176 / 200
第5章 ダンジョンに行こう
176 まさかの全種類
しおりを挟む
道順も知っているようで、どんどんと進んでいく。
途中で本当に植物系のモンスターが現れたけど、姿を確認する前に妖精が燃やしてしまった。
どうやら何種類もの魔法が使えるらしく、近距離なら火炎放射器のような魔法、遠距離ならファイヤーアローのような魔法を使っていた。
魔法紙の事があるので、1人で1つの魔法だと思い込んでたわ。
「妖精って、どれだけの魔法が使えるんです?」
「どれだけ?」
「どういう意味?」
「えっと、種類とか数とか系統とか、そんな感じです」
「全部ね」
「全部よ」
「全部?!」
赤の服を着ているイチが炎系を担当していたから単一だと思ってたのに!
まさかの全種類とは。
「でも炎系ばかりでしたよ?!」
「植物系は炎に弱いから」
「他のを使う必要無いしね」
「じゃあ、もし人間相手に使うとしたら?」
「どれでも有効じゃない?」
「そうね」
「いや、そうでしょうけど。ちょっと具体的に教えて欲しいな~なんて」
「じゃあ私は土系が好きだから、大量の土を落として生き埋め?」
「じゃあ私は風系が好きだから、周囲の酸素を無くす?」
自分で聞いておきながら後悔した。
めっちゃ恐ろしい事を軽く言われたわ。
ダンジョン内で、大量の土を出されて生き埋めなんて怖すぎる。
規模にもよるけど、その層を埋めるほど土を出されたら対処不能だ。
酸素を無くすのも怖い。
なんて言ったって、確認のしようがない。しかも攻撃されたと気づかない。
死体を発見されても、その場所は空気が薄いとか毒ガスが出てると認識される程度だろう。つまり偶然と言うか事故?と認識されそう。
ラノベでは嫌われそうな攻撃だ。俺も困る。
だってイラストにしにくいし、派手さも無い。
モンスターや獣の綺麗な死骸を入手するなら確実な手だけど、ラノベではせいぜい水魔法で顔を覆うとかくらいだろう。
圧倒的に使用されてないと思う。派手さも無いけど、何よりも対抗手段を思いつかないからじゃないかな?
使える主人公と対峙した時に、対抗手段が無ければどんな強敵だろうと無意味。蹂躙されるだけ。正にチート。
これだと面白くならないから、使用魔力量が多い・対象が1体・移動されたらダメ・抗魔法で効かない、等の制限をかけるだろう。
でもその制限ってほとんどが主人公にかけられる物だから、本来チートなら克服出来そう。
唯一「抗魔法で効かない」が相手の能力になるけど、対象に向けてではなく周囲の酸素を減らせば対象の周囲の酸素も減るだろうから意味無い。
全属性、全種類の魔法が使えるって事は、本当に無敵だわ。
弱点なんか無い、完全無欠、チートオブチート。
味方からも怖がられそう。現に俺も妖精にビビってるし。
こんな存在を魔法紙欲しさに追い回す冒険者とか居るんだよなぁ……。
知らないとはいえ、自殺願望でもあるの?ってレベル。
いや、自殺ならまだマシか。国、いや人類を抹殺されても不思議じゃない。
話題を変えなくちゃ、怖くてしょうがないわ。
「そ、そう言えば。俺には魔法を教えてもらえないんですか?」
「覚えたいの?」
「必要無いでしょ?」
「必要無いですか? 便利そうなんですけど」
「具現化で十分」
「仲間も強いみたいだし」
合流する仲間が強いなら必要無いのか?
しかし具現化があれば十分なのはどうしてだろう?
「具現化で十分ってのはどうして?」
「簡単よ」
「妖精を具現化すれば良いでしょ」
「…………あぁ! なるほど!!」
全てを使える妖精を具現化出来るなら、どんな敵だろうと問題無く倒してしまうだろう。
妖精の強さを知ってしまった今となっては、それが確かに一番確実だ。
「具現化しても良いんですか?」
「問題無いんじゃない?」
「使役は出来ないかもしれないけど」
「使役出来ないってのはどういう事です?」
「例えば魔法紙を作らせるとか」
「そういうのは無理だと思う」
そうなんだ。
確かに確実な方法だよね。
妖精を具現化して魔法紙を作ってもらい、それを販売する。元手要らずのボロ儲けだ。
それは出来ないって事か。
そんな話をしながら歩いていると、とうとう10層に到着した。
途中で本当に植物系のモンスターが現れたけど、姿を確認する前に妖精が燃やしてしまった。
どうやら何種類もの魔法が使えるらしく、近距離なら火炎放射器のような魔法、遠距離ならファイヤーアローのような魔法を使っていた。
魔法紙の事があるので、1人で1つの魔法だと思い込んでたわ。
「妖精って、どれだけの魔法が使えるんです?」
「どれだけ?」
「どういう意味?」
「えっと、種類とか数とか系統とか、そんな感じです」
「全部ね」
「全部よ」
「全部?!」
赤の服を着ているイチが炎系を担当していたから単一だと思ってたのに!
