悪役令嬢だけど、私としては推しが見れたら十分なんですが?

榎夜

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13話 スカーレットside

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おかしい。

学園に入学したのにハルト殿下との仲は縮まらないじゃん!

なんでよ!学園が舞台でしょ?

だったら入学してすぐにヒロインが好きになるんじゃないの!?

なんか前世の友達が生徒会のイベントが、とか言ってた気がするから生徒会に入ろうと思ったのにお姉様に邪魔されるし!

先生にお願いしたらなんて言われたと思う?

「貴方は生徒会に入れる程成績が良くないし、マナーもなっていないから無理よ」

だって!

私はヒロインなのよ!?

そんなことしなくても皆言うことを聞くべきでしょ!?


何をしても生徒会には入れないってわかったから諦めたわ。

でもそんな事しなくても、いべんと?が勝手に起こるでしょ!

だってゲームってそういうものだし。

そう考えていたのにいべんとが起こる気配が全くない。

なんで?いべんとが無いと好感度?が上がらないとかあるんじゃないの?

あ、もしかして、もう上がらないくらい好感度が高いとか?

そうだとしたらハルト殿下は照れちゃって逃げてるだけなんじゃない?

他の攻略者もそうだったりね!



なんて思っていたら知らない令嬢達に呼び出された。

やっといべんとが起こったわ!って喜んだのもつかの間で殿下とか攻略キャラっぽい人は誰も来なかった。

それどころか、周りにいた生徒全員からのブーイングを受けたわ!

きっとお姉様が手配したのよね!

ヒロインである私を虐めてこいって!

でも、流石にこれは酷いわ!

そう思ったからお姉様に抗議しようとしたのに

「殿下から貰ったアクセサリーやドレスを私から奪い取ってボロボロで返ってくることだったら恨んでいるかもしれないけど......」

なんて皆がいる前で言ったせいで私が悪いみたいになったじゃん!

有り得ないんだけど!

やっぱりお姉様は悪役令嬢なんだ!


それからというもの、ヒロインの私が皆から白い目で見られるようになった。

お姉様は色んな人に囲まれているのに私は常に一人ぼっち。

きっとお姉様が変な噂を流して孤立させてるんだよね!

私はヒロインだから、そんなことで挫けないけどね!!

そう思いながら過ごしていると、急にお父様から呼び出しがかかった。

学園に入ってからお父様とお母様と話すことは全くなかったから驚いちゃった。

「お前は子爵子息の婚約者になった」

私が執務室に入るなり、すぐにそう言われた。

子爵家?そんな下級貴族が婚約者だなんて恥ずかしい!

しかも、私はヒロインよ!?

婚約者がいたら攻略とかそういうのが出来ないじゃん!

しかも私に許可なく決めるなんて...お父様まで私に嫌がらせをしてくるとは思わなかった!

怒りのあまりお父様の話をまともに聞くことなく執務室を出た。

扉の前にお姉様が立っていたから話を聞いてたんだろうな。

絶対、ざまぁみろ、とか思ってるよね!

そう思ったからギロッて睨みつけてから自分の部屋に逃げたわ。

はぁ...最悪。

婚約破棄とか出来ないかなぁ......。

あ、そうだ!

ハルト殿下にお願いしたら聞いてくれるんじゃない?

だって私のこと好きなはずだもん!

そんな奴なんかやめて俺と婚約しようって言ってくれるはず!

そうと決まれば明日、早速話してみよー!



さっきまでの沈んだ気持ちは消え去って、ルンルンとした気分で布団に入った。

早く明日が来ればいい、と願いながら。
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