その商会の中にはアリプライス商会もやってきたが、どの面下げてきてるんだとワイエノに追い返されていた。
そのほかにも侵入者を送り込んできたと思われる商会や貴族についても断りを入れている。
とまぁ、それでも注文数が多く、魔道機械も2つでは明らかに足りずあれから工場を2つ追加し、機械もそれぞれ3つずつ作った。
言うまでもないことだが、それらにはしっかりとセキュリティをかけており、ワイエノとシエリルの2人でなければ機械が動かないよう仕掛けを施してある。
尤も、そのためにいちいち朝から2人に工場を回ってもらう必要があるがそれは仕方ない。
そうして、過ごすこと一か月と少し、今日俺たちは孤児院へとやって来ていた。
「あっ、スニルこっちこっち」
孤児院に着くとポリーが素早く俺を見つけ手を振ってきたので、俺たちはそのポリーの元に集まった。
余談だが、なぜ俺よりも先に孤児院にいるのかというと、これは村と孤児院をつなぐ転移の魔道具”転移門”を数日前に完成させて設置したからだ。
「今日は、みんなできたんだな」
「うん」
見るとポリーの周りには村長一家が勢ぞろいしていた。
「そりゃぁ、今日は子供たちの初めての収穫だもん、絶対見にこなきゃ」
「そうそう、みんなとても楽しみにしているのよねぇ」
「うむうむ」
「そうだね」
村長一家が言うように、実は今日は孤児院の畑を作り始めてから二か月、最初に植えた野菜の収穫を迎えたというわけだ。
種や苗を植えてからこんなに収穫になるのかと思ったが、考えてみれば地球の作物と同じようなものであって同じではないし、というか、そもそも地球上の作物だってどのくらいで収穫かなんて知らないんだよな。
閑話休題。
子供らは昨日からかなり楽しみのようで畑の前でまだかなまだかなと集まっていた。
「大体集まったようだな。それじゃ、これより収穫を始めようと思う。皆準備はいいか」
「「「うん!」」」
「たのしみー」
ロッドが子供たちの前でそういうと、子供たちはいっせいに返事をした。
「じゃぁ、始めようか」
「やったー! ぼくいちばん」
「あっ、あたしがいちばんだよ」
ロッドの言葉に子供たちが先を争って畑に足を踏み入れていった。
その光景を見つつ村人たちがみんな微笑んでいる。
それから、子供たちのサポートに村人たちが付き、俺たちはそれを眺めていた。
「いい光景だな」
「そうね」
「平和そのものだよ」
「ほんとだね」
ダンクスの言葉にシュンナが答え、俺の言葉にポリーが答えた。
「さて、俺らもやるか」
「おっ、待ってました」
「そうしよっか」
「はい」
そして、俺たちも子供たちに続いて収穫の手伝いをすることにした。
いくら何でも子供らだけでは無理な量があるからな。
「懐かしいなぁ。こういうの」
「スニル?」
「ああ、前世でな。子供ころこうやって芋ほりをしたことがあるんだよ」
前世の小学校時代、近くの畑で芋ほりをするという授業が毎年あったことを思い出した。
あの時の俺たちは、今の孤児院の子供たちと同じようにはしゃいでいたよなぁ。
まぁ、尤もあの時のイモは、どっかの誰かが育てた物だったけどな。
子供らにとっては自分で育てた野菜だからな。
「そっか、そうだよね」
ポリーはそう言って残念そうな顔をしていた。
多分だけど、もし俺がまともに育っていたら、俺もポリーと同じく実家で農業をしていた。
だから、俺の農作業の記憶も前世までさかのぼらなくてもよかったからだ。
まぁ、俺の今世の記憶での農作業はろくでもないものしかないからな。
さて、もはやどうでもいい話はこのくらいにして収穫を続けよう。
「わぁ、おっきい、ほら、おじいちゃんみてー」
「おうおう、確かに大きいなぁ」
「おじいちゃん、わたしのもおおきいよ」
「そうだな、よしよし」
俺たちから少し離れた場所では、子供たちが自分が収穫したジャガイモ、いやこの世界ではマリーモだったなを、ロッドに見せていた。
ロッドとサリーム夫婦はすっかりと子供たちになつかれて、今ではおじいちゃん、おばあちゃんと呼ばれている。
はたから見ていると、本当の祖父母と孫だよな。
ロッドも話し方がやや柔らかくなり、まさに孫と触れ合うじいちゃんって感じだしな。
サリームはサリームで、そんな光景を見ながら微笑んでいるしな。
おっと、そんなサリームの元にも子供たちが自分が収穫したトマト(メイク)をもって見せている。
「ロッドお爺ちゃんとサリームお婆ちゃん、すごく楽しそうだね」
「だな、どうやら頼んで正解だったらしいな」
「うん、2人とも村にいるときはなんだかちょっと元気なかったからね。私たちもちょっと心配していたんだよね」
「そうか」
ポリーはそう言って笑っている。
こうして、子供たちの頑張りや村人たちのサポートのおかげか孤児院初めての収穫は終わったのだった。
収穫の次はといえば、当然実食である。
「さぁ、みんな取れたお野菜をもってきてね」
ノニスが子供たちに収穫した野菜を持ってくるように言った。
「はーい」
ノニスをはじめ村の女性たちは時々やって来ては料理をふるまったり、世話をしていたこともあり子供たちもなついている。
それから料理が始まったわけだが、そこには子供たちも混じっている。
これは、俺が提案した。
自分たちで収穫したものを自分たちで料理して食べる。
このほうが子供たちの今後のやる気にもつながると考えたからだ。
尤も、この提案に院長をはじめ多くの大人たちが危ないからと反対してきた。
もちろん、子供たちはまだ幼いために包丁(ここではナイフ)は使えないし、使わせられない。
日本みたいに子供用の包丁があるわけじゃないからな。
そこで、子供らにやらせるのは、例えば混ぜたり形を作ったりそんなものとしたわけだ。
「ふふっ、ほんとみんなかわいいよね」
「全くだな」
「そうだな。さてと、俺も何か作るか」
シュンナとダンクスと子供たちを見ていると俺もふと何か作りたくなった。
「何を作るの?」
「俺が作れるのは前世の料理だけだからな。そうだなぁ……ポテトでも作るか、簡単だし」
俺はマリーモ(ジャガイモ)を手に取りそういった。
本当ならもっと何か作りたかったんだが、せっかくなら今日収穫したもので作りたかったからな、そうなるとこのマリーモかメイク(トマト)、ミューリ(きゅうり)ぐらいしかない。
あとは、俺にはわからない野菜だしな。
まぁミューリとマリーモでポテサラとかもあるけど、肝心のマヨがない。
となるとできないし、でも油はあるからなぁ、さすがに泳がすほどの油は無理だが、少量の油でやれば問題ないだろ。
そんなわけで、まずはマリーモを手に取りまな板の上に置く。
「ちょっと、スニル君、ナイフは……」
さて切るかそんな風に思っていると、ノニスに止められた。
「いや、大丈夫だよ。昔使ってたから、それにこれ使ってるし」
ここでは余人の目もあるので、一応昔といった。
また、腰に刀を差しているので、刃物は問題ない。
「ほんとに大丈夫、なんだか不安だわぁ」
「大丈夫だよ。お母さん、私も見てるから」
「そう、うーん、わかったわ。気を付けてね」
ノニスはそう言って、不精不精といった感じに元も場所へと戻っていった。
「それで、スニルは何を作るの?」
「ポテトっていうものをな」
「ポテト? なにそれ」
「みんなが好きなものだよ」
ポテトが嫌いな人というのはあまり聞いたことがない。まぁ、どこかにいるとは思うけどな。
実際、俺なんて前世では子供がみんな好きだといわれていたエビフライ、嫌いだったしな。
そんなわけで、まな板の上に置いたマリーモを手に取り、まずは皮むきだ。
「へぇ、うまいね」
「よくやったからな」
ナイフを手に持ち、マリーモの皮をゆっくりと剥いていく。
それが終わると、芽をとる、この世界のジャガもやはり芽に毒があるらしいからな。
そうして、剥かれたマリーモを再びまな板の上に置き、真っ二つにする。
そこから、さらに切り細長くしていく。
「これ、どうするの」
ポリーが隣で不思議そうに見ていた。
「これを揚げるんだよ」
「アゲル? なにそれ?」
この世界には揚げるという料理法がないために、言葉もないためこれは日本語なんだよな。
「まぁ、見てればわかるよ」
というわけで、今度はフライパンに油を投入。
「えっ、そんなに油を入れるの?!」
俺が入れた油の量にポリーは驚愕していた。
フライパンに薄く張るぐらいの油の量しか入れていないが、この辺りではこれすら珍しいことだそうだ。
「ああ、本来はもっと油を入れるんだけどな。もったいないからな」
ちなみに、俺がフライパンを持った時、背後から視線を感じたので振り返るとそこには不安そうな表情をしたノニスがいたが、俺は見なかったことにして続けることにした。
「よし、こんなもんか」
適度に温まった油の中に、先ほど切ったマリーモを数本入れる。
油が少量のため揚げる量も少なくなってしまうな。
まぁ、仕方ないか。
そんなわけで、いい感じで揚がってきたマリーモを、紙を敷いた皿の上に並べていく。
「なんかいい匂いだね」
「だろ」
「うん、でも、なんで紙なんて敷いているの」
「紙に油を吸わせているんだよ。こうしないと油っぽくなるからな」
べちゃべちゃして食えたもんじゃない。
「そうなんだ」
「よしっ、できた。食ってみるか?」
「うん」
塩を振って完成したところで、そう言うとポリーはなんだか嬉しそうにポテトを一つ口に入れた。
それを見た俺もまた一口、うんうまい懐かしい味だ。
「おいしいね。これ」
「だろ」
「あら、スニル君できたの、私も一ついい?」
「ああ」
ノニスがやってきたので、一つあげた。
「あら、ほんとねおいしい、へぇ、マリーモってこういう風にもできるのね」
「まぁな。あっ、そっか」
「どうしたの」
俺がポンと手を打ちながらあることを思い出していると、ノニスとポリーがそろって首をかしげて聞いてきた。
さすが親子、仕草が似てるな。
とまぁ、そんなことはいいとして、今は俺が思いついたこと、というか思い出したものだ。
ていうか、なんで俺は最初に思い出さなかったんだろうな。
「コロッケを忘れてた」
「コロッケ? なーにそれ」
「マリーモを使った料理だよ。よしっ、材料もあるしさっそく作るか」
「手伝うよ」
「おう」
というわけで、今度はコロッケつくりに入った。
「まず、何をするの?」
「そうだな、普通ならじゃが、いや、マリーモから入るんだけど、ダンクス」
「ん、なんだ、スニル」
コロッケに必要不可欠なものを用意するためにダンクスを呼んだ。
「悪いが、この肉を細かくしてくれ」
「肉をか? なんでまた」
「これから作るものにはひき肉って言って、細かくした肉が必要なんだよ」
「? まぁ、よくわからないが、いいぜ、それで、細かくってどのくらいだ」
そう言うダンクスに俺は肉のひとかけらを潰しひき肉と変えていく。
「このぐらいだな」
「こんなにか、わかったぜ。任せろ」
さて、ひき肉のことはダンクスに任せるとして、今度はマリーモの皮をむいて、適度に切ってから、鍋に入れていく。
「あとはこれを塩ゆでにしていくわけだ」
「へぇ、あっそれは私に任せて」
「おう、じゃぁ、任せた」
「うん」
というわけで、ジャガはポリーが見ていてくれるので、俺は玉ねぎの準備だな。
そんなわけで、俺は玉ねぎを準備する。
ああ、ちなみにこの世界で玉ねぎは、マルネットというらしい。
これをみじん切りにしてから、フライパンで痛めていく。
この時、昔ならあめ色になるまで炒めるというが、確か玉ねぎってあまり痛めすぎるとなんかの栄養が出ていくって聞いたんだよな。だから、適度に炒めることにする。
「スニル、できたぞ、これでいいのか」
玉ねぎが大体痛めたところで、ダンクスからタイミングよく声がかかった。
「ああ、それじゃ、それをここに入れてくれ」
「おう」
ダンクスにひき肉を玉ねぎを炒めているフライパンに入れてもらう、それらをまとめてさらに炒めていく。
もちろん、この時に塩コショウと砂糖を入れ味を調整する。
余談だが、コショウというと、異世界ものではよく高価なものとして言われているが、この世界でもそれは同じだそうだ。
しかし、コショウや砂糖の産地が南のブリザリア王国で、そこで手に入れたものを王国に入れる際にここカリブリンを通るわけで、ある程度この街に落としていく。
そのため、カリブリンでは多少裕福な家庭であればコショウや砂糖を当たり前に使えるという。
もともと孤児院では使えない代物だったので、俺が個人的に仕入れてきた。
まぁ、今後は孤児院でもコショウや砂糖はそれなりに使えるようになると思う。
さて、コショウの話はこれぐらいして、料理の続きだ。
おっと、コショウについて考えている間に、肉にも火が通り、いい感じになってきた。
そこで、一口味見をしてみる……うん、いいかな。
あとは、火から離して適温に冷ましておく。
マリーモのほうはどうだろうか、そろそろゆであがったころだろう。
そう思ってポリーのほうを見てみると、いい感じにゆであがっていた。
「おっ、いいじゃないか、そろそろ火から離してもいいぞ」
「うん、それで、これどうするの?」
「ああ、その残った湯は捨てて、あとはつぶすんだ」
「つぶすの?」
「そっ」
「わかった」
ポリーはそういうと鍋の中の湯を捨ててから、スプーンを使ってつぶし始めた。
それを俺は横から見ているわけだ。
「スニル君、そっちは大丈夫?」
ここで、再びノニスがやってきた。
「ああ」
「ふぅ、できたよ。これでいいの?」
ポリーがどうかと聞いてきたので確認すると、うまくつぶれているようだ。
「ああ、それでいい、あとは、こいつと合わせてっと」
俺はポリーがつぶしたマリーモに先ほど俺が痛めた肉と玉ねぎを入れて混ぜていく。
「へぇ、合わせるのね」
「ああ、あとはこれを手に取って、ってアツッ」
「大丈夫?」
「あ、ああ、なんとか、っと」
やけどするほどではないが、結構熱い。
まぁ、できないことはないからな。
そうして、形を整えていくわけだが、今回は小判型とした。
やっぱり、コロッケと言ったら小判だよな。
まぁ、うちの実家は俵型だったけどな。
「その形にすればいいの」
「そうそう」
「わたしも手伝うわ」
ノニスも加わって、3人であっという間にすべてを小判型に成形した。
「あとは、これを小麦、卵パン粉をつけていくんだ」
この世界でも小麦は小麦というんだよな。
「わかった、でも、パン粉ってなに?」
「ああ、今ダンクスにやってもらってる」
「おい、スニルこれでいいのか?」
ちょうどその時ダンクスがパン粉をもってやってきた。
「ああ、そうそう、これでいいんだよ」
「なにこれ」
「パン粉といって、パンを細かくしたものだな」
「なんか、そんなのばかりだな」
「まぁな、でも、これがうまいんだよ」
というわけで、小判型にしたコロッケの種に小麦と卵とパン粉をつけていく。
「あとは、こいつを揚げていくんだ」
「アゲルって、さっきのポテトと一緒」
「そうそう」
そんなわけで、コロッケを揚げていく。
そうして、出来上がったのはコロッケである。
「さぁ、食ってみてくれ」
「う、うん……あっ、なにこれ!」
「おいしい」
「うまっ! なんだよこれ!」
ポリーとノニス、ダンクスの3人にはかなり好評だった。
こうして、俺はポテトとコロッケという揚げ物ばかりを作ったのだった。
ちょっと、重かったかとも思ったが、ノニス達が作ったものがさっぱりしたものばかりなので問題ないだろう。
その後、収穫祭はうまい飯と子供たちの笑顔により盛り上がったのであった。
もちろん、俺が作った2つは子供たちをはじめ全員に好評であり、みんなにレシピを教えたのは言うまでもないだろう。
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