まさかの全種類とは。
「でも炎系ばかりでしたよ?!」
「植物系は炎に弱いから」
「他のを使う必要無いしね」
「じゃあ、もし人間相手に使うとしたら?」
「どれでも有効じゃない?」
「そうね」
「いや、そうでしょうけど。ちょっと具体的に教えて欲しいな~なんて」
「じゃあ私は土系が好きだから、大量の土を落として生き埋め?」
「じゃあ私は風系が好きだから、周囲の酸素を無くす?」
自分で聞いておきながら後悔した。
めっちゃ恐ろしい事を軽く言われたわ。
ダンジョン内で、大量の土を出されて生き埋めなんて怖すぎる。
規模にもよるけど、その層を埋めるほど土を出されたら対処不能だ。
酸素を無くすのも怖い。
なんて言ったって、確認のしようがない。しかも攻撃されたと気づかない。
死体を発見されても、その場所は空気が薄いとか毒ガスが出てると認識される程度だろう。つまり偶然と言うか事故?と認識されそう。
ラノベでは嫌われそうな攻撃だ。俺も困る。
だってイラストにしにくいし、派手さも無い。
モンスターや獣の綺麗な死骸を入手するなら確実な手だけど、ラノベではせいぜい水魔法で顔を覆うとかくらいだろう。
圧倒的に使用されてないと思う。派手さも無いけど、何よりも対抗手段を思いつかないからじゃないかな?
使える主人公と対峙した時に、対抗手段が無ければどんな強敵だろうと無意味。蹂躙されるだけ。正にチート。
これだと面白くならないから、使用魔力量が多い・対象が1体・移動されたらダメ・抗魔法で効かない、等の制限をかけるだろう。
でもその制限ってほとんどが主人公にかけられる物だから、本来チートなら克服出来そう。
唯一「抗魔法で効かない」が相手の能力になるけど、対象に向けてではなく周囲の酸素を減らせば対象の周囲の酸素も減るだろうから意味無い。
全属性、全種類の魔法が使えるって事は、本当に無敵だわ。
弱点なんか無い、完全無欠、チートオブチート。
味方からも怖がられそう。現に俺も妖精にビビってるし。
こんな存在を魔法紙欲しさに追い回す冒険者とか居るんだよなぁ……。
知らないとはいえ、自殺願望でもあるの?ってレベル。
いや、自殺ならまだマシか。国、いや人類を抹殺されても不思議じゃない。
話題を変えなくちゃ、怖くてしょうがないわ。
「そ、そう言えば。俺には魔法を教えてもらえないんですか?」
「覚えたいの?」
「必要無いでしょ?」
「必要無いですか? 便利そうなんですけど」
「具現化で十分」
「仲間も強いみたいだし」
合流する仲間が強いなら必要無いのか?
しかし具現化があれば十分なのはどうしてだろう?
「具現化で十分ってのはどうして?」
「簡単よ」
「妖精を具現化すれば良いでしょ」
「…………あぁ! なるほど!!」
全てを使える妖精を具現化出来るなら、どんな敵だろうと問題無く倒してしまうだろう。
妖精の強さを知ってしまった今となっては、それが確かに一番確実だ。
「具現化しても良いんですか?」
「問題無いんじゃない?」
「使役は出来ないかもしれないけど」
「使役出来ないってのはどういう事です?」
「例えば魔法紙を作らせるとか」
「そういうのは無理だと思う」
そうなんだ。
確かに確実な方法だよね。
妖精を具現化して魔法紙を作ってもらい、それを販売する。元手要らずのボロ儲けだ。
それは出来ないって事か。
そんな話をしながら歩いていると、とうとう10層に到着した。
55
あなたにおすすめの小説
修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。
実際の所、そこは異世界だった。
勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。
奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。
特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。
実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。
クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?
ばふぉりん
ファンタジー
中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!
「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」
「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」
これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。
<前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです>
注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。
(読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。
外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる